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審決分類 審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 X09
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 X09
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X09
管理番号 1200403 
審判番号 不服2008-3312 
総通号数 116 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-08-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-02-13 
確定日 2009-07-16 
事件の表示 商願2007- 3996拒絶査定不服審判事件についてした平成20年10月15日付け審決に対し、知的財産高等裁判所において審決取消の判決(平成20年(行ケ)第10439号、平成21年5月28日判決言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「Factory900」の文字を横書きしてなり、第9類「眼鏡、眼鏡枠」を指定商品として、平成19年1月22日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)及び(2)のとおりである。
(1)登録第2448828号商標(以下「引用商標1」という。)は、「Factory」の欧文字と「ファクトリー」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、平成元年12月22日に登録出願、第23類「時計、眼鏡、これらの部品及び附属品」を指定商品として、同4年8月31日に設定登録され、その後、同14年8月13日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、同15年2月5日に指定商品を第9類「眼鏡」及び第14類「時計」とする指定商品の書換登録がなされたものであるが、分割(後期分)登録料不納により、その商標権の登録の抹消登録が同20年5月21日になされたものである。
(2)登録第2572132号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成2年12月3日に登録出願、第23類「時計、眼鏡、これらの部品及び附属品」を指定商品として、同5年8月31日に設定登録され、その後、同15年9月2日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、同16年6月2日に指定商品を第9類「眼鏡」及び第14類「時計」とする指定商品の書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)引用商標1について
引用商標1の商標権は、商標登録原簿の記載によれば、分割(後期分)登録料不納により、存続期間の満了前5年の日(平成19年8月31日)にさかのぼって消滅したものとみなされ(商標法第41条の2第4項)、その登録の抹消が同20年5月21日になされているものである。
したがって、引用商標1について、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は解消した。
(2)本願商標と引用商標2について
本願商標は、前記1のとおり、「Factory900」と、同じ書体でかつ、同じ大きさの文字で一連にまとまりよく記載されたものである。
本願商標について、職権により採用した請求人(出願人)が知的財産高等裁判所に提出した甲第8号証ないし甲第56号証、甲第63号証ないし甲第69号証及び甲第93号証の事実よりすれば、「Factory900」の商標の下に製造販売する眼鏡は、「メガネの国際総合展」(IOFT)の新製品デザインコンテストにおいて、平成15年から平成17年まで3年にわたって、「アイウェア・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、平成17年にはグランプリを受賞したところ、「メガネの国際総合展」は、世界各国から多くの企業が出展し、取引が行われる注目度の高い展示会であると認められるから、上記受賞の事実は「Factory900」の商標が広く知られるのに大きな貢献があったものと認められる。そして、他の本願商標の使用事実をも総合すると、本願商標は、請求人(出願人)が製造販売する眼鏡を表示するものとして、需要者、取引者の間に広く知られているものと認められる。
そして、本願商標構成中、「900」の数字部分は、職権により採用した請求人(出願人)が知的財産高等裁判所に提出した甲第3号証ないし甲第7号証、甲第73号証、甲第75号証及び甲第77号証ないし甲第79号証によれば、「眼鏡、眼鏡枠」において、数字が、商品の型式、規格を表示するために用いられる例があるとしても、商標の一部として用いられる例もあるから、「900」の数字部分は、商品の型式、規格等を表示するための記号、符号として商取引上類型的に使用されているとまで認めることはできない。また、「Factory」は、「工場、製作所」などの意味を有する英語であって、指定商品との関係で、必ずしも「Factory」の文字部分のみが識別力が高いということもできない。
そうすると、本願商標は、請求人(出願人)が製造販売する眼鏡を表示するものとして、需要者、取引者の間に広く知られていること、「900」の数字部分は必ずしも商品の型式、規格等を表示するための記号、符号と認識されるとは限らないこと、本願商標構成中「Factory」の部分のみが識別力が高いということはできないこと、及び本願商標は、「Factory900」と同じ書体で、かつ、同じ大きさの文字で一連にまとまりよく記載したものであることを総合すると、本願商標は、一連一体のものとして認識されると解するのが相当である。
一方、引用商標2は、別掲のとおり、上段に「SAPPORO」と記載し、下段に「Factory」と記載したものである。下段の「Factory」は、1文字目を大文字、その余を小文字として角張った書体で表され、上段の「SAPPORO」に比して4倍ほどの大きさで、かつ、かなり太い線で表されているものである。
引用商標2について、職権により採用した請求人(出願人)が知的財産高等裁判所に提出した甲第80号証ないし甲第87号証によれば、引用商標2は、札幌市中央区に所在するサッポロ都市開発株式会社が運営している大型複合施設である「サッポロファクトリー」を想起させるものということができる。
そうすると、引用商標2は、上記のとおり、「Factory」は、上段の「SAPPORO」に比して4倍ほどの大きさで、かつ、かなり太い線で表されているが、引用商標2からは、札幌市中央区に所在する大型複合施設である「サッポロファクトリー」を想起させることから、引用商標2の下段の「Factory」と上段の「SAPPORO」が分離して認識されるとは解されないものである。
そこで、本願商標と引用商標2の類否について検討するに、本願商標は、一連一体のものと認識されて、「ファクトリーキューヒャク」又は「ファクトリーキューゼロゼロ」の称呼と「工場」及び数字の「900」の観念を生ずる。
これに対し、引用商標2からは、「サッポロファクトリー」の称呼と札幌市中央区に所在する大型複合施設である「サッポロファクトリー」の観念を生ずる。
これらの称呼と観念の違いに加えて、前記1及び別掲に記載のような外観の違いも総合考慮すると、本願商標と引用商標2とは商標法4条1項11号にいう「類似」とはいえないと解すべきである。
したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は妥当でなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願についての拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 引用商標2



審理終結日 2008-09-26 
結審通知日 2008-09-30 
審決日 2008-10-15 
出願番号 商願2007-3996(T2007-3996) 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (X09)
T 1 8・ 262- WY (X09)
T 1 8・ 263- WY (X09)
最終処分 成立  
前審関与審査官 浅野 真由美早川 文宏 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 末武 久佳
清川 恵子

商標の称呼 ファクトリーキューヒャク、ファクトリーキューゼロゼロ、ファクトリー 
代理人 渡辺 三彦 
代理人 水内 龍介 

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