• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X31
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X31
管理番号 1193944 
審判番号 不服2008-22497 
総通号数 112 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-04-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-09-03 
確定日 2009-02-25 
事件の表示 商願2007- 78911拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「セラミドカプセル」の片仮名文字と、「Ceramide Capsule」の欧文字とを二段に書してなり、第31類「ペット用栄養補助飼料」を指定商品として、平成19年7月13日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、『セラミドカプセル』及び『Ceramide Capsule』の文字を二段に横書きしてなるところ、その構成中『セラミド』及び『Ceramide』の文字は『細胞間脂質』の意味を有し、『カプセル』及び『Capsule』の文字は、『飲みにくい薬品を封入して飲みやすくする、ゼラチン製の小さい容器。』の意味を有することから、本願商標全体として、『セラミドを原料としたカプセル状の商品』ほどの意味合いを認識させるものであって、また、カプセル状又はセラミドを原料としたペット用の栄養補助飼料が取引されている実情にある。そうとすると、本願商標を、その指定商品中、『セラミドを原料としたカプセル状のペット用栄養補助飼料』に使用するときは、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、本願商標の文字に相応する前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「セラミドカプセル」の片仮名文字を上段に、「Ceramide Capsule」の欧文字を下段に二段に書してなるところ、その構成中の「セラミド」、「Ceramide」、「カプセル」及び「Capsule」の各文字は、原審で説示したとおりの意味を有し、「Ceramide」及び「Capsule」の表音と認められる「セラミド」及び「カプセル」の文字は、本願指定商品「ペット用栄養補助飼料」をはじめペット用商品及び人間用健康食品において、商品の原材料(成分)及び形状等品質を表す文字として普通に使用されていることは、原審において提示した証拠に加えて、以下の新聞記事及びインターネット(平成21年1月14日検索エンジン「Google」により検索)による記載からも十分に裏付けられるものである。
(1)「セラミド」、「カプセル」及び「セラミドカプセル」の各文字が、本願指定商品「ペット用栄養補助飼料」をはじめペット用商品の原材料(成分)及び形状を表す文字として使用されている事実。
ア 「amazon」のウェブサイトにおいて、「コーンセラミド (ペットコンディショナー) 500ml」の項に、「商品の仕様 ●コーンセラミド含有 電解還元性イオン水。●動物の皮膚にも人の手にもやさしいコンディショナーです。」との記載(http://www.amazon.co.jp/%E3%83%9F%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%83%B4%E3%82%A1-%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%89-%E3%83%9A%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%83%BC-500ml/dp/B0013AV0L4)。
イ 「ペットクリニック・ドットコム」のウェブサイトにおいて、「ベッツセラミド 500ml」の項に、「【ベッツセラミドの特徴】2(2は○付数字)優れた保湿性 電解還元性イオン水と天然セラミドの保湿成分は、乾燥した皮膚・被毛をバリアし潤いを与えます。特に乾燥の厳しい季節には重要な役割をします。薬用シャンプーなどのアフターケアーとして使うとフケ防止に効果的です。外部刺激が皮膚に進入することを防ぎ、アレルゲンの侵入を防止します。」との記載(http://jpr-shop.com/?pid=5408378)。
ウ 「花王株式会社」のウェブサイトにおいて、「ワンだふる うるおいプラス リンスインシャンプー全犬種用200ml」の項に、「製品特長●うるおい成分 バリアセラミド配合」との記載(http://www.kao.co.jp/wandafuru/products01/index.html)。
エ 「Rose shop」のウェブサイトにおいて、「コエンザイムQ10(160mg) セラミド ヒアルロン酸含有REVENIR α ルヴニール アルファ 36g(300mg×120粒)」の項に、「そこで皮膚のハリを保つ成分である『コエンザイムQ10』をメインに、皮膚の潤いを保つ働きをする『ヒアルロン酸』『セラミド』、皮膚の大敵といわれる活性酸素を除去し、抗酸化力を高める『ビタミンC』『ビタミンE』を配合致しました。ルヴニールαは年齢を問わず皮膚のトラブルにお悩みの愛犬には、最適な商品であると確信いたします。」との記載(http://www.rose-shop.jp/pet/revenira/index.html)。
