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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 042
管理番号 1199094 
審判番号 取消2007-301670 
総通号数 115 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-07-31 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2007-12-18 
確定日 2009-06-10 
事件の表示 上記当事者間の登録第4227561号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4227561号商標(以下「本件商標」という。)は、「SHIELD」の英文字からなり、平成8年12月5日に登録出願、第42類「電子応用機械器具及びその部品の設計・試験及び評価,電気通信機械器具の設計,情報通信ネットワークの設備装置に関する企画・設計・試験及び評価,電子計算機を使用することにより機能するシステムの設計又は保守,電子計算機を用いて行う情報処理に関する企画及び助言,電子計算機のプログラム及びデータのプロテクトのためのプログラムその他の電子計算機のプログラムの作成・設計又は保守,電子計算機を用いて行う情報処理のためのデータ入力,電子計算機を用いて行う情報処理,情報通信ネットワークにおけるホームページ及びコンテンツの設計・作成,コンピュータグラフィックのデザインの考案,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の性能・操作方法に関する紹介及び説明,情報通信ネットワークにおける電子計算機のプログラム及びデータの遠隔監視及びプロテクト,情報通信ネットワークにおける電子計算機のプログラム及びデータの遠隔監視及びプロテクトのための電子応用機械器具及びプログラムの貸与」を指定役務として、同11年1月8日に商標権の設定登録がされ、同20年8月5日に、商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続中である。
また、本件審判請求の予告登録は、平成20年1月16日にされた。

第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録は、その指定役務中「情報通信ネットワークにおける電子計算機のプログラム及びデータの遠隔監視及びプロテクトのための電子応用機械器具及びプログラムの貸与」について取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び同第2号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定役務中「情報通信ネットワークにおける電子計算機のプログラム及びデータの遠隔監視及びプロテクトのための電子応用機械器具及びプログラムの貸与」については、本件審判請求前3年以内には、国内において商標権者によって使用されている事実は見当たらない。また、専用使用権者及び通常使用権者の登録もないため、使用権者による使用も考えられず、この点からも、本件商標は不使用の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取消されるべきである。
2 弁駁の理由
被請求人の提出した証拠(乙第1号証ないし同第8号証)によっては、本件商標が本件審判請求登録日前3年以内にその指定役務「情報通信ネットワークにおける電子計算機のプログラム及びデータの遠隔監視及びプロテクトのための電子応用機械器具及びプログラムの貸与」について使用されていたとは認めることができない。
(1)被請求人(商標権者)は、乙第1号証及び同第2号証において、その提供するサービスのサービス名は、「SHIELDセキュリティセンタサービス」及び「SHIELDexpress/i-Monitorサービス」であると述べている。
しかし、本件商標は、「SHIELD」の英文字のみからなるものであるところ、それらのサービス名は、それぞれ「SHIELD」の英文字に、「セキュリティセンタサービス」及び「express/i-Monitorサービス」の文字を一体不可分に結合してなるものであって、現実に使用されているサービス名は、本件商標とは異なるものである。
(2)乙第3号証においては、商標権者が提供するサービスのサービス名は、「SHIELD/CSO4U」又は「SHIELDexpressi-Monitor」と考えられる。
