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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 03 |
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管理番号 | 1200639 |
異議申立番号 | 異議2008-900460 |
総通号数 | 116 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2009-08-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2008-11-17 |
確定日 | 2009-07-15 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5159924号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5159924号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5159924号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成19年9月26日に登録出願され、第3類「頭髪・頭皮用の化粧品,頭髪・頭皮用のせっけん類」を指定商品として平成20年8月15日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人が引用する登録第4685539号商標(以下「引用商標」という。)は、「ヘッドスパ」の文字を横書きしてなり、平成14年3月18日に登録出願され、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として平成15年6月27日に設定登録されたものである。 3 登録異議申立ての理由の要点 本件商標と引用商標とは、「ヘッドスパ」の称呼を共通にする類似の商標であり、かつ、両商標の指定商品も相抵触するものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。 4 当審の判断 (1)本件商標は、別掲のとおりの構成からなるところ、その構成中の「HEAD SPA」及び「ヘッドスパ」の文字については、申立人が甲第3号証として提出する本件商標の審査段階で提出された証拠によれば、以下の事実が認められる。 (ア)自由国民社発行「現代用語の基礎知識」2008年版には、「ヘッドスパ」の項に「頭髪・頭皮のケアとマッサージをするサービス、またその店」を意味する語として搭載されていること。 (イ)インターネットの検索サイト「Yahoo」による検索結果によれば、「ヘッドスパ」の語について163万件余がヒットし、その検索結果リストからは上記意味合いのヘッドスパを行う専門店、美容院等が多数存在することが窺えること。 (ウ)インターネットのウェブサイトにおいて、「ヘッドスパとは、頭皮のケアとリラクゼーションを目的としてトリートメントです。具体的には、シャンプー、頭皮のマッサージ、エッセンシャルオイルや特殊な泥やトニックなどを用いてのトリートメントを行います。」の如く説明されているほか、頭髪・頭皮用のシャンプーや化粧品について、「18種類の天然ハーブでウルオイのヘッドスパ。髪にウルオイをチャージするリラックスヘアケア登場」、「速攻!ツヤ髪サラ髪に!今までにないヘッドスパアイテム」、「今までにないヘッドスパトリートメント!」、「頭皮の健康を取り戻し、毛根から毛先までの発育を促します。また、ふけ・かゆみを防ぐ効果もあります。ジャワ王宮では、ヘッドスパの際に使用されています!」、「『髪にコシ、ハリがない』『頭皮のカユミが気になる』そんなアナタに頭皮スッキリヘアケア! 自宅でヘッドスパ」、「ハーブエキスが頭皮と髪に潤いを与え、毛先までなめらかで美しい髪に仕上げます。ヘッドスパにも使われています。」、「天然成分の恵みで極楽ヘッドスパ体験」、「ポードペシェ ヘッドスパ500mL」等の説明が付されていること。 (2)上記(1)の認定事実によれば、化粧品・せっけん類を取り扱う業界においては、「ヘッドスパ」(head spa)の文字は、本件商標の登録査定時には既に、「頭髪・頭皮のケアとマッサージを行うこと又はその施術を行う店」の意味合いを有する語として知られていると共に、頭髪・頭皮のケアとマッサージに適した商品であることを表す語として普通に使用されていたものというべきである。 (3)そして、本件商標は、上記1のとおり、「頭髪・頭皮用の化粧品,頭髪・頭皮用のせっけん類」について使用をするものであることからすると、本件商標に接する取引者、需要者は、その構成中の「HEAD SPA」及び「ヘッドスパ」の文字部分を頭髪・頭皮のケアとマッサージに適した商品であること、すなわち、商品の用途、品質等を表示したものとして認識し理解するに止まり、自他商品の識別標識として認識し理解するようなことはないというべきであり、該文字部分は自他商品の識別力がないか極めて弱いものといわざるを得ない。 加えて、本件商標の構成中の「KOSE」(「E」の上部にはアクサンテギュが表示されている、以下同じ。)の文字は、株式会社コーセーが化粧品について使用する商標として知られており、また、申立人の提出にかかる甲第5号証によれば、「KOSE COSMEPORT」の文字は、株式会社コーセーの子会社たる「コーセーコスメポート株式会社」の略称として認識される場合もある。 (4)以上を総合すると、本件商標の自他商品識別標識としての要部は、「KOSE」又は「KOSE COSMEPORT」の文字部分というべきであり、本件商標は、「HEAD SPA」及び「ヘッドスパ」の文字部分のみを捉えてこれより生ずる称呼及び観念をもって取引に資されるようなことはないと判断するのが相当である。 そうすると、本件商標は、「コーセー」、「コーセーコスメポート」又は「コーセーコスメポートヘッドスパ」の称呼が生ずるとしても、単なる「ヘッドスパ」の称呼は生じないというべきである。 (5)以上を前提にして、本件商標と引用商標との類否について検討するに、本件商標は、「コーセー」、「コーセーコスメポート」又は「コーセーコスメポートヘッドスパ」の称呼が生ずるのに対し、引用商標はその構成文字に相応して「ヘッドスパ」の称呼を生ずるものであるところ、両商標から生ずる上記称呼は、構成音数の差、「コーセー」、「コーセーコスメポート」の音の有無という顕著な差異により、明瞭に区別することができるものである。また、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものといえる。さらに、本件商標は、全体として親しまれた既成の観念を有する熟語を表したものともいえないから、引用商標とは、観念上比較すべくもない。 してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 本件商標 |
異議決定日 | 2009-06-26 |
出願番号 | 商願2007-100632(T2007-100632) |
審決分類 |
T
1
651・
262-
Y
(03)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 井出 英一郎 |
特許庁審判長 |
芦葉 松美 |
特許庁審判官 |
内山 進 岩崎 良子 |
登録日 | 2008-08-15 |
登録番号 | 商標登録第5159924号(T5159924) |
権利者 | 株式会社コーセー |
商標の称呼 | コーセーコスメポートヘッドスパ、コーセーコスメポート、コーセー、コスメポート、ヘッドスパ |
代理人 | 鈴木 一永 |
代理人 | 涌井 謙一 |
代理人 | 鈴木 正次 |
代理人 | 山本 典弘 |