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審決分類 審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 登録しない Y25
管理番号 1189185 
審判番号 不服2006-12598 
総通号数 109 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-01-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-06-19 
確定日 2008-12-04 
事件の表示 商願2005-49678拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「ELLESOLA」の欧文字を標準文字で書してなり、第25類「下着,寝巻き類,パンティストッキング及びその他の靴下」を指定商品として、平成17年6月3日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標『ELLESOLA』は、その構成中に、フランスのアシェット フィリパキ プレス ソシエテ アノニム(フランス国92534 ルヴァロア ペレ セデックス リュー アナトール フランス149番)が、商品『被服』等に使用して本願出願前から著名な商標『ELLE』の文字を有してなるから、本願商標をその指定商品に使用するときには、取引者・需要者は上記者又はその者と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断をして本願を拒絶したものである。

3 当審における証拠調べ通知
本願商標が、商標法第4条第1項第15号に該当するか否かについて、当審において職権に基づく証拠調べをした結果、下記の事実を発見したので、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、意見書を提出する相当の期間を指定して、平成20年6月9日付けで請求人に証拠調べの結果を通知した。



(1)アシェット婦人画報社の運営するウェブサイト「ELLE Online」(http://www.elle.co.jp)において,雑誌の広告宣伝,ファッション情報等の発信,並びに「ELLE」ブランド全体についての広告宣伝及び情報の発信が行われている。また,同ウェブサイト中,「世界のエルのリンク集(WORLD ELLE LINKS)」において,「世界中で読まれているインターナショナル誌エルは,現在35カ国で刊行されています。そのうち25カ国が,エルのウェブサイトを開設しています。」との記載がなされている。

(2)社団法人日本雑誌協会のウェブサイト「JMPA」(http://www.j-magazine.or.jp/)の「JMPAマガジンデータ」において,雑誌「ELLE JAPON」(アシェット婦人画報社発行)の発行部数が平均約10万部(2006年9月1日?2007年8月31日の1年間に発売された雑誌1号あたりの「平均印刷部数」。)であることが記載されている。

(3)2006年6月7日の日本工業新聞社「FujiSankei Business i」14頁において、「【ニュースリリース】仏『ELLE』ブランドから化粧雑貨シリーズ全17品」の見出しのもと、「『ELLE』ブランドカラーの赤を配した華やかなデザイン。使い心地や仕上がりの良さなど、設計には細部までこだわった。“うちわ型”カットでほおにしなやかにフィットするフェースブラシ、日本人の骨格に沿うよう設計されたまゆ用はさみなどを用意。・・・」との記載がなされている。

(4)2005年7月5日の日本工業新聞社「FujiSankei Business i」10頁において、「【編集長に聞く】アシェット婦人画報社「ELLE」 松澤章子さん」の見出しのもと、「『インターナショナル誌』の中でも、現在三十六カ国で発行されている『ELLE(エル)』。日本にモード系インターナショナル誌はいくつかあるが、発行部数でもその日本版である『ELLE(エル・ジャポン)』は他の追随を許さない。・・・」及び「『ELLE(エル・ジャポン)』 世界36カ国で発売される『ELLE(エル)』の日本版として1989年に創刊し、97年にリニューアル。・・・10万5283部発行。・・・」との記載がなされている。

(5)2005年5月7日の中国新聞朝刊において、「MONOものランキング 紫外線(UV)が気になる季節。よく売れているUV対策商品は?」の見出しのもと、周南市・近鉄松下百貨店における1位として「(1)ELLE帽子(4725円)」との記載がなされている。

(6)2003年5月27日の日経流通新聞26頁において、「制服風の私服がブーム メーカー・店舗、拡充急ぐ」の見出しのもと、「服装が自由の高校で、制服そっくりの私服を着こなす女子高生が増えている。岡山県の制服メーカーがブームの火付け役の一つといわれ、全国展開に懸命だ。百貨店も女子高生の心をつかもうと品ぞろえに動く。『カンコー学生服』ブランドの制服最大手、尾崎商事(岡山県倉敷市、尾崎真一郎社長)が仏のブランド『ELLE』と提携して販売する『ELLE ECOLE』が好調だ。このブランドは制服風のブレザーや、チェック柄で短いひざ丈のスカートが売り物。学校指定の制服を受注生産する同社初の『私服』進出だった。『ELLE』は現在、三越など東京、大阪の主要百貨店に浸透している。・・・制服指定店の一つである百貨店は『三月までに百八人が当社で制服を買い求めたが、うち七十人がELLE』と驚く。・・・」との記載がなされている。

(7)1999年9月28日の日経産業新聞2頁において、「NIKKEINET読者が選ぶホームページランキング」の見出しのもと、「ファッション情報の集まるホームページ」の2位として「ELLE(www.elle.co.jp) エル・ジャポン。人気雑誌のオンライン版。新規開店ショップや新製品情報などを速報」との記載、及び「・・・ファッション情報で・・・二位のエル・ジャポンは、『更新が頻繁』『ページデザインが優れている』などと評価された。」との記載がなされている。

