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審判番号(事件番号) データベース 権利
取消2012300112 審決 商標
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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 042
管理番号 1189120 
審判番号 取消2007-301642 
総通号数 109 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-01-30 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2007-12-12 
確定日 2008-11-27 
事件の表示 上記当事者間の登録第4104209号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4104209号商標の「第42類 求人情報の提供」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4104209号商標(以下「本件商標」という。)は、「カインズ」の片仮名文字を横書きしてなり、平成8年4月15日に登録出願、第42類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,美容,理容,入浴施設の提供,写真の撮影,オフセット印刷,気象情報の提供,求人情報の提供,結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,葬儀の執行,墓地又は納骨堂の提供,一般廃棄物の収集及び処分,産業廃棄物の収集及び処分,庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。),建築物の設計,測量,地質の調査,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,建築又は都市計画に関する研究,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究,著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,通訳,翻訳,施設の警備,身辺の警備,個人の身元又は行動に関する調査,あん摩・マッサージ及び指圧,調剤,栄養の指導,家畜の診断,保育所における乳幼児の保育,老人の養護,ミシンの貸与,衣服の貸与,植木の貸与,計測器の貸与,コンバインの貸与,祭壇の貸与,自動販売機の貸与,消火器の貸与,超音波診断装置の貸与,展示施設の貸与,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与,布団の貸与,ルームクーラーの貸与,ファッション情報の提供,機械・装置若しくは器具又はこれらの機械(装置)等により構成される設備の設計(建築・土木に係る設計を除く。),電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするための高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,身の上相談,家事の代行,理化学機械器具の貸与,光学機械器具の貸与,カメラの貸与,鉱山機械器具の貸与,漁業用機械器具の貸与,印刷用機械器具の貸与,動力機械器具の貸与,風水力機械器具の貸与,冷凍機械器具の貸与,冷暖房装置(業務用)の貸与,美容院用・理髪店用機械器具の貸与,業務用調理機械器具の貸与,ガソリンステーション用装置の貸与(自動車の修理又は整備業のものを除く。),芝刈機の貸与,加熱器の貸与,調理台の貸与,流し台の貸与,家具の貸与,敷物の貸与,カーテンの貸与,壁掛けの貸与,おしぼりの貸与,タオルの貸与,装身具の貸与,製図用具の貸与」を指定役務として同10年1月16日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張の要点
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第5号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定役務中「第42類 求人情報の提供」について、継続して3年以上日本国内において、商標権者である被請求人により使用された事実を見出せない。
