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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X19 審判 全部申立て 登録を維持 X19 |
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管理番号 | 1199140 |
異議申立番号 | 異議2008-900333 |
総通号数 | 115 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2009-07-31 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2008-09-08 |
確定日 | 2009-05-28 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5138118号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5138118号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5138118号商標(以下「本件商標」という。)は、「FFSC」の欧文字を標準文字で表してなり、平成19年11月12日に登録出願、第19類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同20年4月30日に登録査定、同年6月6日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由(要点) (1)引用各商標の周知・著名性について 登録異議申立人フォレスト スチュワードシップ カウンシル エー シー/日本名:森林管理協議会(以下「申立人」という。)は、1993年に設立された森林管理の認証を行う国際的機関であり、申立人自身及び世界中に存在する現地事務局を通じて、世界各国の団体等に対して森林管理及び木材に関わる製品の認証を行う認証機関の認定及び監査を行っている。認定を受けた団体等は、申立人の定める基準を満たした木材及び木材からなる製品について「FSC」の文字からなる商標(以下「引用商標1」という。)及び別掲のとおりの構成からなる商標(以下「引用商標2」という。)を付して、消費者に対してその製品が管理の行き届いた森林から来たものであることを証明している(甲第6号証ないし甲第8号証、)。 引用各商標は、申立人及びその各国事務局の管理の下、「木材及びその関連商品」に付されて使用され続けた結果、本件商標の出願日には、世界中の木材販売に従事する取引者・需要者及び木材を利用した建設に従事する取引者・需要者の間に広く認識されることとなり、その著名性は、現在に至るまで継続している(甲第9号証ないし甲第11号証、甲第14号証ないし甲第39号証)。 (2)商標法第4条第1項第10号について 本件商標は、本件商標の出願時において既に、申立人の業務に係る「木材及びその関連商品」を表示するものとして、我が国の取引者・需要者の間においても広く認識されていた引用各商標と類似するものであり、その指定商品も同ー又は類似するものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。 (3)商標法第4条第1項第15号について 上記のとおり、引用各商標は、「木材及びその関連商品」について著名なものであるから、本件商標がその指定商品について使用された場合には、取引者・需要者は、申立人の業務に係る商品あるいは申立人と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如くに誤認混同を生ずるおそれがあり、また、本件商標は、申立人が培ってきた業務上の信用の希釈化を招来するものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。 (4)結び 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は、取り消されるべきものである。 3 当審の判断 (1)本件商標と引用各商標との類否について 本件商標は、前記のとおり、「FFSC」の欧文字を同書・同大で一連に書してなるものであるから、該構成文字に相応して「エフエフエスシー」の称呼を生ずるものである。 一方、引用商標1は「FSC」の欧文字からなるものであり、また、引用商標2は別掲のとおり、樹木をモチーフにしたものと認められる図形と「FSC」の欧文字からなるものであるから、引用各商標は、その欧文字部分から「エフエスシー」の称呼を生ずるものである。 そこで、本件商標から生ずる「エフエフエスシー」の称呼と引用各商標から生ずる「エフエスシー」の称呼とを比較するに、この両称呼は、称呼における識別上重要な要素を占める語頭部分において、「エフエフ」と「エフ」という明らかな音の差異を有するものである。そして、両商標は、いずれもアルファベットを羅列してなるものであり、このような場合、発音に際しては、一文字一文字を区切って明瞭に発音されるのが常といえるから、発音上のかかる事情と上記した音の差異とを併せ考慮すれば、両商標は、称呼上相紛れることなく十分区別し得るものというべきである。 また、本件商標と引用各商標の欧文字部分の外観を比較してみても、語頭部分において「FF」と「F」の文字の差異を有するものであるから、欧文字4文字と3文字という決して長いとはいえない文字構成とも相俟って、通常の注意力をもってすれば、その外観を見誤ることはないものというべきである。 さらに、両商標の観念についてみても、少なくとも、本件商標は、特定の観念を生ずることのない造語と認められるものであるから、観念上比較することはできない。 そして、本件商標は、その構成中「FSC」の文字部分のみを分離抽出すべき特段の事情があるものとは認められない。 したがって、本件商標と引用各商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 (2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について 上記のとおり、本件商標と引用各商標とは十分に区別し得る別異の商標というべきものである。 そうとすれば、その余の要件について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものとはいえない。 また、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。そして、本件商標と引用各商標との差異からみれば、本件商標が申立人の業務上の信用の希釈化を招来するものとも認められない。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものともいえない。 なお、申立人は、商標登録異議申立書において、本件商標は商標法第4条第1項第19号にも違反している旨述べているが、手続補正書における申立の理由の詳細な説明においては、同号について何ら言及していないから、この点については判断しなかった。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
【別掲】 引用商標2 |
異議決定日 | 2009-05-08 |
出願番号 | 商願2007-114657(T2007-114657) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(X19)
T 1 651・ 25- Y (X19) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 飯山 茂 |
特許庁審判長 |
森吉 正美 |
特許庁審判官 |
杉山 和江 小畑 恵一 |
登録日 | 2008-06-06 |
登録番号 | 商標登録第5138118号(T5138118) |
権利者 | 中西木材株式会社 株式会社ダイテック 株式会社翠豊 |
商標の称呼 | エフエフエスシイ |
代理人 | 長谷川 綱樹 |
代理人 | 杉村 憲司 |