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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Y1720 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y1720 |
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管理番号 | 1192247 |
審判番号 | 不服2006-19849 |
総通号数 | 111 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2009-03-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2006-09-07 |
確定日 | 2009-01-16 |
事件の表示 | 商願2005- 74483拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「PSP」の欧文字を標準文字により表してなり、第17類「プラスチック基礎製品,雲母,ゴム製又はバルカンファイバー製のバルブ(機械要素に当たるものを除く。),ガスケット,管継ぎ手(金属製のものを除く。),パッキング,消防用ホース,石綿製防火幕,オイルフェンス,電気絶縁材料,ゴム製又はバルカンファイバー製の座金及びワッシャー,蹄鉄(金属製のものを除く。),化学繊維(織物用のものを除く。),石綿,岩石繊維,鉱さい綿,糸ゴム及び被覆ゴム糸(織物用のものを除く。),化学繊維糸(織物用のものを除く。),石綿糸,石綿織物,石綿製フェルト,絶縁手袋,ゴムひも,石綿ひも,石綿網,ゴム製包装用容器,ゴム製栓,ゴム製ふた,農業用プラスチックフィルム,コンデンサーペーパー,石綿紙,バルカンファイバー,ゴム,岩石繊維製防音材(建築用のものを除く。),石綿の板,石綿の粉」及び第20類「プラスチック製包装用容器,海泡石,こはく,荷役用パレット(金属製のものを除く。),養蜂用巣箱,美容院用いす,理髪店用いす,プラスチック製バルブ(機械要素に当たるものを除く。),貯蔵槽類(金属製又は石製のものを除く。),輸送用コンテナ(金属製のものを除く。),カーテン金具,金属代用のプラスチック製締め金具,くぎ・くさび・ナット・ねじくぎ・びょう・ボルト・リベット及びキャスター(金属製のものを除く。),座金及びワッシャー(金属製・ゴム製又はバルカンファイバー製のものを除く。),錠(電気式又は金属製のものを除く。),クッション,座布団,まくら,マットレス,麦わらさなだ,木製・竹製の包装用容器,ストロー,盆(金属製のものを除く。),ししゅう用枠,ネームプレート及び標札(金属製のものを除く。),旗ざお,うちわ,せんす,植物の茎支持具,愛玩動物用ベッド,犬小屋,小鳥用巣箱,きゃたつ及びはしご(金属製のものを除く。),郵便受け(金属製又は石製のものを除く。),帽子掛けかぎ(金属製のものを除く。),買い物かご,家庭用水槽(金属製又は石製のものを除く。),ハンガーボード,工具箱(金属製のものを除く。),タオル用ディスペンサー(金属製のものを除く。),家具,屋内用ブラインド,すだれ,装飾用ビーズカーテン,つい立て,びょうぶ,ベンチ,アドバルーン,木製又はプラスチック製の立て看板,食品見本模型,人工池,葬祭用具,揺りかご,幼児用歩行器,マネキン人形,洋服飾り型類,スリーピングバッグ,額縁,石こう製彫刻,プラスチック製彫刻,木製彫刻,きょう木,しだ,竹,竹皮,つる,とう,木皮,あし,い,おにがや,すげ,すさ,麦わら,わら,きば,鯨のひげ,甲殻,人工角,ぞうげ,角,歯,べっこう,骨,さんご」を指定商品として、平成17年8月9日に登録出願、その後、指定商品については、原審における同18年4月10日付け手続補正書により、第17類「プラスチック基礎製品,ゴム製又はバルカンファイバー製のバルブ(機械要素に当たるものを除く。),ガスケット,管継ぎ手(金属製のものを除く。),パッキング,オイルフェンス,化学繊維(織物用のものを除く。),石綿,岩石繊維,鉱さい綿,糸ゴム及び被覆ゴム糸(織物用のものを除く。),化学繊維糸(織物用のものを除く。),石綿糸,石綿織物,