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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X29 審判 全部申立て 登録を維持 X29 審判 全部申立て 登録を維持 X29 |
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管理番号 | 1194064 |
異議申立番号 | 異議2008-900053 |
総通号数 | 112 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2009-04-24 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2008-02-12 |
確定日 | 2009-02-18 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5089623号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5089623号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5089623号商標(以下「本件商標」という。)は、「FARMLAND」の欧文字と「ファームランド」の片仮名文字とを上下二段に横書きしてなり、平成19年3月9日に登録出願、第29類「食用油脂,乳製品」を指定商品として、同年9月27日に登録査定、同年11月9日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 (1)引用商標 ア 登録第2114683号商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、昭和61年5月8日に登録出願、第32類「食肉、卵、食用水産物、野菜、果実、加工食料品」を指定商品として、平成元年2月21日に設定登録され、その後、同11年2月9日及び同21年1月13日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。 イ 登録第2709676号商標は、「FARMLAND」の欧文字を横書きしてなり、平成4年3月25日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同7年8月31日に設定登録され、その後、同17年9月6日に商標権の存続期間の更新登録がされ、同19年3月22日に指定商品を第29類「食肉,肉製品」とする指定商品の書換登録がされたものである。 ウ 登録第2709677号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成4年3月25日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同7年8月31日に設定登録され、その後、同17年9月6日に商標権の存続期間の更新登録がされ、同18年9月6日に指定商品を第29類「スモ?クドソ?セ?ジ」とする指定商品の書換登録がされたものである。 エ 登録第4062529号商標は、「FARMLAND」の欧文字を横書きしてなり、平成7年12月27日に登録出願、第29類「食肉,肉製品」を指定商品として、同9年10月3日に設定登録され、その後、同19年7月31日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。 オ 登録第4062530号商標は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成7年12月27日に登録出願、第29類「食肉,肉製品」を指定商品として、同9年10月3日に設定登録され、その後、同19年9月11日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。 カ 登録第4062531号商標は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、平成7年12月27日に登録出願、第29類「食肉,肉製品」を指定商品として、同9年10月3日に設定登録され、その後、同19年9月11日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。 キ 登録第4441790号商標は、別掲(5)のとおりの構成よりなり、平成11年7月13日に登録出願、第29類「ブラックアンガス種の牛肉,ブラックアンガス種の牛肉製品」を指定商品として、同12年12月22日に設定登録されたものである。 以下、これらの引用商標をまとめて「引用各商標」という。 (2)理由の要点 本件商標は、商標法第4条第1項第15号、同第7号及び同第19号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。 ア 商標法第4条第1項第15号該当について 本件商標は、その出願時及び登録査定時において、米国カンザス州在のファームランド・フーズ・インコーポレイテッド(Farmland Foods Inc.)及びそのグループ会社(以下、両者をまとめて「ファームランドフーズ等」という。)の業務に係る肉製品を表すものとして著名な引用各商標と同一の称呼(ファームランド)及び観念(農地、耕地)が生じる類似商標である。本件商標の指定商品は、肉製品とは原材料、販売部門、需要者等において共通性が多い商品であり、近接した分野に属する商品であるから、本件商標を付した本件指定商品が市場において流通した場合、ファームランドフーズ等の業務に係る商品と出所の混同を生じるおそれがある。 イ 商標法第4条第1項第7号該当について 本件商標は、商標権者が他人の商標登録を阻止するためだけの目的で出願されたものであり、商標取得の過程において制度趣旨を逸脱あるいはこれを悪用したものである。したがって、本件商標は、商標登録出願の経緯において著しく社会的妥当性を欠くものである。 