まず、前者については、本件商標である「SHIELD」の英文字に「CSO4U」の文字が結合されているものであり、「CSO4U」の文字が省略されて観察される理由もなく、常に全体を一体のものとして使用されているから、単なる「SHIELD」の英文字のみからなる本件商標とは異なるものである。
また、後者についても、少なくとも「SHIELDexpress」の部分は同一の色であり、一体不可分に構成されていることから、単なる「SHIELD」の英文字のみからなる本件商標とは異なるものと認識される。
(3)乙第4号証においては、商標権者が提供するサービスのサービス名として、「SHIELD/CSO4U」又は「SHIELD/ExLink-Qu」が掲載されている。前者については、前記のとおり本件商標とは異なるものである。
後者についても、本件商標である「SHIELD」の英文字に「ExLink-Qu」の文字を一体不可分に結合してなるものであることから、本件商標とは異なるものである。
(4)乙第5号証においては、商標権者が提供するサービスのサービス名は、「SHIELDexpressi-Monitor」と考えられる。
これも前記のとおり、少なくとも「SHIELDexpress」の部分は同一の色であり、一体不可分に構成されていることから、単なる「SHIELD」の英文字のみからなる本件商標とは異なるものと認識されるものである。
(5)乙第6号証においては、商標権者が提供するサービスのサービス名として、「SHIELD/CSO4U」が掲載されているが、前記のとおり本件商標とは異なるものである。
(6)乙第7号証においては、見積書の品名に「SHIELDセンター」と記載されており、この文字は、全体として一体不可分に構成されていることから、一つの単語であると認識されるものであって、これも本件商標とは異なるものである。
また、被請求人(商標権者)は、見積書における「ソフトウェアレンタル」、「ハードウェアレンタル」等の記載から、商標権者が提供する役務が電子応用機械器具及びプログラムの貸与を含むと述べている。
しかし、本件商標の指定役務は「情報通信ネットワークにおける電子計算機のプログラム及びデータの遠隔監視及びプロテクトのための」ものであって、「ソフトウェアレンタル」、「ハードウェアレンタル」等の記載のみでは、本件商標の指定役務についてのものであることを証明したことにはならない。
(7)乙第8号証においては、被請求人は、請求書における「業務系SHIELDサービス費用」の記載により、本件商標の使用である旨を述べている。
しかし、この記載は、単なる「SHIELD」の英文字のみからなる本件商標とは異なるものであるばかりでなく、そもそも商標として使用されているといえる使用態様であるとはいえないものである。
また、具体的にどのようなサービスについての請求書であるか不明のものであり、本件商標の指定役務についてのものであることを証明したことにはならない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第8号証を提出した。
〈答弁の理由〉
本件商標(本件商標と社会通念上同一とみなされる商標を含む。)は、商標権者によって、本件審判請求登録日前3年以内にその指定役務「情報通信ネットワークにおける電子計算機のプログラム及びデータの遠隔監視及びプロテクトのための電子応用機械器具及びプログラムの貸与」について使用されていたから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものではない。
(1)乙第1号証のパンフレットには、商標権者が提供するサービスとして「セキュアホスティングサービス」(サービス名は「SHIELDセキュリティセンタサービス」)及び「遠隔監視、遠隔制御」(サービス名は「SHIELDexpress/i-Monitorサービス」)が挙げられている。
また、乙第2号証のパンフレットには「SHIELDセキュリティセンタサービス」の「基本サービス」の項目には、「ホスティングサービス」が記載されており、その概要として、「SHIELDセキュリティセンタにて用意するDNS、メール、Webサーバから、お客様が必要とするシステム領域または装置一式を貸与し、運用を代行。」と記載されている。すなわち、上記サービスは、商標権者の管理する「SHIELDセキュリティセンタ」におけるコンピュータ装置及び当該コンピュータ装置上で機能するプログラムを顧客に貸与するものである。
さらに、乙第2号証には、付加価値サービスとして「システム稼働監視」、「不正アクセス監視」といったサービスも提供されるとの記載がある。