石綿製フェルト,石綿網,ゴム製包装用容器,農業用プラスチックフィルム,ゴム,岩石繊維製防音材(建築用のものを除く。),石綿の板,石綿の粉」及び第20類「プラスチック製の包装用トレー,プラスチック製の丼容器,プラスチック製きょう木,荷役用パレット(金属製のものを除く。),養蜂用巣箱,美容院用いす,理髪店用いす,プラスチック製バルブ(機械要素に当たるものを除く。),貯蔵槽類(金属製又は石製のものを除く。),クッション,座布団,まくら,マットレス,ネームプレート及び標札(金属製のものを除く。),きゃたつ及びはしご(金属製のものを除く。),郵便受け(金属製又は石製のものを除く。),帽子掛けかぎ(金属製のものを除く。),買い物かご,家庭用水槽(金属製又は石製のものを除く。),ハンガーボード,工具箱(金属製のものを除く。),つい立て,びょうぶ,ベンチ,食品見本模型,人工池,マネキン人形,洋服飾り型類,石こう製彫刻,プラスチック製彫刻,木製彫刻,きょう木,しだ,竹,竹皮,つる,とう,木皮,あし,い,おにがや,すげ,すさ,麦わら,わら,きば,鯨のひげ,甲殻,人工角,ぞうげ,角,歯,べっこう,骨,さんご」に補正され、さらに、第20類に属する商品については、同18年5月23日付け手続補正書により、第20類「プラスチック製の包装用トレー,プラスチック製の丼容器(プラスチック製ふたを除く。),プラスチック製きょう木,荷役用パレット(金属製のものを除く。),養蜂用巣箱,美容院用いす,理髪店用いす,プラスチック製バルブ(機械要素に当たるものを除く。),貯蔵槽類(金属製又は石製のものを除く。),クッション,座布団,まくら,マットレス,ネームプレート及び標札(金属製のものを除く。),きゃたつ及びはしご(金属製のものを除く。),郵便受け(金属製又は石製のものを除く。),帽子掛けかぎ(金属製のものを除く。),買い物かご,家庭用水槽(金属製又は石製のものを除く。),ハンガーボード,工具箱(金属製のものを除く。),つい立て,びょうぶ,ベンチ,食品見本模型,人工池,マネキン人形,洋服飾り型類,石こう製彫刻,プラスチック製彫刻,木製彫刻,きょう木,しだ,竹,竹皮,つる,とう,木皮,あし,い,おにがや,すげ,すさ,麦わら,わら,きば,鯨のひげ,甲殻,人工角,ぞうげ,角,歯,べっこう,骨,さんご」と補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定は、「本願商標は、『PSP』の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、指定商品中第20類『プラスチック製の包装用トレー,プラスチック製の丼容器』との関係では、『衝撃吸収性や断熱性のよい発泡ポリスチレンペーパーのシートを型抜きし成形した容器』を表す略語として、これを取り扱う食品包装業界において普通に使用されているものと認められるものであるから、『PSP』の文字よりなる本願商標を第20類『プラスチック製の包装用トレー,プラスチック製の丼容器』に使用するときは、商品の品質、原材料を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質に誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審における審尋の要旨 当審において、平成20年7月31日付審尋をもって通知した内容は、次のとおりである。 本願商標に関し、当審において、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第1項による証拠調べを行ったところ、雑誌、新聞記事情報及びインターネット検索情報において、以下の事実を発見したので、同条第5項に基づき通知する。 そして、以下の証拠資料及び請求人(出願人)が提出した平成18年5月23日付け意見書並びに同年11月7日付け手続補正書等によれば、本願商標「PSP」の文字は、「食品包材」などに使用される「プラスチックの一種である発泡スチロールから作られるポリスチレンペーパー(Polystyrene Paper)の略称」又は「ポリスチレンシートの略称」を表すものとして、かかる業界に普通に使用されており、また、この「PSP」を原材料とした「容器」が製造・販売されていることが認められる。 