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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2013900294 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X33
審判 全部申立て  登録を維持 X33
管理番号 1189220 
異議申立番号 異議2008-900109 
総通号数 109 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2009-01-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-03-24 
確定日 2008-11-25 
異議申立件数
事件の表示 登録第5098315号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5098315号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5098315号商標(以下「本件商標」という。)は、「KENZO」の欧文字を標準文字で表してなり、平成19年4月9日に登録出願、第33類「ワイン,果実酒,洋酒」を指定商品として、同年10月29日に登録査定され、同年12月14日に設定登録されたものである。

第2 本件異議の申立て理由の要旨
1 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(1)ないし(4)のとおりである。
(1)登録第3154233号商標(以下「引用商標1」という。)は、「KENZO」の欧文字を書してなり、平成4年9月30日に登録出願、第42類「飲食物の提供,美容,理容,写真の撮影,デザインの考案,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,衣服・社会風俗その他に関するファッションの研究,衣服の貸与,展示施設の貸与」を指定役務として、同8年5月31日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第1768838号商標(以下「引用商標2」という。)は、「KENZO」の欧文字を書してなり、昭和57年1月28日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同60年5月30日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が2回にわたりなされ、さらに、平成18年3月29日に第24類「タオル,ハンカチ,その他の布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,被服,帽子」を指定商品とする書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(3)登録第1861720号商標(以下「引用商標3」という。)は、「KENZO」の欧文字を書してなり、昭和58年8月18日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同61年5月30日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が2回にわたりなされ、さらに、平成19年4月4日に第14類「身飾品(「カフスボタン」を除く。),カフスボタン,宝玉及びその模造品」、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」及び第26類「腕止め,衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,帯留,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章,頭飾品,ボタン類,造花(「造花の花輪」を除く。),つけあごひげ,つけ口ひげ,ヘアカーラー(電気式のものを除く。)」を指定商品とする書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(4)登録第1878639号商標(以下「引用商標4」という。)は、「KENZO」の欧文字を書してなり、昭和58年8月18日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同61年7月30日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が2回にわたりなされ、さらに、平成19年4月4日に第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」を指定商品とする書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(以下、上記(1)ないし(4)の登録商標を一括していうときは、「引用各商標」という。)
2 理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標及び引用各商標を比較すると、これらの商標の称呼は、いずれも「ケンゾー」であって全く同じであり、また、アルファベット文字の綴りも完全に同一である。したがって、本件商標と引用各商標とは、同一の商標であるというべきである。
また、本件商標は、第33類「ワイン,果実酒,洋酒」を指定商品とする一方、引用商標1は、第42類「飲食物の提供,美容,理容,写真の撮影,デザインの考案,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,衣服・社会風俗その他に関するファッションの研究,衣服の貸与,展示施設の貸与」を指定役務としているところ、役務に類似するものの範囲には商品が含まれ得ることは、商標法第2条第5項に規定されるとおりである。
