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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 121 |
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管理番号 | 1197210 |
審判番号 | 取消2008-300173 |
総通号数 | 114 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2009-06-26 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2008-02-08 |
確定日 | 2009-04-13 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第1119936号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第1119936商標(以下「本件商標」という。)は、「HORECA」の文字と「ホレカ」の文字を二段に横書きしてなり、昭和46年12月22日に登録出願、第19類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和50年5月6日に設定登録され、その後、3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、平成17年11月9日に、指定商品を第21類「なべ類,コーヒー沸かし(電気式又は貴金属製のものを除く。),食器類(貴金属製のものを除く。),米びつ,食品保存用ガラス瓶,水筒,魔法瓶,アイスペール,こしょう入れ・砂糖入れ及び塩振り出し容器(貴金属製のものを除く。),卵立て(貴金属製のものを除く。),ナプキンホルダー及びナプキンリング(貴金属製のものを除く。),盆(貴金属製のものを除く。),ようじ入れ(貴金属製のものを除く。),ざる,シェーカー,しゃもじ,手動式のコーヒー豆ひき器及びこしょうひき,じょうご,すりこぎ,すりばち,ぜん,栓抜,大根卸し,タルト取り分け用へら,なべ敷き,はし,はし箱,ひしゃく,ふるい,まな板,麺棒,焼き網,ようじ,レモン絞り器,ワッフル焼き型(電気式のものを除く。),霧吹き,ろうそく消し及びろうそく立て(貴金属製のものを除く。),植木鉢,家庭園芸用の水耕式植物栽培器,じょうろ,愛玩動物用食器,愛玩動物用ブラシ,犬のおしゃぶり,小鳥かご,小鳥用水盤,貯金箱(金属製のものを除く。),お守り,紙タオル取り出し用金属製箱,せっけん用ディスペンサー」とする指定商品の書換の登録がされたものであり、その商標権は、現に有効に存続しているものである。 2 請求人の主張の要点 請求人は、「本件商標の指定商品中、『アイスペール,こしょう入れ・砂糖入れ及び塩振り出し容器(貴金属製のものを除く),卵立て(貴金属製のものを除く),ナプキンホルダー及びナプキンリング(貴金属製のものを除く),盆(貴金属製のものを除く),ようじ入れ(貴金属製のものを除く),ざる,シェーカー,しゃもじ,手動式のコーヒー豆ひき器及びこしょうひき,じょうご,すりこぎ,すりばち,ぜん,栓抜,大根卸し,タルト取り分け用へら,なべ敷き,はし,はし箱,ひしゃく,ふるい,まな板,麺棒,焼き網,ようじ,レモン絞り器,ワッフル焼き型(電気式のものを除く),霧吹き,植木鉢,家庭園芸用の水耕式植物栽培器,じょうろ,愛玩動物用食器,愛玩動物用ブラシ,犬のおしゃぶり,小鳥かご,小鳥用水盤,紙タオル取り出し用金属製箱,せっけん用ディスペンサー』についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証(枝番を含む。)を提出した。 (1)請求の理由 本件商標は、その指定商品中、上記商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、通常使用権者又は専用使用権者のいずれによっても使用されていないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。 (2)答弁に対する弁駁 ア 乙第2号証及び乙第3号証について 被請求人は、使用証明として業務用グラスウエアカタログ(乙第2号証、乙第3号証)を提出し、その表紙に「HORECA/ホレカ」の商標、裏表紙には「HORECA ホレカは、ホテル(HOTEL)、レストラン(RESTAURANT)、カフェテリア(CAFETERIA)の各語から名づけたブランドで、東洋佐々木ガラス業務用商品を総称する登録商標です。」と明記し、これがカタログに記載した300前後のアイテムを総称する商標の使用にあたると主張する。 ここでHORECA(ホレカ)とは、被請求人が主張するとおり、ホテル、レストラン、カフェテリアの語頭の文字を組み合わせた略語であり、同業界を指すビジネス用語である(甲第1号証)。乙第2号証及び乙第3号証は、表紙の中央部分に4コマの写真(和・洋レストランのテーブルと思しきもの)が掲載され、上部には大きく「業務用グラスウエアカタログ」と表記されている。そして、本件商標は、「ベーシックセレクション」と共に「業務用グラスウエアカタログ」の文字の下に表記され、掲載商品が業務用、すなわち、ホテル、レストラン、カフェテリアで使用されるものであることがわかる。