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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Y182528
管理番号 1200475 
審判番号 取消2007-301604 
総通号数 116 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-08-28 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2007-12-07 
確定日 2009-06-29 
事件の表示 上記当事者間の登録第2409647号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第2409647号商標の商標登録は取り消す。 審判費用は,被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第2409647号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲(1)のとおりの構成からなり,昭和63年12月9日に登録出願,第24類「キヤデイ-バツグ、その他のゴルフ用品、その他の運動具、その他本類に属する商品、但し、つり具、マネキン人形、洋服飾り型を除く」を指定商品として平成4年5月29日に設定登録され,その後,同14年3月19日に存続期間の更新登録がなされ,現に有効に存続しているものである。
また,指定商品については,平成16年6月30日に指定商品の書換登録がされ,第18類「乗馬用具」,第25類「仮装用衣服,運動用特殊衣服,乗馬靴,その他の運動用特殊靴」及び第28類「おもちゃ,人形,囲碁用具,将棋用具,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具」と書き換えられている。
なお,本商標権については,専用使用権者を「田村駒株式会社(以下「田村駒」という。)」として,地域「日本全国」,期間「平成23年12月31日迄」,内容「全指定商品」とする専用使用権が平成19年1月16日付で設定登録されている。

第2 請求人の主張(要旨)
請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
1 請求の理由
請求人の調査によれば,本件商標は,その指定商品について継続して3年以上日本国内において使用されていないのみならず,本件商標を使用していないことについて何等正当な理由が存することも認められないから,商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
答弁書で示された証拠方法によっても,本件商標の使用事実は十分に証明されているとはいえない。
(1)通常使用権の設定について
被請求人から独占的通常使用権を許諾された田村駒は,株式会社ダイヤコーポレーション(以下「ダイヤコーポレーション」という。)に対し,本件商標の通常使用権を許諾しているが(乙第2号証),当該契約書で使用許諾されている商標は,「LYLE&SCOTT GOLF」の商標とあるだけで,これに本件商標が含まれているかは定かではない。乙第2号証からは,特に,本件商標に関する田村駒とダイヤコーポレーション間の通常使用権の許諾の存在について強く疑問を感じざるを得ない。
(2)ダイヤコーポレーションが本件商標と社会通念上同一の商標を使用していることについて
(ア)使用の事実について
乙第3号証及び乙第4号証の証拠自体には問題はないが,乙第3号証については,商品企画書に「07.11.12?内見会用」と1行記されていることをもって,本件商標を付した商品が広告のため展示されたことの事実を証明するのはいかにも弱い。また,乙第4号証は,本件審判の予告登録日が平成19年12月27日であるから,証拠能力はないものと思料する。
(イ)本件商標と使用商標との同一性について
被請求人は,本件商標と乙第3号証で提示された商標(以下「使用商標」という。)がほぼ同一の図形からなり,同一の称呼及び観念が生じるものであるから,両商標は,社会通念上同一の商標である旨主張している。
しかしながら,まず,図形商標の同一性を考察する場合において,同一の称呼及び観念(ここでは,犬の図形なら犬の,鷲の図形なら鷲の称呼及び観念が生じるというレベルの話である。)が生じるのは当然の前提である。
図形商標の場合,社会通念上同一といえるのは外観において同視される商標(50条1項括弧書)の場合のみである。不使用取消審判における登録商標の使用の認定に関する運用(甲第4号証)に示すように,外観において同視される商標とは,登録商標の図形の構成態様自体は変えずに白黒を反転させたり,背景を付したりした場合である。一方,一定の観念を生ずる図形と当該観念を表すものと認められる図形による表示態様の相互間の使用は,社会通念上同一とは認められない。このように,図形商標の場合,その同一性の範囲は広くないのである。
