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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z35
管理番号 1200366 
審判番号 取消2008-300837 
総通号数 116 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-08-28 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2008-07-07 
確定日 2009-06-19 
事件の表示 上記当事者間の登録第4596076号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4596076号商標の指定商品又は指定役務中、第35類「熱可塑性樹脂成形コンパウンドの販売に関する情報の提供,その他の商品の販売に関する情報の提供,広告,トレーディングスタンプの発行,経営の診断及び指導,市場調査,ホテルの事業の管理,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,書類の複製,速記,筆耕,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,文書又は磁気テープのファイリング,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4596076号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成12年12月6日に登録出願、第1類「熱可塑性樹脂成形コンパウンドその他の原料プラスチック,化学品,植物成長調整剤類,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),高級脂肪酸,パルプ,工業用紛類,肥料,試験紙,人工甘味料,陶磁器用釉薬」を指定商品及び第35類「熱可塑性樹脂成形コンパウンドの販売に関する情報の提供,その他の商品の販売に関する情報の提供,広告,トレーディングスタンプの発行,経営の診断及び指導,市場調査,ホテルの事業の管理,職業のあっせん,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,書類の複製,速記,筆耕,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,文書又は磁気テープのファイリング,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与」を指定役務として、同14年8月16日に設定登録され、その後、指定役務中、第35類「職業のあっせん」についての登録は、平成20年11月5日付けの審決(審判番号2008-300838)により取り消され、その確定の登録が同21年1月9日になされ、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第4号証(枝番を含む。)を提出した。
1 請求の理由
請求人が調査した限りにおいては、本件商標の指定役務中、第35類「熱可塑性樹脂成形コンパウンドの販売に関する情報の提供,その他の商品の販売に関する情報の提供,広告,トレーディングスタンプの発行,経営の診断及び指導,市場調査,ホテルの事業の管理,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,書類の複製,速記,筆耕,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,文書又は磁気テープのファイリング,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与」については、本件商標が商標権者によって継続して3年以上日本国内において使用されている事実を発見することができなかった。
また、商標登録原簿を見ても専用使用権及び通常使用権は設定登録はされておらず、許諾を受けた通常使用権者等による使用の事実もない。
更には、本件商標を使用していないことについての正当な理由も認めることができない。
2 答弁に対する弁駁
(1)乙第1号証ないし乙第9号証、乙第12号証及び乙第13号証について
乙第1号証は本件商標に係る商標登録原簿の写しであり、乙第2号証は通常使用権者と称するプラゲノム株式会社(以下、単に「プラゲノム社」という。)に係る履歴事項全部証明書の写しであり、乙第3号証はプラゲノム社の株主名簿の写しであり、乙第4号証はプラゲノム社の平成19年度税務申告書の写しであり、乙第5号証及び乙第13号証は被請求人が管理・運営するウェブサイトの写しであり、乙第6号証の1及び2は審決公報の写しであり、乙第7号証の1及び2はプラゲノム社が管理・運営するウェブサイトの写しであり、乙第8号証及び乙第9号証は「Tech-on」なるウェブサイトの写しであり、乙第12号証は工業調査会が管理・運営するウェブサイトの写しである。
これらの書証は、被請求人(通常使用権者を含む。)が要証期間内に本件商標に係る指定役務について本件商標を使用したことを証明するものではない。よって、これらの書証については、争わない。