(2)乙第3号証は、株式会社日立製作所の主催で2006年7月26日・27日に東京国際フォーラムで開催された「日立uVALUEコンベンション2006」において広告宣伝した資料の写しであり、これには、顧客システムの外部に設置された商標権者管理下の「セキュリティオペレーションセンタ(SOC)」から、ネットワークを通じて顧客システムに対してセキュリティ遠隔管理(ファイアウォール監視や検疫管理)を行うサービス内容が記載されている。このようなサービス形態は、ネットワークを通じて顧客システムに対してプログラムの機能を利用させる機能提供型(ASP型)のサービスであり、「プログラムの貸与」に該当する。
(3)乙第4号証は、2006年6月7日から9日にかけて幕張メッセで開催された「INTEROP TOKYO」の展示会において、商標権者が広告宣伝としての展示及びデモンストレーションを行った事実を示す資料であり、これには、遠隔マネージドセキュリティサービス「SHIELD/CSO4U」、検疫ソリューション「SHIELD/ExLink-Qu」の展示及びデモンストレーションが行われることが記載されている。これらのサービス内容は、乙第1号証から乙第3号証に示すとおり、顧客システムに対してネットワークを通じて遠隔監視やプロテクトを行うASP型のサービスである。
(4)乙第5号証は、商標権者により実際に提供されているコンピュータ画面の画像であって、その画面は、当該サービスの提供について商標権者と契約した顧客のみが閲覧することができる画面であり、顧客は自社内のコンピュータによりネットワークを通じて商標権者管理下のサーバ「セキュリティオペレーションセンタ(SOC)」にアクセスし、当該サーバが有するコンピュータの遠隔監視及びプロテクトのための機能を利用することが可能となっている。
(5)乙第6号証は、平成18年3月頃に発行された、ソフトバンククリエイティブ株式会社が刊行する「NETWORK Guide」誌の2006年春号における本件役務の紹介記事の写しであって、その雑誌記事には、商標権者が提供する遠隔マネージドセキュリティサービスとして「SHIELD/CSO4U」が紹介されており、これからも、商標権者が、顧客システムの外部に設置された商標権者管理下の「セキュリティオペレーションセンタ(SOC)」から、ネットワークを通じて顧客システムに対してセキュリティ遠隔管理(ファイアウォール監視や検疫管理)を行うサービスを提供していることが明らかである。
(6)乙第7号証は、平成18年8月8日付けで、商標権者が顧客に対して発行した見積書の写しであり、当該役務の提供を受けるためのシステム及び機器の導入にかかる費用と、導入後の月額サービス費用の見積もりを示すものである。また、この見積書の「導入後月額費用」の欄における「ソフトウェアレンタル」、「ハードウェアレンタル」等の記載から、商標権者が提供する役務が、電子応用機械器具及びプログラムの貸与を含むものであることが明らかである。
(7)乙第8号証は、平成19年8月4日付けで、商標権者が当該役務の提供につき顧客に対して発行した請求書の写しであって、この請求書の「品名」欄に「業務系SHIELDサービス費用」との記載がある。
(8)なお、取消請求に係る役務は「情報通信ネットワークにおける電子計算機のプログラム及びデータの遠隔監視及びプロテクトのための電子応用機械器具及びプログラムの貸与」であるところ、上記した商標権者が提供するサービスは、顧客コンピュータに保有されるプログラム及びデータの遠隔監視及びプロテクトのためのサーバ上の機能をネットワークを通じて提供するものであり、顧客コンピュータがサーバから当該機能を実行するプログラムを一時的に貸与されて実行可能となるいわゆるASP型のサービスであるので、本件取消請求に係る役務と同一の役務である。

第4 当審の判断
1 被請求人提出の証拠及び答弁の理由によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第1号証は、最終頁の「株式会社日立情報システムズ」及び、「2006.03/Printed in JAPAN」等の表示から、2006(平成18)年3月頃に作成された商標権者に係るパンフレットと認められるものである。
ア 表紙には、その中央に顕著に表されてた「SHIELD」の英文字及び左上にも複数の鉤形に囲まれた「SHIELD」の英文字とその下段にこれに比して小さく「one stop security solution」の記載がある。そして、後者の表示は、3葉目及び5葉目にも記載がされている。
イ 5葉目には、「日立情報のワンステップセキュリティソリューション『SHIELD』は…お客様の情報資産を守るために有効なセキュリティ対策を日々提案し続けます。」、「『SHIELD』は運用できる情報セキュリティをご提供します。」、「SHIELD/運用サポート」の見出しで「■セキュアホスティング/■遠隔監視、遠隔制御/■クライアントPC管理」、「SHIELD/インテグレーションサポート」の見出しで「■不正侵入、被害拡散防止/■暗号化(データ/通信)/■認証、利用制限/■フォレンジック、監視分析」等の記載がある。
