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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y25 |
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管理番号 | 1197211 |
審判番号 | 取消2008-300626 |
総通号数 | 114 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2009-06-26 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2008-05-19 |
確定日 | 2009-04-13 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4860667号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4860667号商標(以下「本件商標」という。)は、「Switch」の欧文字を標準文字で表してなり、平成15年10月6日に登録出願、第18類「かばん金具,がま口口金,皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,皮革」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,乗馬靴」を指定商品として、平成17年4月28日に設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。 また、本件審判の請求の登録日は、平成20年6月3日である。 第2 請求人の主張の要点 請求人は、「本件商標の指定商品中、第25類『履物(「靴合せくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く。)』の登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由として、本件商標は、その指定商品中、第25類「履物(「靴合せくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く。)」について、継続して3年以上日本国内において商標権者により使用されている事実は発見することができない。また、本件商標について、専用使用権、通常使用権の登録もされておらず、したがって、これらの者による使用の事実もない。よって、請求人は商標法第50条第1項の規定に基づき、請求の趣旨のとおりの審決を求める旨主張している。 第3 被請求人の答弁の要点 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第8号証を提出した。 1 乙第1号証は、被請求人が製造者(株式会社今泉)あてに発行した加工発注書である。これは、被請求人が最終デザインや製作数量等を製造者へ通知し、指示を行なうための、いわゆる発注書である。本件商品は、最終的には1型(白、黒合計800足)が発注されている。それぞれの商品について本件商標が表示されているので、かかる行為は、商標法第2条第3項第8号の「使用」に該当する。また、乙第1号証には、被請求人の販売に係るビーチサンダル(以下、「本件商品」という)の写真が表示されている。本件商品には、その上面に本件商標が付されており、かかる行為も、商標法第2条第3項第1号の「使用」に該当する。本件商品は、株式会社アートヴィレッヂからの依頼に基づいて800足製造され、全数が株式会社アートヴィレッヂに納入された。因みに、乙第1号証の「(株)今泉 御中」の横に記載された、「07SS」は、2007年の春(Spring)、夏(Summer)商品の略語である。また、商品番号の「S7-01」部分は、「特注品の2007年度における、1番目に企画が完了した商品」の意味である。実際には、以下に述べるとおり、本件商品は、2007年3月31日に株式会社アートヴィレッヂに納入され、同年4月以降販売された。 2 乙第2号証は、楽天市場に登録された、株式会社アートヴィレッヂの概要情報と、その直営店であるBeach Soundショップの店舗一覧である。株式会社アートヴィレッヂは、若者向けアパレルや帽子、バッグ、アクセサリー、サンダル等の服飾雑貨の小売、及び、卸売を業とする会社であり、現時点では、日本全国で約70店舗の直営小売ショップの展開を行なっている。 3 乙第3号証は、株式会社アートヴィレッヂの代表取締役の陳述書である。陳述書記載のとおり、本件商品は、2007年4月1日ないし同年8月末日頃まで、株式会社アートヴィレッヂの直営店であるBeach Soundの錦糸町店を中心に販売された。同社はサーフウエア関連商品を多数販売していることから、本件商標である「Switch」の語感を気に入って(日常生活から、浜辺にSwitch等)、本件商品や本件商標を使用したTシャツ等の製造を、被請求人に依頼した。 4 乙第4号証は、平成19年4月17日に、被請求人の代表者が、株式会社アートヴィレッヂ訪問の際にBeach Sound錦糸町店内にて撮影した写真である。 5 乙第5号証は、乙第1号証の加工発注書に基づき製造された本件商品が、株式会社今泉から被請求人に納入された際の納品書である。乙第5号証に明確なとおり、本件商品は、平成19年3月28日に、800足が株式会社今泉より被請求人に納入されている。 6 乙第6号証は、被請求人の社内における「仕入れ伝票」である。本件商品は、3月28日に被請求人において買掛計上がなされ、その後、株式会社アートヴィレッヂに販売された。 7 乙第7号証及び乙8号証は、被請求人が発行し、株式会社アートヴィレッヂに送った売上伝票(現品添付の納品書)及び請求書である。本件商品800足については、3月30日に株式会社アートヴィレッヂに納品手続きがなされ、その翌日に相当分の請求もなされている。