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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X12 審判 全部申立て 登録を維持 X12 審判 全部申立て 登録を維持 X12 審判 全部申立て 登録を維持 X12 |
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管理番号 | 1187758 |
異議申立番号 | 異議2008-900097 |
総通号数 | 108 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2008-12-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2008-03-07 |
確定日 | 2008-11-10 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5109226号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5109226号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5109226号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成19年3月13日に登録出願、第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年11月14日に登録査定、平成20年2月1日に設定登録されたものであるが、その後、その商標権は、放棄により抹消され、その登録が平成20年4月11日にされたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第4598379号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成13年6月20日に登録出願、第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成14年7月11日に登録査定、平成14年8月23日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。 3 登録異議申立ての理由の要点 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標と引用商標は、看者の印象に残る「S」のモノグラム部分において外観上酷似している。また、両商標は、「エス」の称呼を共通するものであり、引用商標が出願人の製品を表すものとして広く認識されている取引の実情に鑑みれば、「SUBARUの製品」の印象を共通にする類似商標であって、指定商品も同一である。 (2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について 引用商標は、申立人の商標として国内外において使用されるものであり、需要者に広く認識されていることは顕著な事実である。前記(1)のとおり、本件商標は引用商標に類似する商標である。本件商標が申立人の自動車に用いる部品等に、あるいは申立人以外の製造に係る自動車やその部品に使用された場合に、需要者がこれを申立人又は申立人と資本関係ないしは業務提携関係にある会社の業務に係る商品と混同するおそれがある。 (3)商標法第4条第1項第19号について 本件商標をその指定商品について使用すれば、引用商標に化体した業務上の信用にフリーライドする意図を否定することはできず、また、引用商標の出所表示機能を希釈化するものである。 (4)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号及び同第19号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなるものであるところ、該構成は、左側部分と右側部分の大きさが相違するとはいえ、構成全体が肉太部分と肉細部分を有する曲線より表現され、統一感のある独創的なデザインよりなるものとして看取されるというのが相当である。したがって、本件商標は、構成全体をもって一体的なものとして把握、認識されるものであって、その構成中の左側部分のみを分離、抽出して観察すべきものではない。 また、本件商標は、全体として抽象的な図形よりなるものであるから、これより特定の称呼、観念は生じないというべきである。 これに対して、引用商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなるものであるところ、その構成中、6つの十字(星)図形(1つは大きく描かれ、他の5つは小さく描かれている。)及び「SUBARU」の文字部分は、申立人の業務に係る自動車について使用され、需要者の間に広く認識されている部分といえる。そして、6つの十字(星)図形と「SUBARU」の文字を取り囲むように大きく表されている部分は、「SUBARU」の文字部分の語頭の「S」を図案化したものと理解されるとみるのが相当であって、十字(星)図形と「SUBARU」の文字部分を含めた構成全体が外観上まとまりよく一体的に表されているものといえる。したがって、引用商標に接する需要者は、構成全体をもって、申立人の業務に係る商品を表す商標と理解することがあるとしても、その構成中の欧文字「S」を図案化した部分のみを分離、抽出して、自他商品の識別標識として認識することはないというべきである。 そうすると、引用商標は、その構成中の「SUBARU」の文字部分より「スバル」の称呼のみを生ずるものであって、「昴」の観念を生ずるものといわなければならない。 以上によれば、本件商標と引用商標は、その全体の構成からみて、これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、外観上互いに紛れるおそれはないものである。また、本件商標は、前記認定のとおり、特定の称呼、観念を生じないものであるから、引用商標とは、称呼及び観念において比較することができない。 したがって、本件商標は、引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 (2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について 前記(1)認定のとおり、引用商標は、その構成中の十字(星)図形と「SUBARU」の文字部分との結合部分が申立人の業務に係る自動車について使用され、需要者の間に広く認識されているところから、構成全体としても、申立人の業務に係る商品を表す商標と理解されるものであるとしても、本件商標は、引用商標とは、商標それ自体全く非類似のものであるから、これをその指定商品について使用しても、該商品が申立人又は申立人と業務上何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標と認めることができない。 (3)商標法第4条第1項第19号について 前記(1)認定のとおり、本件商標と引用商標は、商標において非類似のものである。 そうすると、本件商標は、不正の目的をもって使用するものということはできない。 (4)むすび 以上によれば、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号及び同第19号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲(1)本件商標 別掲(2)引用商標 |
異議決定日 | 2008-10-22 |
出願番号 | 商願2007-21763(T2007-21763) |
審決分類 |
T
1
651・
222-
Y
(X12)
T 1 651・ 25- Y (X12) T 1 651・ 271- Y (X12) T 1 651・ 26- Y (X12) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 安達 輝幸 |
特許庁審判長 |
林 二郎 |
特許庁審判官 |
小畑 恵一 杉山 和江 |
登録日 | 2008-02-01 |
登録番号 | 商標登録第5109226号(T5109226) |
権利者 | 有限会社平山自動車工業 |
商標の称呼 | エスケイツー、エスケイニ、エス |
代理人 | 谷山 尚史 |
代理人 | 大房 孝次 |