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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20135395 審決 商標
不服200832574 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない X25
審判 査定不服 外観類似 登録しない X25
管理番号 1199058 
審判番号 不服2008-21589 
総通号数 115 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-07-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-08-22 
確定日 2009-06-12 
事件の表示 商願2007-115586拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第25類「洋服,寝巻き類,下着,靴下,帽子,ガーター,草履類,運動用特殊衣服」を指定商品として、平成19年11月15日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第401308号商標(以下、引用商標という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、昭和25年5月11日に登録出願、第36類「被服、手巾、釦鈕及び装身用「ピン」の類」を指定商品として、昭和26年7月30日に設定登録され、その後4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに平成14年3月6日に指定商品を第5類「失禁用おしめ」、第9類「事故防護用手袋,防火被服」、第10類「医療用手袋」、第14類「カフスボタン,ネクタイピン,宝石ブローチ」、第16類「紙製幼児用おしめ」、第21類「家事用手袋」、第24類「布製身の回り品,経かたびら」、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,ヘルメット,帽子,運動用特殊衣服,マラソン足袋,地下足袋」及び第26類「帯留,こはぜ,ボタン,衣服用ブローチ」とする書換登録がされたものである。

3 当審の判断
本願商標は、黒色の長方形内に、大きく「霞」の白抜き文字を有し、当該文字の左斜め上方と下方右寄りに桜の花と思しき図形、及び該長方形内の左下方から右方向に迫り出すように描かれた図形模様を配してなるものである。
しかして、本願商標の構成にあって、「霞」の文字と他の図形が、常に一体不可分なものとすべき特段の理由はないことから、「霞」の文字部分は、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。
そして、「霞」の文字は、株式会社岩波書店発行「広辞苑 第六版」によれば、「微細な水滴が空中に浮遊するため、空がぼんやりして遠方がはっきりと見えない現象」を意味し、一般に良く知られている言葉と認められるものである。
そうすると、本願商標からは「カスミ」の称呼及び「霞(かすみ)」の観念を生ずるものというのが相当である。
他方、引用商標は、所々途切れた略二重円の中央に片仮名「カ」を配した図形と、その下に、縦長長方形様の図形の上方及び下方を点線で区切り、中央部分に「かすみ」の文字を書してなる図形を配した構成よりなるところ、二つの図形部分が常に一体不可分なものとすべき特段の理由はなく、また、「かすみ」の文字と当該文字を囲む図形が常に一体不可分なものとすべき特段の理由もないことからすれば、「かすみ」の文字部分は、看者の注意を惹く文字として、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。
そして、平仮名「かすみ」は、「微細な水滴が空中に浮遊するため、空がぼんやりして遠方がはっきりと見えない現象」を意味するものとして想起されるものである。
よって、引用商標からは「カスミ」の称呼及び「霞(かすみ)」の観念を生ずるとするのが相当である。
そうとすれば、本願商標と引用商標とは、「カスミ」の称呼及び「霞(かすみ)」の観念を共通にする類似の商標であるというべきである。
また、本願の指定商品は、引用商標に係る指定商品と同一又は類似の商品を含むものである。
請求人は、引用商標に接する取引者、需要者は引用商標を全体として1つの風鈴の図形を表わしたものと理解するものといえ、殊更「かすみ」の文字のみを分離、抽出して取引に当たることはない旨主張しているが、引用商標においては、上に配した図形と下に配した図形が分離されているものであり、円形様の図形も左右にとぎれた二重線内に「カ」の文字を書してなる平面的な描写であることからすれば、これより、必ずしも風鈴の図形を理解するとはいい難いものである。仮に、風鈴を理解させる場合があるとしても、そのことのみをもって、「かすみ」の文字部分が独立して自他商品の識別標識として機能することを否定する理由にはならない。
また、請求人は、引用商標中の「かすみ」の部分が取引者、需要者をして直ちに「霞」を理解させることはなく、取引の場において特定の意味合いを理解することはない旨主張するとともに、その理由として、「霞」の漢字が常用漢字ではないこと、「かすみ」の文字が引用の商標権者である「かすみタオル株式会社」の略称であること、「香澄、加寿美」のように女性の名前にも用いられる語であることを挙げている。
しかしながら、「かすみ」は「微細な水滴が空中に浮遊するため、空がぼんやりして遠方がはっきりと見えない現象」を意味する語として広く知られているから、「かすみ」からは「霞」を理解することが少なくないと判断するのが相当である。
さらに、請求人は、称呼が共通する場合であっても、外観、観念が異なることにより、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想が著しく異なる場合には、取引の場において商品の出所の混同が生じるおそれがない旨主張しているが、上記のとおり、本願商標と引用商標からはともに「霞(かすみ)」の観念を生ずるとするのが相当であるから、本願商標と引用商標から生じる観念が異なることを前提とした請求人の主張を採用することはできない。
また、過去の登録例を挙げて、本願も同様に商標登録されるべき旨述べているが、商標の類否判断は個別になされるべきものであるところ、それらの登録例は、本願商標とは商標の構成及び指定商品を異にする事案であって、本願商標については前記認定のとおりであるから、この点についての請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すことはできない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 <別掲1> 本願商標


<別掲2> 引用商標[登録第401308号]


審理終結日 2009-03-30 
結審通知日 2009-04-01 
審決日 2009-04-21 
出願番号 商願2007-115586(T2007-115586) 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (X25)
T 1 8・ 263- Z (X25)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 今田 三男山田 正樹 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 赤星 直昭
井出 英一郎
商標の称呼 カスミ 
代理人 特許業務法人三枝国際特許事務所 

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