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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 X03
審判 一部申立て  登録を維持 X03
管理番号 1192450 
異議申立番号 異議2008-900232 
総通号数 111 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2009-03-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-05-28 
確定日 2009-02-09 
異議申立件数
事件の表示 登録第5117410号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5117410号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5117410号商標(以下「本件商標」という。)は、片仮名「ウォーターリッチ」と欧文字「WATER RICH」の各文字を上下二段に横書きしてなり、平成19年9月6日に登録出願、第3類「化粧品,せっけん類,香料類,つけづめ,つけまつ毛,化粧用コットン」を指定商品として、平成20年3月7日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が商標法第4条第1項第11号を理由として引用する登録商標は、次の(1)ないし(6)に示すものである(以下、まとめて「引用商標」という。)。
(1)引用登録第510889号商標は、片仮名「リッチ」を縦書きしてなり、昭和31年3月12日に登録出願、第3類「香料及び他類に属しない化粧品」を指定商品として、昭和32年12月4日に設定登録されたものである。
その後、指定商品については、平成20年7月30日に書換登録されて第3類「香料類(薫料・香精・天然じゃ香・芳香油を除く。),吸香,におい袋,香水類,フケ取り香水,香水,人造じゃ香,香油,髪膏,おしろい,化粧下」となった。
また、当該商標権は、存続期間の更新登録が4回に亘りされて、現に有効に存続するものである。

(2)引用登録第530500号商標は、片仮名「リッチ」を縦書きしてなり、昭和33年2月20日に登録出願、第4類「石鹸」を指定商品として、昭和33年11月25日に設定登録されたものである。
その後、当該商標権は、存続期間の更新登録が4回に亘りされて、現に有効に存続するものである。

(3)引用登録第705500号商標は、欧文字「RICH」を横書きしてなり、昭和37年11月14日に登録出願、第4類「化粧品、香料類」を指定商品として、昭和41年4月28日に設定登録されたものである。
その後、指定商品については、平成18年12月20日に書換登録されて第3類「化粧品,香料類」となった。
また、当該商標権は、存続期間の更新登録が4回に亘りされて、現に有効に存続するものである。

(4)引用登録第1373980号商標は、楕円輪郭線内に花と思しきものを描いた図形とその下段に片仮名「リッチ」を横書きしてなり、昭和50年5月16日に登録出願、第4類「せつけん類、歯みがき、化粧品、香料類」を指定商品として、昭和54年2月27日に設定登録されたものである。
その後、指定商品については、一部放棄を原因として、昭和56年6月8日に「歯みがき」についての登録が一部抹消されている。
また、当該商標権は、存続期間の更新登録が2回に亘りされて、現に有効に存続するものである。

(5)引用登録第2257997号商標は、書体と態様が異なる欧文字「MILD」及び「RICH」を半角程度の間隔をもって一連に「MILD RICH」と横書きしてなり、昭和63年3月31日に登録出願、第4類「化粧品、せつけん類、香料類」を指定商品として、平成2年8月30日に設定登録されたものである。
その後、当該商標権は、存続期間の更新登録が1回されて、現に有効に存続するものである。

(6)引用登録第4222164号商標は、欧文字「RICH」を横書きし、その左上に小さく欧文字「PURE」を配した構成からなり、平成6年12月9日に登録出願、第3類「香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、平成10年12月18日に設定登録されたものである。
その後、当該商標権は、存続期間の更新登録が1回されて、現に有効に存続するものである。

3 登録異議申立ての理由(要点)
申立人は、本件商標に係る商標公報及び引用商標の商標公報を甲第1号証ないし甲第6号証として提出しこれを証拠方法として、次のように、本件商標はその登録は取り消されるべきものである旨申し立てた。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、上記1のとおりの構成よりなるところ、その構成の一部をなす「ウオーター」「WATER」の語は、指定商品との関係では、それが液状のもの或いは水分を含むという商品の性状を示すものであるから、識別力を具えない語ということが出来る。そうすると、この商標の要部は「リッチ」「RICH」の部分にあるということができ、この部分から「リッチ」の称呼及び「金持ち、優雅」という観念が生じる。-
そして、引用商標は、いずれも「リッチ」あるいは「RICH」を要部とするものであるから、両者は要部において一致し、これから生じる称呼及び観念は同一であり、互いに類似する。