ウ 7葉目には、「Q 複雑なセキュリティシステムを簡単に運用する手段はあるのか? A『アウトソーシング』と『自動化』の2種類を用意してます。…運用はセキュリティに特化したデータセンタでのアウトソーシングサービスを承ります。また、…自動化するソフトウェア『SHIELD/ExLink』もあります。」等の記載がある。
エ 最終頁(8葉目)の「■ セキュリティ商品・サービス一覧表」の「区分」の欄には、「SHIELD/プランニング/サポート」、「SHIELD/インテグレーション/サポート」、「SHIELD/運用サポート」及び「SHIELD/法対応サポート」の記載がある。
さらに、「用途」の欄には、「セキュリティ監査、脆弱性診断、不正アクセス解析」、「不正侵入、被害拡散防止」、「セキュアホスティング」、「遠隔監視、遠隔制御」等の記載がある。
また、「商品・サービス名」の欄には、「SHIELDeXpressセキュリティ監査・診断サービス」、「SHIELD/ExLink-Qu」、「SHIELDセキュリティセンタサービス」及び「SHIELD/CSO4U/(SHIELDeXpress/i-Monitorサービス+SHIELD/ExLink)」等の記載がある。
(2)乙第2号証は、裏面の「株式会社日立情報システムズ」及び「2007.10/Printed in JAPAN」等の表示から、2007(平成19)年10月頃に作成された商標権者に係るパンフレットと認められるものである。
そして、表面左上には複数の鉤形に囲まれた「SHIELD」の英文字とその下段にこれに比して小さく「one stop security solution」の記載並びに「SHIELDセキュリティセンタサービス」、「情報漏えい対策」、「不正アクセス対策」及び「セキュリティ侵害対策」等の記載がある。
(3)乙第3号証は、「HITACHI/uVALUEコンベンション2006」に関連の資料と認められ、「遠隔マネージド/セキュリティサービス SHIELD/CSO4U」を項目見出しとして、3葉目には、「(1)セキュリティ遠隔管理:お客さまサイトのファイアウォール監視や検疫管理を提供」、「(2)セキュリティ情報提供:SOC…」の記載や当該サービスイメージとした図表内に「■セキュリティオペレーションセンタ(SOC)/SHIELDeXpress i-Monitor」や「SHIELD/ExLink」等の記載がされている。
(4)乙第4号証は、2006年6月7日から9日にかけて幕張メッセで開催された「INTEROP」の展示会に関連の資料と認められ、上記パンフレット(乙第1号証)の各「商品・サービス名」と同じくするものの記載があり、1葉目の「One Stop Solution」等の表題の下で、見出しを「展示デモコーナーのご案内」とする箇所に「●遠隔マネージドセキュリティサービス『SHIELD/CSO4U』セキュリティオペレーションセンタ(SOC)による24h7day対応の監視サービスに、お客様サイト内のセキュリティシステム(FireWall)の制御をプラスした新サービス」や「●検疫ソリューション『SHIELD/ExLink-Qu』社内ネットワークに接続するPCの状態…自動的に検査・治療する…」等の記載がされている。
(5)乙第5号証は、コンピュータ画面と思しきものであって、その画面上には「SHIELDeXpress i-Monitor」や「Securuty Management UI SHIELDeXpress」の記載がされている。
(6)乙第6号証は、題号を「NETWORK Guide」(2006.SPRING)とし、副題を「ネットワークエンジニアのキーパーソンをサポートする」とした情報誌と認められ、該記事には、商標権者の「SHIELD/CSO4U」が紹介されており、そのサービスイメージ図や「セキュリティポータルの画面」及び商品構成の表として「商品名称」、「内容」及び「販売価格」の記載がされている。
(7)乙第7号証は、商標権者の作成に係る平成18年8月8日付けの見積書の写しであって、「品名及び仕様」の欄に「Shieldセンター サーバリプレース及びGuardianWall導入」の記載、その下位に「1.一時費用 1-1.設計・セットアップ費用 1-2.運用設計費用」、「2.導入後月額費用 2-1.設備提供サービス /センタ費用/ハードウェアレンタル/ソフトウェアレンタル/専用線(広域LAN1.5Mbps)/インターネット接続費用/ドメイン維持費用」等の記載がされている。
(8)乙第8号証は、商標権者の作成に係る平成19年8月4日付けの請求書写しであって、「品名」の欄に「業務系SHIELDサービス費用/1.月額費用(平成19年8月分)」の記載がされている。
(9)小括