オ 「ジャングルドッグ」のウェブサイトにおいて、「ビューティーサポート 1000mg×15」の項に、「家族の一員である愛犬、愛猫たちのために、自然素材から厳選したライフステージ別のヘルスサポートサプリメントをご提案致します。(略)保湿とバリアー機能のある牛乳由来のミルクセラミドを配合しました。」との記載(http://www.1096dog.com/item/5345.html)。
カ 「stmx」のウェブサイトにおいて、「160種類のビタミンとミネラルを毎日愛犬・愛猫に!成分はなんとノニジュースの50倍、ノニエキスの10倍 ノニ・カプセル」の項に、「◆ 無添加純粋ノニだから大切なペットに大役立ち ◆天然の栄養素160種類を含むノニは古代から動物に役立てられています。1/2?1カプセルを食べ物に混ぜて与えて下さい。」と記載(http://www.store-mix.com/ko-bai/product.php?pid=859658)。
キ 「PETVISION」のウェブサイトにおいて、「リノビッツ セラQ‐125 犬猫用 100カプセル」の項に、「【ペットの皮膚、被毛の健康に!栄養補助食品】」と記載(http://www.petgo.jp/store/cat/productdetail/do/code/2008020800127)。
ク 「NATURAL BREEZE」のウェブサイトにおいて、「ペット(犬・猫)・サプリメント」の項に、「グルコサミン(サメ軟骨配合)90カプセル」と記載(http://www.natural-breeze.com/syouhin%20sapriment.htm)。
ケ 「楽天市場」のウェブサイトにおいて、「[アズミラ]メガペットデイリー 20カプセル」の項に、「複合栄養素サプリメントの傑作です。(略)従来の製品Mega Daily GelCareのリニューアル製品で、ビタミンB群の含有量を2倍にし、フードに混ぜやすいドライカプセルに入れました。60カプセル、90カプセル、180カプセル入りもあります」と記載(http://www.rakuten.co.jp/nukumori/607684/609760/)。
コ 「ケンコーコム」のウェブサイトにおいて、「アークナチュラルズ ジェントル ダイジェスト 60カプセル」の項に、「『アークナチュラルズ ジェントル ダイジェスト 60カプセル』は、愛玩動物用天然物補助食品の専門メーカー、アークナチュラルズ社のペット用サプリメントです。原料は全て天然物で、人間用と同じ品質の物を厳選しています。」と記載(http://www.kenko.com/product/item/itm_6514989072.html)。
サ 「VIVIDHOUSE」のウェブサイトにおいて、「ハッピー トラベラー」の項に、「ハッピートラベラーは、天然ハーブのサプリメントです。 ■1日あたり推奨添加量■(犬、猫、フェレット、ウサギ用) ■形状■プラスチック容器(30カプセル入り)」と記載(http://vivid.shop-pro.jp/?pid=2707213)。
シ 「ペットサプリ.JP」のウェブサイトにおいて、「皮膚・被毛を健康に保つには、その原料になるセラミドや皮膚の代謝を促進するコエンザイムQ10、不飽和脂肪酸などが必要です。特に、アトピーなどで皮膚が痒くなりやすいコは、もともとセラミドの産生量が少なく、不飽和脂肪酸のバランスも崩しやすいといわれています。老化によっても、これらの成分の産生は低下しますから、サプリメントによって補ってあげれば艶のある被毛を保つことができます。」の記載のもと、「リノビッツセラQ-125」の項に、「主な成分 セラミド/ アスタキサンチン/ 不飽和脂肪酸/ CoQ10 内容量 5カプセル×20」との記載(http://www.pet-sapri.jp/category.cgi?type=cat&cg=2)。
ス 「シリウス-The dogstar」のウェブサイトにおいて、「エルムセラ セラミドカプセル/スリービー」の項に、「お客様に大変好評を得ているたもぎ茸由来のサプリゴッドの製造元スリービーから、同じくたもぎ茸由来のセラミド製品が発売になりました。エルムセラ セラミドカプセル 60粒 通常価格3,990円を発売記念で3,500円で発売いたします。(2009年1月末日まで)大型犬で症状に応じて1日1?2カプセル、約1?2ヶ月分です。(小型犬は一日おきに1カプセル程度)」との記載(http://sirius.ocnk.net/product/366)。

(2)「セラミド」、「カプセル」及び「セラミドカプセル」の各文字が、人間用健康食品の原材料(成分)及び形状を表す文字として使用されている事実。
ア 「肌の悩みにセラミド食品*タモギダケから成分抽出し開発*南幌のスリービー」の見出しのもと、「【南幌】バイオベンチャーのスリービー(空知管内南幌町)は、食用キノコのタモギダケから抽出したセラミド成分を活用した健康食品の開発に成功した。(略)スリービーの抽出したタモギダケセラミドに皮膚炎のかゆみなどを抑える効果が確認され、スリービーがカプセルを小さめにして、子供でも飲みやすくするなどの工夫を凝らし、製品化にこぎ着けた。」との記事(2007.12.04 北海道新聞朝刊全道 11頁)。
イ 「株式会社スリービー」のウェブサイトにおいて、「機能性食品素材 グルコセラミド」の項に、「●『セラミドカプセル3000』は、北海産食用きのこ『たもぎ茸』方抽出した純度100%のセラミドが、1袋(2粒)で3,000μg摂取できる健康維持食品です。●小さなお子様やお年寄りが引用されることを考えて、カプセルは小粒にしました。」との記載(http://www.three-b.co.jp/ceramide/index2.html)。