(8)1998年1月6日の日経流通新聞3頁において、「第62回消費者調査、平成キッズ??子供扱いはイヤ、ママみたいなもの着たい」の見出しのもと、「親が子どもに身に着けさせている衣料品や靴のメーカー・ブランドは?」の女の子の1位として「ELLE」との記載、及び「・・・今回の調査では、親が子供に着せるブランドの上位に、『ELLE(エル)』や『コムサデモード』『ポロ・ラルフローレン』など母親世代に人気のあるブランドが名を連ねた。おませな子供にとって大人と同じような服を着るのは、うれしくない訳がない。・・・」との記載がなされている。

(9)石山彰編「服飾辞典」(昭和47年2月1日初版,株式会社ダヴィッド社発行)において「エル(Elle)」の語が登載され「フランスのファッション・ブックを兼ねた大型女性週刊誌の名。現代感覚にあふれた若い女性向きの雑誌として知られ,ファッションに重点をおいた点に特徴がある。…」との解説がなされている。

(10)「服飾辞典」(昭和54年3月5日第1刷,文化出版局発行)において「エル・ファッション(Elle fashion)」の語が登載され「フランスの女性雑誌『ELLE』によって生み出されたファッションということ。」との解説がなされている。

(11)被服文化協会編「増補版 服装大百科事典下巻」(昭和54年7月20日増補版第二刷,文化出版局発行)において「エル ELLE」の語が登載され「フランスの若い女性向き週刊誌。…最近では『エル・ファッション』といわれて,全世界の若い女性たちの間に支持者を持つようになっている。…」との解説がなされている。

(12)田中千代著「新・田中千代 服飾事典」(2004年4月1日第一版新訂第7刷 株式会社同文書院発行)において「エル[Elle]」が登載され「フランスの婦人雑誌で,実用的な婦人服,子ども服のデザインのほかに,編物,手芸,家事,その他一般記事ものっている週刊雑誌である。英語版,ドイツ語版,イタリア語版,スペイン語版が月刊で発行されている。日本では隔週で発行されている。」との解説がなされている。

(13)ブランド年鑑編集部編「別冊チャネラー ファッションブランド年鑑’96年版」(1995年11月20日 株式会社チャネラー発行)において,「エル(ELLE)」が登載され「〔ブランド区分〕海外提携(仏) 〔服種〕ドレス,スーツ,コート,ブラウス,スカート,ジャケット,セーター,Tシャツなど 〔対象〕レディス,24?30歳(キャリア中心) 〔商品特徴〕パリのエル誌との提携によるトータル・コ-ディネート・ファッション。キャリア対象の大人のオフィスウェア」及び「〔ブランド区分〕海外提携(仏) 〔服種〕パンティストッキング,婦人ソックス,タイツ,ルームソックス 〔対象〕ヤング,キャリア 〔商品特徴〕フランスのテイストを基本にシンプルでお洒落で少しキュートに,足元をよそおう陽気なフレンチカラーのブランド」との記載がなされている。

(14)山田政美編著「英和商品名辞典」(初版第3刷 1991年 株式会社研究社発行)において「Elle エル」が登載され「フランスの代表的女性月刊誌。Elle社刊。ファッションが中心だが,女性の生き方の問題など幅広い記事が掲載されている質の高い雑誌。1945年11月創刊。」との解説がなされている。

(15)アシェット フィリパキ プレス ソシエテ アノニムは,「ELLE」の文字からなる登録第1978527号商標(第16類「印刷物」等。)を原商標として,第1類ないし第3類,第5類,第9類,第14類,第15類,第17類ないし第20類,第23類,第25類,第29類ないし第33類,第44類に属する商品及び役務について防護標章登録を受けている。なお,第25類には「寝巻き類,下着,靴下」も含まれている。

(16)前記(15)の「ELLE」の文字からなる登録第1978527号商標(商標権者:アシェット フィリパキ プレス ソシエテ アノニム)の防護標章登録出願(第29類ないし第33類に属する商品を指定商品とするもの)に係る拒絶査定不服審判(不服2005-23734)において,「ELLE」標章は同人の著名な商標であるとして,防護標章として登録をすべきものとの審決が平成19年5月15日になされている。

4 証拠調べ通知に対する請求人の意見
請求人は、上記3の証拠調べ通知に対し、指定した期間を経過するも何らの応答もしてない。

5 当審の判断
(1)「ELLE」標章の周知著名性について
上記3の事実によれば、「ELLE」の文字からなる標章(以下「『ELLE』標章」という。)は、アシェット フィリパキ プレス ソシエテ アノニム(以下「アシェット社」という。)の発行する世界的に有名なファッション雑誌である「ELLE」の題号として、かつ、被服等のファション関連商品のブランド名として、遅くとも本願商標の出願時(平成17年6月3日)までに、我が国のファッションに関連する商品の取引者、需要者の間に広く認識されるに至り、その状態が現在においても継続しているものと認められる。

