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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X10
管理番号 1197247 
審判番号 不服2008-10240 
総通号数 114 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-06-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-04-23 
確定日 2009-04-21 
事件の表示 商願2007- 84195拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「SYMPLICITY」の欧文字を標準文字で書してなり、第10類「腎臓用医療機械器具,神経障害の治療に用いる医療用の装置及び医療用機械器具,高血圧症の治療に用いる医療用の装置および医療用機械器具,心不全の治療に用いる医療用の装置および医療用機械器具,心筋梗塞の治療に用いる医療用の装置および医療用機械器具,造影剤腎症の治療に用いる医療用の装置および医療用機械器具,その他の医療用機械器具」を指定商品として、2007年1月31日アメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成19年7月30日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4602479号商標(以下「引用商標」という。)は、「SimpliCT」の欧文字を標準文字で書してなり、第10類「CT装置と連動して、レーザーによって対象をピンポイントで正確に示し、外科医が最適な箇所に針又はその他の器具を挿入することができるよう誘導する装置並びにその部品及び附属品,その他の医療機械器具」を指定商品として、2000年5月18日ノールウェー王国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成12年8月28日に登録出願され、平成14年9月6日に設定登録されたものである。

3 当審の判断
(1)本願商標は、前記1のとおり、「SYMPLICITY」の文字からなるものであるから、その構成文字に相応して、「シンプリシティー」の称呼を生ずるものであり、また、これよりは、特定の観念を生じさせないものである。
一方、引用商標は、前記2のとおり、「SimpliCT」の文字からなるものであるから、その構成文字に相応して、「シンプリシーティー」の称呼を生ずるものであり、また、これよりは、特定の観念を生じさせないものである。
そこで、本願商標から生ずる「シンプリシティー」の称呼と、引用商標から生ずる「シンプリシーティー」の称呼とを比較すると、両称呼は、「シ」「ン」「プ」「リ」「シ」「ティ」「ー」の長音を含む7音を共通にするものであって、異なる点は第5音の「シ」に長音を伴うか否かの差異にすぎないところ、該差異音は、比較的聴取し難い中間部に位置し、しかも前音「シ」の母音(i)に吸収され一層明確に聴取し難いことから、該差異音がその称呼全体に及ぼす影響は決して大きなものとはいえず、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調、語感が近似したものとなり、互いに聞き誤るおそれがあるものと判断するのが相当である。
してみれば、本願商標と引用商標とは、称呼において類似するものである。
そして、本願商標と引用商標との外観について比較すると、両者の構成態様は、それぞれ前記のとおりであるから、大文字と小文字、2文字目において「Y」と「i」の相違、後半部分における「I」と「Y」の有無という差異を有するものの、その他の7文字は綴り字を共通にし、書体も格別特徴を有しない標準文字からなるものであるから、外観の差異が顕著であるとまではいえない。
また、本願商標と引用商標とは、共に特定の観念を生じさせないものであるから、それらを比較することはできない。
そうとすると、本願商標と引用商標とは、その称呼において類似するものであり、その外観については、その差異が顕著であるとまではいえず、観念については、比較し得ないのであるから、なお称呼において相紛らわしい類似の商標といわざるを得ない。
そして、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものである。
(2)請求人は、称呼上長音の有無によって非類似と判断された審決例を挙げ主張するが、それらの商標とは、長音の位置や観念等を異にするものであるばかりでなく、そもそも、商標法第4条第1項第11号の該当性は、本願商標と引用商標との比較により決せられるべきものであって、対比される商標の具体的な構成等を異にする他の審決例は上記判断を左右するものではないから、請求人の上記主張は採用することができない。
また、請求人は、医療用機械器具全般についても、これらの商品が医院又は病院で専ら使用される機械器具や、主として医師が処置し又は医師の指導で使用される器具機械的なものであって、これらの商品が本来的に人体に対して何らかの影響を与えるという性質を有することからすれば、これらの商品又はこれらに付される商標に払われる注意力は、日用品に対するそれと比べても相当程度に高いものであることは明らかである旨主張するが、本願商標及び引用商標の指定商品である「医療用機械器具」(医療機械器具)には、「体温計,医療用サポーター,腹帯」等の比較的安価な商品も含まれており、店頭での口頭による取引も否定し得ないのであるから、請求人の上記主張も採用することはできない。
(3)したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2008-11-19 
結審通知日 2008-11-25 
審決日 2008-12-08 
出願番号 商願2007-84195(T2007-84195) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (X10)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 高橋 幸志 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 榎本 政実
田村 正明
商標の称呼 シンプリシティ 
代理人 岩瀬 吉和 
代理人 北口 貴大 
代理人 城山 康文 
代理人 森 智香子 

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