請求人の調べたところでは,被請求人は,世界的に本件商標を含め4タイプの鷲図形の商標を使用及び出願・登録している(甲第5号証)。わが国では,このうちのA,B及びDタイプが出願・登録されている。本件商標は,Aタイプである。しかし,使用商標は,乙第3号証からは態様が明確には表われてはいないが,そのシルエットからみて,Bタイプである。このような同一の観念を生ずる図形商標相互間において,登録商標と表示・表現態様の異なるタイプの違う商標は,上記の運用基準に照らした場合,登録商標と外観上同視できる社会通念上同一の商標ということはできないと考えるのが妥当である。しかも,このBタイプは,登録第4264323号として登録されているのであるから(甲第6号証),乙第3号証の商標の使用は,登録第4264323号商標の使用なのである。
そうすると,乙第3号証に示す商標の使用を本件商標の使用として認めるのは,不使用商標対策の一つである連合商標制度の廃止の趣旨にも反するものである。
(ウ)以上のとおり,答弁書の使用証拠に示されている使用商標は,本件商標と社会通念上同一のものでもなく,本件商標の使用の事実を証明しているものとはいえないから,被請求人提出の証拠によっては,被請求人等によって,審判請求登録前3年以内に本件商標が使用されたことは何等証明されていない。

第3 被請求人の主張(要旨)
被請求人は,本件審判請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第14号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)通常使用権の設定
被請求人は,グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国に本店を有する外国法人であるところ,2001年11月10日,田村駒に対し,2002年1月1日から4年間,日本国内における本件商標の使用について独占的通常使用権を設定した(乙第1号証)。
さらに,田村駒は,ダイヤコーポレーションとの間で,本件商標を付した商品の製造及び販売に関する契約(以下「本件契約」という。)を締結し,同社に対して,本件商標の通常使用権を設定していた(乙第2号証)。
(2)本件商標の使用
本件商標は,審判請求の登録前3年以内に,日本国内において,その通常使用権者又は専用使用権者によって,指定商品中第28類「キャディーバッグ」について使用されている。
すなわち,ダイヤコーポレーションは,審判請求の予告登録前3年以内の2007年11月ころ,本件商標を付した商品の製造をして,広告のために展示している(乙第1号証ないし乙第10号証)。
(3)ダイヤコーポレーションが本件商標と社会通念上同一の商標を使用していることについて
(ア)使用の事実
乙第3号証は,本件商標を付したキャディーバッグ(以下「本件商品」という。)の商品企画提案書であり,該提案書の作成日である2007年11月8日には既に,ダイヤコーポレーションによって本件商品が製造されていたことが分かる。
さらに,第1頁上部に「07.11.12?内見会用」とあることから,2007年11月12日に,ダイヤコーポレーションは,東京都中野区所在の自社において,本件商品を広告のために展示したことが分かる。
乙4号証は,ダイヤコーポレーションが2008年2月22日から24日にかけて,東京ビックサイトで行われたゴルフフェアに,被請求人のゴルフ用具を出店したときの様子を撮影した写真であり,本件商品が展示され,かつ,本件商標が付されたゴルフ用具の広告が展示されていることが示されている。
(イ)本件商標と使用商標との同一性
本件商標と使用商標とは,ほぼ同一の図形からなり,同一の称呼及び観念が生じるものであることから,社会通念上同一の商標である。
すなわち,本件商標の外観は,一羽の左向きの鷲(猛禽類)が翼を高く上げ,口を開けながら,頭部をやや上部に向けて飛んでいるものである。鷲の特徴は,「嘴・爪はともに曲がり,両眼は鋭く,翼は長大」なことであり(乙第5号証),また,猛禽類の特徴は,「他の鳥類や小動物を捕食し,上嘴は湾曲して鋭く,翼は強大で,飛行は迅速,足に鋭い鉤爪がある」ことである(乙第6号証)。本件商標の鳥は,上嘴が湾曲して鋭く,眼が鋭く,翼が長大で,鉤爪が鋭く曲がっていることから,それが鷲(猛禽類)であることは一目瞭然である。
