ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 X25 |
---|---|
管理番号 | 1199142 |
異議申立番号 | 異議2008-900346 |
総通号数 | 115 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2009-07-31 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2008-09-09 |
確定日 | 2009-05-27 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5150001号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5150001号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5150001号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成19年8月20日に登録出願、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同20年6月26日に登録査定、同年7月11日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものであるから、その指定商品中、第25類「被服」についての登録は取り消されるべきであると申立て、その理由の要点を次のとおり述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第20号証を提出した。 (1)甲第2号証ないし甲第9号証、甲第11号証、甲第13号証及び甲第15号証ないし甲第18号証に掲載の商品「シャツ」に使用されている、盾様の図形の中に「ROUTE」の文字と「66」の数字を大書きして構成した商標(以下「引用商標1」という。)並びに甲第4号証、甲第10号証、甲第12号証、甲第14号証、甲第18号証及び甲第19号証に掲載の商品「シャツ、ジャケット」に使用されている、盾様の図形の中に「66」の数字を大書きして構成した商標(以下「引用商標2」という。)は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている。 (2)本件商標と引用商標1とは、共に盾様の図形の中に「ROUTE」の文字と「66」の数字を大書きして構成した外観が共通する類似のものである。また、本件商標と引用商標2とは、共に盾様の図形の中に「66」の数字を大書きして構成した外観が共通する類似のものである。 (3)本件商標の指定商品と引用商標1及び2が使用されている商品とは、同一又は類似のものである。 3 当審の判断 (1)申立人は、商品「シャツ」について使用されている引用商標1及び商品「シャツ、ジャケット」について使用されている引用商標2は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている旨主張し証拠を提出している。 (2)しかし、提出された証拠をみるに、「1999(平成11)年-2000(平成12)年」(甲第2号証)ないし「2008(平成20)年秋冬」(甲第15号証)の商品カタログの写しとするものは、その頒布状況が不明であるばかりでなく、加えて、各商品カタログ中における盾様の図形の中に「ROUTE」の文字と「66」の数字を書した構成とする引用商標1及び盾様の図形の中に「66」の数字を書した構成とする引用商標2は、これのみが特化して商品カタログに掲載されているものでもないし、各々の図柄が配された他のシャツやジャケットと共に同列掲載されており、これらの図柄自体が出所表示標識として機能することを必ずしも否定するものではないが、他のシャツやジャケットとの図柄等とをあいまってみれば、引用商標1及び2の標章を特化させて商標としての把握が困難であるといわなければならない。 (3)同じく、雑誌「Lightning」(2002年5月号:甲第16号証)及び同別冊(2006年2月20日発行:甲第17号証、2007年2月20日発行:甲第18号証、2008年2月20日発行:甲第19号証)を提出しているが、その2002年5月号においては、「The Flat Head(○の中にR記号)」のもとで、二十数点に各々図柄が配されたシャツを紹介する中の単一シャツに他の構成要素と共に引用商標1と思しき図形が配されたものが掲載されているにすぎないし、その他の別冊(甲第17号証ないし甲第19号証)においても引用商標1と思しき図形の使用は同様である。 また、ジャケット(甲第17号証ないし甲第19号証)に使用される盾様の図形の中に「66」の数字を書した構成とする引用商標2は、いずれも「FLAT」と「HEAD」の欧文字に挟まれた一体の図柄として他の欧文字とともに配されてなるところ、引用商標2を含む図柄の使用はこれのみが特化して商品カタログに掲載されているものでもないし、各々の図柄が配された他のシャツやジャケットと共に同列掲載されている点については上記(2)と同様の使用である。 してみると、引用商標1及び2がシャツやジャケットについて使用されていることが窺えるとしても、当該シャツやジャケットに係る使用方法、そして、該雑誌への掲載回数が2002年5月号と2006年ないし2008年の各年の2月20日に発行の別冊に「THE FLAT HEAD/カタログ」等として4回掲載されたにとどまり、かつ該雑誌は特集や副題などからして一般大衆誌というよりはその購買層は限定されるものとみて差し支えないものであるから、これをもって一般需要者に対し広告宣伝されたものとするのは困難である。 (4)同じく、「1999-2000」(平成11年?同12年)ないし「2008FW」(平成20年秋冬)等の商品販売実績表(甲第20号証)によれば、引用商標1の標章が使用された「シャツ」については、本件商標の登録出願時(平成19(2007)年8月20日)前における販売数量は「2005SS」(平成17年春夏)が2,308枚、「2002SS」(平成14年春夏)が506枚とするほかは、いずれも各シーズンにおいての販売枚数は250枚を下回るものであり、まして、引用商標2の標章が使用された「シャツ、ジャケット」については、その販売数量が「2005FW」(平成17年秋冬)が142枚、「2001FW」(平成13年秋冬)が88枚とするほか、他のシーズンにおける販売実績はない。 してみると、該商品販売実績表の販売枚数では、本件商標の登録出願時前における当該商品の流通市場での評価や浸透性はさほどのものでないといわざるを得ない。 (5)以上を総合勘案すれば、提出された証拠(甲各号証)によっては、申立人が「シャツ、ジャケット」等の商品を販売し、その際に引用商標1及び2が使用されていることの一定の事実は認められるとしても、これらが本件商標の登録出願時に申立人の業務に係る商品「シャツ、ジャケット」を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めるに十分なものということはできない。 したがって、引用商標1及び2が本件商標の登録出願時において、我が国の需要者の間に広く認識されていた商標であったと認めることができず、たとい本件商標と引用商標1及び2とが類似するものであり、かつ、本件商標の指定商品と引用商標1及び2の使用に係る商品とが類似するものであるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものということはできないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 本件商標 |
異議決定日 | 2009-05-11 |
出願番号 | 商願2007-89819(T2007-89819) |
審決分類 |
T
1
652・
25-
Y
(X25)
|
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 久我 敬史、今田 三男 |
特許庁審判長 |
石田 清 |
特許庁審判官 |
末武 久佳 田村 正明 |
登録日 | 2008-07-11 |
登録番号 | 商標登録第5150001号(T5150001) |
権利者 | 株式会社イングラム |
商標の称呼 | ルートロクジューロク、ルートロクロク、ルート |
代理人 | 大塚 明博 |
代理人 | 佐野 弘 |