ちなみに、「ベーシックセレクション」は、被請求人の刊行している総合カタログ等に掲載された商品からの抜粋を意味すると思われる(甲第2号証)。 イ 商標の使用について 一方、商標の本質は、自己の営業に係る商品を他人の営業に係る商品と識別するための標識として機能することにあり、この自他識別機能から出所表示機能、品質保証機能、広告宣伝機能が生ずるといえる。 しかしながら、乙第2号証及び乙第3号証は、本件商標がホテル、レストラン、カフェで使用される業務用グラスウエアであることを明らかにしているにとどまり、商標として上記のいずれの機能も果たしているとはいえない。また、請求人の独自の調査でも、提出された証拠以外に本件商標が業務用グラスウエアのブランドとして、商品やその包装等に付された形跡を発見できないことから、実際の商取引は品番又は商品名で行われていると思われる(甲第3号証)。 したがって、カタログ表紙の「HORECA ホレカ」は、業務用グラスウエアカタログの用途(品質)をホレカ用に特定する付記的なものであり、裏表紙の「HORECA ホレカ」も単に被請求人の登録商標である旨を述べた形式的なものにすぎないから、商標法第2条第3項各号に規定する商標の使用には該当しないといえる。 ウ むすび 以上のとおり、被請求人が提出した証拠は、形式的なもので使用の証明としては不十分であり、例えば、納品書、請求書等、商品取引の際に通常に用いられるような客観的な証拠も提出されていないことから被請求人の主張は成り立たない。 3 被請求人の答弁の要点 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。 (1)使用の事実 乙第2号証は、2006年3月発行の被請求人の「業務用グラスウエアカタログ」であり、乙第3号証は、2008年3月発行の被請求人の「業務用グラスウエアカタログ」である。 ア 上記カタログの表紙には、「HORECA」、「ホレカ」の商標と共に、「ベーシックセレクション」や「こだわりの282アイテム」(乙第3号証は、「こだわりの326アイテム」)といった記載があることから、本件商標が同カタログ記載の282(乙第3号証は、326)アイテムの商標であることが明らかである。 イ 乙第2号証の31頁に、品番「P-SGK-101」、品名「レモン絞り 丸型」、価格「¥350」と記載され、乙第3号証の31頁にも、品番「P-SGK-101-N」、品名「レモン絞り 丸型」、価格「¥400」と記載されている。また、乙第2号証の32頁に、品番「56176」及び「P-12601-JAN」、品名「アイスペール」、価格「¥1,700」及び「¥1,400」と記載され、乙第3号証の32頁にも、品番「56176」及び「P-12601-JAN」、品名「アイスペール」、価格「¥1,900」及び「¥1,600」と記載されていることから、282(乙第3号証は、326)アイテムの一つとして、カタログに「アイスペール」、「レモン絞り器」が掲載されていることが分かる。 ウ 裏表紙には、「HOREKA ホレカは、ホテル(HOTEL)、レストラン(RESTAURANT)、カフェテリア(CAFETERIA)の各語から名づけたブランドで、東洋佐々木ガラス業務用商品を総称する登録商標です。」と明記されており、本件商標が「アイスペール」、「レモン絞り器」を含む各アイテムの商標として使用されていることが明らかである。 エ 乙第2号証の裏表紙左下に「2006年3月現在の価格です。」と、同右下に「2006年3月発行」と明記されていること、乙第3号証の裏表紙左下に「2008年3月現在の価格です。」と、同右下に「2008年3月発行」と明記されていることから、被請求人(商標権者)が本件商標を、本件審判の請求の登録前3年以内から現在まで継続して使用していることが明らかである。 (2)むすび 以上のとおり、被請求人(商標権者)が、本件商標を日本国内において、本件審判の請求の登録前3年以内に、商品「アイスペール、レモン絞り器」について使用していることが明らかである。 4 当審の判断 (1)乙第2号証は、2006年(平成18年)3月発行に係る商標権者(被請求人)の取扱いに係る商品「業務用グラスウエア」を掲載したカタログである(当事者間に争いのない事実)ところ、これによれば、以下の事実を認めることができる。 ア 表紙の上段に記載された「業務用グラスウエアカタログ」の表題の下に横書きされた「HORECA/ホレカ」(「HORECA」中の「O」と「C」は、他の欧文字より大きく書され、また、「ホレカ」は、「HORECA」中の「A」の上部に極めて小さく書されている。)の文字には、登録商標であることを意味する丸にRの記号が付されている。 イ 31頁の「INDEX(商品一覧表)」の「P13-14焼酎(ロック・水割り・サワー)」の項目には、品番を「P-SGK-101」とする品名「レモン絞り 丸型」の記載がある。 ウ 32頁の「INDEX(商品一覧表)」の「P29灰皿・卓上食器」の項目には、品番を「56176」及び「P-12601-JAN」とする品名「アイスペール」の記載がある。 エ 裏表紙の下段には、「HOREKA ホレカは、ホテル(HOTEL)、レストラン(RESTAURANT)、カフェテリア(CAFETERIA)の各語から名づけたブランドで、東洋佐々木ガラス業務用商品を総称する登録商標です。」