他方,使用商標についてみても,一羽の左向きの鷲(猛禽類)が翼を高く上げ,口を開けながら,頭部をやや上部に向けて飛んでいる点で同一性がある。また,本件商標と使用商標とは,羽,胴体,頭,足及び尻尾の大きさの各比率がほぼ共通し,羽を広げた角度も約45度と同一である。さらに,本件商標と使用商標とはいずれも動感が無く,やや図案化されている点で同一性がある。したがって,本件商標と使用商標とは外観においてほぼ同一の図形である。
そして,本件商標と使用商標は,いずれも「鷲」・「イーグル」という称呼及び「鷲」という観念を生じる。これについては,被請求人のブランド商品が「鷲の紋章」,「イーグルの紋章」として一般需要者に広く親しまれていることがなによりの証左である。被請求人のブランド商品は,全世界において幅広く販売されており,日本国内においても,「鷲の紋章」,「イーグルの紋章」を使用する唯一のブランドとして一般需用者に広く知られている(乙第7号証ないし乙第10号証)。
この点について,請求人は,図形商標の場合,社会通念上同一といえるのは外観上同一性がある場合のみであると主張するが,商標法第50条第1項カッコ書きの文言から明らかなように,外観において同視される図形からなる商標というのは,社会通念上同一と認められる商標の例示にすぎず,これは,登録商標の図形の構成態様自体は変えずに白黒を反転させたり,背景を付したりした場合に限定されない(乙第11号証)。このことは,平成14年(行ケ)第500号審決取消請求事件の裁判例からも明らかである(乙第12号証)。
また,「キャディーバック」などの運動用具類に属する産業分野においては,商標がワンポイントマークとして使用されるという取引の実情があり,かつ,その商品の主たる需要者は一般大衆であって,その商品に係る商標やブランドについて,詳しくない者や曖昧な知識しか持たない者が含まれていることから,そのような需要者が商品を購入する際には,比較的小さく表示されたマークの微差を明確に意識することは極めて困難である。
さらに,請求人は,乙第3号証の商標の使用を本件商標の使用として認めることは,連合商標制度の廃止の趣旨にも反するなどと主張するが,本件商標はストック商標ではなく,本件商標の使用が認定されることは何ら連合商標の廃止の趣旨に反しない。
そして,上記で示したとおり,本件商標と使用商標とは,ほぼ同一の図形からなるものであるから,本件商標にとどまらず,使用商標についても,看者に「鷲」を観念させ,かつ,「鷲」,「イーグル」を称呼させ,ひいては被請求人のブランドであることを想起させることは明らかである。
したがって,本件商標と使用商標の称呼及び観念は同一である。
(4)結語
以上述べたとおり,乙第1号証ないし乙第14号証によって,本件商標の通常使用権者が請求に係る指定商品中,第28類「キャディーバッグ」について,審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において本件商標の使用をしていた事実は明白である。
したがって,本件審判請求には理由がない。

第4 当審の判断
(1)被請求人は,本件商標をその指定商品中の第28類「キャディーバッグ」について使用しているとして,乙第1号証ないし乙第14号証を提出している。
そこで,被請求人の提出に係る乙各号証をみるに,乙第1号証の1(英文)及び2(訳文)は,2001年11月7日に(幾つかある当事者間の署名の日付のうち,最も遅い日付のもの),被請求人と田村駒との間において締結された実施許諾契約書である。これによれば,被請求人は,田村駒との間において,2002年1月1日から4年間,日本国内における本件商標の使用について独占的通常使用権許諾契約を締結しており,該契約書の16「終了」の項には,「いずれの当事者も,12ケ月前に書面で通知することにより,2006年12月31日以降いつでも,本契約を終了することができる。」と記載されている。そして,添付されている別紙1の「本件許諾製品」の中には,「書類かばん,旅行かばん」等の商品が記載されており,別紙2の「本件マーク」の中には,本商標権(登録第2409647号)の外,複数の商標権が表示されていることを認めることができる。
乙第2号証の1は,2007年4月17日付の「ライルアンドスコット製品の製造及び販売に関する契約書」と題する書面であり,前文には,「田村駒(以下甲という。)とダイヤコーポレーション(以下乙という。)とは,甲が英国ライル・アンド・スコット社(以下ライセンサーという。)と締結したアグリーメント(以下実施許諾契約という。)により日本における独占的製造販売権を有する『ライル・アンド・スコット』ブランド製品の製造及び販売について,次のとおり契約を締結する。」と記載されており,18条の契約条項からなっている。そして,第1条(製品)には,「甲は,下記のライル・アンド・スコットブランド製品のうち,乙が希望し,甲が次条以下の条件でこれを承諾する製品(以下『本製品』という。)に限り,乙の非独占的かつ継続的な製造及び販売を認めるものとする。」とあり,その製品名として「LYLE&SCOTT GOLFの商標を付したキャディバック,ボストンバック及び甲が事前に承認するゴルフ関連製品」と記載されている。また,第14条(有効期間)には,「本契約の有効期間は,平成19年1月1日より平成19年12月31日迄とする。」と記載されており,乙第2号証の2(更新契約書)により,該契約は,平成20年12月31日まで延長されている。