また、被請求人以外の者が被請求人から本件商標の前記指定役務に関する専用使用権の設定又は通常使用権の許諾を受けて、本件商標を本件審判の請求の登録前に継続して3年以上日本国内において使用した事実も認められない。
よって、商標法第50条第1項の規定に基づいて、請求の趣旨のとおりの審決を求める。
2 答弁に対する弁駁の要旨
答弁の内容及び証拠物件を検討しても、商標権者が本件商標を本件指定役務に使用していたものとはいえない。
(1)「本件商標」の使用について
被請求人は、被請求人が展開するカインズホームスーパーセンター前橋吉岡店(以下「カインズホーム前橋吉岡店」という。)の店内にある掲示板(乙第1号証)に、「ベーカリーパスコ前橋店」(以下「Pasco」という。)の求人(乙第3号証)を掲載していることをもって、本件商標を本件指定役務に使用していると主張している。
しかし、乙第1号証及び乙第3号証を見ても、本件商標は何処にも付されていない。被請求人が主張するように、前記掲示板がカインズホーム前橋吉岡店の店内にあることをもって、本件商標の使用とするのだとしても、乙第2号証の店内見取図を見る限り、カインズホーム前橋吉岡店の店名は、あくまでも「カインズホーム」であり、本件商標ではない。
そして、本件商標「カインズ」と店舗名として前記見取図に付されている標章「カインズホーム」は、社会通念上同一と認められる商標とは到底考えられない(商標法第50条第1項括弧書)。
(2)商標法における「役務」について
被請求人が本件商標の使用を主張している「役務」は、商標法における「役務」に該当するものとはいえない。
ア 商標法における「役務」の定義
商標法にいう「役務」とは、「他人のためにする労務又は便益であって、付随的でなく独立して市場において取引の対象となり得るもの」である(甲第1号証 工業所有権法逐条解説、甲第2号証 東京高裁平成12年(行ケ)第105号判決)。
これを、本件指定役務に当てはめると、求人を行う者(以下「求人者」という。)とその求人情報の提供を行う者(以下「情報提供者」という。)との関係が「役務」を定義する上での「他人」に該当すること、また、情報提供者の行為自体に着目すれば、他人のためにする労務又は便益に当たるとしても、その「求人情報の提供」業務が情報提供者の業務に付随的に行われるものでなく、独立して市場において取引の対象となりうるものである必要がある。
これを踏まえ、被請求人の提出した答弁書及び証拠を検討するに、まず、被請求人が提出した求人広告(乙第3号証)の求人者は、カインズホーム前橋吉岡店(情報提供者)と別個独立的に存在する店舗ではなく、カインズホーム前橋吉岡店(情報提供者)内に一売場として存在する店舗である。そして、経営主体を異にする店舗が一売場として存在するホームセンター、スーパーマーケット、デパートなどでは、顧客が利用する通路やエレベーターホール等に掲示板を設置し、館内の各売場に関する様々な情報(例えば、「3階○○店セール中」、「2階△△店改装中」、「1階××店パートさん募集中」など)を掲載することがホームセンター等の経営業務の一環として一般的に行われている。
このような実情に鑑みると、カインズホーム前橋吉岡店内に設置された掲示板にPascoの求人広告を掲載する行為は、被請求人がホームセンター経営業務と別個独立して行っているサービスではなく、あくまでも、被請求人がホームセンター経営を行っている「カインズホーム前橋吉岡店」内に、一売場として「Pasco」が存在しているからこそ行われているサービスであると考えられる。
つまり、カインズホーム前橋吉岡店内に設置された掲示板に同店舗内に存在する「Pasco」の求人情報を掲載する行為は、「ホームセンターの経営」業務に付随的に行われているサービスであると考えられる。
イ 「役務」を定義する上での「他人」ではないこと
被請求人は、求人者である「Pasco」の経営主体が他企業であることを理由に、他人のために「求人情報の提供」を行っている旨主張している。
しかし、乙第2号証の店内見取図を見る限り、「Pasco」は、「カインズホーム前橋吉岡店」に一売場として存在しており、その出入口も共通にし、駐車場も共通にしており、更に、請求人の調査したところ、「Pasco」の営業時間は、「カインズホーム前橋吉岡店」と全く同一(午前10時?午後8時まで)であり、定休日も同一である。