そうとすると、「PSP」の文字からなる本願商標を、その指定商品中第17類「プラスチック基礎製品」に使用するときは、商品の品質等を表すものであり、また、指定商品中第20類「プラスチック製の包装用トレー,プラスチック製の丼容器(プラスチック製ふたを除く。),プラスチック製きょう木」に使用するときは、商品の原材料等を表示するにすぎないものといわなければならない。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあり、商標法第4条第1項第16号に該当する。 (1)「化学工業日報」(2008年7月25日付け、4頁) 「エフピコ、全製品を10-15%値上げ、8月21日出荷分から」の見出しの下、「エフピコは、同社製品全般について8月21日出荷分から価格改定する。上げ幅は、PSP製品、A-PET製品、PW折箱容器本体が10%以上、OPS製品、PPF製品、HIPS製品、PP製品、クリスター製品、ハイスター製品、エクスター製品およびその他製品が15%以上。・・・しかし、前回の原料価格値上げを吸収する間もなく、今年に入りさらにポリスチレン(PS)、PET樹脂、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレンペーパー(PSP)シートの価格が大幅に値上がりした。」の記載がある。 (2)「化学工業日報」(2008年6月27日付け、3頁) 「発泡スチレンシート工業会、北海道 環境総合展に出展」の見出しの下、「発泡スチレンシート工業会(JASFA、会長=井上六郎JSP会長)は、6月19日?21日の3日間、札幌ドームで開催された『北海道洞爺湖サミット記念 環境総合展』に出展し、環境適性(エコロジカル)と経済性(エコノミカル)を両立させる発泡ポリスチレンペーパー(PSP)およびPSP容器類の優れた特性について広く紹介した。」の記載がある。 (3)「化学工業日報」(2008年6月13日付け、10頁) 「プラ処理協、LCA調査実施、プラ製容器の樹脂別収集で環境負荷低く」の見出しの下、「調査の結果、ポリスチレンペーパー(PSP)トレーを分別収集、マテリアルリサイクルしている現状は、樹脂を混合してリサイクルするケースと比べて、環境負荷低減効果が大きいことがわかった。PSPトレーを単独で収集・マテリアルリサイクルする場合のCO2削減効果が9・02キログラム(プラスチック処理1トン当たり)であったのに対し、容リプラとして収集、マテリアルリサイクルする場合は0・82キログラムにとどまっている。」の記載がある。 (4)「化学工業日報」(2008年6月6日付け、4頁) 「PSP原反、面積ベース価格を検討、需要家は抵抗か」の見出しの下、「発泡ポリスチレンペーパー(PSP)原反の価格決定方式を、現在の重量ベースから面積ベースに戻す検討が進んでいる。PSPは、原油・ナフサ価格の高騰を受け薄肉・軽量化が進んでおり、重量ベースの取引では原反メーカーにとって不利になることが背景。・・・PSP製の食品トレーや弁当容器は、廃棄物問題や原材料コスト上昇への対応から、薄肉化・軽量化が進んでいる。」の記載がある。 (5)「化学工業日報」(2008年2月19日付け、7頁) 「食と化学 プラスチック包装材料・容器(企画記事)」の見出しの下、「プラスチック製の食品包装容器は軽量、加工性の良さ、高い衛生性保持の機能から多彩な用途へと展開している。また電子レンジアップ特性やディスプレー効果を発揮した容器などへの需要も拡大している。容器の分野では発泡ポリスチレンペーパー(PSP)が軽量、省資源、鮮度保持効果に優れることなどから容器の基本素材として展開してきているが、最近では電子レンジ加熱食品に対応できないことなどから、その需要は現状では微減ないしは横ばいでの推移となっている。」の記載がある。 (6)「日経産業新聞」(2007年5月10日付け、18ページ) 「中央化学、食品トレー生産強化??10工場、150億円投じ設備一新。」の見出しの下、「ジャスダック上場で食品トレー大手の中央化学は、二〇〇九年までに国内十工場の生産設備を一新する。・・・まず今年中にも岡山工場(岡山県美作市)、関東工場(埼玉県北川辺町)と、原料である発泡ポリスチレンシート(PSP)の生産子会社、シー・エフ・ケイ(茨城県神栖市)で新たな製造設備を導入する。」