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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X25
審判 全部申立て  登録を維持 X25
管理番号 1197374 
異議申立番号 異議2008-900258 
総通号数 114 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2009-06-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-06-30 
確定日 2009-05-11 
異議申立件数
事件の表示 登録第5122195号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5122195号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5122195号商標(以下「本件商標」という。)は、「MERIHARISTYLE」の欧文字と「メリハリスタイル」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、平成19年4月24日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同20年2月7日に登録査定、同年3月28日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人の引用する商標
登録異議申立人株式会社ワコール(以下「申立人」という。)は、以下の3件の商標を引用している。
(1)登録第4722262号商標(以下「引用商標1」という。)は、「メリハリ」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成15年1月10日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年10月31日に設定登録されたものである。

(2)登録第4722261号商標(以下「引用商標2」という。)は、「メリハリサイド」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成15年1月10日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年10月31日に設定登録されたものである。

(3)登録第4722263号商標(以下「引用商標3」という。)は、「メリハリシェイプ」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成15年1月10日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年10月31日に設定登録されたものである。

3 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標構成中の「STYLE」の語は、「(服装などの)様式、型(特におしゃれな型)、流行」等の意味合いを表す極めて身近な英単語であり、指定商品との関係においては内容表示的な形容詞的文字にすぎず、自他商品識別機能はほとんど無いかあっても極めて弱いものである。
しかも、本件商標は、全体の称呼も8音と冗長にすぎるから、取引者、需要者は、「MERIHARI/メリハリ」部分から生じる称呼「メリハリ」をもって取引にあたる。
してみれば、本件商標からは、「メリハリ」単独の称呼をも生じるものというべきである。
したがって、本件商標と引用商標1とは、「メリハリ」の称呼を共通にする類似の商標であり、指定商品も同一又は類似の商品を含むものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、2003年5月より、きれいなバストシルエットを作り出すことができる下着に「メリハリサイド」(引用商標2)を使用し、また、きれいなヒップラインを作り出すことができる下着に「メリハリシェイプ」(引用商標3)を使用している。
引用商標2及び3を使用する商品は、その機能の高さから若い女性を中心に絶大な人気を博し(甲第19号証ないし甲第27号証)、発売開始以来、「メリハリサイド」は約90万枚、「メリハリシェイプ」は約180万枚もの売り上げを記録しており、本件商標の出願日までには、広く一般に知られていたものである。
本件商標と引用商標2及び3は、「メリハリ」の文字が含まれているというのみでなく、「メリハリ」とファッション関連の語という構成自体も近似した商標であり、その類似性は高く、シリーズ商品であるかの如く認識させるものである。
そして、引用商標2及び3を使用する商品「下着」は、「被服」に包括されており、「被服」以外の指定商品もファッション用品であったり、着たり履いたりするものであるから関連性の深い商品である。
したがって、本件商標がその指定商品に使用された場合には、商品又は営業上の出所混同を生じるおそれが極めて高いから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものといわざるを得ない。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「MERIHARISTYLE」の欧文字と「メリハリスタイル」の片仮名文字とを二段に横書きしてなるところ、これを構成する欧文字及び片仮名文字の各構成文字は、いずれも外観上まとまりよく一体的に表現されており、これより生ずる「メリハリスタイル」の称呼もさほど冗長という程のものではなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、その構成中の「STYLE/スタイル」の語は、「(服装などの)様式、型(特におしゃれな型)、流行」等の意味合いを表す語であり、指定商品との関係においては内容表示的な文字であることは否定できないものの、「メリハリ」の語(文字)も、元々の語義を離れ、最近においては、例えば被服に関して、「メリハリのある体型、メリハリがあるように見せる為の着こなし」(http://www.style-connection.net/report/body11.html)のような使用の仕方がされており、指定商品との関係において必ずしも強い識別力を有する語とはいい難いものである。
そうとすれば、本件商標は、その構成の一体性から、むしろ、各構成文字全体をもって一体不可分の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然であり、他に、構成中の「MERIHARI/メリハリ」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見いだせない。
してみれば、本件商標は、各構成文字全体に相応して、「メリハリスタイル」の称呼のみを生ずるものというべきであるから、本件商標から単に「メリハリ」の称呼をも生ずるものとし、そのうえで、本件商標と引用商標1とが該称呼において類似するものとする申立人の主張は採用できない。
その他、本件商標と引用商標1とを類似するものとすべき理由は見いだせない。
したがって、本件商標と引用商標1とは、称呼、外観及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものということはできない。