ウ 「買う市cau1.com」のウェブサイトにおいて、「【セラミドC】潤い・美白・ダイエットをサポート」の項に、「赤ちゃんのプルンプルンな肌。そのヒミツは豊富なセラミドにありました!飲むセラミドで、潤いたっぷり&白い肌を手に入れるお手伝い♪さらにダイエットのサポートにも。内容量/10.8g(180mg×60粒)日本製」との記載と共にカプセル状商品の画像(http://mall.cau1.com/t/hohoemi-mart/item4735823.html)。
エ 「楽天市場」のウェブサイトにおいて、「オリヒロ ヒアルロン酸+セラミドカプセル 96カプセル」の項に、「ゼラチン(カプセル)について●原材料:豚」及び「商品説明文『オリヒロ ヒアルロン酸+セラミドカプセル 96カプセル』は、鶏のとさかの部分から抽出したヒアルロン酸の健康補助食品です。さらにセラミドを配合。」との記載(http://item.rakuten.co.jp/kenkocom/x569240h/?scid=products)。
オ 「田村薬品工業株式会社」のウェブサイトにおいて、「サプリック?ヒアルロン酸&セラミドカプセル【栄養機能食品】」の項に、「原材料名・・米抽出物(セラミド含有)・・」との記載と共にカプセル状商品の画像(http://www.tamura-p.co.jp/products_kenko04.html)。
そうすると、本願商標を構成する「セラミドカプセル」及び「Ceramide Capsule」の文字から、「セラミドを原材料(成分)としたカプセル状のもの」程の意味合いを容易に認識し、把握させるというべきである。
してみれば、本願商標をその指定商品中、「セラミドを原材料(成分)としたカプセル状のペット用栄養補助飼料」に使用するときは、単に商品の品質、原材料、形状を表わしたものと理解させるにとどまるものであるから、自他商品の識別標識としての機能を有する商標とは認識し得ないというべきであり、かつ、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと判断するのが相当である。
なお、請求人は「本願商標自体がそもそも商品の品質を暗示させる程度のものであって直接認識させるものではなく、また、『セラミドカプセル』の語の使用例が、何れも人間用の健康食品であって、ペット用の商品には見当たらないことからすれば、商標全体で自他商品識別力が認められるべきである。」旨主張している。
確かに、ペット用商品における、「セラミドカプセル」の文字の使用例が人間用に比べて僅かであることは否定し得ないが、「セラミド」及び「カプセル」の各文字が、「ペット用栄養補助飼料」をはじめペット用商品において、商品の品質等を表す文字として普通に使用されていることからすれば、本願商標が、商品の品質等を表したものと認識させるにすぎないといわざるを得ない。
さらに、「ペット用栄養補助飼料」をはじめペット用商品は、用途がペット用ではあるものの、人間がそれらの商品を販売、購入等取引を行なうことは明らかであり、「セラミド」、「カプセル」及び「セラミドカプセル」の文字が、人間用の健康食品の品質等を表わす文字としても普通に使用されている実状にあることからすれば、本願商標をその指定商品「ペット用栄養補助飼料」に使用したとしても、これに接する取引者、需要者は、人間用の健康食品の場合と同様に、「セラミドを原材料(成分)としたカプセル状の商品」であると理解し、単に商品の品質、原材料、形状を表したものと認識、把握するにすぎないというべきであるから、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を有する商標とは認識し得ないといわざるを得ない。
また、請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標も同様に登録されるべきである旨主張するが、登録出願された商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標の構成態様と指定商品との関係における、その商品の取引の実情を考慮して、個別具体的に判断されるべきものであって、かつ、その判断時期は、査定時又は審決時と解されるべきものであるから、請求人が挙げた商標登録例の存在によって、前記判断は左右されないというべきである。
そうとすれば、請求人の前記いずれの主張も採用することはできない。 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2008-12-10 
結審通知日 2008-12-15 
審決日 2009-01-14 
出願番号 商願2007-78911(T2007-78911) 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (X31)
T 1 8・ 13- Z (X31)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 冨澤 美加石塚 文子小田 明 
特許庁審判長 鈴木 修
特許庁審判官 小畑 恵一
岩崎 安子
商標の称呼 セラミドカプセル、セラミド、カプセル 
代理人 川瀬 幹夫 
代理人 小谷 悦司 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