ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X14 |
---|---|
管理番号 | 1191007 |
異議申立番号 | 異議2008-900171 |
総通号数 | 110 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2009-02-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2008-04-11 |
確定日 | 2009-01-13 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5104769号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5104769号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5104769号商標(以下「本件商標」という。)は、「PENTHOUSE」及び「ペントハウス」の文字を上下2段に横書きしてなり、平成19年6月4日に登録出願され、第14類「キーホルダー,宝石箱,記念カップ,記念たて,身飾品,貴金属製靴飾り,時計」を指定商品として平成20年1月11日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(1)ないし(7)に掲げるとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。(以下これらの登録商標を総称するときは、単に「引用商標」という。) (1)登録第1906524号 商標の構成:「PENTHOUSE」 登録出願日:昭和56年5月12日 設定登録日:昭和61年10月28日 書換登録日:平成20年5月7日 指定商品 :第16類「雑誌,その他の印刷物」 (2)登録第1974433号 商標の構成:「PENTHOUSE」 登録出願日:昭和49年11月7日 設定登録日:昭和62年8月19日 指定商品 :第28類「酒類(薬用酒を除く)」 (3)登録第1975555号 商標の構成:「PENTHOUSE」 登録出願日:昭和49年11月7日 設定登録日:昭和62年8月19日 指定商品 :第25類「紙類、文房具類」 (4)登録第2008063号 商標の構成:「PENTHOUSE」 登録出願日:昭和49年11月7日 設定登録日:昭和62年12月18日 指定商品 :第4類「せっけん類(薬剤に属するものを除く)化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」 (5)登録第2470936号 商標の構成:「PENTHOUSE」 登録出願日:昭和49年11月7日 設定登録日:平成4年10月30日 指定商品 :第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電気応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」 (6)登録第4384068号 商標の構成:「PENTHOUSE CLUB」 登録出願日:平成11年2月26日 設定登録日:平成12年5月19日 指定役務 :第41類「演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,娯楽施設の提供」及び第42類「飲食物の提供」 (7)登録第4904952号 商標の構成:「PENTHOUSE」(標準文字) 登録出願日:平成16年9月6日 設定登録日:平成17年10月28日 指定役務 :第41類「テレビ番組の制作及び配給,カジノゲーム施設の提供,ナイトクラブの提供,オンラインによるカジノゲームの提供,その他の娯楽施設の提供」 3 登録異議申立ての理由の要点 申立人は、いわゆるアダルトエンターティンメントでは世界で最も大きな会社の一つであり、申立人が男性向け雑誌(関連雑誌を含む。)について使用する引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示する商標として世界的に周知著名となっているほか、申立人は米国、カナダ等において宝玉やアンクレット、ブレスレット、ネックレス等の身飾品についてのライセンス事業を展開している。 そして、引用商標の著名度、引用商標がハウスマークであること、申立人の企業イメージ及び事業展開等を総合的に考慮すると、本件商標をその指定商品に使用した場合、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものである。 4 当審の判断 (1)申立人は、引用商標が男性向け雑誌(関連雑誌を含む。)について使用する商標として、我が国においても周知著名になっている旨主張し、証拠(甲第1号証ないし第12号証)を提出しているので、これについて検討する。 (ア)甲第3号証は、申立人の主張によれば、「過去及び近年における雑誌PENTHOUSEについての概要」とのことであるが、「PAST & PRESENT FACTS OF PENTHOUSE MAGAZINE」と題する英文の書面と認められるものの、その訳文もないし、この書面の性格、目的、作成者、作成時、頒布状況等が一切明らかでなく、客観性に乏しいものであり、これをもって直ちに引用商標が取引者、需要者間に広く知られているものと認めることはできない。 (イ)甲第4号証は、申立人の主張によれば、「各国での米国版のPENTHOUSE各誌の販売に関するカーティス社との独占販売契約書」とのことであるが、全文英文であり訳文もないし、その内容は雑誌「PENTHOUSE」の独占販売に関する契約にすぎず、上記雑誌の販売状況、宣伝広告等の事実、商標の使用態様・使用期間等を具体的に示すものではないから、これをもって引用商標が取引者、需要者間に広く知られているものと認めることはできない。 (ウ)甲第5号証は、申立人の主張によれば、「世界各国での米国版のPENTHOUSE各誌の発行部数及び流通量に関する資料」とのことであるが、全文英文であり訳文もないし、その作成者、作成時等が一切明らかでない。