• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X30
審判 査定不服 観念類似 登録しない X30
審判 査定不服 外観類似 登録しない X30
管理番号 1195407 
審判番号 不服2008-6485 
総通号数 113 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-05-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-03-17 
確定日 2009-03-12 
事件の表示 商願2007- 50619拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第30類「米」を指定商品として、平成19年5月22日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録第3044466号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成4年10月12日に登録出願、第30類「コ?ヒ?,米,うどんのめん,即席うどんのめん,中華そばのめん,即席中華そばのめん,サンドイッチ,すし,べんとう,アイスクリ?ム,チュウインガム 」を指定商品として、同7年5月31日に設定登録され、その後、同17年8月30日に商標権の存続期間の更新登録がなされて、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
本願商標は、別掲(1)のとおり、縦書きした「勝馬米」の文字の左下部に、これよりやや小さく正方形内に「栗東有」「機農業」の各文字をそれぞれ縦書きしてなるところ、「勝馬米」の文字と正方形内の「栗東有機農業」の文字とは、その大きさ、態様、表示方法が異なることから、外観上分離され、「勝馬米」の文字の部分のみで、自他商品の識別標識として機能を果たすものである。
そして、「勝馬米」の文字は、全体として熟語的な意味合いを生ずるものともいえないものであり、これが常に一体不可分のものとしてのみ理解されるとする格別の理由は見出し難いものである。
また、その構成中、後半の「米」の文字部分は、本願の指定商品の普通名称を表示するものであるから、本願商標をその指定商品に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、後半の「米」の文字部分が、商品の普通名称を表示する語と認識、把握し、自他商品の識別標識としての機能を果たすのは、前半の「勝馬」の文字部分にあるものと理解するとするのが相当である。
そうすると、簡易迅速を旨とする商品取引の場にあって、取引者、需要者は、その商品に付された商標の商品識別の機能を有する部分を適宜抽出し、その称呼を簡略化して取引に資する場合があることは経験上明らかなところであるから、本願商標は、該「勝馬」の文字部分より、単に「カチウマ」と略称して取引される場合も少なくなく、また、該文字部分から「競馬で優勝した馬。」の観念を生ずるものである。
そうとすれば、本願商標は、その構成文字全体に相応して生ずる「カチウママイリットウユウキノウギョウ」、「カチウママイ」の称呼のほか、「勝馬」の文字部分に相応して「カチウマ」の称呼をも生ずるとするのが相当である。
一方、引用商標は、別掲(2)のとおり「勝馬」の文字を縦書きしてなるところ、該文字に照応して、「カチウマ」の称呼、「競馬で優勝した馬。」の観念を生ずるものである。
次に、本願商標及び引用商標の外観上の差異についてみると、本願商標は、別掲(1)のとおり「勝馬米」の文字と正方形内に「栗東有」「機農業」の各文字を配した構成よりなり、一方、引用商標は、別掲(2)のとおり、「勝馬」の文字よりなるから、両商標は、その外観において明らかに異なるといえるが、他方、引用商標と本願商標の構成中「勝馬」の各文字は、同一文字で、かつ、毛筆書体であるという近似性を有するものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観上の違いを有するとしても、その構成中「勝馬」の各文字は、同一文字で、毛筆書体であるという近似性を有するものであり、その構成文字からいずれも「カチウマ」の称呼及び、「競馬で優勝した馬。」の観念を共通にする類似の商標であり、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品に包含されるものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
なお、請求人は「本願商標が『カチウママイ』と一連に称呼されている事実として、生産した米を競馬関係者に配っており、このような事業を約20年間継続して行っている。秋の収穫後に各関係者に生産した米を届けに行った際に『勝馬米(カチウママイ)やね。』『勝馬米(カチウママイ)ありがとう。』などの言葉があり、受取人の全てが標章『勝馬米』を『カチウママイ』と称呼し、最後の『米(マイ)』を省略して『カチウマ』と称されたことは過去にない。この使用事実を証明するために、25名の米の受取人の使用事実の証明書を提出する。」旨主張しているが、この使用事実の証明書は、あらかじめ用意された依頼文書に証明者が記名、押印して作成されたもので、いかなる根拠、事実に基づき証明しているのかが不明であることから、該証明書の客観性に乏しく、にわかに認め難いから、一般の取引者、需要者間において、本願商標が「カチウママイ」と一連に称呼され知られているとまで認めることができない。
さらに、請求人は、過去の判決例を挙げて本願商標も登録されるべきであると主張しているが、商標登録出願に係る商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かは、過去の判決例の判断に拘束されることなく、個々の事案に即して当該出願に係る商標と特定の他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断されるべきものである。
そうとすれば、請求人の前記いずれの主張も採用することはできない。
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(1) 本願商標


別掲(2) 引用商標



審理終結日 2009-01-13 
結審通知日 2009-01-14 
審決日 2009-01-27 
出願番号 商願2007-50619(T2007-50619) 
審決分類 T 1 8・ 263- Z (X30)
T 1 8・ 261- Z (X30)
T 1 8・ 262- Z (X30)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 梶原 良子 
特許庁審判長 鈴木 修
特許庁審判官 岩崎 安子
小畑 恵一
商標の称呼 カツウママイ、カチウママイ、カツウマ、カチウマ、ショーバ、リットーユーキノーギョー、リットーマイ 
代理人 岸本 忠昭 
代理人 小俣 純一 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