これらの事実から、「Pasco」は、「カインズホーム前橋吉岡店」の営業条件下で、一売場として機能する店舗であって、「カインズホーム前橋吉岡店」と「Pasco」は、実質的に一体的営業が行われていることが明らかである。
そして、前記したとおり、経営主体を異にする店舗が一売場として存在するホームセンター等では、顧客が利用する通路やエレベーターホール等に掲示板を設置し、館内の各売場に関する様々な情報を掲載する行為が慣例の業務として行われていることからみれば、これを見た一般需要者及び取引者(本件の場合には「求職者等」)は、別企業が経営する店舗情報をホームセンターが代行して掲載しているという認識はせず、自己のホームセンター館内の各売場の情報を掲載していると捉えると考えられる。つまり、「カインズホーム前橋吉岡店」は、自らのホームセンター内に一売場として存在する一店舗における労働者を確保するために、自らのホームセンター内に求人広告を掲載していることに他ならない。
したがって、その経営主体が他企業であっても、少なくとも、被請求人が提出した一求人広告においては、求人者(Pasco)と情報提供者(カインズホーム前橋吉岡店)との関係は、商標法にいう「役務」の定義上の「他人」には該当しないと考えるのが妥当である。
ウ よって、被請求人が主張する行為は、商標法にいう「役務」としての「求人情報の提供」に対する本件商標の使用には該当しないものである。
(3)乙第4号証の1ないし3について
乙第4号証の1ないし3を参照しても、乙第4号証の3の右端に、自らの求人広告は掲載されているものの、他企業等の求人情報に関する掲載は見当たらない。また、被請求人は、該広告の求人欄には、他社求人でも掲載可能な状態になっている旨主張しているが、実際に、他社求人が掲載されていない以上、本件商標の使用証明にはなり得ない。
(4)乙第6号証について
被請求人は、2007年会社案内(乙第6号証)を示して、被請求人は業務として「求人情報の提供」を行っており、被請求人がその業務の広告行為に「カインズ」商標を使用している旨主張しているが、乙第6号証を参照しても、「求人情報の提供」業務に関する本件商標の使用は、全く見当たらない。
(5)以上のとおり、商標権者が本件商標を使用する行為は、商標法における役務「他人のためにする労務又は便益であって、付随的でなく独立して市場において取引の対象となり得るもの」に対する使用には該当しないのは明らかであるから、本件商標の指定役務中「第42類 求人情報の提供」についての登録は取り消されるべきである。
(6)付言
なお、被請求人は、請求人が本件審判の請求や無効審判の請求等を行ったことを不当である旨主張している。
しかし、請求人は、平成元年(1989年)に創業し、平成2年(1990年)より、関東圏において、自ら創案した商標「カインズ」を「職業のあっせん」及び「求人情報の提供」業務について、善意に継続使用しており、関東圏のリクルート業界(求人情報紙、求人広告等)において、商標「カインズ」は、請求人の業務を表示する商標として周知なものとなり、請求人の業務上の信用も確立している。
このような状況下で、突然、被請求人から警告書が送付されてきたため、被請求人の商標の使用状況を調査したところ、「職業のあっせん」及び「求人情報の提供」業務に関する使用の事実が認められなかったことから、当該業務に絞って、不使用取消審判(取消2006-30419)、無効審判(無効2008-890013)及び本件取消審判の請求をしたものである。 請求人は、被請求人による「ホームセンターチェーンの経営」業務に関する本件商標の使用を阻害するつもりは全くなく、請求人が「職業のあっせん」及び「求人情報の提供」業務に本件商標を継続使用してきたことにより、関東圏内で築き上げてきた該業務に関する業務上の信用を保護したいと切望しているにすぎない。
また、被請求人は、請求人が不正な目的を持った商標登録出願を多数行っているかのように主張しているが、請求人が行った出願は、指定役務を、請求人が実際に使用している業務「職業のあっせん」及び「求人情報の提供」に絞った出願であり、被請求人が行った出願(商願2006-004672)のように、第1類から第45類の全ての区分に渡り、ほぼ全ての商品及び役務を指定するような出願ではない。

第3 被請求人の主張の要点
