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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X05 審判 全部申立て 登録を維持 X05 |
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管理番号 | 1200609 |
異議申立番号 | 異議2008-900437 |
総通号数 | 116 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2009-08-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2008-10-31 |
確定日 | 2009-06-22 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5155556号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5155556号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5155556号商標(以下「本件商標」という。)は、「FLUDASE」の文字を標準文字で書してなり、平成20年1月7日に登録出願、第5類「インフルエンザ・パラインフルエンザ及びその他の呼吸器ウイルス疾患の予防用及び治療用の薬剤」を指定商品として、同20年8月1日に設定登録されたものである。 2 引用商標 (1)引用登録第3280398号商標(以下「引用商標1」という。)は、「Fludara」の欧文字を書してなり、平成6年7月20日に登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、同9年4月11日に設定登録されたものである。そして、当該商標権は、同19年2月27日に存続期間の更新登録がされており、現に有効に存続しているものである。 (2)引用登録第3280399号商標(以下「引用商標2」という。)は、「フルダラ」の片仮名文字を書してなり、平成6年7月20日に登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、同9年4月11日に設定登録されたものである。そして、当該商標権は、同19年2月27日に存続期間の更新登録がされており、現に有効に存続しているものである。 3 登録異議申立て理由(要点) 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は「FLUDASE」の欧文字を左横書きしたものであり、これに対し、引用商標1は「Fludara」の欧文字を、引用商標2は「フルダラ」の片仮名を左横書きしたものであるから、本件商標は引用商標1との関係では外観上類似し、かつ両者は前者から生じる「フルダス」の称呼と後者から生じる「フルダラ」の称呼において互いに類似し、また、その指定商品を共通にするものである。 そして、医療の現場においては、事態は緊急を要する場合が少なくなく、また結果の発生において人命に関わることもあるため、医薬品の名称はこれを聞き誤ることは許されない事情は、本件においても充分考慮されて然るべきものと思料する旨述べ、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものであるからその登録は取り消されるべきものであると申し立て、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。 4 当審の判断 (1)本件商標は「FLUDASE」の文字からなるところ、その構成文字に相応して「フルダーゼ」或いは「フルデース」の称呼を生ずるというのが相当であり、特定の観念を想起し得ない造語ということができる。 一方、引用商標1は「Fludara」の文字からなり、この構成文字に相応して「フルダラ」の称呼を生じ、本件商標と同様に特定の観念を想起し得ない造語からなるといえる。また、引用商標2は、「フルダラ」の文字からなり、これに相応して「フルダラ」の称呼を生じ、これも既成語といい得ないから特定の観念を想起しない造語ということができる。 (2)そこで、本件商標の称呼と引用商標1及び引用商標2の各称呼をそれぞれ比較してみると、本件商標の「フルダーゼ」或いは「フルデース」と引用各商標の「フルダラ」の称呼においては、語頭からの「フル」の音を共通にするものではあるが、それに続く「ダーゼ」ないし「デース」と「ダラ」の音に明らかな相違を有するものであるから、比較的短い称呼においては、前記差異が聴者の両称呼に対する音感に与える影響は決して小さいとはいい難く、その相違する音数及び各音の音質の差異によって、相紛れることなく判然と区別し得るものである。 次に、本件商標と引用商標1の外観構成をみると、「FLU」と「Flu」の綴りを共通にするが、それに続く「DASE」と「dara」の各文字綴りに明らかな相違があり、また、これを考慮せずに「FLUDA」と「Fluda」までの綴りを共通にするとみても、語尾において「SE」と「ra」の2字が相違し、この相違が文法での語尾変化や派生語的な関連性、あるいは語頭からの5字のみを分離し、これを取引指標と認識されるような事情もない。 してみると、本件商標と引用商標1は、上記のとおりの称呼上での明らかな相違と相俟って、通常の注意力をもってすれば、語尾の綴り字「SE」と「ra」の字形の相違を見誤り、あるいは誤解して取引に当たる場合があるということはできない。 また、本件商標と引用商標2が外観上類似しないことは、明らかである。 加えて、本件商標と引用商標1及び2とは、観念上比較することができないものであり、そのほか、両商標を類似とすべき事由は見出せない。 したがって、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標1及び2に類似する商標ということはできない。 (3)なお、申立人は、甲第4号証ないし甲第8号証の審決例を援用しているが、いずれも本件とは具体的な商標の構成において事案を異にし、また、本件商標と引用商標1及び2の指定商品は、ともに「薬剤」でありその特殊な事情、すなわち、医療の現場においての誤投薬等の問題が在ることを考慮してもなお、本件にあっては上記判断を左右するものではないから、この点に関する申立人の主張は採用の限りではない。 (4)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2009-06-02 |
出願番号 | 商願2008-330(T2008-330) |
審決分類 |
T
1
651・
262-
Y
(X05)
T 1 651・ 261- Y (X05) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 神田 忠雄 |
特許庁審判長 |
渡邉 健司 |
特許庁審判官 |
鈴木 修 井出 英一郎 |
登録日 | 2008-08-01 |
登録番号 | 商標登録第5155556号(T5155556) |
権利者 | ネクスバイオ, インコーポレイテッド |
商標の称呼 | フルダゼ、フルダーゼ |
代理人 | 加藤 義明 |
代理人 | アインゼル・フェリックス=ラインハルト |
代理人 | 森下 夏樹 |
代理人 | 山崎 和香子 |
代理人 | 山本 秀策 |
代理人 | 安村 高明 |