(2)商標法第3条第1項第3号について
仮に、本件商標を目にした者が、「リッチ」「RICH」の部分から化粧品の或る成分が豊富という意味に理解したとしても、構成全体からは「水分をたっぷり含んだ」「潤いに富んだ」という意味を感得するに過ぎず、換言すれば商品の品質と理解するに過ぎず、このように解したときには、語全体として識別力を全く具えないものとなる。

(3)まとめ
以上のように、本件商標と引用商標とは互いに類似するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する商標である。また、仮に「リッチ」「RICH」の語の特定の意味を知る者があるとしても、それは商品の品質を表示するに過ぎないものとなるから、商標法第3条第1項第3号に該当する商標ということになる。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記1のとおり、「ウォーターリッチ」と「WATER RICH」の各文字を上下二段に横書きしてなるところ、構成中の片仮名文字部分は欧文字部分の称呼を特定したものと解されるから、各構成文字に相応して「ウォーターリッチ」の称呼を生ずるものと認められる。
また、本件商標は、全体としてまとまりよく構成されており、構成全体より生ずると認められる「ウォーターリッチ」の称呼も格別冗長とは言い難いものであり、無理なく一連に称呼し得るものであるから、称呼上、構成全体を一連一体として認識され把握されるものである。
そうすると、本件商標は、その構成文字全体に相応して、「ウォーターリッチ」の一連の称呼のみを生ずる、特定の意味合いを生じない一種の造語とみるのが自然である。
なお、申立人は、本件商標の構成中「ウオーター」「WATER」の文字部分(語)が指定商品との関係では、液状のもの、あるいは水分を含むという商品の性状を示す語と認識される旨述べているが、これを裏付けるような証拠の提出はなく、その主張は、採用し得ない。
してみれば、本件商標の構成中「リッチ」「RICH」の文字部分が要部であり、本件商標より「リッチ」の称呼、及び「金持ち、優雅」の観念を生ずることを前提に、引用商標から生じる称呼及び観念と類似する旨の申立人の主張は、その前提を欠くものといわざるを得ない。
そうしてみると、たとえ、引用商標から「リッチ」の称呼が生じるとしても、本件商標から生じる「ウォーターリッチ」の称呼とは、「ウォーター」の音の有無という顕著な差異により、明瞭に区別することができるものである。
また、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものであり、本件商標が親しまれた既成の観念を有しないものである以上、観念上両者を比較すべくもない。
したがって、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

(2)商標法第3条第1項第3号について
申立人は、「仮に」として「リッチ」「RICH」の部分から化粧品の或る成分が豊富という意味に理解した場合、これに商品の性状を示す語とする「ウオーター」「WATER」の文字(語)とを結合した本件商標の構成全体からは「水分をたっぷり含んだ」「潤いに富んだ」という商品の品質と理解するに過ぎず、語全体として識別力を全く具えない旨述べている。
しかしながら、申立人はこの点に係る証拠を何ら提出するところがなく、「ウォーターリッチ」又は「WATER RICH」の各文字が「水分をたっぷり含んだ」あるいは「潤いに富んだ」との意味合いを有し、その品質を表示するものとして取引上使用されているとする事実は客観的に明らかでない。
してみれば、申立人の提出された証拠(商標公報)からは、本件商標の構成各文字が商品の性状、品質等を具体的に表現したものといい難いから、本件商標をその指定商品について使用しても、その品質、用途及び効能等を表示する標章として取引者、需要者の間に認識されていたものとは認められない。その他、該主張を認めるに足りる証拠は見いだせない。

(3)結語
以上のとおり、本件商標と引用商標とは類似するものでなく、また、本件商標が商品の品質を表示するものでもないから、自他商品の識別標識としての機能を果たすものと言わざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2009-01-21 
出願番号 商願2007-95203(T2007-95203) 
審決分類 T 1 652・ 13- Y (X03)
T 1 652・ 262- Y (X03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 深沢 美沙子 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 小川 きみえ
佐藤 達夫
登録日 2008-03-07 
登録番号 商標登録第5117410号(T5117410) 
権利者 株式会社ナリス化粧品
商標の称呼 ウオーターリッチ、リッチ 
代理人 新垣 盛克 

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