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第11号証(枝番を含む。)を提出した。
本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に、その指定役務「第42類 求人情報の提供」について日本国内において商標権者により、その使用が行われている。
(1)商標権者による使用の事実について
ア 被請求人は、被請求人が展開するカインズホーム店舗内において、その一角に掲示板を設け、その場所に求人を掲載することによって、「求人情報の提供」の役務を行っている。
乙第1号証は、群馬県北群馬郡吉岡町大久保821番地所在のカインズホームスーパーセンター前橋吉岡店の店内にある掲示板である。この掲示板は、乙第2号証に示す見取図の「Food Court」内に所在しており、この掲示板では、他企業である株式会社レアールパスコベーカリーズの求人が掲載されている(乙第3号証)。カインズホームスーパーセンター前橋吉岡店は、平成14年12月4日に開店したが(乙第7号証)、その開店から当該場所には乙第1号証の掲示板が存在しており、設置及び管理を被請求人が行っていた。このような掲示板は、被請求人が展開する店舗には多く設置され、被請求人により管理されているものであり、前記前橋吉岡店に限ったものではない。
乙第3号証に示すポップは、現在のスーパーセンターカインズホーム パスコ吉岡店の店長梅沢正志氏が平成19年6月に就任した当時には既に使用されていたもので、就任以降、平成19年中に複数回、株式会社カインズヘ掲示を依頼していた。乙第8号証は、梅沢氏からの証明書である。なお、本ベーカリーは、「株式会社レアールパスコベーカリーズ」が本社であって、その営業所として「スーパーセンターカインズホーム パスコ吉岡店」が営業所としての許可を受けている(乙第9号証)。これは、株式会社カインズとは全くの別会社である。
乙第3号証のポップの<資格>の欄には、一部シールが張られているが、このシールは、平成19年10月1日に雇用対策法の改正が行われ、求人広告で募集を行う際に、年齢を不問としなければならなくなったため、それまで年齢が記載されていた部分に貼付されたものであり、この事実より、平成19年10月1日以前から乙第3号証のポップが使用されていたことは明らかである。
なお、平成19年4月22日の時点で、ベーカリーパスコベイシア吉岡店(スーパーセンターカインズホーム パスコ吉岡店の別名)では、求人広告を他社求人誌に掲載しているが(乙第10号証)、この際にも、被請求人は、乙第1号証の掲示板へ当該求人を掲載していた。
このように、被請求人は、他人のために行う労務又は便益であって、独立して商取引の目的たり得べき行為として、「求人情報の提供」の役務を行っている。
イ 被請求人は、乙第4号証の1ないし3に示すように、「求人情報の提供」をはじめとする業務に関する広告として「カインズ」商標を使用している。なお、乙第4号証の1ないし3は、平成19年2月28日(水曜日)に掲載された広告チラシであり、この広告チラシを見た需要者が店舗に行き、前記求人情報を見ることができる。
そして、当該広告チラシの裏面右端には求人欄が記載されており(乙第4号証の3)、他社求人でも掲載可能な状態になっている。
ウ 本件商標「カインズ」は、「求人情報の提供」の役務についても被請求人の著名な略称であることが無効審判2005-89158号の審決で確定している(乙第5号証)。この著名な「カインズ」商標は、被請求人を表す商標として一般需要者に認識されており、被請求人店舗も「カインズ」と略されて親しまれている。
そして、前記のように、被請求人自ら広告に「カインズ」商標を使用していることを考慮すると、被請求人店舗内で「求人情報の提供」の業務が行われることにより、需要者にとっては、「カインズ」が求人情報を提供していることが実質的に明らかとなっている。
エ さらに、乙第6号証は、2007年の会社案内であるが、この案内の中でも、被請求人は「カインズ」を商標として使用している。被請求人は、業務として「求人情報の提供」を行っており、被請求人は、その業務の広告行為に「カインズ」商標を使用している。
(2)請求人による本件審判の請求の不当性について
ア 請求人は、人材派遣を業とする会社であり、「職業のあっせん」「求人情報の提供」の役務に「カインズ」を使用しているところ、平成18年2月2日付で、被請求人は、本件商標権等を根拠として請求人に対し侵害警告を行った。
