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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z20
管理番号 1190857 
審判番号 取消2007-301136 
総通号数 110 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-02-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2007-09-05 
確定日 2009-01-05 
事件の表示 上記当事者間の登録第4517876号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4517876号商標(以下「本件商標」という。)は、「ラウンジ」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成12年11月28日登録出願、第20類「家具,つい立て,びょうぶ,ベンチ」を指定商品として、同13年10月26日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張
請求人は、「本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、参考1を提出した。
本件商標は、請求人の調査した限りにおいて、少なくとも、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、その指定商品のいずれにも使用されていない。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に基づき、その登録を取り消されるべきである。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1ないし第9号証を提出した。
1 被請求人は、本件審判の請求の登録日(平成19年9月26日)前3年以内に、日本国内において本件商標を本件指定商品「家具」中の「いす」について使用しており、この事実は、提出した乙第1ないし第9号証によって明らかである。
以下、被請求人の提出する乙第1ないし第9号証について詳述する。
2 商品カタログにおける使用を立証する事実(乙第1ないし第3号証)
(1)乙第1及び第2号証は、本件商標が使用された「いす」が掲載された商品カタログであり、本件審判の請求の登録日(平成19年9月26日)前3年以内における本件商標の使用事実を立証するものである。当該商品カタログは、2007年版が大判192,000部、小判12,500部印刷され、販売代理店等の取引先、一般顧客に配布されている。
ア まず、本件商標の指定商品中の「家具」に包含される商品「いす」について、取引者及び需要者が接する被請求人の前記商品カタログの659頁には、見出しとして「ラウンジ/○内に『R』の記号(以下、「(R)」という。)/チェア KW」及び「ラウンジ(R)チェア KX」の文字が紺色地に白抜きで大きく表示されている。同カタログの667頁には、見出しとして「ラウンジ(R)チェアNY」の文字が紺色地に白抜きで大きく表示されている。同カタログの700頁には、見出しとして「ラウンジ(R)チェアKG」、「ラウンジ(R)チェアNB」及び「ラウンジ(R)チェア SM」の文字が紺色地に白抜きで大きく表示されている。
なお、この表示中「(R)」は、商標登録の表示であることを念のため付言する。また、各見出しには「受注」マークが付されているが、これは「受注生産品のため納期が多少かかりますので、あらかじめご了承ください。」ということを示すマークである(乙第1及び第2号証の商品カタログ表紙の裏面および58頁に記載)。
イ 上記見出しの下に、商品の種類を示す「アームチェア」「ソファ」という各記載と、それに続いて色彩「T1」、「R3」等の各記載、品番「LKW-15GH」、「KLW1■GH」等の各記載、及びその品番に対応した販売価格「¥98,910(94,200)」、「¥129,045(122,900)」等の各記載がある(乙第1及び第2号証の商品カタログ659頁、667頁及び700頁)。
ウ そして、乙第1及び第2号証の商品カタログ892頁に続く頁に「2007 CATALOG GUIDE」が付録されており、その14頁「01 製品名 掲載製品のシリーズ名、ブランド名を表示しています。」の記載からも明白であるが、取引者及び需要者は、「ラウンジ(R)チェア KW」及び「ラウンジ(R)チェアKX」の見出し部分を、商標として認識するのが極自然であって、需要者である購入者は、その商標が使用された商品の品番を選択し、その品番の商品の価格を知った上で、商品を注文することとなる。
エ したがって、取引者及び需要者は、被請求人の前記商品カタログを通じて、本件商標の指定商品中の「家具」に包含される商品「いす」の取引をすることは明白である。
オ なお、乙第1及び第2号証の商品カタログは、その892頁の記載からも明らかなとおり、いずれも2006年12月に発行されたものである。また、乙第1号証に係るカタログは、デザイン保護協会に毎年寄託しており、多数の顧客に配布しているものである(乙第3号証)。
(2)本件商標が使用された商品「いす」の取引事実を立証する事実(乙第4ないし第9号証)
乙第4ないし第9号証は、本件商標が使用された「いす」の実際の取引事実を示すものであり、本件審判の請求の登録日(平成19年9月26日)前3年以内における本件商標の使用事実を立証するものである。なお、これらの取引書類は、原本の提出が不可能であるため、コピーの提出となったが、必要があれば原本の提出の用意がある旨申し添える。
ア 乙第4及び第5号証は、平成19年4月9日付けの請求書及び納品書の写しである。これらにより、本件商標が使用された「いす」が現実に販売された事実を立証する。
上記請求書及び納品書には、乙第1及び第2号証の商品カタログ700頁の「ラウンジ(R)チェアNB」の商標の下での、同700頁の品番「LNB-8010C-Z9」の色彩「N2」に係るNBラウンジチェアの販売事実が記載されている。
イ 乙第6号証は、平成19年5月31日付けの請求書の写しである。これにより、本件商標が使用された「いす」を現実に販売した事実を立証する。
上記請求書には、乙第1及び第2号証の商品カタログ700頁の「ラウンジ(R)チェアNB」の商標の下での、同700頁の品番「LNB-8010C-Z9」の色彩「N2」に係るNBラウンジチェアの販売事実が記載されている。
ウ 乙第7号証は、平成19年6月12日付けの受領書の写しである。この事実により、本件商標が使用された「いす」を現実に販売した事実を立証する。
上記受領書には、乙第1及び第2号証の商品カタログ700頁の「ラウンジ(R)チェアNB」の商標の下での、同700頁の品番「LNB-8010C-Z9」の色彩「L7」に係るNBラウンジチェアの納入事実が記載されている。
エ 乙第8号証は、平成19年6月28日付けの受領書の写しである。この事実により、本件商標が使用された「いす」を現実に販売した事実を立証する。
上記受領書には、乙第1及び第2号証の商品カタログ700頁の「ラウンジ(R)チェアSM」の商標の下での、同700頁の品番「LSM-8081AP」の色彩「G6」に係るSMラウンジキャスター付肘、同700頁の品番「LSM-8261DF」の色彩「L6」に係るSMラウンジキャスター円盤脚肘付及び同700頁の品番「LSM-8281AP」の色彩「G6」に係るSMラウンジキャスター付肘の納入事実が記載されている。
オ 乙第9号証は、平成19年8月17日付けの請求書の写しである。この事実により、本件商標が使用された「いす」を現実に販売した事実を立証する。
上記請求書には、乙第1及び第2号証の商品カタログ700頁の「ラウンジ(R)チェアNB」の商標の下での、同700頁の品番「LNB-8010DF-Z9」の色彩「S4」に係るNBラウンジチェアの販売事実が記載されている。
3 以上のとおり、乙第1ないし第9号証によって、被請求人は、本件商標を使用した「いす」を、少なくとも本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、販売している事実が明白である。

