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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 00124
管理番号 1193799 
審判番号 取消2007-301267 
総通号数 112 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-04-24 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2007-10-02 
確定日 2009-02-12 
事件の表示 上記当事者間の登録第3049938号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第3049938号商標(以下「本件商標」という。)は、「DAKS」の文字を横書きしてなり、平成4年4月13日に登録出願、第24類「織物,メリヤス生地,フェルト及び不織布,オイルクロス,ゴム引防水布,ビニルクロス,ラバ-クロス,レザ-クロス,ろ過布,布製身の回り品,かや,敷き布,布団,布団カバ-,布団側,まくらカバ-,毛布,織物製壁掛け,織物製ブラインド,カ-テン,テ-ブル掛け,どん張」を指定商品として、平成7年6月30日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品中「かや,敷き布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布及びこれらの類似商品」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
なお、取消しに係る指定商品については、「これらの類似商品」の表示が不明確であることから、平成20年7月18日付け提出の手続補正書において「及びこれらの類似商品」の表示が削除され、取消しの対象とする指定商品が客観的で明確なものとなった。
したがって、本件審判請求書の「5請求の趣旨」中に記載の「及びこれらの類似商品」の表示は、以下削除されたものとして取り扱う。
(1)請求人の調査によれば、本件商標は、商標権者あるいは使用権者によって継続して3年以上日本国内において、少なくとも「第24類 かや,敷き布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」について使用された事実がないので取り消されるべきである。

3 被請求人の主張
被請求人は、結論と同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第14号証を提出した。
(1)本件商標は、通常使用権者により、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、その請求に係る指定商品について使用されている。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものではない。
本件商標は、通常使用権者である三共生興リビング株式会社(以下「三共生興リビング」という。)が、本件審判の請求の登録前3年以内に、商品「毛布、布団、布団カバー、まくらカバー」について使用している。したがって、本件審判により、商品「かや,敷き布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」について、その登録を取り消すことはできない。
(2)「DAKS」商標について
本件商標は、被請求人の親会社である三共生興株式会社(以下「三共生興」という。)をマスターライセンシーとし、三共生興及び三共生興リビングを含むそのサブライセンシーが、日本国内おいて、本件商標をその指定商品について使用することを目的として、被請求人が出願し、その登録が認められたものである。
被請求人は、1894年に英国ロンドンにおいてシモン・シンプソンによって開業されたテーラーが業務拡大され、1917年次男アレックス・シンプソンが事業に参加するころには、S.SIMPSON LTD.は、3000人もの職人を有する工場を持つまでに発展した。1934年には、ベルトレス・スタイルのスラックスを発表し、そのブランドを「DAKS」と命名し、それ以後、従来の同社の取扱商品について使用していたブランド「SIMPSON」を「DAKS」に変更し、現在に至っている。
三共生興は、1969年に被請求人よりDAKSブランドの婦人服の輸入を開始し、1971年に被請求人とライセンス契約を締結した。そして、1991年に三共生興は被請求人を買収して現在に至っている。なお、通常使用権者である三共生興リビングは、リビング関連のDAKS商品を取り扱っていた三共生興の一部署が、2002年4月に分社独立したものである。
