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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を取消(申立全部取消) Y07 審判 全部申立て 登録を取消(申立全部取消) Y07 審判 全部申立て 登録を取消(申立全部取消) Y07 |
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管理番号 | 1195617 |
異議申立番号 | 異議2008-900068 |
総通号数 | 113 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2009-05-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2008-02-18 |
確定日 | 2009-03-25 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5092272号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5092272号商標の商標登録を取り消す。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5092272号商標(以下「本件商標」という。)は、「テトリス」の片仮名文字と「Tetris」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成18年9月11日に登録出願、第7類「金属加工機械器具,鉱山機械器具,土木機械器具,荷役機械器具,漁業用機械器具,化学機械器具,繊維機械器具,食料加工用又は飲料加工用の機械器具,製材用・木工用又は合板用の機械器具,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具,印刷用又は製本用の機械器具,ミシン,農業用機械器具,靴製造機械,製革機械,たばこ製造機械,ガラス器製造機械,塗装機械器具,包装用機械器具,陶工用ろくろ,プラスチック加工機械器具,半導体製造装置,ゴム製品製造機械器具,石材加工機械器具,動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。),真空ポンプ,その他の風水力機械器具,機械式の接着テープディスペンサー,自動スタンプ打ち器,修繕用機械器具,機械式駐車装置,乗物用洗浄機,消毒・殺虫・防臭用散布機(農業用のものを除く。),機械要素(陸上の乗物用のものを除く。),芝刈機,電動式カーテン引き装置,廃棄物圧縮装置,廃棄物破砕装置」を指定商品として、同19年10月9日に登録査定、同年11月16日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は以下のとおりである。 (1)登録商標第2437078号 商標の構成:TETRIS 登録出願日:平成2年3月28日 設定登録日:平成4年7月31日 指定商品 :第16類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品 (2)登録商標第2448218号 商標の構成:TETRIS 登録出願日:平成2年3月28日 設定登録日:平成4年8月31日 指定商品 :第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品 (3)登録商標第2502393号 商標の構成:TETRIS 登録出願日:平成2年3月28日 設定登録日:平成5年2月26日 指定商品 :第16類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品 (4)登録商標第2578903号 商標の構成:TETRIS 登録出願日:平成元年3月28日 設定登録日:平成5年9月30日 指定商品 :第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品 (5)登録商標第2618711号 商標の構成:TETRIS 登録出願日:平成元年3月28日 設定登録日:平成6年1月31日 指定商品 :第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品 (6)国際登録第881009号 商標の構成:別掲のとおり 国際登録日:平成18年2月6日 設定登録日:平成19年9月28日 指定商品 :第9類、第25類及び第28類に属する国際登録簿記載のと おりの商品 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、登録異議の申立ての理由を、要旨次のように主張し、証拠方法として甲第1号証ないし甲第35号証を提出した。 (1)商標法第4条第1項第15号について 申立人の商標は、わが国において著名なゲーム名であることから、これと類似する本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。 (2)商標法第4条第1項第19号について 本件商標は、わが国において著名な申立人の商標と類似する商標であり、不正の目的をもって使用されるものである。 (3)商標法第4条第1項第7号について 本件商標は、他人の名声に便乗して不正な利益を得るために使用されるものであり、公正な取引秩序を乱すとともに、国際信義に反し、公の秩序を害するものである。 4 本件商標に対する取消理由 平成20年11月26日付けで商標権者に対し通知した取消の理由は、要旨次のとおりである。 申立人の提出に係る甲各号証によれば、「TETRIS」の文字からなる商標(以下「引用商標」という。)は、1984年に旧ソ連のアレクセイ・パジトノフ博士らにより開発されたゲーム(ソフトウェア)の名称であって、1980年代後半に販売が開始されて以来、今日に至るまで数多くのコンピュータゲーム用プログラム等に使用されてきたものである。「TETRIS(テトリス)」の語は、ギリシア数字の「4(テトラ)」をその由来とする造語であり、「テトリミノ(テトロミノ)」と呼ばれる7種類のブロックピースを用いたパズルゲームとして世界各国で大流行したものである。 我が国においては、1988年に登場したセガのアーケードゲーム(業務用テレビゲーム機)「TETRIS(テトリス)」を皮切りに、任天堂の「ファミリーコンピュータ(ファミコン)」用のゲームソフト「テトリス(TETRIS)」、同じく「ゲームボーイ」用のゲームソフト「テトリス(TETRIS)」、ソニー・コンピュータエンタテインメントの「プレイステーション」用のゲームソフト「テトリスX(TETRIS X)」、マイクロソフトの「Xbox」用のゲームソフト「テトリスワールド(TETRIS WORLD)」、同じく携帯電話用ゲームソフト「TETRIS DIAMOND」等々が次々に登場しており、頻繁に宣伝・広告がなされるとともに、人気ゲームとして雑誌、新聞、その他の媒体においても取り上げられていることが認められる(甲第8号証ないし甲第30号証)。 そして、申立人は、「TETRIS」の商標について、世界各国において商標登録を受けているばかりでなく(甲第31号証ないし甲第35号証)、我が国においても「TETRIS」の文字からなる登録第2437078号商標ほか5件の商標が商標登録されている(甲第2号証ないし甲第7号証)。 以上の事実によれば、引用商標は、申立人が「ブロックピースを用いたパズルゲームのソフトウェア」について使用する商標として、本件商標の登録出願時には既に、我が国における本件商標に係る商品の取引者・需要者間においても広く知られていたものと認められ、その著名性は登録査定時においても継続していたものということができる。加えて、近年の「ニンテンド-DS」や「PSP(プレイステーション・ポータブル)」といった携帯ゲーム機器の普及や「脳を鍛える大人のDSトレーニング」といったゲームソフトがヒットしているように、ゲームに関心を寄せる層は、一部のゲーム愛好家を越えた幅広い層にまで拡大しているものということができる。 そして、本件商標は、「テトリス」の片仮名文字と「Tetris」の欧文字とを二段に横書きしてなるのに対して、引用商標は、「TETRIS」文字からなるものであるから、両者は、「テトリス」の称呼を共通にし、互いの欧文字も綴り字を同じくするものであるから、外観においても類似するものということができる。 してみれば、このような状況のもとに、商標権者が本件商標をその指定商品について使用するときは、これに接する取引者・需要者は、申立人の業務に係る著名な引用商標を連想・想起し、該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであるから取消を免れない。 5 商標権者の意見 商標権者は、前記4の取消理由について、指定した期間内に意見を述べていない。 6 当審の判断 平成20年11月26日付けで取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。そして、前記4の取消理由は、妥当なものであるから、本件商標の登録は、商標法第43条の3第2項の規定により取り消すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 国際登録第881009号商標 |
異議決定日 | 2009-02-02 |
出願番号 | 商願2006-84336(T2006-84336) |
審決分類 |
T
1
651・
22-
Z
(Y07)
T 1 651・ 271- Z (Y07) T 1 651・ 222- Z (Y07) |
最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 土井 敬子 |
特許庁審判長 |
石田 清 |
特許庁審判官 |
小林 由美子 久我 敬史 |
登録日 | 2007-11-16 |
登録番号 | 商標登録第5092272号(T5092272) |
権利者 | アルバック機工株式会社 |
商標の称呼 | テトリス |
代理人 | 柏原 三枝子 |