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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y33
審判 全部申立て  登録を維持 Y33
審判 全部申立て  登録を維持 Y33
管理番号 1194094 
異議申立番号 異議2008-685007 
総通号数 112 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2009-04-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-02-28 
確定日 2009-02-02 
異議申立件数
事件の表示 国際商標登録第703188号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 国際商標登録第703188号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件商標は、「TORRE ABALDE」の欧文字よりなり、1998年(平成10年)11月10日に国際登録され、2006年(平成18年)7月10日に我が国を事後指定し、平成19年12月14日に、第33類「Wine,liqueurs and other alcoholic beverages(except beer).」を指定商品として、設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(1)ないし(3)である。
(1)国際登録第756841号商標は、「TORRES」の欧文字よりなり、2001(平成13)年4月24日に国際登録され、平成14年1月18日に、第33類「Wines and vermouths of all types;aperitifs;distilled goods,alcohols,eau-de-vie,brandys and liqueurs.」を指定商品として、設定登録されたものである。
(2)国際登録第762060号商標は、別掲(1)の構成よりなり、2001(平成13)年3月5日にスペイン国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年7月9日に国際登録され、平成14年3月15日に、第33類「Alcoholic beverages(except beer).」を指定商品として設定登録されたものである。
(3)国際登録第762061号商標は、別掲(2)の構成よりなり、2001(平成13)年3月5日にスペイン国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年7月9日に国際登録され、平成14年3月15日に、第33類「Alcoholic beverages(except beer).」を指定商品として設定登録されたものである。
(以下、(1)ないし(3)を一括して、「引用商標」という。)
3 登録異議の申立ての理由の要点
申立人は、「本件商標は、取り消されるべきである。」と主張し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第8号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、引用商標と同一又は類似する商標であって、指定商品についても同一又は類似するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第10号及び第15号について
「TORRES」(以下、「申立人の使用商標」という。)は、申立人の会社名に由来するハウスマークであるとともに、申立人が製造、販売するアルコール飲料(特に「ワイン及びブランデー」)を示す商標として、本件登録出願日前に需要者の間で周知、著名なものとなっている。
そして、本件商標と申立人の使用商標とは、同一又は類似する商標であり、また、本件商標の指定商品と申立人の使用商標が使用されている商品も同一又は類似するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。
さらに、被請求人が、本件商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、申立人若しくは申立人と組織的又は経済的に関係のある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「TORRE ABALDE」の欧文字よりなるところ、前半の「TORRE」の文字と後半の「ABALDE」の文字とは、半文字程度の余白があるとしても、外観上まとまりよく一体的に構成されている。
また、「TORRE ABALDE」の文字より生ずると認められる「トーレアバルデ」及び「トルレアバルデ」の称呼も格別冗長というべきものではなく、一気一連に称呼し得るものである。
さらに、「TORRE」の文字(語)が「塔」の意味を表すスペイン語であるとしても、我が国におけるスペイン語教育の状況や我が国におけるスペイン語の普及度よりすれば、「TORRE」の文字(語)接した取引者、需要者が、「塔」の意味を、直ちに認識、把握するとはいい難いものである。
加えて、「ABALDE」が「赤道ギニア共和国」の地名であったとしても、当地は我が国において知られておらず、また、当地が、本件商標に係る指定商品の産地、販売地して著名であるとの証左もないから、「ABALDE」の文字(語)に接した取引者、需要者が、これを地名として、認識、把握するということはできない。
以上を総合的に考えれば、本件商標は、その構成文字全体をもって特定の観念を有さない不可分一体の造語を表したものと認識、把握されるとみるのが自然であり、本件商標から「TORRE」の文字部分のみが分離、抽出され、取引に供されることはないというべきである。
そうとすれば、本件商標は、構成文字全体に相応して「トーレアバルデ」及び「トルレアバルデ」の称呼を生ずるものであって、単に「トーレ」及び「トルレ」の称呼を生ずることはないものといわなければならない。
一方、引用商標は、上記2の構成よりなるところ、その構成文字に相応して「トーレス」、「ネロラトーレス」及び「ネロラ」の称呼を称呼を生ずるものと認められる。
そこで、本件商標の称呼と引用商標の称呼とを比較するに、本件商標より生ずる「トーレアバルデ」及び「トルレアバルデ」の称呼と引用商標より生ずる「トーレス」、「ネロラトーレス」及び「ネロラ」の称呼とは、その音構成の差等から、互いに聞き誤るおそれはないものである。
また、本件商標と引用商標とは、外観においても相違しており、観念については、本件商標が特定の観念を有さないために本件商標と引用商標とを比較することができない。
その他、本件商標と引用商標が類似するとする特段の事情を見いだすことはできない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であるというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
申立人提出の証拠によって、申立人の使用商標「TORRES」が、ワイン及びブランデーについて、ある程度知られていることは認められる。
しかしながら、本件商標は、その構成全体をもって、特定の観念を有さない不可分一体の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然であり、「TORRE」の文字部分のみが分離、抽出され、取引に供されることはないとみるのが相当であることは、上記(1)で述べたとおりである。
そして、申立人の使用商標「TORRES」は、引用商標1「TORRES」と同一の文字構成よりなるところ、本件商標「TORRE ABALDE」と「TORRES」の文字とが、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのないことは、上記(1)で述べたとおりである。
してみれば、本件商標と申立人の使用商標とは、非類似の商標であるというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものではない。
また、本件商標と申立人の使用商標は、上記のとおり、別異、別個の出所を表示するものとして印象されるというべきであるから、被請求人が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が、申立人の使用商標を連想、想起し、申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、及び同第15号のいずれの規定にも違反して登録されたものではない。
したがって、本件商標は商標法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 【別記】


異議決定日 2008-12-22 
審決分類 T 1 651・ 26- Y (Y33)
T 1 651・ 25- Y (Y33)
T 1 651・ 271- Y (Y33)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小俣 克巳 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 岩崎 良子
豊田 純一
登録日 2006-07-10 
権利者 DOMINIO DE EGUREN, S.L.
商標の称呼 トッレアバルデ、トーレアバルデ、トッレ、トーレ、アバルデ 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 松尾 和子 
代理人 中村 稔 
代理人 井滝 裕敬 

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