ところが、請求人は、その後も「カインズ」商標の使用を停止することはなく、それどころか、「カインズ」商標をはじめ、被請求人所有商標と類似関係にある商標を多数、商標登録出願するともに、「カインズ」商標登録出願(商願2006-31388)が拒絶されると、本件商標へ不使用取消審判を行うとともに、被請求人が新たに商標を取得した商標登録第5043834号に対しても無効審判請求を行うなど、被請求人に対し誠意ある対応とは到底言い難い対応を続けている。
請求人は、正当な権限なく、被請求人所有の商標権の使用を続け、不法行為を行っているものであり、商道徳に反する行為である。
イ 被請求人は、小売業として最大手企業の一つであるとともに、乙第11号証に示す役務をはじめとして、多数の役務を提供する多角経営企業である。そうであれば、「求人情報の提供」や「職業のあっせん」等の役務全般に関し、自己の業務と混同を生じるような行為を未然に防止するのは当然の行為である。
被請求人は、業務の一環として「求人情報の提供」を行っており、この業務に関して、事業規模の拡大を検討しており、請求人の行為を容認することはできない。
(3)上記理由から、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件商標は、その指定役務「第42類 求人情報の提供」について日本国内において、商標権者によりその使用が行われており、請求人の主張は失当である。

第4 当審の判断
(1)被請求人は、本件商標を取消しの請求に係る役務「求人情報の提供」について使用しているとして、乙第1号証ないし乙第11号証(枝番を含む。)を提出している。
そこで、被請求人の提出に係る乙各号証をみるに、被請求人の主張によれば、乙第1号証は、群馬県北群馬郡吉岡町大久保821番地所在のカインズホームスーパーセンター前橋吉岡店の店内にある掲示板の写真であり、この掲示板は、該店舗の見取図(乙第2号証)の「Food Court」内に存在しているとのことである。そして、この掲示板には、乙第3号証の求人募集広告が掲示されており、「アルバイト/パート/募集」の見出しのもとに、勤務先「ベーカリーパスコ」、仕事内容「パンの製造・販売のお仕事です。」とあり、その他、資格、勤務時間、時給、待遇、連絡先等が記載されている。
乙第4号証の1ないし3は、平成19年2月28日に頒布されたものと認められる広告チラシであり、「CAINZ HOME/DO IT YOURSELF」、「スーパーホームセンター/SHC」、「カインズ」等の表示のもとに、生活雑貨、飲食料品、寝具、家電製品、自転車、園芸用の各種資材、農業用肥料・用土等々の各種商品の広告が掲載されており、当該広告チラシの裏面右端(乙第4号証の3)には、「お知らせ」の欄の一つとして、「伊勢崎店からのお知らせ/レジアルバイトさん募集!/フリーター・学生アルバイトさん募集!」、「前橋青柳店からのお知らせ/パートさん募集!/レジアルバイトさん募集!/フリーター・学生アルバイトさん募集!」と記載された求人欄があり、末尾には取り扱い店として「伊勢崎店」、「前橋青柳店」等の記載がある。
乙第6号証は、「Make a difference/カインズをブランド化する」と題する被請求人の2007年版の会社案内であり、被請求人会社の経営理念・信条、経営基本方針やカインズ社員の行動指針等が記載されている。そして、「カインズブランドの確立」の項には、「商品/価格、サービス、出店戦略」等について記載されており、そのサービスの項には、「サイクルの修理サービス、ペットのトリミング、セルフウォッシュ、カーテン工房、工具レンタル」等のサービスについて記載されている。
乙第7号証は、平成14年12月4日付の上毛新聞であり、カインズホームスーパーセンター前橋吉岡店のオープンについての記事が掲載されている。記事内容としては、「・・・同店には軽食のカインズキッチン、クレープ店、ベーカリー、クリーニング店がテナント出店。・・・家庭雑貨、インテリア、カー用品、ペット用品、時計カメラなど豊富な品ぞろえで、・・・業者向けの大型機器、工具レンタル、修理サービスなど十万アイテムのカタログ注文も受ける。・・・」等のように該店舗の紹介記事が記載されている。
