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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) Y1937
審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) Y1937
審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) Y1937
管理番号 1191023 
異議申立番号 異議2007-900558 
総通号数 110 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2009-02-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2007-12-10 
確定日 2008-11-19 
異議申立件数
事件の表示 登録第5085279号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5085279号商標の商標登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第5085279号商標(以下「本件商標」という。)は、「セイフティウォーク」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成18年7月11日に登録出願され、第19類「陶磁製の舗装材料及びその他の陶磁製の建築用又は構築用の専用材料,れんが及び耐火物,れんが製の舗装材料,セラミック製の舗装材料及びその他のセラミック製の建築用又は構築用の専用材料,リノリューム製の舗装材料及びその他のリノリューム製の建築用又は構築用の専用材料,プラスチック製の舗装材料及びその他のプラスチック製の建築用又は構築用の専用材料,アスファルト,アスファルト製の舗装材料及びその他のアスファルト製の建築用又は構築用の専用材料,ゴム製の舗装材料及びその他のゴム製の建築用又は構築用の専用材料,石灰製の舗装材料及びその他の石灰製の建築用又は構築用の専用材料,石こう製の舗装材料及びその他の石こう製の建築用又は構築用の専用材料,合成樹脂製の舗装材料及びその他の合成樹脂製の建築用又は構築用の専用材料,セメント及びその製品,セメント製の舗装材料,コンクリート,コンクリート製の舗装材料,木材,木材製の舗装材料,石材,石材製の舗装材料,建築用ガラス,ガラス製の舗装材料」及び第37類「舗装工事及びその他の建設工事,舗装工事に関する情報の提供,舗装工事の仲介又は取次ぎ,舗装工事に関する助言又はコンサルティング及びその他の建築工事に関する助言又はコンサルティング,舗装工事の施工管理」を指定商品及び指定役務として、同19年10月19日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要点)
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、登録異議の申立ての理由を要旨次のように主張し、証拠方法として、甲第1号証ないし同第50号証を提出した。
(1)申立人が引用する商標
申立人は、申立人が住友スリーエム株式会社を通じて「すべり止めテープ製品」に使用している「セーフティ・ウォーク」の文字よりなる商標及び「Safety-Walk」の文字よりなる商標を引用している。以下、これらを総称して「引用商標」という。
(2)引用商標の著名性
引用商標が使用された「すべり止めテープ製品」は、半世紀にわたって製造販売され、我が国でも少なくとも平成12年以前から販売されてきた。そして、申立人の小会社のみならず数多くの会社によって販売されて今日に至ったこと、そして、今日商標を周知著名とする手段として効果的なものであるホームページに数多く掲載されてきたことからすれば、「すべり止めテープ製品」の需要者である住宅建築関係等の建築業者、物流業者中心に、本件商標が出願された平成18年7月11日時点では周知著名なものとなっていた。
(3)商標法第4条第1項第10号について
引用商標が使用されている「すべり止めテープ製品」は、住宅の建築に使用されるものであるから、「建築又は構築専用材料」に該当する。よって、商品「すべり止めテープ製品」は、本件商標の第19類の指定商品と類似する。
本件商標は、他人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願の前より需要者、取引者の間に広く認識されている商標に類似し、かつ、その商品に類似する商品について使用するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。
(4)商標法第4条第1項第15号について
本件商標の第19類の指定商品の需要者は住宅建築関係等の建築業者であるから、当該商品の需要者の間では引用商標は周知著名なものであったといえる。
また、本件商標は、第37類の指定役務の提供に際しても「すべり止めテープ製品」が使用される可能性があり、当該商品の需要者と第37類の指定役務の需要者とは共通している可能性がある。
したがって、本件商標がその指定商品及び指定役務に使用された場合、商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

