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審決分類 |
審判 査定不服 商品(役務)の類否 取り消して登録 Y10 |
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管理番号 | 1192428 |
審判番号 | 不服2008-650153 |
総通号数 | 111 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2009-03-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2008-10-22 |
確定日 | 2008-12-15 |
事件の表示 | 国際商標登録第877701号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「GROOVY」の欧文字を横書きしてなり、第10類「Artificial surgical,medical and dental implants;artificial teeth;parts and components of the above goods.」を指定商品として、2006(平成18年)年1月19日にSwitzerlandにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年1月30日を国際登録の日とするものである。 2 引用商標 原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第3291014号商標(以下「引用商標」という。)は、「GROOVY」の欧文字と「グルービィ」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、平成6年12月27日登録出願、第12類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、同9年4月25日に設定登録され、その後、同19年4月3日に商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 (1)商標の類否について 本願商標と引用商標は、それぞれ前記の構成よりなるものであり、その構成文字に応じていずれも「グルービィ」の称呼及び「魅力的な」の観念を生ずるものであるから、本願商標と引用商標とは、称呼及び観念を共通にする類似の商標であり、この点は請求人も認めるものである。 (2)指定商品の類否について 原査定においては、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品に含まれる第12類「車いす」とが類似する商品である旨、認定、判断している。 ところで、商品の類否の判断は、「取引の実情、即ち商品の生産部門、販売部門、原材料及び品質、用途、需要者の範囲が一致するかどうか、完成品と部品の関係にあるかどうか等を総合的に判断すべき(東京高平成7年(行ケ)第161号判決 平成8年3月21日判決言渡)」と解されていることから、以下その観点から、本願商標の指定商品「Artificial surgical,medical and dental implants;artificial teeth;parts and components of the above goods.」と、引用商標の指定商品に含まれる「車いす」との類否について判断する。 「Artificial surgical,medical and dental implants;artificial teeth;parts and components of the above goods.」は、「外科用・内科用及び歯科用の人工インプラント、義歯、前記製品の部品及び構成部品」を意味するものであるところ、該商品は、例えば、人体の関節機能又は口内の歯が抜けるなど何らかの身体的疾患が生じた際に、その機能を回復するために外科・歯科医等の専門医が治療において用いる人工的に造られた医療用材料であり、チタンなどの特殊な合金やファインセラミックスなどを原料とし、これらの基礎材料を取り扱うメーカー等によって主に生産され、それが直接又は特定の販売代理店を通じて需要者(外科・歯科医等の専門医)に供給されるという流通形態を採用しているものである。そして、特殊な医療用材料であることから、将来の販売を見込んで一度に大量供給するような商品とは異なり、生体(人体)内部に直接用いる商品という性質から、メーカー側と需要者側との継続的な意思疎通を伴い、流通経路は非常に限定されており、かつ、需要者も、外科・歯科医等の専門医に限定され、一般の需要者が該商品を直接購入することは希といえる。 他方、引用商標の指定商品に含まれる「車いす」は、歩行困難な者の移動に用いられるものであり、病院だけでなく、介護用品を取り扱う店等において、一般の需要者にも販売されるものである。そして、メーカーから直接病院などの施設に納入される場合もあるが、一般には、広く介護用品を取り扱う流通・小売業者を介して需要者が購入するものであり、更にカタログやインターネットによる通信販売も行われている実情がある。また、その需要者は、主に老人や障害者の為の介護施設、病院、個人(一般家庭)であり、必ずしも医療用に限定されるものではない。 以上のことからすれば、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品に含まれる「車いす」とは、共に医療機関(従事者)により購入され、使用される場合があるとしても、両商品の原材料、用途、機能、生産者及び販売者といった取引の実情を総合勘案すると、互いの商標が使用された場合、その商品が同一営業主の製造又は販売に係る商品であると誤認混同されるおそれはなく、互いに類似する商品とはいえないものである。 してみれば、本願商標と引用商標とは、その称呼及び観念において共通するものであるとしても、指定商品において互いに類似しないものであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2008-12-01 |
国際登録番号 | 0877701 |
審決分類 |
T
1
8・
264-
WY
(Y10)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 根岸 克弘、千葉 麻里子 |
特許庁審判長 |
小林 由美子 |
特許庁審判官 |
木村 一弘 矢澤 一幸 |
商標の称呼 | グルービー、グロービー |
代理人 | 加藤 恒久 |