等の記載があり、そのうちの「HOREKA」の文字部分は、表紙に表示されたものと同一の態様であって、丸にRの記号が付されている。 (2)前記(1)で認定した事実によれば、商標権者は、本件審判の請求の登録(平成20年2月26日)前3年以内である2006年(平成18年)3月に発行した自社のカタログに、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を表示し、かつ、「レモン絞り、アイスペール」を掲載したことが認められ、該カタログは、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内で、取引に資することを目的として頒布されたものと優に推認することができる。そして、上記「レモン絞り、アイスペール」が本件請求に係る指定商品中の「レモン絞り器,アイスペール」に該当する商品であることについては、当事者間に争いのない事実である。 そうすると、商標権者がカタログに本件商標と社会通念上同一と認められる商標を表示し、頒布した行為は、「商品若しくは役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布・・する行為」(商標法第2条第3項第8号)に該当するものと認められる。 したがって、商標権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品中の「レモン絞り器、アイスペール」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたというべきである。 (3)請求人の主張について 請求人は、「HORECA(ホレカ)」とは、ホテル、レストラン、カフェテリアの語頭の文字を組み合わせた、同業界を指すビジネス用語であるから、カタログ表紙の「HORECA ホレカ」は、業務用グラスウエアカタログの用途(品質)をホレカ用に特定する付記的なものであり、裏表紙の「HORECA ホレカ」も単に被請求人の登録商標である旨を述べた形式的なものにすぎないから、商標としての機能を果たしているものとはいえず、商標法第2条第3項各号に規定する商標の使用には該当しない旨主張する。 しかし、「HORECA(ホレカ)」がホテル、レストラン、カフェテリアの語頭の文字を組み合わせた語であり、これらの業界を表すビジネス用語であるとしても、これが業務用グラスウエアの分野において、本件商標の登録査定時はもちろんのこと、本件審判の請求時においても、商品の用途、品質等を表示するためのものとして、普通に使用されていたという事実を裏付ける的確な証拠の提出はない。 そうすると、カタログの表紙及び裏表紙に表示された「HORECA/ホレカ」の文字は、通常の活字体のみで表したものではなく、文字の大きさに多少なりとも変化があり、かつ、丸にRの記号が付されていることも相俟って、これに接するその需要者は、該文字を業務用グラスウエアの用途、品質等を表したものと認識することなく、カタログに掲載された被請求人の製造、販売に係る業務用グラスウエア全ての商品の出所識別標識として捉えるとみるべきである。 したがって、カタログに表示された「HORECA/ホレカ」の文字は、本件使用に係る「レモン絞り器、アイスペール」の商標としての使用ということができるから、上記請求人の主張は理由がない。 (4)むすび 以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が本件請求に係る指定商品中の「レモン絞り器、アイスペール」に本件商標の使用をしていたことを証明したと認め得るところである。 したがって、本件商標の登録は、その指定商品中、「アイスペール,こしょう入れ・砂糖入れ及び塩振り出し容器(貴金属製のものを除く),卵立て(貴金属製のものを除く),ナプキンホルダー及びナプキンリング(貴金属製のものを除く),盆(貴金属製のものを除く),ようじ入れ(貴金属製のものを除く),ざる,シェーカー,しゃもじ,手動式のコーヒー豆ひき器及びこしょうひき,じょうご,すりこぎ,すりばち,ぜん,栓抜,大根卸し,タルト取り分け用へら,なべ敷き,はし,はし箱,ひしゃく,ふるい,まな板,麺棒,焼き網,ようじ,レモン絞り器,ワッフル焼き型(電気式のものを除く),霧吹き,植木鉢,家庭園芸用の水耕式植物栽培器,じょうろ,愛玩動物用食器,愛玩動物用ブラシ,犬のおしゃぶり,小鳥かご,小鳥用水盤,紙タオル取り出し用金属製箱,せっけん用ディスペンサー」について、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2008-11-19 |
結審通知日 | 2008-11-20 |
審決日 | 2008-12-02 |
出願番号 | 商願昭46-140752 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Y
(121)
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最終処分 | 不成立 |
特許庁審判長 |
林 二郎 |
特許庁審判官 |
杉山 和江 小畑 恵一 |
登録日 | 1975-05-06 |
登録番号 | 商標登録第1119936号(T1119936) |
商標の称呼 | ホレカ、ホリカ |
代理人 | 水野 勝文 |
代理人 | アインゼル・フェリックス=ラインハルト |
代理人 | 岸田 正行 |
代理人 | 加藤 義明 |