(3)商標の使用
三共生興リビングの商品カタログ(乙第1号証ないし乙第7号証)には、表紙及び裏表紙に本件商標が大きく表されていると共に各奇数頁の下端にも本件商標が表示されている。以上により、本件商標の通常使用権者である三共生興リビングが、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件商標を商品「毛布、布団、布団カバー、まくらカバー」について使用していたことが明らかである。
(4)本件商標を表示した商品の販売
通常使用権者である三共生興リビングは、納品伝票(乙第8号証ないし乙第13号証)に示すように本件商標を表示した商品の販売を行っている。
ア 平成17年6月6日付納品伝票(乙第8号証)は、三共生興リビングが株式会社大丸本社に商品を納品した際に使用した伝票であり、当該伝票には品番D1810「メンモウフ」が記載されている。この品番の商品は、乙第2号証ないし乙第7号証の商品カタログに掲載されている商品である。
イ 平成18年5月1日付納品伝票(乙第9号証)は、三共生興リビングが株式会社松坂屋静岡店に商品を納品した際に使用した伝票であり、当該伝票には品番D1810『メンモウフ」及び品番DS5151「ウオツシャブルダ」が記載されている。この品番D1810の商品は、乙第2号証ないし乙第7号証の各商品カタログに掲載されており、品番DS5151の商品は、乙第1号証ないし乙第7号証の各商品カタログに掲載されている商品である。
ウ 平成18年5月19日付納品伝票(乙第10号証)は、三共生興リビングが株式会社松坂屋銀座店に商品を納品した際に使用した伝票であり、当該伝票には品番DS5151「ウオツシャブルダ」が記載されている。この品番の商品は、乙第1号証ないし乙第7号証の各商品カタログに掲載されている商品である。
エ 平成18年11月30日付納品伝票(乙第11号証)は、三共生興リビングが株式会社松坂屋上野店に商品を納品した際に使用した伝票であり、当該伝票には品番D2610「メンコンウールモウ」及び品番DS5151「ウオツシャブルダ」が記載されている。この品番D2610の商品は、乙第5号証の商品カタログに掲載されており、品番DS5151の商品は、乙第1号証ないし乙第7号証の各商品カタログに掲載されている商品である。
オ 平成19年5月31日付納品伝票(乙第12号証)は、三共生興リビングが株式会社三越日本橋店に商品を納品した際に使用した伝票であり、当該伝票には品番D58011「メンモウフチエツク」及び品番D5910「トラフアルガーコットンケツ」が記載されている。この品番D58011の商品は、の各商品カタログ(乙第1号証ないし乙第5号証)に掲載されている商品である。
カ 平成19年5月31日付納品伝票(乙第13号証)は、三共生興リビングが株式会社三越日本橋店に商品を納品した際に使用した伝票であり、当該伝票には品番DC2653「ピロケース」及び品番DC2753「ピロケースヨウ」が記載されている。この品番DC2653及び品番DC2753の商品は、乙第3号証ないし乙第5号証の商品カタログに掲載されている商品である。
以上により、通常使用権者である三共生興リビングが、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件商標を表示した商品「毛布、布団、まくらカバー」を現実に販売していたことが明らかである。
(5)本件商標を表示した商品の雑誌への広告
三共生興リビングは、本件商標を表示した商品について、雑誌へ広告を掲載している。平成18年6月1日発行の月刊誌「STORY」(乙第14号証)に、「母の日に贈るギフト」として三共生興リビング販売の「DAKS」商品を紹介しており、その中に本件商標を表示した商品「ピロケース」が掲載されている。また、当該頁には、各商品の問い合わせ先として三共生興リビングが示されており、しかも、マスターライセンシーである三共生興も本件商標と共に表示されている。これにより、通常使用権者が、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件商標を表示した商品「まくらカバー」の広告を行っていたことが明らかである。

4 当審の判断
(1)被請求人の主張及び同人提出の証拠によれば、以下の事実が認められる。
