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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 X19
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 取り消して登録 X19
管理番号 1189102 
審判番号 不服2008-20450 
総通号数 109 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-01-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-08-08 
確定日 2008-12-19 
事件の表示 商願2007-11925拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第19類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成19年2月14日に登録出願され、その後、指定商品については、同年11月26日付け手続補正書により、第19類「珊瑚製の壁材,建築材料(金属製のものを除く。),陶磁製建築専用材料・れんが及び耐火物,リノリューム製建築専用材料,プラスチック製建築専用材料,合成建築専用材料,アスファルト及びアスファルト製の建築用又は構築用の専用材料,ゴム製の建築用又は構築用の専用材料,しっくい,石灰製の建築用又は構築用の専用材料,石こう製の建築用又は構築用の専用材料,セメント及びその製品,石材」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶理由の要旨
原査定は、「本標商標は、『美ら壁』の文字を大きく表し、その下部に『ちゅらかべ』の文字を細線に挟まれた形で小さく表してなるところ、『美ら』『ちゅら』の文字は、NHK連続テレビ小説『ちゅらさん』で全国的に知られるようになった『美しい』の意味を有する沖縄の方言であることから、全体として『美しい壁』の意味合いを認識させるものであり、これをその指定商品中、前記の文字に照応する商品(例えば『珊瑚製の壁材,プラスチック製壁材』)に使用するときは、単に商品の品質を表示するにすぎず、また、例えば『プラスチック製床材』のように『壁材』以外の商品に使用するときは、『壁材』であるかの如く商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあると認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、「美ら壁」の文字を横書きし、該「ら」の文字部分の下段に極めて小さく「ちゅらかべ」の文字を横書きし、該「ちゅらかべ」の両側に細線を配してなるところ、その構成中の「ちゅらかべ」の文字は、「美ら壁」の文字から生ずる読みを特定したものと認められるものである。そして、本願商標の上段及び下段の構成各文字は、それぞれ同書、同大及び等間隔で外観上まとまりよく一体に表されているものであり、これより生ずると認められる「チュラカベ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。
ところで、原審説示のように、「ちゅらさん」の文字が「(沖縄)で美しいこと。」の意味を有する(株式会社岩波書店発行「広辞苑」第六版)ものであるとしても、「美しい」の語は、「きれいである」の意味のほかにも、「愛らしい。かわいい。いとしい。」(前掲「広辞苑」)などの多様な意味を有するものであり、かつ、本願商標の構成文字全体より、特定の親しまれた既成の観念を表すという特段の事実を見いだすことができないものであるから、直ちに原審説示の如き意味合いを理解、認識するものとは認め難いものである。そして、「美ら壁」及び「ちゅらかべ」の文字が、常に特定の商品の品質を直接的、かつ、具体的に表すものとして取引者、需要者に認識し把握されているとも認められないから、本願商標は、これをその指定商品に使用した場合、構成文字全体をもって特定の意味合いを有しない造語として認識されるとみるのが相当である。
また、本願商標は、その構成中に「壁」の文字を含むものであるが、前記のとおり、構成文字全体をもって特定の意味を有しない造語として認識されるものであって、殊更に「壁」の文字部分が特定の商品の品質を表示するともいい難いものである。
さらに、当審において調査したが、「美ら壁」の文字が本願の指定商品を取り扱う業界において、商品の品質を表示するものとして、取引上普通に使用されている事実は発見することができなかった。
そうとすれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が単に商品の品質を表示するものとして認識するということはできず、自他商品の出所識別標識としての機能を十分に果たし得るものというべきであり、かつ、これをその指定商品のいずれの商品について使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれもないというべきである。
したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当ではなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本願商標



審決日 2008-12-09 
出願番号 商願2007-11925(T2007-11925) 
審決分類 T 1 8・ 272- WY (X19)
T 1 8・ 13- WY (X19)
最終処分 成立  
前審関与審査官 熊谷 道夫 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 末武 久佳
木村 一弘
商標の称呼 チュラカベ、ビラカベ、ミラカベ、チュラ 
代理人 特許業務法人ユニアス国際特許事務所 
代理人 梶崎 弘一 
代理人 尾崎 雄三 
代理人 谷口 俊彦 

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