乙第8号証は、平成20年3月17日付のスーパーセンターカインズホーム パスコ吉岡店の店長梅沢正志の証明書であり、「下記求人情報のポップは、店舗で求人を行う際、株式会社カインズの展開する店舗の一つであるカインズホームスーパーセンター前橋吉岡店内の掲示板に掲載するために使用されているものであることを証明致します。また、下記ポップは、私が当店に着任した2007年6月の時点で、既に存在しており、以前から上記の目的で使用されておりました。2007年6月以降にも複数回、カインズホームスーパーセンター前橋吉岡店内の掲示板への掲載が行われました。」旨記載されている。
乙第11号証は、カインズホーム青柳店のゴム印が押されている「住まいの応援隊/CAINZ HOME/DO IT YOURSELF」と題するパンフレットであり、サービス一覧が掲載されている。その内容としては、「24時間緊急サービスメニュー」として「蛇口の水漏れ、玄関の鍵の作製、ガラス破損の修理」等々のサービスが記載されており、「住まいに関わるサービスメニュー」として「ハウスクリーニング、家電の設置、住まいの電気工事」等々のサービスが記載されており、「その他のサービスメニュー」として「パソコントラブルの解決、家事代行、不用品粗大ゴミの回収」等々のサービスが記載されている。
(2)上記において認定した乙第1号証(カインズホームスーパーセンター前橋吉岡店の店内にある掲示板)、乙第2号証(上記店舗の見取り図)、乙第3号証(求人ポップ)及び乙第8号証(梅沢正志の証明書)によれば、本件審判の請求の登録(平成20年1月7日)前3年以内である平成19年6月当時に、被請求人の店舗の一つであるカインズホームスーパーセンター前橋吉岡店の「Food Court」内にある掲示板に、テナント店の一つであり、被請求人とは別会社であるスーパーセンターカインズホーム パスコ吉岡店(本社である株式会社レアールパスコベーカリーズの営業所であり、別称を「ベーカリーパスコ」という。)による「アルバイト/パート/募集」の求人募集広告が掲載されていた事実を認めることができる。
しかしながら、上記掲示板に求人募集広告が掲示されていたことをもって、被請求人が独立して商取引の対象となり得る「求人情報の提供」の役務を行っていたものとは認められない。
スーパーセンターカインズホーム パスコ吉岡店の店長である梅沢正志の証明書(乙第8号証)には、「下記求人情報のポップ(乙第3号証に示されているポップと同じものが表示されている)は、店舗で求人を行う際、株式会社カインズの展開する店舗の一つであるカインズホームスーパーセンター前橋吉岡店内の掲示板に掲載するために、使用されているものであることを証明致します。また、下記ポップは、私が当店に着任した2007年6月の時点で、既に存在しており、以前から上記の目的で使用されておりました。2007年6月以降にも複数回、カインズホームスーパーセンター前橋吉岡店内の掲示板への掲載が行われました。」と記載されている。
そして、被請求人も答弁書の4頁において、「乙第3号証に示すポップは現在のスーパーセンターカインズホーム パスコ吉岡店長梅沢正志氏が平成19年6月に就任した当時には既に使用されていたもので、就任以降、平成19年中に複数回、株式会社カインズヘ掲示を依頼しておりました。」と述べている。
これらの文面からみれば、乙第3号証の求人募集広告は、被請求人の店舗の一つであるカインズホームスーパーセンター前橋吉岡店のテナント店であるスーパーセンターカインズホーム パスコ吉岡店が求人を行う際に、あらかじめ所要の項目が印刷されている求人募集用紙に必要事項を記載した上、被請求人に対して、被請求人の店舗内の掲示板に該求人募集広告を掲示することを依頼し、被請求人は、その依頼に対して、該掲示板へ求人募集広告を掲示することを承認していたものとみるのが自然である。
そうとすれば、被請求人は、被請求人の店舗の一つであるカインズホームスーパーセンター前橋吉岡店のテナントであるスーパーセンターカインズホーム パスコ吉岡店が該店舗におけるアルバイト・パートの募集広告を行うことを支援するために、自社の店舗にある掲示板の使用を認めていたものとみるのが相当であり、該行為は、掲示板の貸与(第35類に属する「広告用具の貸与」)とみることができるとしても、被請求人が独立して商取引の対象となり得る「求人情報の提供」の役務を行っていたものということはできない。
なお付言すれば、上記掲示板自体には商標が表示されていないが、該掲示板が設置されているフロアのご案内(乙第2号証)には、「CAINZ HOME/SUPER CENTER」、「カインズホーム/スーパーセンター」なる標章(商標)が表示されていることからみれば、該掲示板も上記標章(商標)のもとに設置されていたものとみることができる。