ア 三共生興リビングの商品カタログ(乙第1号証ないし乙第7号証)は、いずれも、本件審判の請求の登録前3年以内(以下「本件期間内」という。)の時期に係るものと認められるところ、その表紙や裏表紙に、「D」と「K」を赤色とし「A」と「S」を黄色にした「DAKS」(以下「使用商標」という。)が表示され、また、使用商標を表示した「綿毛布」及び「ウォッシャブル羽毛肌掛けふとん」の現物写真が掲載されており、当該毛布には「D1810」又は「D58011」、掛けふとんには「DS5151」の品番が表示されていることが認められる。また、同カタログ(乙第4号証及び同第5号証)には、「ピロケース」として「DC2653」又は「DC2753」の品番のものが表示されていることが認められる。
イ 三共生興リビングから株式会社大丸への納品伝票(乙第8号証)には、品名の欄に、品番「D1810」の「メンモウフ」として、納品数量「10」と記載されている。
また、三共生興リビングから株式会社松坂屋(静岡店)への納品伝票(乙第9号証)には、品名の欄に、品番「D1810」の「メンモウフ」、品番「DS5151」の「ウオツシヤブルダ」として、いずれも、納品数量「2」が記載されている。納品伝票(乙第10号証)にも、品番「DS5151」の「ウオツシヤブルダ」として、同じ納品数量の記載が認められる。
同様に、三共生興リビングから株式会社松坂屋(上野店)への納品伝票(乙第11号証)には、品名の欄に、品番「DS5151」の「ウオツシヤブルダ」として、納品数量「4」が記載されている。
さらに、三共生興リビングから株式会社三越(日本橋店)への納品伝票(乙第12号証)には、品名の欄に、品番「D58011」の「メンモウフ チェック」及び品番「D5910」の「トラファルガーコットンケツ」として、それぞれ発注数量「10」が表示されている。納品伝票(乙第13号証)には、品名の欄に、品番「DC2653」の「ピロケース」及び品番「DC2753」の「ピロケースヨウ」として、それぞれ発注数量「11」「4」が表示されている。
そして、これら伝票はいずれも、本件期間内の日付のものである。
しかして、上記したところと前記アの品番とを総合してみれば、本件期間内に、使用商標を表示した前記商品(毛布、布団、まくらカバー)の取引が現になされたと推認し得るものである。
ウ 平成18年6月1日発行の月刊誌「STORY」(乙第14号証)には、使用商標を表示した「まくらカバー」ほかの商品の広告が掲載され、各商品のお問い合わせ先として三共生興リビングが表示されると共に、前記と同様の「DAKS」の下に「お問い合わせ先 マスターライセンシー 三共生興株式会社」の表示があることが認められる。
エ 三共生興は、被請求人と業務の提携を継続し、その後、被請求人を買収した経緯もあり、本件期間内の時期を含め、本件商標について使用許諾を受けていたと優に推認し得るものである。また、三共生興リビングは、被請求人の買収後に設立された三共生興の関連子会社である。かかる事情からすれば、三共生興及び三共生興リビングは、本件商標についての使用を許諾された者(通常使用権者)と認め得るものである。
(2)本件商標は「DAKS」の文字からなるものであり、当該文字は特定の観念を生じさせることのない造語と認められるところ、前記(1)の使用商標は、本件商標とその構成欧文字及び称呼を共通にするうえ、配色の相違によって観念の変動を伴うものでもないから、本件商標と社会通念上同一の商標と認め得るものである。
(3)してみると、本件商標の商標権者から使用を許諾された通常使用権者が、本件期間内に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、商品「毛布、ふとん、まくらカバー」に使用していたと認め得るものである。
そして、上記の使用に係る商品は、取消しの請求に係る指定商品に属する商品であることが明らかなものである。
(4)以上のとおり、本件商標は、取消しの請求に係る指定商品ついて、本件期間内に使用をされていたと認められるから、商標法第50条によって、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2008-08-21 
結審通知日 2008-08-26 
審決日 2008-10-02 
出願番号 商願平4-103270 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (00124)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 佐藤 正雄 
特許庁審判長 林 二郎
特許庁審判官 小畑 恵一
杉山 和江
登録日 1995-06-30 
登録番号 商標登録第3049938号(T3049938) 
商標の称呼 ダックス、デイエイケイエス 
代理人 長谷川 綱樹 
代理人 杉村 憲司 
代理人 蔦田 璋子 
代理人 藤谷 史朗 
代理人 蔦田 正人 

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