第4 請求人は、前記第3の被請求人の答弁に対し、反駁していない。

第5 当審の判断
1 被請求人の提出に係る乙各号証によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第1及び第2号証は、「いす」が掲載されている被請求人の商品カタログであり、乙第1号証の大型の商品カタログには、表紙右下角部に「2007」、700頁中央右側に「ラウンジ」(「ジ」の文字の右上部に○内に「R」が付記されている。)、「チェア NB」、「LNB-8210C-Z9」及び「LNB-8010DF-Z9」、同頁左下部に「ラウンジ」(「ジ」の文字の右上部に○内に「R」が付記されている。)、「チェア SM」及び「LSM-8081AP-G6」、892頁に「2006年12月発行」及び「発行:株式会社イトーキ」の各表示が認められる。
乙第2号証の商品カタログは、乙第1号証のカタログを小型にしたものと認められ、表紙、700頁及び892頁には、上記乙第1号証と同様の表示が認められる。
(2)乙第3号証は、「社団法人 日本デザイン保護協会」の被請求人宛の「カタログの公知日証明書」と題する証明書であり、カタログの名称「イトーキ総合カタログ 2007」、カタログの発行者「株式会社イトーキ」、カタログの受入日「2006年12月6日」の各記載があり、乙第1号証のカタログと同じ表紙、700頁、892頁、奥付及び裏表紙の各写しが添付されている。
(3)乙第4及び第5号証は、平成19年4月9日付けの被請求人の他社宛ての請求書及び納品書の写しであり、名称、商品記号の欄に「NBラウンジチェア LNB-8010C-Z9N2」の表示が認められる。
(4)乙第6号証は、平成19年5月31日付けの被請求人の他社宛ての請求書の写しであり、名称、商品記号の欄に「NBラウンジチェア LNB-8010C-Z9N2」の表示が認められる。
(5)乙第7号証は、2007年6月12日付けの被請求人宛ての受領書の写しであり、商品名、商品記号の欄に「NBラウンジチェア LNB-8010C-Z9L7」の表示が認められる。
(6)乙第8号証は、2007年6月28日付けの被請求人宛ての受領書の写しであり、商品名、商品記号の欄に「SMラウンジキャスター付肘 LSM-8081AP-G6」の表示が認められる。
(7)乙第9号証は、平成19年8月17日付けの被請求人の他社宛ての請求書の写しであり、名称、商品記号の欄に「NBラウンジチェア LNB-8010DF-Z9S4」の表示が認められる。
2 以上の事実を総合すれば、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標の指定商品中の「家具」に含まれる「いす」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたというべきである。
3 したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2008-07-30 
結審通知日 2008-08-05 
審決日 2008-08-19 
出願番号 商願2000-127749(T2000-127749) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (Z20)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 中村 謙三
特許庁審判官 末武 久佳
前山 るり子
登録日 2001-10-26 
登録番号 商標登録第4517876号(T4517876) 
商標の称呼 ラウンジ 
代理人 黒瀬 雅志 
代理人 藤森 裕司 
代理人 塩谷 信 
代理人 吉武 賢次 
代理人 宮嶋 学 
代理人 木村 純平 
代理人 飯島 紳行 
代理人 宮城 和浩 

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