の記載がある。 (7)「日刊工業新聞」(2007年4月24日付け、15頁) 「3月のPSP出荷量、0.5%増の9690トン」の見出しの下、「発泡スチレンシート工業会(小野恵造会長=積水化成品工業社長)がまとめた3月の発泡ポリスチレンシート(PSP)の出荷量は、9690トン(前年同月比0・5%増)となった。納豆向け用途などが若干伸びたものの、全体的に低調にとどまった。用途別では納豆、弁当、果物など向けの「一般反」が2250トン(同7・1%増)。定番食品用トレー向けの「トレー反」は3970トン(同0・5%減)だった。」の記載がある。 (8)「化学工業日報」(2007年4月18日付け、3頁) 「中央化学、廃材製デッキ材開発、使用ずみ食品容器など原料」の見出しの下、「中央化学は、発泡ポリスチレンシート(PSP)トレーなど使用ずみ食品容器と廃棄木粉を複合した家庭用デッキ材の販売を開始した。リサイクル製品メーカーの協力を得て製品化したもので、従来のプラスチックデッキ材にはない木質感と高品質を実現したのが特徴。」の記載がある。 (9)「化学工業日報」(2007年4月13日付け、3頁) 「デンカポリマー、OPS容器の新製品相次ぎ投入、超軽量で容リ法対応」の見出しの下、「デンカポリマーでは容リ法の施行にともなう軽量化ニーズに対応し、発泡ポリスチレンシート(PSP)容器に加え、得意とするOPS容器でも軽量化を進めている。」の記載がある。 (10)「化学工業日報」(2007年4月11日付け、3頁) 「中央化学、中京地区に新生産拠点設置、食品容器の需要好調で」の見出しの下、「同社ではこれを製品開発に振り向け、超軽量発泡ポリスチレンシート(PSP)容器など製品開発を強化していく方針だ。」の記載がある。 (11)「化学工業日報」(2007年3月9日付け、3頁) 「エフピコ、プラ食品容器で新製品、容リ法対応軽量品など07年春発売」の見出しの下、「エフピコはプラスチック食品容器のラインアップを拡充する。容器包装リサイクル法に対応した発泡ポリスチレンペーパー(PSP)製容器に新タイプを加えたほか、デザインやディスプレー性を向上させた新製品を揃えた。」の記載がある。 (12)「化学工業日報」(2007年2月28日付け、3頁) 「デンカポリマー、10%軽量の新製品を開発、超軽量PSPトレー」の見出しの下、「デンカポリマーは、昨年発売した超軽量発泡ポリスチレンシート(PSP)トレー「QX-R」をさらに約一〇%軽量化した新製品を開発、年内をめどに製品化を目指す。・・・デンカポリマーは昨年、電気化学工業、東洋スチレン、湘南積水工業(本社・千葉県佐倉市、山室正明社長)と共同開発した超軽量PSPトレーのQX-Rを市場投入した。・・・この動きを受け、QX-Rをさらに軽量化させたPSPトレーの開発に着手している。 」の記載がある。 (13)「化学工業日報」(2007年2月16日付け、7頁) 「『食と化学』特集 プラスチック食品包装容器(企画記事)」の見出しの下、「弁当やカップ麺の丼、トレー蓋材、総菜容器、液体調味料のポリエチレンテレフタレート(PET)ボトルに代表されるプラスチック製の食品包装容器は軽量、易加工性に加え、衛生上の観点からも注目されている。・・・長年市場を牽引してきたのが発泡ポリスチレンペーパー(PSP)。鮮魚や精肉のトレー、弁当、納豆、カップ麺の容器として四十年の実績を持つ。軽量、省資源で鮮度保持効果が優れることから食品包装容器の基本素材として、食品産業の発展と流通を支えてきた。」の記載がある。 (14)「化学工業日報」(2007年1月31日付け、3頁) 「06年のPSP出荷、8年連続マイナス、ラミ丼は2・3%増」の見出しの下、「発泡スチレンシート工業会の統計によると、二〇〇六年(暦年)の発泡ポリスチレンペーパー(PSP)出荷は前年比一・一%減の十一万三千七百九十トンで、一九九九年以来八年連続のマイナス成長を余儀なくされた。生鮮食品包装などのトレー反が年間を通じて伸び悩んだほか、ラミネート反がラミ一般の二ケタ減を主因として前年割れとなった。食品包装を主用途とするPSPは、他素材との競合、人口減少や少子高齢化などにより需要が減少傾向にある。」の記載がある。 (15)「日刊工業新聞」(2007年1月17日付け、25頁) 「商品トレンド/発泡ポリスチレンシート-今年、需要回復の可能性」の見出しの下、「原油高を背景に、06年春から秋にかけて積水化成品工業やJSPなどの大手発泡ポリスチレンシート(PSP)メーカーが打ち出した値上げ(年間上げ幅1キログラム=45-50円)が、昨年末までにほぼ浸透した。食品トレー向けが中心のPSPは、紙や無発泡材料の普及に押されて需要が漸減傾向にある。しかし、容器包装リサイクル法への理解が、スーパーや容器メーカーなどの事業者の間で深まるにつれ、軽量・省資源のPSPの需要も下げ止まるのではないか、と期待する声も業界関係者から聞こえてくる。PSPは生鮮食品や弁当、インスタントラーメンなどの食品容器として使われるポリスチレンと発泡剤を混ぜ合わせた原反シート。」の記載がある。 (16)「日刊工業新聞」(2006年12月1日付け、15頁) 「10月のPSP出荷、食品トレー向け好調で3%増の1万370トン」の見出しの下、「発泡スチレンシート工業会(小野恵造会長=積水化成品工業社長)がまとめた10月の発泡ポリスチレンシート(PSP)の出荷量は1万370トン(前年同月比3・0%増)となった。定番食品用トレー向け「トレー反」が4300トン(同7・0%増)と好調だった。」の記載がある。 (17)「化学工業日報」(2006年11月28日付け、3頁) 「デンカポリマー、PLA使用の弁当容器中敷き開発」の見出しの下、「デンカポリマーは、OPS、発泡ポリスチレンシート(PSP)製食品包装容器を中心とする成形加工メーカー。市場で競争力を持つ新製品の開発を進めており、電気化学工業と技術部門を統合し素材から加工まで一貫した製品開発を推進している。」の記載がある。 (18)「化学工業日報」(2006年4月20日付け、1頁) 「日本ポリスチレン、新中計を策定、ROA5%達成目指す」の見出しの下、「ポリスチレン(PS)専業の日本ポリスチレン(住友化学五〇%、三井化学五〇%出資)は、サプライチェーンの再構築と新規グレードの開発を両輪とする三カ年の中期経営計画を推進する。合理化では、新たに開発した販売・管理の新システムがこの四月から稼働を開始しており、さらなる合理的な配送体制を構築する。新規グレードでは、発泡ポリスチレンペーパー(PSP)の軽量化を実現する新製品の開発を加速し、市場投入していく。」の記載がある。 (19)「化学工業日報」(2006年2月6日付け、7頁) 「食と化学 プラスチック包装材料 容器(企画記事)」の見出しの下、「プラスチック容器は、食品産業の隆盛、個食化傾向が進むなか、食品流通業界発展の一翼を担ってきた。その中で、四十年以上の歴史を持つ発泡ポリスチレンペーパー(PSP)が市場をけん引してきた。鮮魚や精肉のトレー、弁当や納豆、カップ麺の容器として用途を拡大し、ピーク時の一九九八年には年間十四万トンを誇っていた。PSPは、軽量、省資源で鮮度保持効果に優れるなどの特徴をもつ。」の記載がある。 (20)「化学工業日報」(2005年3月30日付け、16頁) 「東芝プラント、再資源化システム開発、使用済みEPSをSMに」の見出しの下、「現在、魚箱などに使用するEPSが年間約二十万トン、食品トレーに使用するポリスチレンペーパー(PSP)が約十四万トン、建築用断熱材に使用する押出しボード(XPS)が約七万トン生産されている。」の記載がある。 (21)「化学工業日報」(2003年11月7日付け、3頁) 「リスパック、群馬に食品包装容器第2工場建設、2年後能力50%増強」の見出しの下、「リスパックは主力の犬山工場(愛知県犬山市)をはじめ、国内四カ所に生産工場を持つ。群馬工場は敷地面積が五万一千平方メートルで、東日本の主力拠点と位置付けられている。ポリスチレンペーパー(PSP)、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、ポリプロピレン(PP)トレーやPPフィラー、A-PET容器などを生産するが、すでに能力に余力がなく、今後の需要増に対応できないと判断した。」の記載がある。 (22)「日本食糧新聞」(2002年1月11日付け) 「シー・エフ・ケイ、PSPの原反から製品まで一貫体制を構築」の見出しの下、「中央化学(株)(埼玉県鴻巣市、048・540・1217)の国内子会社『シー・エフ・ケイ(株)』(茨城県鹿島郡)は、PSP(ポリスチレンペーパー)製造設備の増設を今年7月の完成を目指して総投資額約二五億円で行うと発表した。