(2)乙第10号証について
乙第10号証は「プラスチックス」なる雑誌の掲載記事であり、被請求人は、かかる書証をもって要証期間内に本件商標に係る指定役務について本件商標を使用している旨を主張する。
しかしながら、このような主張は本件商標に係る指定役務についての誤解に基づくものであるため、その妥当性を欠くものである。プラゲノム社が現実の取引において提供する役務は、本件商標に係る指定役務とは全く異なる役務である。
ア 第35類「商品の販売に関する情報の提供」について
役務の区分第35類に属する「商品の販売に関する情報の提供」は、「製品価格」「販売店」「販売地域」「販売方法」等の商品販売の際に必要となる情報を需要者又は取引者に対して提供することを内容とする役務であって、商品自体や商品の周辺情報を提供することを内容とする役務ではない。
例えば、株式会社カカクコムが管理・運営するウェブサイト「価格.com」がある(甲第3号証)。このウェブサイトでは、あらゆる製品に関する「製品価格」「販売店」等の情報を同種の商品間で比較して提供することを特徴とするものである。このウェブサイトを閲覧することにより、注目する商品に関する「製品価格」「販売店」等の情報を他の同種商品間との比較で得ることができるため、非常に有益なものである。
通常、第35類「商品の販売に関する情報の提供」なる役務は、このような役務をいうものである。因みに、株式会社カカクコムは第35類「商品の販売に関する情報の提供」を指定役務とした甲第4号証の1ないし同の5の商標登録を有している。
このような登録例からも分かるように、株式会社カカクコムはウェブサイト「価格.com」を通じてあらゆる製品に関する「商品の販売に関する情報の提供」を行っているのであり、かかる使用例こそが「商品の販売に関する情報の提供」なる役務の具体例となるものである。
イ 本件商標に係る指定役務について
本件の場合、本件商標の指定役務は「熱可塑性樹脂成型コンパウンドの販売に関する情報の提供,その他の商品の販売に関する情報の提供」となっている。そのため、本件商標に係る指定役務の使用とは、他人が製造した商品「熱可塑性樹脂成型コンパウンド」の販売に関する情報の提供を行うことである。
しかしながら、通常使用権者と称するプラゲノム社が提供する役務(以下、単に「プラゲノム社提供役務」とする。)はこの「商品の販売に関する情報の提供」なる役務とは全く異なるものである。
すなわち、乙第10号証及び乙第11号証より明らかなとおり、プラゲノム社提供役務は、原料プラスティックから着色された成型コンパウンドを製造する過程で、色彩見本を作成する際に用いられるシステムをインターネットを通じて提供することを特徴とするものである。そうとするならば、プラゲノム社提供役務は以下のような指定役務とすべきである。
第42類「原料プラスティックから着色された成型コンパウンドを製造するための色彩見本を作成するために用いるインターネットを利用した電子計算機用プログラムの提供,その他の電子計算機用プログラムの提供」
このようにプラゲノム社提供役務は、役務の区分第42類に属する役務あって、本件商標の指定役務とは全く異なる役務であることが分かる。そのため、プラゲノム社がいくら本件商標をプラゲノム社提供役務に使用しているものと主張しても、本件商標に係る指定役務について使用したものとはいえない。
ウ 「要証期間」について
被請求人が、本件商標を使用したことを立証するためには、その使用が本件審判の請求の登録日から遡って3年以内における使用でなければならない。ここで、本件審判の請求の登録日は平成20年7月24日(審決注:「平成20年7月22日」とあるのは誤記と認める。)である。そのため、被請求人は、平成17年7月24日以降平成20年7月23日に至るまでの間に本件商標を使用したことを立証しなければならない。
然るところ、本来雑誌を書証として提出する際に併せて提出すべき表紙、及び、奥付が提出されていないことから正確な発行日は不明であるが、乙第10号証の第1頁の左上部に「『プラスチックス』2004年2月号別刷」と記載されていることから少なくとも平成16年2月の前後に発行されたものであることが分かる。そのため、当該雑誌の発行は要証期間以前のものであり、本件審判においては証拠力は全く認められない。
エ「使用」について
商標法上における商標の「使用」については、具体的には商標法第2条第3項各号に規定されているものの、実質的には自他商品又は役務の識別力を発揮した態様での使用であることを要することに争いはない。
然るところ、乙第10号証は、あくまで雑誌記事であり、本件商標は、あくまで当該雑誌記事を投稿した者がカラー伝送システム社であることを表すために「カラー伝送システム株式会社」の文字と併記したにすぎず、役務との関係は全くないものといえる。そのため、かかる表記が、自他役務の識別力を発揮した態様での使用ではないことは明らかである。
オ 以上のとおり、乙第10号証は、被請求人が要証期間内に、本件商標に係る指定役務について本件商標を使用したものではない。
(3)乙第11号証について
乙第11号証は「e-coloring」なるシステムに係るパンフレットであり、被請求人は、かかる書証をもって要証期間内に本件商標に係る指定役務について本件商標を使用している旨を主張する。