3 取消理由通知
当審において、平成20年7月24日付けで、商標権者に対し通知した取消理由は、要旨次のとおりである。
(1)引用商標の著名性について
申立人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
引用商標の記述が存在する論文によれば、平成11年頃には引用商標が使用された「すべり止め製品」が販売され、遅くとも同15年度にはそれが住宅関係の間で利用されていたことが推認される(甲第2号証、甲第3号証)。
「安全衛生のひろば」(2006年5月号)において、引用商標が使用された「すべり止めテープ製品」の広告が掲載され、その宣伝文句の中に「足下の安全を支えて半世紀。今も世界の様々な場所で活用され記録と記憶を支えているすべり止めテープです。」の記載がある(甲第4号証)。
「物流ウィークリー」(平成17年11月28日号)において、引用商標が使用された「すべり止めテープ製品」の広告が掲載されていると共に、「同製品は、第二次世界大戦中に、米国潜水艦から水兵がすべって海に転落する事故が続発したため、政府の要請で米国3M社が開発したもの。その性能は米軍の厳しい規格テストをパスしている。」との記事が掲載されている(甲第6号証)。
引用商標が使用された「すべり止めテープ製品」がユニット株式会社の安全用品カタログ(甲第10号証、甲第11号証)に掲載されているほか、数多くの会社のホームページ等に継続して掲載されてきたことが認められる(甲第12号証ないし甲第49号証)。
そして、住友スリーエム株式会社発行の「すべり止めテープ製品のカタログ」(「本カタログに掲載の製品は、2004年7月現在のものです。」との記載がある。)には、引用商標が表示されていると共に、すべり事故を防止するための様々なタイプの該商品が紹介され、住宅建築関係をはじめ様々な分野において利用可能であることが記載されている(甲第9号証)。その他の証拠においても、当該製品は、その用途により各種タイプのものが製造・販売されていることが認められ、その製品の中には施工場所として、建物の出入口、シャワー室、駅・歩道橋・ビル・工場及び倉庫等の階段・スロープなどの床面に使用されるものがあり、これらは建築用資材の一とみて差し支えないということができる。また、これら製品はその材質をプラスチックやポリエステルフィルとするものであって、表面には合成ゴムを使用している製品があることの仕様が掲載されている。
上記認定の事実によれば、引用商標は、申立人が住友スリーエム株式会社を通じて使用している「すべり止めテープ製品」を表示するものとして、本件商標の登録出願の前より住宅建築関連の取引者間において広く認識されていたと推認されるところである。
(2)商標法第4条第1項第10号の該当性について
本件商標は、「セイフティウォーク」の片仮名文字を書してなるものであり、引用商標は、「セーフティ・ウォーク」の片仮名文字又は「Safety-Walk」の欧文字からなるものであるから、両者は、称呼において同一又は類似するものであり、かつ、外観においても見誤るおそれのある類似の商標と認められる。
また、本件商標の第19類に属する指定商品中「リノリューム製の舗装材料及びその他のリノリューム製の建築用又は構築用の専用材料,プラスチック製の舗装材料及びその他のプラスチック製の建築用又は構築用の専用材料,アスファルト,アスファルト製の舗装材料及びその他のアスファルト製の建築用又は構築用の専用材料,ゴム製の舗装材料及びその他のゴム製の建築用又は構築用の専用材料,石灰製の舗装材料及びその他の石灰製の建築用又は構築用の専用材料,石こう製の舗装材料及びその他の石こう製の建築用又は構築用の専用材料,合成樹脂製の舗装材料及びその他の合成樹脂製の建築用又は構築用の専用材料」は、引用商標に係る使用商品中、建築用資材としての「プラスチック製建築専用材料,ゴム製の建築専用材料」の範ちゅうに属すると認められる商品「すべり止めテープ」と同一又は類似する商品ということができる。
したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願の前より需要者、取引者の間に広く認識されている商標に類似し、かつ、その商品に類似する商品について使用するものといわざるを得ないから、本件商標は、その指定商品中の上記した商品について、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものというべきである。
(3)商標法第4条第1項第15号の該当性について
上記で認定したとおり、本件商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、引用商標は、申立人の業務に係る商品「すべり止めテープ製品」を表示するものとして、本件商標の登録出願の前より住宅建築関連の取引者間において広く認識されていたと認められるものである。また、本件商標の指定商品及び指定役務中、上記において商標法第4条第1項第10号に該当するとした指定商品以外の指定商品「陶磁製の舗装材料及びその他の陶磁製の建築用又は構築用の専用材料,れんが及び耐火物,れんが製の舗装材料,セラミック製の舗装材料及びその他のセラミック製の建築用又は構築用の専用材料,セメント及びその製品,セメント製の舗装材料,コンクリート,コンクリート製の舗装材料,木材,木材製の舗装材料,石材,石材製の舗装材料,建築用ガラス,ガラス製の舗装材料」及び第37類に属する指定役務「舗装工事及びその他の建設工事,舗装工事に関する情報の提供,舗装工事の仲介又は取次ぎ,舗装工事に関する助言又はコンサルティング及びその他の建築工事に関する助言又はコンサルティング,舗装工事の施工管理」は、いずれも建築又は構築に関連する商品及び役務であり、引用商標に係る使用商品と密接に関連性を有しているといえるものである。
そうすると、本件商標は、これを上記の指定商品及び指定役務について使用するとき、これに接する取引者、需要者をして、申立人の使用に係る周知・著名な引用商標を連想・想起させるものであり、該商品又は役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標は、その指定商品及び指定役務中の上記した商品又は役務について、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものというべきである。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に違反してされたものであるから取消しを免れない。

4 商標権者の意見
上記3の取消理由に対し、商標権者は、何ら意見を述べるところがない。

5 当審の判断
本件商標についてした先の取消理由は、妥当なものと認められる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に違反して登録したといわざるを得ないから、本件商標の登録は、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
異議決定日 2008-09-29 
出願番号 商願2006-64487(T2006-64487) 
審決分類 T 1 651・ 252- Z (Y1937)
T 1 651・ 271- Z (Y1937)
T 1 651・ 251- Z (Y1937)
最終処分 取消  
前審関与審査官 安達 輝幸手塚 義明 
特許庁審判長 伊藤 三男
特許庁審判官 岩崎 良子
酒井 福造
登録日 2007-10-19 
登録番号 商標登録第5085279号(T5085279) 
権利者 ニチレキ株式会社
商標の称呼 セイフティウオーク 
代理人 田島 壽 
代理人 須磨 光夫 
代理人 青木 篤 

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