しかも、発行部数及び流通量がいつの時点のものかについての説明もないし、上記雑誌についての宣伝広告の事実や引用商標の具体的な使用態様・使用期間等については一切明らかでない。したがって、上記資料によっては、引用商標が取引者、需要者間に広く知られているものと認めることはできない。 (エ)甲第6号証は、申立人の主張によれば、「世界各国での『PENTHOUSE』の登録商標リスト」とのことであるが、これは各国における商標「PENTHOUSE」の登録状況を示すにすぎず、商標が登録されたことのみによって当該商標が周知著名になるものではないことはいうまでもなく、上記リストによって、引用商標が取引者、需要者間に広く知られているものと認めることはできない。 (オ)甲第7号証は、申立人の主張によれば、「各国での国際版PENTHOUSEの売上高及び出版契約書」とのことであるが、全文英文であり訳文もないし、引用商標の具体的な使用態様等は明らかでない。たとえ、「International Editions-Estimated Average Circ. Figures」と題する書面に記載された数値が2007年における各国での販売数量を示すものであるとしても、8ヶ国全体で21万3千件にすぎず、それ程多いものとはいえない。(カ)甲第8号証は、申立人の主張によれば、「ギリシアでの異議申立の成功例」とのことであるが、全文英文であり訳文もないし、たとえ、ギリシアで申立人の主張が認められたとしても、法制度が異なる上、引用商標の使用状況等も明らかでなく、本件をギリシアでの取扱いと同列に扱うことができないことはいうまでもない。 (キ)甲第9号証は、申立人の主張によれば、「日本での米国版PENTHOUSEの売上高」とのことであるが、頒布数量は多いときで月に400部程度であり、それ程多くはないし、上記雑誌について引用商標が具体的にどのように使用されているかは不明であり、また、上記雑誌についての広告宣伝の事実等を示す証左は一切なく、これをもって引用商標が取引者、需要者間に広く知られているものと認めることはできない。 (ク)甲第10号証は、申立人の主張によれば、「ぶんか社との出版契約書」とのことであるが、契約書自体は全文英文であり訳文もない上、添付された唯一の和文による資料は、ぶんか社及び雑誌「PENTHOUSE JAPAN」の発行に関する説明にすぎない。上記資料によれば、「発行部数65万部(予定)」、「創刊1994年11月(予定)」等の記載があるものの、該雑誌が実際に市場において頒布されたことを示す証左や該雑誌についての広告宣伝の事実等を示す証左は一切なく、これをもって直ちに引用商標が取引者、需要者間に広く知られているものと認めることはできない。 (ケ)甲第11号証は、申立人の主張によれば、「日本でのビデオ販売に関するライセンス契約書」とのことであるが、全文英文であり訳文もないし、契約自体は「The Embrace of the Vampire」と題する映画ビデオに関するものであり、引用商標とは直接関係するものではない。 (コ)甲第12号証は、申立人の主張によれば、「米国、カナダ、ギリシア、ロシアにおけるPENTHOUSEジュエリーのライセンス契約書」とのことであるが、全文英文であり訳文もないし、契約自体は我が国に関するものではない上、契約書のみで引用商標の具体的な使用状況等が一切明らかでないから、これをもって引用商標が取引者、需要者間に広く知られているものと認めることはできない。 (2)以上のとおり、申立人の提出に係る証拠によっては、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標が男性向け雑誌(関連雑誌を含む。)について使用する商標として取引者、需要者間に広く知られていたものと認めることはできない。 その他、引用商標が申立人の業務に係る商品に使用する商標として取引者、需要者間に広く知られているものと認めるに足る証拠はない。 (3)他方、本件商標を構成する「PENTHOUSE」及び「ペントハウス」の文字は、「ペントハウス(高層マンション、ホテルの最上階にある豪華な住居・部屋)、塔屋」の意味を有する英語及び外来語として知られているものである。また、本件商標の指定商品は、引用商標が使用されている男性向け雑誌(関連雑誌を含む。)と密接な関係を有するというほどのものではないし、申立人もその関係を具体的に主張、立証するところがない。 なお、申立人は、米国、カナダ等において宝玉やアンクレット、ブレスレット、ネックレス等の身飾品についてのライセンス事業を展開している旨主張するが、引用商標の具体的な使用状況等が明らかでないことは、上記(1)(コ)のとおりである。 (4)以上を総合すると、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が引用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはなく、該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2008-12-12 |
出願番号 | 商願2007-55990(T2007-55990) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(X14)
|
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 久我 敬史 |
特許庁審判長 |
林 二郎 |
特許庁審判官 |
杉山 和江 小畑 恵一 |
登録日 | 2008-01-11 |
登録番号 | 商標登録第5104769号(T5104769) |
権利者 | 高野興産株式会社 |
商標の称呼 | ペントハウス |
代理人 | 渡邊 隆 |
代理人 | 鳥居 和久 |
代理人 | 東尾 正博 |
代理人 | 鈴木 博久 |
代理人 | 鎌田 文二 |
代理人 | 高柴 忠夫 |
代理人 | 志賀 正武 |