乙第3号証は,ダイヤコーポレーションの作成に係る2007年11月8日付の「商品企画提案書/07.11.12?内見会用」と題する書面であり,商品名の欄には「Lyle&Scott キャディバッグ」とあり,仕様や歴史的由来の記載とともに,数種類のキャディーバッグの写真が掲載されている。そして,該キャディーバッグには,「LYLE&SCOTT」の商標とともに,別掲(2)のとおりの構成からなる商標が表示されている。
乙4号証は,被請求人の主張によれば,ダイヤコーポレーションが2008年2月22日から24日にかけて,東京ビックサイトで行われたゴルフフェアに被請求人のゴルフ用具を出店したときの様子を撮影した写真とのことであり,4枚の写真には,鷲と思しき図形と「LYLE&SCOTT」の文字からなる商標が掲げられているコーナーに,ゴルフウェア等とともにキャディーバッグが展示されている様子が写されている。
(2)上記において認定した事実を総合すれば,以下のことが認められる。(ア)被請求人の日本国内における独占的通常使用権者と認められる田村駒は,2007年(平成19年)4月17日付の契約書(乙第2号証の1)により,ダイヤコーポレーションに対して,「ライルアンドスコット製品の製造及び販売」についての再使用権(通常使用権)を許諾していたものと認められ,その具体的な内容は,第1条に規定されているように,「LYLE&SCOTT GOLFの商標を付したキャディバッグ等の商品」についての製造及び販売についてである。
このように,田村駒は,ダイヤコーポレーションに対して「キャディーバッグ」についての再使用権(通常使用権)を許諾しているが,乙第2号証の契約の前提となる被請求人と田村駒との間で締結された乙第1号証の契約書を徴するに,該契約書に添付されている別紙1の「許諾製品」の中には「キャディーバッグ」等の運動用具は記載されておらず,他の商品ではあるが,「靴」には「非ゴルフ用」とあり,「手袋」にも「非ゴルフ用」と記載されていることからみれば,むしろ,積極的に「ゴルフ用品」は除かれていたものと推測されるところである。
もっとも,前記したとおり,本商標権については,田村駒を専用使用権者とし,地域「日本全国」,期間「平成23年12月31日迄」,内容「全指定商品」とする専用使用権が平成19年1月16日付で設定登録されている。そうとすれば,田村駒は,平成19年1月16日以降は,ダイヤコーポレーションに対して「キャディーバッグ」等の商品についても黙示による通常使用権を許諾していたものとも推認し得るから,田村駒とダイヤコーポレーションとの間において締結された乙第2号証の契約は,被請求人と田村駒との間の専用使用権の許諾をも含めた全体的な合意の趣旨には反していないものとみることはできる。
(イ)そして,ダイヤコーポレーションは,本件審判の請求の登録(平成19年12月27日)前3年以内である平成19年(2007年)11月当時に,数種類のキャディーバッグの写真が掲載されている「商品企画提案書/07.11.12?内見会用」と題する書面(乙第3号証)を作成していたことを認めることができる。
(3)しかしながら,乙第3号証及び乙第4号証をもってしては,ダイヤコーポレーションが本件審判についての要証期間内に,本件商標あるいは本件商標と社会通念上同一と認められる商標を「キャディーバッグ」について使用していたものとは認められない。
(ア)乙第3号証の「商品企画提案書」がどのような性格の文書であるのか定かではないが,一般的には,このような名称の文書は,商品企画のための社内用あるいは関係者用の内部的な文書に多く見受けられるものであり,少なくとも,該文書をもって,キャディーバッグに関する具体的な商取引があったことを裏付ける取引書類とみることはできない。
この点について,被請求人は,2007年11月12日に,ダイヤコーポレーションが東京都中野区所在の自社において,本件商品を広告のために展示した旨述べているが,「07.11.12?内見会用」の記載から,何らかの内見会用の用途をも兼ねた文書であったとしても,どのような者を対象とした内見会であったのかも明らかでなく,また,実際に,該書面に掲載されているキャディーバッグを展示して内見会が行われた事実を裏付ける証拠の提出もないから,「07.11.12?内見会用」の記載があることのみをもって,被請求人の主張を認めるのは困難である。