ウ 商標法第4条第1項第19号該当について 本件商標は、前記アのとおり、その出願時及び登録査定時において、ファームランドフーズ等の業務に係る肉製品を表すものとして著名な引用各商標と同一の称呼及び観念が生じる類似商標であり、ファームランドフーズ等の著名性及び顧客吸引力を希釈化等する不正の目的をもって出願、登録されたものである。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第15号について 本件商標は、前記1のとおり、「FARMLAND」及び「ファームランド」の文字よりなるところ、これは、「農地,農業用地」(「ジーニアス英和辞典第4版」、株式会社大修館書店2007年4月1日第2刷発行)の意味を有する英語及びその表音と認められるものである。 そして、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の提出に係る証拠によれば、甲第9号証ないし甲第11号証によって、引用各商標と同一又は類似と認め得る商標(別掲(6)、以下「使用商標」という。)を付した商品「肉製品」が我が国においても紹介されていることは認められるが、該証拠によっては、使用商標の使用された期間及び範囲、前記商品の市場占有率等の使用状況に関する事実が必ずしも明らかでなく、また、ファームランド・フーズ・インコーポレイテッドの販売実績を示す資料(甲第12号証)も、自己申告によるものであって客観的なものとはいい難く、使用に係る商標の記載もないものである。その他、引用各商標の使用状況に関する事実を定量的に把握し得る証拠はない。 そうすると、申立人の提出に係る証拠をもって、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、引用各商標がファームランドフーズ等の業務に係る前記商品について使用する商標として我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとまではいうことができないから、本件商標をその指定商品に使用した場合、ファームランドフーズ等又は同人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわざるを得ない。 なお、申立人は、判決例を挙げて主張するところがあるが、商標法第4条第1項第15号等の判断は、個々の商標ごとに個別具体的に判断されるべきものであるから、申立人が主張するような事例があるからといって、本件商標についての前記判断が左右されることにはならない。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第7号について 本件商標は、前記(1)のとおり、「農地,農業用地」の意味を有する英語である「FARMLAND」及びその表音である「ファームランド」の文字よりなるものであるから、その構成自体がきょう激、卑わい、差別的又は他人に不快な印象を与える標章からなるものでないことは明らかであり、構成上公序良俗を害するおそれがあるとはいえない。 申立人は、本件商標の商標権者に係る件外商標権(商標登録第3368109号。「ファームランド」の片仮名文字と「FARMLAND」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、平成7年7月11日に登録出願、第29類「乳製品」を指定商品として、同10年1月9日に設定登録、同20年1月9日に存続期間満了により同年9月10日に本権の抹消登録がされている。)が存続期間の更新登録申請によらず、本件商標をもって新たに登録出願されたことなどを理由に、本件商標は、過去に登録を得た商標の既得権を死守し、単に他人の商標登録を排除するためだけの目的で出願されたものであって、商標取得の過程において制度趣旨を逸脱あるいはこれを悪用したものであるから、その登録出願の経緯において著しく社会的妥当性を欠くものである旨主張する。 しかし、前記件外商標権をその存続期間の更新登録申請によって存続させるのか、新たに商標登録出願(本件商標)することによって実質的に存続させるのかは、商標権者の自由であるから、たとえ後者によるものであってもそのこと自体は何ら非難されるべきものではない。前記件外商標権自体は、その設定登録後も無効審判や取消審判が請求されることなく、その存続期間が満了しているのである。 そして、申立人の提出に係る全証拠によっても、本件商標の商標権者が他人の商標登録を阻止する目的で本件商標を登録出願したものであると認めることはできないものであるから、本件商標は、その登録出願の経緯において著しく社会的妥当性を欠くものがあったとまではいうことができない。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第19号について 申立人の提出に係る全証拠によっても、本件商標は、他人の商標登録を阻止又は引用各商標の出所識別機能を希釈化させる等の不正の目的をもって使用するものとは認められないものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。 (4)むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 (1)登録第2114683号商標(色彩については原本参照) (2)登録第2709677号商標 (3)登録第4062530号商標 (4)登録第4062531号商標(色彩については原本参照) (5)登録第4441790号商標(色彩については原本参照) (6)使用商標 |
異議決定日 | 2009-01-30 |
出願番号 | 商願2007-25100(T2007-25100) |
審決分類 |
T
1
651・
222-
Y
(X29)
T 1 651・ 22- Y (X29) T 1 651・ 271- Y (X29) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 田口 善久 |
特許庁審判長 |
中村 謙三 |
特許庁審判官 |
田村 正明 末武 久佳 |
登録日 | 2007-11-09 |
登録番号 | 商標登録第5089623号(T5089623) |
権利者 | 日本ミルクコミュニティ株式会社 |
商標の称呼 | ファームランド |
代理人 | 石田 昌彦 |
代理人 | 田中 克郎 |
代理人 | 稲葉 良幸 |