加えて、成形ラインも新設してトレー、納豆容器などの各種プラスチック食品容器の生産も開始する。これに伴い同社ではPSPの原反から製品までの一貫体制を構築することで汎用製品での収益体質を強化する。」の記載がある。 (23)「読売新聞」(2001年12月13日付け、大阪朝刊 33頁) 「[e-ライフ環境]発泡スチロールの再資源化多様に 焼却熱で発電も」の見出しの下、「発泡スチロールは、家電製品の包装に使われる「型物」(EPS)、食品トレーなどに使われているポリスチレンペーパー(PSP)、主に断熱建材として利用される押し出し発泡ポリスチレン(XSP)の三つのタイプに分かれる。」の記載がある。 (24)「読売新聞」(1999年8月15日付け、大阪朝刊 33頁) 「進まぬ食品トレーのリサイクル コストの高さネック 消費者も意識改革を」の見出しの下、「トレーの材料となるポリスチレンシート(PSP)のメーカー5社で作る発泡スチレンシート工業会(事務局・東京都)は、使用済みトレーをペレットに再生するリサイクル工場を91年に茨城県と兵庫県に建設した。」の記載がある。 (25)「読売新聞」(1992年11月25日付け、大阪夕刊 7頁) 「[エコデータ]フォームスチレン 再利用率10%」の見出しの下、「発泡スチロール製品の中でも、家電のこん包材や魚箱などに使われるフォームスチレン(FS)は、食品トレーなど容器類向けのポリスチレンペーパー(PSP)に比べ、回収、再生システムが整っている。」の記載がある。 (26)「読売新聞」(1991年10月5日付け、大阪朝刊 16頁) 「[リサイクル 環境と企業](上)トレー返還運動(連載)」の見出しの下、「廃棄量の多いプラスチック類のうち発泡スチロールは、家電品の包装などに使う「型物」と、食品トレーなどになるシート状の「PSP」(ポリスチレンペーパー)とがある。昨年の国内生産量は型物が二十一万トン、PSPが十三万五千トン。型物は、そのうち一万六千トンが再生処理されているが、トレー用のPSPはほとんどゴミとして廃棄されている状況だ。」の記載がある。 (27)「包装市場 包装用品に関するお役立ちWebショップ housou.co.jp」のウェブサイトにおける「食品容器」のタイトルの下、「PSP容器」の項目に、「PSPどんぶり」「PSP舟皿・カレー」の記載がある。 (http://www.housou.co.jp/contents/yoki/index.shtml) (28)「ホクエイ化工株式会社」のウェブサイトにおける「製品紹介」のタイトルの下、「納豆容器シリーズ」の項目の「1号納豆」の欄に「材質:PSP」の記載がある。 (http://www.housou.co.jp/contents/yoki/index.shtml) (29)「織部株式会社」のウェブサイトにおける「織部の紙器」のタイトルの下、「P・S・P容器」の記載がある。 (http://www.oribe.co.jp/psp.html) 4 審尋に対する意見の要旨 請求人(出願人)は、前記3の審尋に対して、所定の期間内に何ら応答するところがない。 5 当審の判断 本願商標は、前記1のとおり、「PSP」の文字よりなるところ、「PSP」の文字は、「食品包材」などに使用される「プラスチックの一種である発泡スチロールから作られるポリスチレンペーパー(Polystyrene Paper)の略称」又は「ポリスチレンシートの略称」を表すものとして、本願指定商品を取り扱う業界において、普通に使用されており、また、この「PSP」を原材料とした「容器」が製造・販売されていることが認められる。 そして、本願指定商品を取り扱う業界において、「PSP」の文字の使用の事実については、前記3の審尋で提示した新聞記事情報等の証拠からも認められるものである。 