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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X33 |
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管理番号 | 1200596 |
異議申立番号 | 異議2008-900393 |
総通号数 | 116 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2009-08-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2008-09-29 |
確定日 | 2009-06-15 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5145892号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5145892号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5145892号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成19年8月30日に登録出願、第33類「梅を使用してなる日本酒,梅を使用してなる洋酒,梅を使用してなる果実酒,梅を使用してなる中国酒,梅を使用してなる薬味酒」を指定商品として、同20年4月18日に登録査定、同年6月27日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由(要点) (1)登録異議申立人の引用する商標 登録異議申立人株式会社山本海苔店(以下「申立人」という。)は、本件商標についての取消理由に下記の2件の商標(以下、これらの商標をまとめて「引用各商標」という。)を引用している。 ア 登録第134087号商標は、別掲(2)のとおりの構成からなり、大正10年5月2日に登録出願、第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年8月26日に設定登録、その後、六度の商標権の存続期間の更新登録がなされ、平成16年7月14日に指定商品を第29類「干しのりの缶詰,その他の干しのり,味付のり」及び第31類「缶詰のり(未加工のもの)」とする書換登録がなされているものである。 イ 登録第182682号商標は、別掲(3)のとおりの構成からなり、大正14年8月3日に登録出願、第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同15年7月7日に設定登録、その後、六度の商標権の存続期間の更新登録がなされ、平成20年1月23日に指定商品を第29類「焼きのり,干しのり,味付けのり,干し青のり,のりの缶詰,のりのつくだに,青のりのつくだに,お茶漬けのり,のりのふりかけ,のりを主原料とする棒状・ブロック状・錠剤状・粉末状・顆粒状・液状・カプセル状の加工食品,のりを主材とする惣菜,のりを主材とするスープのもと」及び第31類「のり,青のり」とする書換登録がなされているものである。 (2)商標法第4条第1項第15号について 本件商標と引用各商標は、いずれも、その構成から「ウメ」の称呼が生じるほか、暖簾記号としての「マルウメ」の称呼が生じ、また、「梅」の観念を生じるほか、「暖簾記号のマルウメ」の観念が生じるものである。 したがって、両商標は、称呼、観念において類似する商標であり、構成要素に共通点が多いことから、外観においても類似するものである。 申立人の「梅(マルウメ)」マークは、暖簾名として、また暖簾記号として我が国の需要者の間で長く親しまれてきたものであり(甲第6号証ないし甲第8号証)、引用各商標が著名な商標であることが端的に表されているのが防護標章登録の存在である(甲第4号証及び甲第5号証)。 本件商標と引用各商標は、それらの指定商品は異なるものの同じ食品であって、「梅(マルウメ)」という特徴のある屋号・暖簾記号の共通性及び近年における企業間のコラボレーションが盛んな実情(甲第9号証及び甲第10号証)に照らせば、両者間で混同を生じる可能性は高いものというべきである。 したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。 3 当審の判断 (1)本件商標と引用各商標との類否について 本件商標は、別掲(1)に示したとおり、円輪郭の中に「梅」の文字を表してなるところ、当該「梅」の文字は、その「木偏」及び「毎」の冠部が「梅の枝と実と葉」をもってアレンジされており、しかも、全体が金色に着色され、その一部にグラデーションが施された一種独得な構成からなるものであって、その特異な外観の構成が看者に強い印象を与えるものである。 そして、本件商標は、その指定商品との関係からみれば、「梅」の文字自体には自他商品識別力を欠くか極めて弱いものであり、専ら、そのデザイン化された図形的要素をもって、自他商品の識別標識として把握され、認識されるものと判断するのが相当である。 そうとすれば、本件商標からは、「ウメ(梅)」の称呼、観念や暖簾記号としての「マルウメ」の称呼、観念は生じないというべきである。 してみれば、本件商標から「ウメ(梅)」の称呼、観念や暖簾記号としての「マルウメ」の称呼、観念が生ずることを前提に、その上で、本件商標と引用各商標とが称呼、観念及び外観において類似するものとする申立人の主張は採用できない。 その他、本件商標と引用商標とを類似するものとすべき理由は、見出せない。 (2)商標法第4条第1項第15号について 上記のとおり、本件商標と引用各商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。 (3)まとめ したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲(1)本件商標(色彩については原本を参照) 別掲(2)引用商標(登録第134087号商標) 別掲(3)引用商標(登録第182682号商標) |
異議決定日 | 2009-05-28 |
出願番号 | 商願2007-92945(T2007-92945) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(X33)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 梶原 良子、津金 純子 |
特許庁審判長 |
森吉 正美 |
特許庁審判官 |
杉山 和江 小畑 恵一 |
登録日 | 2008-06-27 |
登録番号 | 商標登録第5145892号(T5145892) |
権利者 | 宝ホールディングス株式会社 |
商標の称呼 | ウメ |
代理人 | 木村 吉宏 |
代理人 | 小谷 武 |