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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X16
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X16
管理番号 1199121 
審判番号 不服2008-3981 
総通号数 115 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-07-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-02-20 
確定日 2009-06-08 
事件の表示 商願2007-34843拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「LAMB」の欧文字と「ラム」の片仮名文字とを二段に書してなり、第16類「装飾塗工用ブラシ」を指定商品として、平成19年3月26日に商標登録出願されたものであり、その後、指定商品については、当審における同20年5月2日付け手続補正書が提出されたが、該補正書については、願書に記載した指定商品の要旨を変更するものとして、補正の却下の決定がなされ、当該処分が確定しているものである。

2 拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『LAMB』『ラム』の文字よりなるところ、これは『子羊、またその毛や肉』を指す成語として一般的に用いられているものであるから、本願指定商品との関係から、本願指定商品のブラシ部がラム・ウール製であるときは、商品の原材料を認識させるにとどまり、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「LAMB」の欧文字と「ラム」の片仮名文字とを二段に書してなるところ、「LAMB」及び「ラム」の文字は、「子羊。また、その肉や毛」を意味する英語及び外来語として、我が国では一般によく知られた語であることから、本願商標は、その構成文字より、原審説示のごとき「子羊、その肉または毛」の意味を容易に認識させるものである。
ところで、本願指定商品の分野において、馬や豚等の動物の毛が、商品の原材料として一般に使用されているという実情があり、「羊の毛」もその例外ではなく、とりわけ商品「刷毛」について顕著であることが、以下の新聞記事情報及びインターネット情報によって窺い知ることができる。
(1)「刷毛・ブラシの『江戸屋』 文化を陰で支える(老舗近ごろ)」の見出しの下、
「○材料/「刷毛の命は材料」。天然繊維は今や100%が輸入ものである。昔ながらの刷毛に使う馬の毛は中国や南米、カナダから。手触りが硬い豚の毛は中国産。羊毛は、オーストラリアやアメリカが産地だ。」との記載。
(1989年6月19日 朝日新聞 東京地方版/東京)
(2)「[門]表具に使う刷毛 供養し感謝 松山市 古田崇(34)」の見出しの下、
「◇各表具店で使い終えた刷毛を持参。私の店からも毛の傷んでいた刷毛を一本持参した。厳かな雰囲気の中、刷毛がはらい清められる。表具士の使う刷毛には、くま毛・馬毛・羊毛・しか毛・豚毛・たぬき毛などがある。」との記載。
(2008年8月7日 愛媛新聞朝刊 こだま)
(3)「EPOCH WEBへようこそ」の見出しの下、
「羊毛刷毛/刷毛の毛が羊毛なので柔らかく樹脂の含みが良いので、たくさんの樹脂を刷毛で塗る場合便利です。」との記載。
(http://epoch-net.co.jp/contents/workaticle/hake/yomo_hake/yomo_hake.htm)
(4)「商品詳細」の見出しの下、
「商品番号50193」の「商品名」の欄に「うるし刷毛(羊毛)28mm」との記載。
(http://www.kindlake.co.jp/~kindlake2/cgis/shop/goods_detail.cgi?GoodsID=00000265&CategoryID=000011)
(5)「刷毛-【10本組】目地用 富士川 10号-刷毛・ハケ・ローラー・マスカー 塗料・塗装用品専門店はとがやペイント 格安通販サイト 埼玉県鳩ヶ谷市から全国配送致します」の見出しの下、
「【10本組】目地用 富士川 10号/お得な10本組。目地刷毛の特価品ですが羊毛を使ってあり品質は最高、とてもリーズナブルです。」との記載。
(http://www.hatoya-penki.jp/product/368)
(6)「コーナン eshop-羊毛刷毛30mm」の見出しの下、
「羊毛刷毛30mm/FRP専用羊毛刷毛です。樹脂の含みが良いので、たくさんの樹脂を刷毛で塗る場合、便利です。」との記載。
(http://www.kohnan-eshop.com/product_info.php/products_id/4017)
(7)「表装、襖、紙、障子貼り用糊刷毛」の見出しの下、
「無類熊白毛糊刷毛 江戸型/京型
含みが良く適度な腰のある最高級の羊毛刷毛/羊毛の最も良質に近い毛を選別し作った刷毛なので、糊の含みが良く、厳選白毛糊刷毛に比べ、少し腰を持たせてあります。」との記載。
(http://www.i-duka.com/noribrush.html)
(8)「刷毛」の見出しの下、
「付け廻し刷毛 細部作業用の刷毛。羊毛製です。」また「撫刷毛 細部作業用の刷毛。羊毛製です。」との記載。
(http://www.sou-en.jp/page061.html)
(9)「刷毛(ハケ)一覧【義烏刷毛商工】」の見出しの下、
商品コード924,1677,1677-A,522,229の材質の欄に「羊毛」の記載。
(http://yiwuhake.com/page2.html)
(10)「白毛 トマト 15号」の見出しの下、
「羊毛を原料としたラック・ニス刷毛。建築塗装・木工塗装の仕上げ塗装に最適な、ポピュラーな刷毛です。」との記載。
(http://www.propaint.jp/catalog/product_info.php/manufacturers_id/10/products_id/73?osCsid=42f1bc5294b6dc20c20d2d3041358f91)
これらの事情を総合勘案すると、本願商標を指定商品中、「羊毛を原材料とする刷毛」に使用しても、「LAMB,ラム」の文字に接する取引者、需要者は、商品の品質(原材料)を表示したものと認識するにすぎないものといわなければならず、かつ、これを前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものというのが相当である。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。
なお、請求人は、「子羊の毛」を意味する語としては「lam´s wool」「ラムズウール」、又は「ラムウール」の語が使用されるのが一般的であり、「LAMB(ラム)」の語が「子羊の毛」の意味合いに理解されるのは、ごく限られた文脈・熟語中で用いられた場合や商品の原材料が「ラムウール製」のものが一般的な「被服、寝具類」等の商品に使用された場合のみに限られるべきである旨主張するが、本願商標「LAMB、ラム」の文字が「子羊の毛」の意味を有する英語及び外来語として、我が国において一般に広く知られていること前記認定のとおりであり、また「羊の毛」が「被服、寝具類」等の商品以外にも使用されている事実があることは、上記新聞記事情報及びインターネット情報のとおりであるから、請求人の前記主張は採用することができない。
また、本願商標が、我が国において欧米人の姓を表したものと認識されるとの主張については、提出された証拠からは「LAMB」の文字が我が国において「欧米人の姓」を表したものと認識されるとは認めることができない。
さらに、請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標も同様に登録されるべきである旨主張するが、登録出願された商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標の構成態様と指定商品との関係における、その商品の取引の実情を考慮して、個別具体的に判断されるべきものであって、かつ、その判断時期は、査定時又は審決時と解されるべきものであるから、請求人が挙げた商標登録例の存在によって、前記判断は左右されないというべきであるから、該主張についても採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2009-04-07 
結審通知日 2009-04-10 
審決日 2009-04-22 
出願番号 商願2007-34843(T2007-34843) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (X16)
T 1 8・ 272- Z (X16)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岩本 明訓 
特許庁審判長 芦葉 松美
特許庁審判官 藤平 良二
岩崎 良子
商標の称呼 ラム 
代理人 鮫島 武信 

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