そうとすれば、本願商標「PSP」をその指定商品中第17類「プラスチック基礎製品」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「プラスチックの一種である発泡スチロールから作られるポリスチレンペーパー(Polystyrene Paper)の略称」又は「ポリスチレンシートの略称」を表示するものと認識、把握するにとどまり、単に商品の品質等を表示するにすぎず、また、指定商品中第20類「プラスチック製の包装用トレー,プラスチック製の丼容器(プラスチック製ふたを除く。),プラスチック製きょう木」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「ポリスチレンペーパー製の包装用トレー・丼容器・きょう木」であること、又は「ポリスチレンシート製の包装用トレー・丼容器・きょう木」であることを認識、把握するにとどまり、単に商品の原材料等を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としては認識しないというのが相当である。 また、「PSP」の文字を、「プラスチックの一種である発泡スチロールから作られるポリスチレンペーパー」又は「ポリスチレンシート」以外の「プラスチック基礎製品」に使用するとき及び「ポリスチレンペーパー製の包装用トレー・丼容器・きょう木」又は「ポリスチレンシート製の包装用トレー・丼容器・きょう木」以外の「プラスチック製の包装用トレー,プラスチック製の丼容器(プラスチック製ふたを除く。),プラスチック製きょう木」に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるというべきである。 してみれば、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものといわざるを得ない。 なお、請求人(出願人)は、意見書及び審判請求書において、「『PSP』が、プラスチックの一種である発泡スチロールから作られるポリスチレンペーパー(Polystyrene Paper)の略称である」及び「『PSP』が、ポリスチレンペーパー又はポリスチレンシートの略称を示す語としてその製造業界において使用されている」旨述べており、「PSP」の文字が、指定商品中「プラスチック基礎製品」との関係において、商品の品質等を表すものとして普通に使用されていることは、請求人(出願人)も認めている。 また、請求人(出願人)は、「『PSP』の語が包装容器業界において原料表示として普通に使用されていない」旨主張しているが、「PSP」の語が、「プラスチック製の包装用トレー」等の原材料を表示するものとして普通に使用されていることは前記認定のとおりである。 また、請求人(出願人)は過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、それらは、商標の構成等において本件とは事案を異にするものであり、その判断が本件の判断を左右するものではない。 よって、本願商標については上記のとおり判断するのが相当であり、その他の請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りないものである。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことができない。 なお、請求人(出願人)は、前記3の審尋に対し、何ら応答するところがなく、審理進行を猶予し得る合理的理由はないと認められるので、審理を終結することとした。 よって結論のとおり審決する。 |
別掲 |
|
審理終結日 | 2008-10-15 |
結審通知日 | 2008-10-22 |
審決日 | 2008-12-02 |
出願番号 | 商願2005-74483(T2005-74483) |
審決分類 |
T
1
8・
13-
Z
(Y1720)
T 1 8・ 272- Z (Y1720) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 半田 正人 |
特許庁審判長 |
井岡 賢一 |
特許庁審判官 |
小川 きみえ 豊田 純一 |
商標の称呼 | ピイエスピイ |
代理人 | 青山 正和 |
代理人 | 志賀 正武 |
代理人 | 志賀 正武 |
代理人 | 志賀 正武 |
代理人 | 青山 正和 |
代理人 | 志賀 正武 |
代理人 | 棚井 澄雄 |
代理人 | 棚井 澄雄 |
代理人 | 高柴 忠夫 |
代理人 | 青山 正和 |
代理人 | 棚井 澄雄 |
代理人 | 棚井 澄雄 |
代理人 | 高柴 忠夫 |
代理人 | 高柴 忠夫 |
代理人 | 青山 正和 |
代理人 | 高柴 忠夫 |