しかしながら、上述のように、プラゲノム社提供役務と本件商標に係る指定役務は元来全く異なるものであるため、プラゲノム社がその役務を提供しているとしても、本件商標に係る指定役務について使用したことにはならない。
さらに、乙第11号証に係るパンフレットは、乙第10号証と同様に、その発行日付が不明であるため、要証期間内における使用であると認めることはできない。
(4)乙第14号証について
乙第14号証はプラゲノム社が各社に宛てた「原材料発注書」であり、被請求人は、かかる書証をもって要証期間内に本件商標に係る指定役務について本件商標を使用している旨を主張する。
しかしながら、繰り返し述べるように、プラゲノム社提供役務と本件商標に係る指定役務は元来全く異なるものであるため、プラゲノム社がその役務を提供していることをもって、本件商標に係る指定役務について使用したことにはならない。
さらに、乙第14号証からは、プラゲノム社が各社に対して原材料の発注を行っている事実が分かるのみで、「熱可塑性樹脂成型コンパウンドの販売に関する情報の提供,その他の商品の販売に関する情報の提供」に対する本件商標の使用を立証する取引書類ではない以上、本件商標に係る指定役務に係る取引書類であるとはいえない。そのため、乙第14号証には証拠力が全く認められない。
3 以上より、被請求人が主張する答弁の理由及び提出された各乙号証のいずれからも、被請求人が、要証期間内に本件商標を本件商標に係る指定役務に使用している事実を確認することはできない。
よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に該当することは明白である。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第14号証(枝番を含む。)を提出した。
理由
1 本件商標を使用している事実
被請求人の子会社であるプラゲノム社は、第35類の指定役務中、「熱可塑性樹脂成形コンパウンドの販売に関する情報の提供、その他の商品の販売に関する情報の提供」を行なっており、当該役務に関し、本件審判の請求の登録日である平成20年7月7日(乙第1号証、審決注:「平成20年7月7日」は本件審判の請求日であって、本件審判の請求の登録日は、上記「審決注:」のとおり「平成20年7月24日」である。)を遡ること3年の期間内に、本件商標を使用していた事実がある。以下、これを立証する。
(1)被請求人とプラゲノム社の間には、本件商標に係る明文の通常使用権許諾契約書は存在しないが、被請求人はプラゲノム社の筆頭株主であり、発行済株式3500株の過半数の1850株を保有していること(乙第2号証、乙第3号証)、被請求人の代表者である福井眞彌が、プラゲノム社の代表者を兼務していること(乙第4号証、乙第5号証)から、両社は一心同体の関係にあり、プラゲノム社が本件商標の事実上の通常使用権者であることは明白である。特許庁の商標審決例をみても、親子会社間における事実上の通常使用権を認め、不使用取消審判を不成立としたものがある(乙第6号証の1、乙第6号証の2)。
(2)プラゲノム社は、本件商標の下でインターネットによるカラーマッチングシステム「e‐coloring」の運営を行なっており(乙第7号証の1、乙第7号証の2)、当該システムの内容が、「熱可塑性樹脂成形コンパウンド、その他商品の販売に関する情報の提供」に該当する。
熱可塑性樹脂とは、「加熱によって原料全体が軟らかくなり、成形可能な流動性を持つようになるプラスチック」を意味し(乙第8号証)、コンパウンドとは、プラスチックに配合剤(例えば、染料や顔料)を混練し、成形加工し易いようペレット状等に成形したプラスチック素材を意味する(乙第9号証)。このプラスチック素材をさらに成形加工して、テレビの枠、リモコンのボタンその他、各種のプラスチック部品・プラスチック製品が作られる。
樹脂メーカーによって大量生産される原料プラスチックは、無色、或いは薄いクリーム色を呈しており、成形コンパウンドメーカーは、最終成形加工業者の注文に応じて、原料プラスチックから、着色された成形コンパウンドを製造するのが業務の一つであり、「e‐coloring」システムは、顧客の望む色の特定、適切な染料や顔料の選定、顧客の注文にフィットした着色コンパウンドの製造、を支援する一連のシステムである(乙第10号証、乙第11号証)。
本件商標は、「e‐coloring」システムの内容説明書(乙第10号証)及びパンフレット(乙第11号証)にも使用されており、当該説明書「インターネットによるカラーマッチングシステム”e‐coloring”が、プラスチック成形業界の専門月刊誌であり、発行部数28000部の雑誌「プラスチックス」(乙第12号証)の平成16年(2004年)2月号の別冊として公刊されていることから、本件商標の使用が平成16年2月まで遡ることを示している。
なお、当該説明書及びパンフレットは、カラー電送システム株式会社が作成したものであるが、当社は平成13年1月に被請求人が中心となって設立した合弁会社であり(乙第13号証)、平成18年4月にプラゲノム社に吸収合併されたのであるから(乙第2号証)、プラゲノム社とは一心同体の会社といい得る。
プラゲノム社は、マッチングシステムにより特定した色に基づき選定された顔料のメーカーからの購入、コンパウンドメーカーへの販売も行なっており、平成20年3月及び4月の顔料メーカーへの発注票に本件商標が使用されている(乙第14号証)。
