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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X12
審判 全部申立て  登録を維持 X12
管理番号 1195631 
異議申立番号 異議2008-900201 
総通号数 113 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2009-05-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-05-12 
確定日 2009-03-18 
異議申立件数
事件の表示 登録第5109521号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5109521号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5109521号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成19年1月25日に登録出願、第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同19年12月11日に登録査定、同20年2月8日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録商標は以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第490547号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、昭和30年4月22日に登録出願、第20類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同31年10月29日に設定登録され、その後、4回にわたり、商標権の存続期間の更新登録がされ、平成19年6月20日に、指定商品を第7類、第11類ないし第13類及び第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。
(2)登録第533225号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成からなり、昭和32年7月31日に登録出願、第20類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同34年2月17日に設定登録され、その後、4回にわたり、商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(3)登録第581081号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(3)のとおりの構成からなり、昭和32年7月31日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同36年10月23日に設定登録され、その後、3回にわたり、商標権の存続期間の更新登録がされ、平成15年1月22日に、指定商品を第6類、第7類、第9類、第12類、第17類、第19類及び第20類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。
(4)登録第4813673号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(4)のとおりの構成からなり、平成16年4月1日に登録出願、第1類ないし第34類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年10月29日に設定登録されたものである。
(5)登録第4989258号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲(3)のとおりの構成からなり、平成17年2月2日に登録出願、第4類、第7類、第8類、第9類、第11類、第12類、第14類、第16類、第18類、第21類、第25類、第28類、第34類、第36類、第37類、第39類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同18年9月22日に設定登録されたものである。
(上記登録商標をまとめていうときは、以下、単に「引用各商標」という。)

3 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、太線による円輪郭(その太線の三カ所を切欠している)を描き、その内部に三つ又の太線を配した円形図形及びその右側に「yoshida」と書し、その欧文字の下に漢字で「吉田工業株式会社」と横書きしてなるものである。
引用各商標は、黒塗りの又は一部に陰影を施した線書きによる円輪郭内に、黒く塗りつぶした三つ又の星又は該輪郭の中心から上方及び下方左右斜めに形成される三個の陰影を施した稜角を有する三つ又の星を配してなるものである。
したがって、本件商標と引用各商標は、三つ又の星・線と円形輪郭において共通するものであり、これらは各商標を強く印象づける特徴であるから、外観上類似するものである。
また、本件商標の指定商品と引用各商標の指定商品は、相互に類似するものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用各商標は、申立人の商標として、広く一般に知られているため、これと類似の図形を一部に含む本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
(3)むすび
よって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標
本件商標は、別掲(1)のとおり、図形と、その右に「yoshida」の欧文字と「吉田工業株式会社」の漢字とを二段に横書きした構成からなるものであるところ、その構成中、独立して自他商品の識別標識としての機能を有する図形部分は、肉太の黒線で円輪郭を描き、その内部に、円輪郭と同じ太さの黒線で、角度が等しい三叉状の図形を中心から円輪郭の内側に接するように描いてなり、該三叉と接する円輪郭上を切り欠いた構成からなるものである。
そして、該図形部分は、構成全体が親しまれた既成の観念を有する事物、事象を表したとみるべき特段の事情を見いだせないものであるから、これより特定の称呼及び観念は生じないというのが相当である。
イ 引用各商標
(ア)引用商標1は、別掲(2)のとおり、やや太い線と細い線からなる円輪郭を描き、その内部に、角度が等しい三稜星を中心から円輪郭の内側に接するように描いてなるものであるところ、該三稜星は、円輪郭の内側に近づくに従い細くなり、円輪郭の内側との接点部分は先端が尖っているものであり、また、該三稜星の一つ一つの縦の中心部が山の頂点を作るように稜角を有するものであって、図形全体に陰影が施された立体的形状を想起させる構成からなるものである。
(イ)引用商標2、3及び5は、別掲(3)のとおり、肉細の黒線で円輪郭を描き、その内部に、角度が等しい三稜星を中心から円輪郭の内側に接するように黒色で描いてなるものであるところ、該三稜星は、円輪郭の内側に近づくに従い細くなり、円輪郭の内側との接点部分は先端が尖っているものである。
(ウ)引用商標4は、別掲(4)のとおり、やや太い線と細い線からなる円輪郭を描き、その内部に、角度が等しい三稜星を中心から円輪郭の内側に接するように描いてなるものであるところ、該三稜星は、円輪郭の内側に近づくに従い細くなり、円輪郭の内側との接点部分は先端が尖っているものであり、また、該三稜星の一つ一つの縦の中心部には、これらを二分するように白抜きされ、一方には黒色が施され、他方には一部を白抜きにされており、図形全体が幾何学的模様で表現された立体的形状を想起させる構成からなるものである。
ウ 商標の類否
前記ア及びイによれば、本件商標構成中の図形部分と引用商標2、3及び5とは、これらを構成する円輪郭と三叉状の図形又は三稜星の太さの異同、円輪郭の内部に描かれた図形の態様、三叉状の図形又は三稜星と円輪郭との接点における態様において顕著な差異を有するものであり、また、本件商標中の図形部分と引用商標1及び4とは、上記差異に加え、引用商標1及び4が立体的形状を想起させる構成からなるといった差異をも有するものである。
そうすると、本件商標構成中の図形部分と引用各商標とは、それぞれの構成から明らかに異なった印象を受けるものであるから、両者は、時と所を異にして離隔的に観察した場合においても外観上相紛れるおそれはないといわなければならない。
さらに、本件商標構成中の図形部分は、前記のとおり、特定の称呼及び観念を有しないものであるから、これと引用各商標とは、称呼及び観念において比較することができない。
その他、本件商標と引用各商標とが類似するとみるべき理由は見いだせない。
以上によれば、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用各商標は、申立人の業務に係る商品「自動車」を表示するためのものとして、本件商標の登録出願時には、我が国の需要者の間において広く認識されていたものと認め得るところである。
しかし、上記(1)認定のとおり、本件商標は、引用各商標とは外観、称呼及び観念のいずれにおいても類似しない別異の商標であって、ほかに両商標がその出所について混同を生ずるおそれがあるとすべき格別の事情も見いだし得ないから、本件商標に接する需要者が、これより引用各商標を想起又は連想することはないといわなければならない。
そうすると、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(1)本件商標


(2)引用商標1


(3)引用商標2、3及び5


(4)引用商標4


異議決定日 2009-03-02 
出願番号 商願2007-9997(T2007-9997) 
審決分類 T 1 651・ 272- Y (X12)
T 1 651・ 261- Y (X12)
最終処分 維持  
前審関与審査官 早川 文宏 
特許庁審判長 中村 謙三
特許庁審判官 田村 正明
末武 久佳
登録日 2008-02-08 
登録番号 商標登録第5109521号(T5109521) 
権利者 吉田工業株式会社
商標の称呼 ヨシダ、ヨシダコーギョー、ワイ 
代理人 高田 泰彦 
代理人 宮城 和浩 
代理人 宇梶 暁貴 
代理人 吉武 賢次 
代理人 塩谷 信 
代理人 黒瀬 雅志 

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