この点、役務の提供を行うのと同一の事業者によって、これに関連する商品の製造・販売が行われることがあることは、経験則上認められる事実ということができる。そして、本件商標の指定商品と、引用商標1の指定役務のうち、「飲食物の提供」の需要者については、酒類等の嗜好品の飲食を行う一般の男女をも広く包含するといえる。
イ すなわち、本件商標を付した上記指定商品が製造・販売されれば、需要者において、かかる商品が、引用商標1の指定役務の提供を行っている引用各商標の商標権者等の商品であると誤って認識し、出所を混同する可能性が十二分にあるというべきである。
なお、引用各商標の商標権者は、過去に、酒類の有名ブランドであるHennessy(ヘネシー)と共同で、「KENZO」の標章を付したコニャックを製造・頒布している(甲第6号証)。かかる事実からも、上記の誤認混同のおそれは、具体的に認められるといえる。
よって、本件商標は、引用商標1の指定役務と類似する商品を指定商品とするものであり、商標法第4条第1項第11号該当性を有するものである。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 仮に、本件商標が、商標法第4条第1項第11号該当性を有しないとしても、「KENZO」の標章は、引用各商標の商標権者及びその関連会社(以下、あわせて「引用商標権者等」という。)の商品又は役務を表示するものとして、日本国内のみならず世界的に周知著名な商標であるから、これと同一の商標である本件商標を使用することは、需要者をして、本件商標が付された商品を、引用商標権者等の業務にかかる商品又は役務であると誤認させ、出所の混同を生じさせるおそれがある。
イ 「KENZO」の著名性について
(ア)引用各商標の商標権者は、日本人の服飾デザイナーである高田賢三(以下、「高田」という。)により、1970年に、フランス国パリにおいて設立された法人であり(旧商号は「JANGLE JAP」)、「KENZO」は、そのブランド名である。
ファッションの中心地であるパリから発信された、高田のデザインにかかる引用各商標の商標権者の商品は、多彩な色使いや民族調の融合的装飾が施された衣服等を中心として、当時、国際的に大流行し、「KENZO」の名を、一躍世界に知らしめた。以降、引用各商標の商標権者は、「KENZO」ブランド名を冠して、毎年、世界中で数々の春夏及び秋冬のファッションショーを開催し、新たな流行を生み出してきた。
そして、引用各商標の商標権者は、現在では、鞄の製造・販売ブランドとして、世界的に周知著名な登録異議申立人のグループ会社となり、国際展開する有名企業のひとつとなっている。
(イ)一方、高田は、フランス国政府から、1984年に「シュバリエ・ド・ロルドル・デザール・エ・レトル芸術文化勲章」(シュバリエ位)を、1998に「コマンドゥトゥール・ド・ロルドル・デザール・エ・レトル芸術文化勲章」(コマンドゥトゥール位)を受賞、さらに、国連平和賞の1998年ファッション賞や、日本の「紫綬褒章」をはじめ、「紫苑賞」、「毎日ファッション大賞」、「ルイ賞」を受賞するなど、その受賞歴は枚挙に暇がない。
加えて、同人はオペラや演劇の舞台衣装デザインも数多く手がけており、「KENZO」ブランドの名は、ファッション史上において、重要な位置を占めているということができる。
(ウ)日本国内については、1985年に、「KENZO」ブランドの商品販売の日本における拠点として、ケンゾー・ジャパン株式会社(設立当初は引用各商標の商標権者のライセンシー)が東京に設立され、以後着実に、国内における販売網を拡大してきた。
今日において、日本国内で「KENZO」ブランドの商品を販売する店舗は、2007年現在で、東京都港区南青山所在の旗艦店をはじめとする日本全国の直営店21店舗(甲第7号証)のほか、無数の特約店・小売店に及んでいる。
引用商標権者等により製造・販売されている、「KENZO」の名を冠した商品は、現在、レディース、メンズ、チルドレンのための衣服のみならず、スポーツウェア、アクセサリー、鞄、靴等の革製品、香水、化粧品等に至るまで、幅広いジャンルに及び、その商品数は優に200種類を超えている。
また、日本において特許庁により登録された引用各商標の商標権者の商標についても、上記各商品を指定商品とする引用商標2ないし引用商標4をはじめ、その数はおよそ30に及ぶ。
(エ)さらに、「KENZO」ブランドの商品は、ファッション・インテリア関連の雑誌等において、引用各商標の商標権者の設立時以降、継続して紹介され続けている(甲第8号証ないし甲第12号証)。
この点、最近の2004年から2007年までの4年間のみをとってみても、「FIGARO」、「Elle」、「marie claire」、「VOGUE」といった有名ファッション雑誌のほか(甲第8号証ないし甲第11号証)、「ELLE DECO」等のインテリア雑誌、「国際商業」、「NIKKEI DESIGN」等の一般誌、専門誌(甲第12号証)において、「KENZO」ブランドの商品が繰り返し取り上げられ、記事となり、需要者の認知度をさらに高めているという状況にある。
また、上記ケンゾー・ジャパン株式会社が、「KENZO」ブランドの商品を需要者に訴求するために支出した広告費用は、春夏及び秋冬の各シーズンごとに、直近の数年間において、約2500万円ないし3000万円であり、その合計額は、2005年から2008年初旬までの期間だけでも、約1億6000万円以上にのぼる(甲第13号証)。
この点、引用各商標の商標権者等のなす上記のような継続的支出によって形成・維持されている、「KENZO」という標章に対する一般の認知度の高さに、本件商標権者が、意図するか否かにかかわらず、無償で便乗して、不相当な利益を得る可能性があるということすらできるのである。