してみると、乙各号証は、その各記載内容からして、商標権者(株式会社日立情報システムズ)の提供に係るブロードバンド、モバイルネットワークなどのインターネット上での情報通信ネットワークにおけるセキュリティ対策に関する一連のパンフレット類や取引書類といえるものである。
2 使用商標について
乙第1号証のパンフレットには、「SHIELD」の英文字が表紙中央に顕著に表示されていること、また、「SHIELD」の英文字を冠した「SHIELDセキュリティセンタサービス」(乙第1号証、乙第2号証)、「SHIELD/CSO4U」(乙第1号証、乙第3号証、乙第4号証、乙第6号証)、「SHIELDeXpress/i-Monitorサービス」(乙第1号証、乙第3号証、乙第6号証)、「SHIELD/ExLink」(乙第1号証、乙第3号証)等の使用は、「SHIELD」の文字を頭に付けたシリーズ商品や姉妹商品などの使用とみることができるから、このような場合において「SHIELD」の文字自体が独立して、自他商品又は役務の識別標識として機能しているというのが商取引の実際に即するものといえるから、いずれも本件商標と社会通念上同一の商標の使用とみることができる。
3 使用役務について
乙第1号証には、7葉目の「Q&A」には「…運用はセキュリティに特化したデータセンタでのアウトソーシングサービスを承ります。また、…自動化するソフトウェア…もあります。」、最終頁の「用途」の欄に「不正侵入、被害拡散防止」、「暗号化(データ/通信)」、「認証・利用制限」、「遠隔監視、遠隔制御」、「クライアントPC管理」等の記載がある。
また、乙第4号証には、「…お客様サイト内のセキュリティシステム(FireWall)の制御をプラスした新サービス」や「社内ネットワークに接続するPCの状態…自動的に検査・治療する…」等の記載がある。
そうすると、商標権者は、「SHIELD」商標の下で、企業の情報通信システムと同人が外部に設置し、管理・運用するデータセンターにより、サーバ環境の提供やセキュリティ遠隔管理(ファイアウォール監視や検疫管理)に係るサービス(役務)を提供していると認められ、また、見積書(乙第7号証)における「Shieldセンター サーバリプレース及びGuardianWall導入」や「センタ費用/ハードウェアレンタル/ソフトウェアレンタル/専用線(広域LAN1.5Mbps)/インターネット接続費用」等の記載、及び請求書(乙第8号証)においての「業務系SHIELDサービス費用 1.月額費用(平成19年8月分)」の記載からして、当該セキュリティ対策商品及び役務に関する取引がされたといえるものである。
したがって、商標権者は、不正侵入対策、遠隔監視及び遠隔制御等の電子計算機のプログラム等を提供していることが認められ、かつ、これらは、取消請求に係る役務の範疇に属する役務といえるものである。
4 使用時期について
使用時期については、2006年3月頃作成のパンフレット(乙第1号証)、2007年10月頃に作成のパンフレット(乙第2号証)、2006年6月7日から9日にかけて開催された展示会の資料(乙第4号証)、2006年春の発行の情報誌(乙第6号証)及び平成18年8月8日付けの見積書(乙第7号証)と同19年8月4日付けの請求書(乙第8号証)から、本件審判の請求の登録前3年以内の使用といえるものである。
5 まとめ
以上のとおり、証拠(乙各号証)を総合勘案すれば、継続して本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者により、取消請求に係る役務についての本件商標又はこれと社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを被請求人が証明したといえるものである。
したがって、本件商標の登録は、請求に係る指定役務について、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2009-01-09 
結審通知日 2009-01-16 
審決日 2009-01-29 
出願番号 商願平8-137209 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (042)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 津金 純子 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 小林 由美子
久我 敬史
登録日 1999-01-08 
登録番号 商標登録第4227561号(T4227561) 
商標の称呼 シールド 
代理人 石川 義雄 
代理人 橋本 良樹 
代理人 幡 茂良 
代理人 特許業務法人プロテック 
代理人 鈴江 武彦 
代理人 小出 俊實 

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