2 まとめ
以上のとおり、本件商標は、被請求人の事実上の通常使用権者であるプラゲノム社により、指定役務たる「熱可塑性樹脂成形コンパウンドの販売に関する情報の提供、その他の商品の販売に関する情報の提供」に、少なくとも平成16年2月頃から現在に至るまで現実に使用しているのであるから、商標法50条第1項の規定の適用はなく、本件審判の請求は理由がない。

第4 当審の判断
1 使用していると主張する役務について
被請求人は、取消しの請求に係る指定役務中の「熱可塑性樹脂成形コンパウンドの販売に関する情報の提供,その他の商品の販売に関する情報の提供」について、本件商標を使用している旨主張し、乙第1号証ないし乙第14号証(枝番を含む。)をその証拠として提出しているので、以下、乙各号証について検討する。
2 乙各号証によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第2号証は、プラゲノム社の「履歴事項全部証明書」であって、プラゲノム社の取締役が福井眞彌(被請求人の代表者でもある:甲第3号証ないし甲第5号証)であり、同社は「カラー電送システム株式会社」を平成18年4月3日に吸収合併したことが掲載されている。
そして、乙第3号証はプラゲノム社の株主名簿、乙第4号証はプラゲノム社の平成19年度の税務申告書の写し、乙第5号証は被請求人ホームページのトップページの写しで「社長のご挨拶」中に「プラスチック製品」と「着色剤商品」等についての言及がなされている。
(2)乙第6号証の1及び同2は、審決のコピーである。
(3)乙第7号証の1及び同2は、プラゲノム社のホームページの写しで、1頁上部左角に本件商標と社会通念上同一と認められる商標が表示され、上部中央に「e‐coloringによるカラーコミュニケーションが世界を一つにつなぐ。/インターネットによるプラスチックのカラーマッチングを実現!」等の記載がなされ、2頁目上部やや右から下にかけて「e‐coloringシステム/e‐coloringとは?/電話で話をするように、インターネットで色の会話がてき、その場で色見本の作製からプラスチックの調色依頼までが行えるシステムです。」、「2つのサービス、1つのサポート」、「…(色見本の作成)…」、「…(プラスチックの調色依頼)…」、「…(e‐coloring利用ガイドブック)」とあり、左上部やや下に「e‐coloring mate/会員登録申請へ」、「e‐coloring mate/会員規約」の記載が認められる。
(4)乙第8号証及び乙第9号証は、「熱可塑性樹脂」、「コンパウンド」に関するインターネットによる解説である。
(5)乙第10号証は、表紙には上部左側に「『プラスチック』2004年2月号 別刷」とあり、その下の中央に「インターネットによるカラーマッチングシステム”e‐coloring”」の表題、下部中央に本件商標と同一の商標、その横に「カラー電送システム株式会社」の表示が認められる。
2頁左側に、「2-1.ユーザー登録」、同右側「2-3.色の指定」の項に「…e-coloring mate会員の登録が必要となる。」、4頁左側「2-8.e-coloring GUIDANCE」の項に「…e-coloringツールを効率的に使っていただくためにe-coloring GUIDANCEを有償で発行している。」、5頁左側下「4-3.プラスチックの調色は有償か無償か」の項に「e-coloring mate会員から依頼される調色は原則有償である。ただし,e-coloring会社(コンパウンドメーカー他)の承認を得ているmate会員からの依頼は無料で受け付けている。」等の記載がなされている。
(6)乙第11号証は、「カラーマッチングシステム e‐coloring」のパンフレットで、1頁及び4頁の下部に本件商標と同一の商標が表示され、乙第10号証の上記内容がパソコンの図とイラストとともに説明されている。
(7)乙第12号証は、技術雑誌・図書専門出版社である工業調査会のホームページで、上記乙第10号証の「プラスチック」が挙げられている。
(8)乙第13号証は、被請求人のホームページで、平成13年1月に「カラー電送システム株式会社」を設立したと記載されている。
(9)乙第14号証は、2008年3月26日、2008年3月21日、2008年3月28日、2008年3月27日、2008年3月31日、2008年4月8日、2008年4月1日、2008年4月22日、2008年4月3日、2008年4月2日付けのプラゲノム社から各社宛の「原材料発注票」又は「原料発注票」15枚であり、それぞれに「品名」「数量」等の項目が設けられ、「原材料発注票」の下部左側に本件商標と同一の商標が表示されている。
3 以上の乙第2号証ないし乙第14号証について総合すると、以下のとおりである。
(1)通常使用権について
書面による使用許諾契約はなされていないが、商標権者である被請求人代表取締役がプラゲノム社の取締役であることが認められる(乙第2号証ないし乙第5号証)。
そして、使用許諾は、商標権者と使用権者の意思表示の合意によって成立し、口頭による契約も認められと解されることを考慮すると、商標権使用許諾契約書が存在しないとしても、商標権者である被請求人とプラゲノム社との間には黙示の使用許諾があったものと推認し得るものである。
(2)使用商標について
