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審判番号(事件番号) データベース 権利
取消2007300630 審決 商標

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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 030
管理番号 1198844 
審判番号 取消2008-301355 
総通号数 115 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-07-31 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2008-10-21 
確定日 2009-05-11 
事件の表示 上記当事者間の登録第4091664号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4091664号商標(以下「本件商標」という。)は、「MultiProGreens」の欧文字及び「マルチプログリーン」の片仮名文字を上下二段に表してなり、平成7年12月8日に登録出願、第30類「小麦・大麦・オート麦・スピルリナ・クロレラ・花粉・緑茶・海草・種子類・ほうれん草・朝鮮人参・アルファルファ等を主成分とした粉末状の加工食料品」を指定商品として、同9年12月12日に設定登録され、その後、同19年8月28日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
また、本件審判の請求の登録日は、平成20年11月11日である。

第2 請求人の主張の要点
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由として、本件商標は、その指定商品につき継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって使用された事実が存しないものであるから、商標法第50条1項に規定によりその登録は取消されるべきである旨主張し、甲第1号証を提出した。

第3 被請求人の答弁の要点
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第6号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 答弁の理由の詳細
被請求人は、身体に害のない安心して使用できるサプリメント事業をはじめ、医薬品個人輸入サポート事業、輸入雑貨事業、アパレル事業など、幅広く輸入・販売・製造を行う会社であるが、13年前の平成7年に、アメリカの Nutricology社から「ProGreens」なる健康補助食品を輸入・販売しようとしたところ、日本において食品として許可されない物質が含まれていたので、該メーカーにその物質を除いて製造するよう要請したものの、該メーカーの同一名で輸入することができないことから、被請求人は「multi」を付加することによって輸入・販売することができた。それ以来、現在に至るまで該商品に本件商標を継続して使用し販売を続けている。
したがって、本件商標は、本件審判請求の予告登録の日(平成20年11月7日)より前3年以内に、その指定商品について使用していることは明らかであるから、その事実を以下の書証により証明する。
(1)乙第2号証
乙第2号証の印刷物は、被請求人が2006年10月17日にホームページ上で作成した商品のカタログである。該紹介ページの中段には、[「multiProGreens」(以下、本件使用商標Aという。)はここが違う!]、「マルチプログリーン1日分」(以下、「マルチプログリーン」を本件使用商標Bという。)等が記載され、商品の特徴、効能、成分等を紹介して販売していることを証明する。
(2)乙第3号証
乙第3号証は、被請求人が2006年10月31日に各本件使用商標を付した商品のラベル等の印刷を印刷会社に依頼したときの請求書である。品名には本件使用商標Bの記載があることを証明する。
(3)乙第4号証の1ないし4
本件使用商標Aを付した商品は、被請求人が原料を米国から輸入し、国内の食品加工会社に委託してプラスチックボトルに充填し、ラベルを貼付して被請求人が販売している。
乙第4号証の1及び2は、本件使用商標Aが記載された商品の写真である。ラベルの裏には「multiProGreens」と記載されている。該商品の製造年月日は2006年10月、賞味期限は2008年10月と貼付したラベルに記載されている(乙第4号証の1、2)。
これら日付の裏づけについては、輸入を証明する2006年5月17日付「INVOICE」と国内において加工代行をしている食品加工会社からの請求書中に、2006年10月31日「マルチプログリーン加工代、同運賃代」と記載されていることにより明らかである(乙第4号証3、4)。
(4)乙第5号証
楽天市場のホームページ上で、需要者が実際に各本件使用商標を付した商品を購入していることを証明する。
(ア)2006年11月24日付【楽天市場】注文内容のご確認(自動配信メール)から、杉並区在住の需要者より注文を受ける。(甲第5号証の1)
(イ)2007年9月28日付【楽天市場】注文内容のご確認(自動配信メール)から、世田谷区在住の需要者より注文を受ける。(甲第5号証の2)
(ウ)2008年9月18日付【楽天市場】注文内容のご確認(自動配信メール)から、北海道在住の需要者から注文を受ける。(甲第5号証の3)
(エ)2008年9月18日付 宅急便出荷予定一覧表(甲第5号証の4)
(5)乙第6号証
楽天のホームページ上には、各本件使用商標を付した商品が紹介されているが、該紹介ページは、Googleに保存されている2008年9月30日にGTMに取得されたものであることを証明する。
該ホームページには、「multiProGreens(マルチプログリーン)は、NutriCology社製品を製造している専属工場と当社が共同で日本市場向けに研究開発したグリーンフードです。」の文字が記載され紹介されていることを証明する。