しかしながら、該標章(商標)は、「カインズ」の文字からなる本件商標とは明らかにその構成を異にするものであるから、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたものとはいえない。そして、このことは、たとえ、被請求人の名称ないしはその経営に係るホームセンターの名称が「カインズ」として知られていたとしても(乙第5号証)、現に、該求人募集広告が掲示されている掲示板の標章(商標)が「カインズ」でない以上、「カインズ」なる本件商標を使用していたものということはできない。
(3)また、被請求人は、乙第4号証の1ないし3(平成19年2月28日頒布の広告チラシ)を提出して、該広告チラシの裏面右端(乙第4号証の3)には、求人欄があり、他社求人も掲載可能な状態になっている旨主張している。
しかしながら、該広告チラシの裏面右端に記載されている求人欄は、「お知らせ」の欄の一つとして掲載されているものであり、「伊勢崎店からのお知らせ/レジアルバイトさん募集!/フリーター・学生アルバイトさん募集!」、「前橋青柳店からのお知らせ/パートさん募集!/レジアルバイトさん募集!/フリーター・学生アルバイトさん募集!」と記載されているように、これらは、専ら、被請求人会社の店舗における求人募集広告と認められるものである。そして、他社求人も掲載可能な状態になっている旨の被請求人の主張にしても、該求人欄は、「廃棄自転車引き取りサービス実施中」、「ワンちゃんのお手入れ無料相談会」というお知らせと「不良製品についての回収に係るお詫びとお願い」のお知らせの間に掲載されているものであり、このような体裁からみても、この求人欄に、独立して商取引の対象となり得る他社の求人情報を掲載するものとは考え難く、また、現に、他社の求人が掲載されている広告チラシが提出されない以上、被請求人が独立して商取引の対象となり得る「求人情報の提供」の役務を行っていたものということはできない。
(4)更に、乙第6号証(被請求人の2007年版の会社案内)、乙第7号証(平成14年12月4日付の上毛新聞)、乙第11号証(「住まいの応援隊/CAINZ HOME/DO IT YOURSELF」と題するパンフレット)に徴してみても、前記したとおり、各種のサービスについて記載はされているが、被請求人が独立して商取引の対象となり得る「求人情報の提供」の役務を行っていることを窺わせる記載は全く見当たらない。
そして他に、本件商標が取消しの請求に係る「求人情報の提供」について使用されていることを認めるに足る証拠はない。
そうとすれば、これら乙各号証からみても、乙第3号証の掲示板に求人募集広告が掲示されていたことをもって、被請求人が独立して商取引の対象となり得る「求人情報の提供」の役務を行っていたものと認めるのは困難であるといわざるを得ない。
(5)まとめ
以上のとおり、被請求人の答弁の全趣旨及び乙各号証を総合的に判断しても、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、使用権者のいずれによっても、第42類の指定役務中、その請求に係る「求人情報の提供」について使用されていなかったものといわざるを得ない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、第42類の指定役務中の「求人情報の提供」について取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2008-09-26 
結審通知日 2008-10-01 
審決日 2008-10-16 
出願番号 商願平8-40739 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (042)
最終処分 成立 
前審関与審査官 大渕 敏雄 
特許庁審判長 林 二郎
特許庁審判官 杉山 和江
小畑 恵一
登録日 1998-01-16 
登録番号 商標登録第4104209号(T4104209) 
商標の称呼 カインズ 
代理人 中村 希望 
代理人 井上 美和子 
代理人 羽鳥 亘 
代理人 渡邊 薫 
代理人 梅田 慎介 
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