(イ)加えて,キャディーバッグについて使用されている商標も本件商標と社会通念上同一と認められる商標とはいえない。
乙第2号証の1の契約書の第1条によれば,田村駒がダイヤコーポレーションに対して使用許諾したとされているのは,「LYLE&SCOTT GOLFの商標」であるが,この「LYLE&SCOTT GOLFの商標」の中に,本件商標が含まれているか否かについては定かではない。しかし,通常使用権の許諾自体は,黙示の意思表示でも足りるものと解されていることからみれば,乙第3号証のキャディーバッグに表示されている鷲と思しき図形についても,田村駒は,ダイヤコーポレーションに対して使用許諾をしていたとみることはできる。
しかしながら,その場合であっても,該キャディーバッグに表示されている鷲と思しき商標(別掲(2)のとおりの構成からなる商標)は,本件商標と社会通念上同一の商標とは認められないものである。
すなわち,本件商標は,別掲(1)に示したとおり,周辺全体に黒塗りの縁取りが施された鷲と思しき図形からなるところ,この縁取りは,商標の構成からみた場合には,単なる輪郭線などとは異なり,白色で表された鷲と思しき形状部分と黒地の部分とが混然一体に構成されており,全体として,鷲をモチーフにしたワッペンの如き印象を与えるものであって,縁取り部分がその構成に与える影響は,決して小さくないものである。これに対して,該キャディーバッグに表示されている鷲と思しき図形は,そのような縁取り部分もなく,鷲と思しき図形のみが白塗りに表されており,猛禽類としての「鷲」そのものとして理解・認識されるものである。
そうとすれば,商標の構成におけるこのような明らかな構成の差異は,これらの商標に接する取引者・需要者に対して,明瞭なる視覚的印象の違いを感じさせるものであるから,キャディーバッグに表示されている鷲と思しき商標と本件商標とは,外観において別異の商標というべきであって,社会通念上同一と認識し得る商標とは認められないものである。
(ウ)この点について,被請求人は,キャディーバッグに表示されている鷲の図形と本件商標の鷲の図形とは,外観ばかりでなく称呼及び観念の点からみても,社会通念上同一の商標である旨主張している。
しかしながら,仮に,これらの商標から,いずれも「ワシ,イーグル」の称呼及び「鷲」の観念を生ずるとしても,上記したとおり,キャディーバッグに表示されている鷲の図形と本件商標の鷲の図形とは,外観において同視し得る商標とはいえないものであって,社会通念上同一の商標とは認められないものであるから(商標法第50条第1項括弧書き参照),この点についての被請求人の主張は採用できない。
(エ)また,乙第4号証からダイヤコーポレーションが2008年2月22日から24日にかけて,東京ビックサイトで行われたゴルフフェアに被請求人のゴルフ用具を出店した事実を確認し得るとしても,該証拠は,本件審判についての要証期間内の事実を示すものとは認められない。
そして,被請求人は,その外に,乙第5号証ないし乙第14号証を提出しているが,本件商標あるいは本件商標と社会通念上同一と認識し得る商標が取消請求に係る指定商品について使用されていたものと認めるに足る証拠は存在しない。
(4)まとめ
以上のとおり,被請求人の答弁の全趣旨及び乙各号証を総合的に判断しても,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,商標権者,専用使用権者,通常使用権者らのいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについて,本件商標(本件商標と社会通念上同一と認められる商標を含む)の使用をしていた事実を証明したものとは認められない。
したがって,商標法第50条の規定により,本件商標の登録を取り消すべきものとする。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲(1)本件商標




別掲(2)使用商標




審理終結日 2009-01-28 
結審通知日 2009-01-30 
審決日 2009-02-17 
出願番号 商願昭63-138338 
審決分類 T 1 31・ 1- Z (Y182528)
最終処分 成立 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 久我 敬史
小林 由美子
登録日 1992-05-29 
登録番号 商標登録第2409647号(T2409647) 
代理人 鈴木 博久 
代理人 牛島 信 
代理人 渡邊 隆 
代理人 志賀 正武 
代理人 稗田 直己 
復代理人 知念 芳文 
代理人 高柴 忠夫 
代理人 影島 広泰 
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