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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない Y03
審判 査定不服 外観類似 登録しない Y03
審判 査定不服 称呼類似 登録しない Y03
管理番号 1199020 
審判番号 不服2008-650077 
総通号数 115 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-07-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-07-10 
確定日 2009-03-31 
事件の表示 国際登録第898688号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第3類「Toilet soaps;perfumes;eau de toilette and eau de cologne;cosmetic products;make-up products;essential oils for personal use;milks;lotions,creams,emulsions,gels for face and body care;deodorants for personal use.」を指定商品として、2006年1月23日にFranceにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年7月24日を国際登録の日とするものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した商標は、以下のとおりである。
(1)登録第599107号商標(以下「引用商標1」という。)は、「Mariage」の欧文字と「マリアージュ」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、昭和36年7月20日登録出願、第4類「せつけん類(薬剤に属するものを除く)歯磨き、化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」を指定商品として、同37年10月12日に設定登録され、その後、同48年12月25日、同58年5月20日、平成5年10月28日及び同14年10月29日に商標権の更新登録がなされ、同16年8月11日に第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料」とする指定商品の書き換え登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第3269512号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ALBION」の欧文字と「MARIAGE」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成6年9月27日登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、同9年3月12日に設定登録され、その後、同19年3月27日に商標権の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、薄緑色の横長長方形内にローマン体の書体で白抜きで書された「AMARIGE」の欧文字と、「フーツラ・メジューム(サンセリフ)」風の書体により赤色で大きく書された「MARIAGE」(第6文字「G」は、他の文字に比較してやや大きく表されてなる。)の欧文字とを二段に表してなるところ、下段部に表された「MARIAGE」の文字は、上段部に表された「AMARIGE」の文字に比して約2倍ほどの大きさで顕著に表されており、加えて、上段の「AMARIGE」の文字と文字色を変えて表されていることから、「MARIAGE」を構成する「G」の文字部分が、上段の「AMARIGE」を構成する「G」及び「E」の文字部分に一部重なる態様で表されているとしても、上段と下段のそれぞれの文字部分は、外観上、分離して看取され得るとみるのが相当である。
また、上段の「AMARIGE」の文字部分は、何ら特定の意味合いを想起させることのない造語であるのに対し、下段の「MARIAGE」の文字部分は、「結婚」の意味を有する仏語である(株式会社三省堂発行「コンサイス仏和辞典」)。そして、これらの各文字を一体のものとして把握しなければならないような意味上の関連性はなく、他にこれらを常に一体のものとして把握しなければならないとする特段の事情も見いだせない。
そうすると、本願商標に接する需要者は、その構成中、赤色で顕著に表された「MARIAGE」の文字部分を捉え、これから生ずる「マリアージュ」の称呼及び「結婚」の観念をもって、商品の取引にあたる場合も決して少なくないとみるのが相当である。
したがって、本願商標は、その構成文字全体に相応して生ずる「アマリージュマリアージュ」の一連の称呼のほか、「MARIAGE」に相応する「マリアージュ」の称呼及び「結婚」の観念も生ずるものといえる。
他方、引用商標1は、「Mariage」の欧文字とその表音と認められる「マリアージュ」の片仮名文字とを二段に書してなるものであるから、それぞれの構成文字に相応して、「マリアージュ」の称呼及び「結婚」の観念が生ずるものである。
また、引用商標2は、「ALBION」の欧文字と「MARIAGE」の欧文字とを二段に書してなるところ、構成中の「MARIAGE」の欧文字は、「ALBION」の欧文字に比較して大きく書されてなるものであり、両文字を一体不可分のものと認識しなければならない格別の理由が見いだし得ないから、これに接する取引者、需要者は、大きく書された「MARIAGE」の欧文字に着目し、これから生ずる称呼「マリアージュ」及び「結婚」の観念をもって取引に資される場合が少なくないというべきであるから、引用商標2は当該文字に相応して「マリアージュ」の称呼及び「結婚」の観念を生ずるものといえる。
そうすると、本願商標と引用各商標とは、「マリアージュ」の称呼及び「結婚」の観念を共通にするものである。
また、本願商標と引用各商標の構成中の「MARIAGE」の文字部分は大文字と小文字の差異はあるものの、看者に近似した印象を与えるものといえる。
してみれば、本願商標と引用各商標は、称呼及び観念を共通にし、外観においてもある程度近似したものといえるから、その出所について混同を生ずるおそれのある類似の商標といわなければならない。
そして、本願の指定商品は、引用各商標に係る指定商品と同一又は類似する商品を含むものである。
なお、請求人は、本願商標は、全体として一体不可分の造語として認識されるものであり、他の登録例を挙げて本願商標の登録適格性を主張しているが、それらの事例は商標の具体的構成において本願商標とは事案を異にするものであり、かつ、本件については前記認定を相当とするものであるから、それらの事例をもって本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切ではない。
さらに、請求人は、本願商標に係る商品は、発売以来注目を集め、日本を含め世界全体で12,300,000ユーロ以上を売上げているものであり、また、商標採択の経緯から、本願商標が二段書きになっているとしても、上段と下段の文字のまとまりは強く、商標全体として把握すべきであり、「MARIAGE」の部分のみが殊更分離して把握されるのは不自然である旨主張する。
確かに、商標の類否判断に当たって対比する両商標を全体的に考察すべきであることはそのとおりであるが、一方で、簡易、迅速をたっとぶ取引の実際においては、各構成部分がそれを分離して考察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているのでない商標は、常に必ずしもその構成部分全体の名称によって称呼、観念されず、しばしば、その一部だけによって簡略に称呼、観念され、1個の商標から2個以上の称呼、観念の生ずることがあるのは、経験則の教えるところである。そして、この場合、1つの称呼、観念が他人の商標の称呼、観念と同一又は類似であるとはいえないとしても、他の称呼、観念が他人の商標のそれと類似するときは、両商標はなお類似するものと解するのが相当である(最高裁昭和38年12月5日判決、民集17巻12号1621頁)。
また、商標の類否判断に当たっては、当該商標の採択者の意図にかかわらず、当該商標に接する取引者・需要者の認識を基準として、当該商標から生ずる自然な称呼、観念をもって判断すべきものであって、上下二段の文字から構成される本願商標においては、前記したとおり、構成中の「MARIAGE」の文字部分の印象が看者に強く残るとみるのが相当であるから、外観における差異が、称呼及び観念を凌駕する程著しく相違するものではなく、本願商標と引用各商標とを明らかに識別できるということはできない。よって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 【別記】

審理終結日 2008-10-29 
結審通知日 2008-11-04 
審決日 2008-11-17 
国際登録番号 0898688 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (Y03)
T 1 8・ 263- Z (Y03)
T 1 8・ 262- Z (Y03)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大塚 順子 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 矢澤 一幸
木村 一弘
商標の称呼 アマリージュマリアージュ、アマリージュマリヤージュ、アマリージュ、マリアージュ、マリヤージュ 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 田中 克郎 

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