(2)本願商標と「ELLE」標章との類似性について
本願商標は、「ELLESOLA」の文字よりなるところ、構成全体として、特定の意味を想起させるものとは認められない。
加えて、本願商標が、その構成中前半に、「ELLE」の文字を含むものであること、かつ、前記(1)のとおり、「ELLE」標章が、ファッションに関連する商品の分野で取引者、需要者の間に広く認識されていることからすれば、本願商標に接する取引者、需要者は、該「ELLE」の文字部分より、著名な「ELLE」標章を連想、想起し、該文字部分に強く印象づけられるということができる。
さらに、本願商標の構成全体を常に不可分一体のものとしてのみ把握しなければならない特別の事情は見出せない。
そうとすれば、本願商標は、構成中前半に「ELLE」の文字を含んでいる点において、「ELLE」標章との類似性の程度は高いものといわなければならない。

(3)本願商標の指定商品とアシェット社の業務に係る商品との間の関連性及び需要者の共通性について
本願商標の指定商品「下着,寝巻き類,パンティストッキング及びその他の靴下」とアシェット社の業務に係る商品「ファッション雑誌」、「被服」等とは、いずれもファッション関連の商品という点で、密接な関連性を有しており、両商品の需要者も一般の消費者という点で共通するものである。

(4)まとめ
以上のとおり、「ELLE」標章が、アシェット社の発行する世界的に有名なファッション雑誌である「ELLE」の題号として、かつ、被服等のファション関連商品のブランド名として、ファッションに関連する商品の取引者、需要者の間に広く認識され、その著名性の程度が高いこと、本願商標と「ELLE」標章とは、その類似性の程度が高いこと、本願商標の指定商品とファッション雑誌、被服とは、ファッション関連の商品という点で、極めて密接な関連性を有しており、その需要者も共通するものであることからすれば、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、本願商標の構成中「ELLE」の文字部分に強く印象づけられ、これより「ELLE」標章を連想、想起し、該商品がアシェット社又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標は、他人の業務に係る商品とその出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきであるから、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。

(5)請求人の主張について
ア 請求人は、「本願商標『ELLESOLA』は『ELLE』と『SOLA』が結合して一体化した標章であり、取引者及び需要者が『ELLE』だけを認識して混同することはない。そして、本願商標『ELLESOLA』の称呼はあくまでも『エルソラ』であり、必ず『エルソラ』と称呼される。」及び「本願商標『ELLESOLA』は、4文字構成の『ELLE』と同じく4文字構成の『SOLA』が一体化して組み合わされた標章であり、『ELLE』に別文字を付加的にプラスして構成したものではない。『SOLA』は『ELLE』と文字数においても同格であり、称呼においても同格の関係にある。従って『ELLESOLA』は、外観的にも称呼においても『ELLE』と類似することはなく、商品の出所について混同を生じる虞はない。」と主張する。
しかしながら、「ELLE」標章が、本願指定商品と密接な関連性を有するファッションに関連する商品の取引者、需要者の間で著名性を有していることからすれば、本願商標「ELLESOLA」をその指定商品について使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、構成中「ELLE」の文字から前記標章を連想、想起し、該商品がアシェット社又は同人と組織的、経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものというのが相当である。しかも、本願商標の商標登録を認めた場合には、「ELLE」標章の持つ顧客吸引力へのただ乗り(いわゆるフリーライド)や、その希釈化(いわゆるダイリューション)を招く結果を生じ兼ねない。
したがって、請求人の主張は採用することができない。

イ また、請求人は、「『ELLE』を頭において構成した登録商標は数多く存在している。」として、「出願人である(株)エル・ローズの登録商標『ELLEROSE』もその一つである。他には、ELLECHANTE〈登録第4474899号〉、ELLECOOL/エリクール〈登録第4487047号〉、ELLECREATION〈登録第4535036号〉、ELLEBRIDAL〈登録第4576689号〉その他多数存在する。」と主張する。
しかしながら、商標法第4条第1項第15号の「混同を生ずるおそれ」の有無については、「当該商標と他人の表示との類似性の程度、他人の表示の周知著名性及び独創性の程度や、当該商標の指定商品等と他人の業務に係る商品等との間の性質、用途又は目的における関連性の程度並びに商品等の取引者及び需要者の共通性その他取引の実情などに照らし、当該商標の指定商品等の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として、総合的に判断されるべき」(平成12年7月11日最高裁第三小法廷判決、平成10年(行ヒ)第85号)であって、原告の指摘する登録例の存することをもって、本件における本願商標と「ELLE」標章との出所の混同のおそれのないことを裏付けることはできない。
なお、「ELLECREATION」〈登録第4535036号〉と「ELLEBRIDAL」〈登録第4576689号〉の商標権者は、「ELLE」標章を使用しているアシェット社と同一人である。
したがって、原告の主張は採用することができない。

よって、結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2008-08-28 
結審通知日 2008-09-19 
審決日 2008-09-25 
出願番号 商願2005-49678(T2005-49678) 
審決分類 T 1 8・ 271- Z (Y25)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 小川 きみえ泉田 智宏林 圭輔 
特許庁審判長 伊藤 三男
特許庁審判官 森山 啓
内山 進
商標の称呼 エレソーラ、エルソーラ、エル、ソーラ 
代理人 平崎 彦治 
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