なお、乙第7号証及び乙第8号証は、株式会社アートヴィレッヂに保管されていた原本を回収し、写しをとったものである。その後、株式会社アートヴィレッヂにおいて、2007年4月から8月にかけて本件商品が販売されたことは、乙第3号証に陳述されているとおりである。 以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求の登録日前3年の期間内に、日本国内において、被請求人が、本件審判の請求に係る指定商品中の「ビーチサンダル」について使用している。 第4 請求人の弁駁 請求人は、被請求人の答弁に対し弁駁していない。 第5 当審の判断 1 被請求人が提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。 乙第5号証は、株式会社今泉が、平成19年3月28日付けで被請求人(商標権者)に対し商品を納品した際の2枚の「納品書」と認められるところ、品名の欄には、「S7-D1-W」の文字、「S」の文字、「M」の文字、「L」の文字、「LL」の文字が記載されている。数量の欄には、「S」の文字に対応する欄に「50」と記載され、「M」の文字に対応する欄に「150」と記載され、「L」の文字に対応する欄に「150」と記載され、「LL」の文字に対応する欄に「50」と記載されている。 また、品名の欄には、「S7-D1-B」の文字、「S」の文字、「M」の文字、「L」の文字、「LL」の文字が記載されている。数量の欄には、「S」の文字に対応する欄に「50」と記載され、「M」の文字に対応する欄に「150」と記載され、「L」の文字に対応する欄に「150」と記載され、「LL」の文字に対応する欄に「50」と記載されている。 2 乙第6号証は、商標権者が、平成19年3月28日に株式会社今泉から商品「サンダル」を仕入れた際の「仕入伝票」と認められるところ、「商品コード/商品名」の欄には、「S7-D1-W」の文字及び「SWITCHサンダル白」の文字並びに「S7-D1-B」の文字及び「SWITCHサンダル黒」の文字が記載されている。また、商品コードが「S7-D1-W」の「SWITCHサンダル白」の仕入数量は400であること及び商品コードが「S7-D1-B」の「SWITCHサンダル黒」の仕入数量も400であることが記載されている。 そして、乙第6号証の「S7-D1-W」の数量400は、乙第5号証の「S7-D1-W」の合計数量400と一致している。また、乙第6号証の「S7-D1-B」の数量400も乙第5号証の「S7-D1-B」の合計数量400と一致している。 3 乙第7号証は、商標権者が、平成19年3月30日付けで株式会社アートヴィレッヂに対し商品「サンダル」を販売した際の「売上伝票」と認められるところ、「商品コード/商品名」の欄には、「SWITCHサンダル白」の文字及び「SWITCHサンダル黒」の文字が記載されている。また、商品名が「SWITCHサンダル白」の仕入数量は400であること及び商品名が「SWITCHサンダル黒」の仕入数量も400であることが記載されている。 4 乙第8号証は、商標権者が、平成19年3月31日付けで株式会社アートヴィレッヂに対し商品「サンダル」を販売した際の「請求書」と認められるところ、「品番・品名」の欄には、「SWITCHサンダル白」の文字及び「SWITCHサンダル黒」の文字が記載されている。また、品名が「SWITCHサンダル白」の仕入数量は400であること及び品名が「SWITCHサンダル黒」の仕入数量も400であることが記載されている。 5 乙第6号証ないし乙第8号証に記載された「SWITCHサンダル白」及び「SWITCHサンダル黒」の文字のうち、「サンダル」の文字は、取引された商品の普通名称を表したものと認められ、「白」及び「黒」の文字は、取引された商品の色彩を表したものと認められることから、自他商品の識別標識としての機能を果たさない文字であり、自他商品の識別標識としての機能を果たす文字は、「SWITCH」の文字にあるということができる。 この「SWITCH」の文字と本件商標「Switch」とは、社会通念上同一の商標と認めることができる。 6 乙第5号証及び乙第8号証によれば、株式会社今泉が、平成19年3月28日に商標権者に対し、商品コードが「S7-D1-W」の「SWITCHサンダル白」を400足、商品コードが「S7-D1-B」の「SWITCHサンダル黒」を400足、合計800足を納品し、商標権者は、株式会社アートヴィレッヂに対し、合計800足のサンダルを平成19年3月30日付けで販売し、平成19年3月31日付けで代金を請求したものと認めることができる。 7 まとめ 乙第5号証ないし乙第8号証によれば、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者が指定商品中「履物(「靴合せくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く。)」に属する「サンダル」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたものと認めることができる。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2008-11-13 |
結審通知日 | 2008-11-19 |
審決日 | 2008-12-02 |
出願番号 | 商願2003-87199(T2003-87199) |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Y
(Y25)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小畑 恵一 |
特許庁審判長 |
渡邉 健司 |
特許庁審判官 |
杉山 和江 平澤 芳行 |
登録日 | 2005-04-28 |
登録番号 | 商標登録第4860667号(T4860667) |
商標の称呼 | スイッチ |
代理人 | 青木 篤 |
代理人 | 田島 壽 |
代理人 | 小林 彰治 |
代理人 | 原 隆 |