(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、上記(1)で述べたとおり「メリハリスタイル」の称呼のみを生ずるものというべきである。
他方、申立人が周知・著名である旨主張している引用商標2は、「メリハリサイド」の文字からなり、引用商標3は、「メリハリシェイプ」の文字からなるところ、これを構成する片仮名文字は、いずれも、同じ大きさ、同じ書体及び同じ間隔で一体に表現されているものであり、また、これより生ずる「メリハリサイド」の称呼及び「メリハリシェイプ」の称呼も、さほど冗長とはいえず一気一連に称呼し得るものである。
その他、引用商標2及び3から、「メリハリ」の文字部分を分離し把握しなければならないとする格別の事情も認められない。
してみれば、引用商標2からは、「メリハリサイド」の称呼のみを生じ、引用商標3からは、「メリハリシェイプ」の称呼のみを生ずるというべきである。
そして、本件商標より生ずる「メリハリスタイル」の称呼と引用商標2及び3より生ずる「メリハリサイド」「メリハリシェイプ」の称呼とを、それぞれを一連に称呼した場合には、語感・語調が明らかに異なる十分に聴別し得る称呼上、相紛れるおそれのないものといわざるを得ない。
また、本件商標と引用商標2及び3の構成は、それぞれ上記のとおりであるから、外観上、判然と区別できるものであり、かつ、観念については、本件商標と引用商標2及び3は共に造語と認められるから、比較し得ないものである。
してみれば、本件商標と引用商標2及び3とは、称呼、外観及び観念のいずれの点よりみても、別異の商標ということができる。
次に、引用商標2及び3の著名性について検討するに、甲各号証によって、引用商標2及び3が「下着」について使用されている事実を認め得るとしても、甲各号証は、ほとんどが、当該商品に関する商品説明書又は商品カタログの類であるところ、その宣伝・広告の具体的状況、すなわち、広告の時期(期間)、地域、手段、方法、費用等の状況を客観的に明らかにし得るものでない。
また、雑誌への掲載に関する証拠も、「style 2004年3月号」(甲第26号証)及び「JJ 2004年3月号」(甲第27号証)にすぎない。
さらに、当該商品の流通市場における評価、占有率などの事情も不明といわざるを得ず、また、「メリハリ」で約90万枚、「メリハリシェイプ」で約180万枚の売上を記録しているとの主張も証拠による裏付けがない。
したがって、これら提出に係る証拠をもってしては、引用商標2及び3が本件商標の登録出願時において取引者・需要者間に広く認識されていたものとは俄に認め難い。
しかも、本件商標と引用商標2及び3とが、別異の商標であることは上記で述べたとおりである。
そうとすれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者・需要者をして引用商標2及び3を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものということはできない。

(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2009-04-15 
出願番号 商願2007-46681(T2007-46681) 
審決分類 T 1 651・ 26- Y (X25)
T 1 651・ 271- Y (X25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山田 忠司 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 田村 正明
末武 久佳
登録日 2008-03-28 
登録番号 商標登録第5122195号(T5122195) 
権利者 アツギ株式会社
商標の称呼 メリハリスタイル、メリハリ 
代理人 長谷川 芳樹 
代理人 黒川 朋也 
代理人 浅賀 一樹 
代理人 齋藤 宗也 
代理人 浜田 廣士 
代理人 工藤 莞司 

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