乙第7号証の1、乙第7号証の2、乙第10号証、乙第11号証及び乙第14号証よりすると、それぞれに本件商標と同一又は社会通念上同一の商標と認められる商標が表示されている。
(3)使用役務について
ア 乙第2号証ないし乙第5号証は、プラゲノム社の「履歴事項全部証明書」、同社の「株主名簿」、同社の「平成19年度の税務申告書」及び被請求人の会社案内の一部である「社長のご挨拶」であり、これらによって、プラゲノム社の履歴やプラスチックに関しての着色剤、機能性コンパウンドの設計、加工等の業務を行っていることは確認できるが、これらの業務は「熱可塑性樹脂成形コンパウンドの販売に関する情報の提供,その他の商品の販売に関する情報の提供」の範疇に属するものとは認められないものである。
イ 乙第7号証の1及び同2は、プラゲノム社のホームページの写しであり、また、乙第10号証及び乙第11号証は、インターネットによるカラーマッチングシステムについての説明であり、これらには、インターネット上で色見本の製作からプラスチックの調色依頼までが行えるシステムの説明がなされている。しかしながら、このシステムは、プラゲノム社の所有するシステムを、顧客がインターネット上で色見本の製作からプラスチックの調色依頼まで行うことができるプログラムを提供する役務であり、これは「電子計算機用プログラムの提供」の範疇に属する役務と認められる。したがって、乙第7号証の1及び同2、乙第10号証及び乙第11号証によっても、本件商標を「熱可塑性樹脂成形コンパウンドの販売に関する情報の提供,その他の商品の販売に関する情報の提供」について使用していたものとは認められないものである。
ウ 乙第14号証は、原材料又は原料に関する「原材料発注票」又は「原料発注票」であり、これらは、プラゲノム社自身が各社に宛てた発注票にすぎず、これらによって、本件商標を「熱可塑性樹脂成形コンパウンドの販売に関する情報の提供,その他の商品の販売に関する情報の提供」について使用されていたものとは認められないものである。
エ その他、被請求人の提出した証拠には、本件商標を「熱可塑性樹脂成形コンパウンドの販売に関する情報の提供,その他の商品の販売に関する情報の提供」について使用した事実を認めるに足りる証拠はない。
4 請求に係る役務について
他に、本件商標がその指定役務中第35類「熱可塑性樹脂成形コンパウンドの販売に関する情報の提供,その他の商品の販売に関する情報の提供,広告,トレーディングスタンプの発行,経営の診断及び指導,市場調査,ホテルの事業の管理,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,書類の複製,速記,筆耕,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,文書又は磁気テープのファイリング,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与」について使用されていた事実を認めるに足る証拠は提出されていない。
5 まとめ
以上のとおりであるから、被請求人が、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定役務中「熱可塑性樹脂成形コンパウンドの販売に関する情報の提供,その他の商品の販売に関する情報の提供,広告,トレーディングスタンプの発行,経営の診断及び指導,市場調査,ホテルの事業の管理,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,書類の複製,速記,筆耕,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,文書又は磁気テープのファイリング,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与」について、本件商標を使用していることを証明したものと認めることはできない。また、被請求人は、本件商標を請求に係る指定役務について使用していないことについて、正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって、本件商標は、商標法第50条により、その指定役務中の上記指定役務についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 本件商標




審理終結日 2009-04-21 
結審通知日 2009-04-27 
審決日 2009-05-08 
出願番号 商願2000-130956(T2000-130956) 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (Z35)
最終処分 成立 
前審関与審査官 佐藤 松江 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 杉山 和江
小畑 恵一
登録日 2002-08-16 
登録番号 商標登録第4596076号(T4596076) 
商標の称呼 シイデイエス 
代理人 高柴 忠夫 
代理人 高橋 詔男 
代理人 渡邊 隆 
代理人 志賀 正武 
代理人 橘 哲男 
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