(オ)以上のとおり、引用各商標の商標権者の有する「KENZO」の商標は、日本国内のみならず、世界中のマーケットにおいて、引用商標権者等の商品ないし役務を表示する標章として、広く一般に知られ、極めて周知著名であり、幅広い商品分野及び役務において、消費者の認知度が非常に高いブランド名であるとういうことができる。
さらに、引用商標権者等は、「KENZO」のブランド名が有する周知著名性の維持のため、継続的に相当の出捐をなしているのであるから、引用各商標の商標権者の各登録商標については、相応の保護がなされてしかるべきである。
ウ 上記の観点からすれば、「KENZO」の標章は、引用商標権者等の商品又は役務を表示するものとして、広く一般に知られた周知著名な商標であることは明らかである。
したがって、これと同一の商標である本件商標を使用することは、需要者をして、本件商標が付された商品を、本件商標登録者にとって他人である引用商標権者等の業務にかかる商品であると誤認させ、出所の混同を生じさせるおそれがあるというほかない。よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するというべきである。
3 以上の理由により、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号に該当するものであり、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取消されるべきものである。

第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)商標について
本件商標と引用各商標とは、上記第1及び第2中1のとおり、「KENZO」の欧文字よりなるものであるから、外観を同じくし、その構成文字に相応して共に「ケンゾー」の称呼を生ずるものである。
(2)本件商標の指定商品と引用各商標の指定商品又は指定役務の類否について
本件商標と引用各商標の指定商品又は指定役務は、上記第1及び第2中1のとおり、前者は第33類「ワイン,果実酒,洋酒」を指定商品とするものであるのに対し、後者の引用商標1は第42類「飲食物の提供」を含む指定役務、引用商標2は第24類及び第25類の指定商品、引用商標3は第14類、第18類及び第26類の指定商品、引用商標4は第3類の指定商品とするものである。
そして、商品と役務の類似に関し、たとえ、引用商標1の指定役務「飲食物の提供」において、本件商標の指定商品である「ワイン,果実酒,洋酒」が取扱商品として、その役務の提供の用に供する物として、提供されるなどして取り扱われていたとしても、多くの場合、その取引の対象、形態、流通経路について共通にするものではないと認められるものであり、一部に共通する場合があり得ることをもって、両者が直ちに類似するものであるということはできない。
(3)そうすると、本件商標と引用各商標とは、商標において類似するとしても、本件商標の第33類の指定商品と引用各商標の第42類の指定役務、第24類、第25類、第14類、第18類、第26類、第3類の指定商品とは類似しない商品又は役務であるから、商標法第4条第1項第11号には該当しないものといわざるを得ない。
2 商標法第4条第1項第15号について
引用各商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、ファッションに係る商品及びその関連商品の取引者、需要者の間において、引用各商標の商標権者の業務に係る商標と認識され、かつ、広く知られるに至っていたと認められるものであるが、甲各号証よりしても、ファッションに係る商品及びその関連商品以外のファッションを離れたそれも食品関連の分野であるワインなどの酒類の商品は、引用商標権者等が行う業務とは相当にかけ離れた専門分野の業務に係るものであって、本件商標をその指定商品に使用したとしても、通常、取引者、需要者は引用商標権者等に思い至らないものというのが相当であることから、引用商標権者等の業務に係る商品及び役務の範囲を超えた「ワイン,果実酒,洋酒」にまでその著名性が及ぶものとは認め難いものである。
なお、引用各商標の商標権者は、甲第6号証をもって、過去に、酒類の有名ブランドであるHennessy(ヘネシー)と共同で、「KENZO」の標章を付したコニャックを製造・頒布している、旨述べているが、この証拠のみをもって引用商標権者等が酒類に関して業務を行っているとは認められないものである。
そうすると、本件商標権者が本件商標をその指定商品について使用しても、取引者、需要者が引用各商標を連想、想記するとはいえないものであって、引用商標権者等の業務に係る商品又は役務であるかのように、商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
3 まとめ
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号又は同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2008-11-06 
出願番号 商願2007-34706(T2007-34706) 
審決分類 T 1 651・ 26- Y (X33)
T 1 651・ 271- Y (X33)
最終処分 維持 
前審関与審査官 福島 昇 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 井出 英一郎
鈴木 修
登録日 2007-12-14 
登録番号 商標登録第5098315号(T5098315) 
権利者 辻本 憲三
商標の称呼 ケンゾー 
代理人 野田 久登 
代理人 荒川 伸夫 
代理人 高松 薫 
代理人 鈴岡 正 
代理人 森田 俊雄 
代理人 深見 久郎 
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