2 社会通念上の同一性の有無
本件商標と各本件使用商標とが社会通念上同一であることを、以下のとおり主張する。
(1)本件商標は、上段に欧文字の大文字と小文字を組合わせて「MultiProGreens」と横書きし、下段に片仮名で「マルチプログリーン」と横書きした2段の構成になっているのに対し、本件使用商標Aは本件商標の上段のうち、前半部の「Multi」を小文字で「multi」と横書きし、白抜きの小文字を使用するなどしており、後半部の「ProGreens」は、「Pro」を赤色、「Greens」を緑色で色彩豊かに表現するなどして使用しており、全体を通して「multiProGreens」と横書きで使用している。
このような使用方法については、本件商標の構成欧文字と同一の欧文字綴りであり、本件商標に比して二段書きはされていないものの、称呼が同一であり、観念上変動がないとみるのが妥当である。
また、本件使用商標Bは本件商標の下段と同一である。
(2)さらに、被請求人は本件商標を使用するにあたり、乙第1ないし第6号証で証明するとおりであるが、本件商標の上段の欧文字については、本件使用商標に付した商品が複数の緑黄色野菜を使用しているサプリメントであることから、本件商標の末尾に「s」をつけて、緑黄色野菜やサラダを表している。しかし、下段の片仮名部分については、アルファベットの末尾「s」を片仮名で称呼すれば「ズ」という濁音になることから、サプリメントのイメージを損ないたくない想いがあり、「ズ」を省略したアルファベット部分を日本語読みで表記したものである。
したがって、本件使用商標AとBを切り離して使用することについては取引者又は需要者並びに看者にとって、両者がことさら別異のものとして認識されるものではない。
(3)してみれば、各本件使用商標は本件商標の上段の前半部の文字の大きさや書体に多少色の変化を加えた同一の文字からなるものであり、称呼を共通にするうえ、観念上の変動もなく、本件商標の上段と下段を分離して使用する程度の使用は、社会通念上観念・称呼において同一と解して妨げはないものと解するのが相当であり、看者にとって別異のものとして認識されるものではない。
したがって、各本件使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められるのが相当である。

3 .結び
以上の各書証から、少なくとも、本件商標「multiProGreens/マルチプログリーン」は、2006年11月から2008年9月頃の間、継続して使用していた事実が複数の第三者によって証明されている。

第4 請求人の弁駁
請求人は、被請求人の答弁に対し弁駁していない。

第5 当審の判断
1 被請求人が提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第1号証は、本件商標の商標公報である。
(2)乙第2号証は、本件商標を付した商品カタログ(写し)と認められるところ、1頁及び2頁に商品の写真が掲載され、2頁に「マルチプログリーン1日分(スプーン2杯分)の摂取量を野菜にたとえると・・・」の文字及び「マルチプログリーンは、いわゆる大麦若葉を主原料としたケール加工食品と違い、多くの食物の栄養素をバランス良く取り入れています。つまり、マルチプログリーンは、一杯で一日分の野菜を補い、なおかつビタミン(C,Eは除く)ミネラルの一日分を補給できる総合食品なのです。」の文字が記載されている。3頁に「Supplement Facts」の文字とともにスプーン2杯当たりのエネルギー、栄養成分及び原材料が記載され、原材料欄には、「小麦・大麦・オート麦・スピルリナ・クロレラ・花粉・緑茶・ホウレン草・アルファルファ」等の文字が確認できる。3頁の右下には、「multiProGreens(multiの文字部分は篭文字風に表されている。)」の文字が記載されている。
(3)乙第3号証は、商品のラベルの印刷を依頼したときの印刷業者の請求書(写し)と認められるところ、上段左側には、「株式会社 エム・エヌ・ジャパン 御中」の文字が記載され、右側には、「2006年10月31日」の文字、「光写真印刷株式会社」の文字、同社の住所及び電話番号が記載され、品名欄に「マルチプログリーンラベル」及び「マルチプログリーン 天面ラベル」の文字、数量欄に各「1,500」の文字が記載されている。また、欄外の最も下には、「振込銀行:城南信用金庫 池上支店」の文字及び当座預金番号が記載されている。
(4)乙第4号証の1は、乙第2号証1頁及び2頁に掲載された写真と同一の商品の写真(写し)と認められるところ、商品の側面に「multiProGreens」の文字が記載されている。
(5)乙第4号証の2は、乙第4号証の1の商品の底面写真(写し)と認められるところ、「製造年月日2006.10」及び「賞味期限2008.10」の文字が記載されている。
(6)乙第5号証の1ないし3は、注文内容ご確認メール(自動配信メール)(写し)と認められるところ、乙第5号証の1には、「2006年11月24日」の文字及び「multi ProGreens(マルチプログリーン)」の文字が記載されている。
また、乙第5号証の2には、「2007年9月28日」の文字及び「multi ProGreens(マルチプログリーン)」の文字が記載されている。
さらに、乙第5号証の3には、「2008年9月18日」の文字及び「multi ProGreens(マルチプログリーン)」の文字が記載されている。

2 当審の判断
(1)乙第2号証3頁、乙第3号証、乙第4号証の1及び乙第5号証の1ないし3に記載されている商標「multi ProGreens」又は「マルチプログリーン」は、本件商標と社会通念上同一の商標と認めることができる。
(2)乙第2号証の商品は、いわゆる健康食品を表したものと認められ、その3頁において、原材料が本件の指定商品とほぼ一致することから、本件商標の指定商品を表したものと認めることができる。
(3)乙第3号証、乙第4号証の2及び乙第5号証の1ないし3において、被請求人が本件商標を使用していると証明する日付は、いずれも本件審判の請求の登録前3年以内の日付と認めることができる。

3 まとめ
乙第2号証、乙第3号証、乙第4号証の1及び2並びに乙第5号証の1ないし3によれば、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者が指定商品について、本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたものと認めることができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2009-03-12 
結審通知日 2009-03-16 
審決日 2009-03-31 
出願番号 商願平7-127888 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (030)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 長澤 祥子 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 杉山 和江
平澤 芳行
登録日 1997-12-12 
登録番号 商標登録第4091664号(T4091664) 
商標の称呼 マルチプログリーン、マルチプログリーンズ、マルチプロ 
代理人 深見 久郎 
代理人 森田 俊雄 
代理人 野田 久登 
代理人 特許業務法人共生国際特許事務所 
代理人 竹内 耕三 

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