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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服200565022 審決 商標
不服20054933 審決 商標
不服20079876 審決 商標
不服20081618 審決 商標
不服200726677 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項5号 簡単でありふれたもの 登録しない Y18
審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 登録しない Y18
管理番号 1187532 
審判番号 不服2006-20836 
総通号数 108 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-12-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-09-19 
確定日 2008-10-21 
事件の表示 商願2004-58196拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「A5」の文字を標準文字で書してなり、第18類「バックパック,リュックサック,雑嚢,背負いかばん,バックパック等の背面に附属し荷重を軽減するための保持具(フレーム),フレーム付バックパック,子供用バックパック,サック,多目的バッグ,旅行かばん,サイクリング用トラベルバッグ,アタッシュケース,ブリーフケース,パッキングバッグ,財布,がま口,クライマーバッグ,トランク,衣類用バッグ,ハンドバッグ,登山用旅行かばん,飾り帯付ハンドバッグ,ショルダーバッグ,メッシュ製のバッグ,ショッピングバッグ,トートバッグ,スクールバッグ,本・教科書用バッグ,ウエストポーチ,ファニーパック,デイパック,キャンプ用バッグ,スーツケース,旅行用ガーメントバッグ,ソフトスーツケース,旅行かばん用肩掛けベルト,旅行用衣装かばん,旅行用大型かばん,ベルトポーチ,学生かばん,スポーツバッグ,ダッフルバッグ,用具携帯収納用バッグ,テント収納用バッグ,ナップサック,カメラ用バッグ,登山用バッグ,ボストンバッグ,内部又は外部にフレームを附属させた旅行かばん,その他のかばん類及び袋物,かばん金具,がま口口金,皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,皮革」を指定商品として、平成16年6月11日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、商品の記号・符号を認識されるアルファベットと数字を『A5』と書してなるにすぎないから、きわめて簡単でかつありふれた標章のみからなる商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。」、また、「出願人は本願が商標法第3条第2項に該当する旨主張しているが、相当な期間を経過するも追加の資料は提出されず、手続補足書添付の資料だけでは商標法第3条第2項に該当するとは認められない。」旨認定、判断をして、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、上記のとおり、「A」の欧文字と「5」の数字を、標準文字により、「A5」と書してなるものであるところ、一般に、欧文字と数字を組み合わせた標章は、商品の規格、型式又は品番等を表示するための記号・符号として、取引上普通に採択・使用されているのが実情である。
本願指定商品の分野においても、欧文字と数字を組み合わせた標章が、商品の規格、型式又は品番等を表示するための記号・符号として採択・使用されていることは、例えば、次のようなインターネットのホームページ情報からも裏付けられるところである。
(1)株式会社AQUAコーポレーションのオンラインショップ「フィールドボス(Field Boss)」において、ステッキのメーカー品番として「M-9796」等が掲載されている。(http://www.netyokocho.jp/fieldboss7/goods/AP01606/)
(2)ケンコーコムのサイトの「ステッキ(伸縮タイプ)」の項において、「アルミ製 4つ折伸縮ステッキ ささえ V4401」等が掲載されている。(http://www.kenko.com/product/seibun/sei_833110.html)
(3)有限会社マリウスコレクションのサイト「乗馬用品マリウスコレクション」において、鞍下パッドの型番として「I401」が掲載されている。
(http://marius-net.com/?pid=2625713)
(4)アジアンバッグのお店「ぱくち?」のサイトにおいて、「ハンドバッグA1(オレンジ&グリーン)」、「ハンドバッグA5(ナチュラル)」、「ハンドバッグC2(チョコ)」等の記載がある。(http://www.phak-chii.com/154.html)
(5)株式会社デジタルダイレクトのオンラインショップ「fun style」において、ラビアンコ スクエアシンプルショルダーの色展開として、「キャメル(B4)」「ベージュ(C3)」「イエロー系(J5)」等が掲載されている。(http://www.fun-ss.com/7.1/JC9403/)
(6)有限会社バリーのサイト「VALLEY」において、プラダショルダーバッグの型番として「B9091」、プラダ財布の型番として「M506」等が掲載されている。(http://www14.plala.or.jp/VALLEY/prada1.htm)
(7)HERZ(ヘルツ)の公式通販サイトの鞄・小物品番別データベースにおいて、品番として、「A-2」「A-3」「A-4」等が掲載されている。(http://www.leatherbag.co.jp/2_basic/database/database.html)
(8)株式会社フタバのサイト「SEED DIRECT」において、クシタニ バックパックのメーカー品番として「K-3514」が掲載されている。(http://www.e-seed.co.jp/p/050930602/)
(9)株式会社パスポートのウェブショップ「bao-bab.net」において、フェルト素材のバッグとして、「A5ジッパーバッグ」、「A3トート」、「A4トート」が掲載されている。(http://bao-bab.net/2/4541223208270.php)
(10)株式会社良品計画の「無印良品」のネットストアにおいて、ナイロンバッグとして「ナイロンバッグインバッグ A5・黒・持ち手付」が掲載されている。(http://www.muji.net/store/cmdty/detail/4945247576320)
(11)ジムゼックス株式会社のオンラインショップにおいて、中身の見えるメッシュタイプのポーチとして「ハンディポーチ A5 イエロー」等が掲載されている。(http://www.zimxex.com/shop/goods/goods.aspx?goods=180-0006)
してみれば、欧文字1文字と数字1文字を組み合わせた「A5」の文字からなる本願商標は、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品の規格、型式又は品番等を表示するための記号・符号の一類型を表示したものと理解するにとどまるというのが相当であって、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標といわざるを得ない。
請求人(出願人)は、「本願商標『A5』は、クライミング用語で『人工登攀の最も難易度の高いグレード』のことを意味するため(甲第1号証及び甲第2号証)、指定商品『バックパック,クライマーバッグ,登山用旅行かばん』その他クライミングに関連する商品に関連して『A5』という商標を使用した場合、『人工登攀の最も難易度の高いグレード』という意味合いから、そういったクライミングに適した衣料品やバッグ、登攀が困難な岩壁のイメージ、あるいはそのような岩壁登攀に挑戦するクライマーといった特定の観念を取引者・需要者に想起させ、十分自他商品の識別機能を果たし得る標章である。」、「『A5』という本願商標の構成が、『極めて簡単』であることは否定できない。しかし、本願商標の指定商品である『バックパック,クライマーバッグ,登山用旅行かばん』その他特にクライミングに関連する商品について、欧文字1字と数字1字からなる標章が、商品の種別、形式などを表示するものとして取引上、普通に使用されている事実はなく、『ありふれた標章』ではない。」旨主張する。
しかしながら、登山関連の商品の中でも、特に人工登攀(ロッククライミングの一種)に関心の強い一部の需要者にとっては、「A5」の文字が「人工登攀の最も難易度の高いグレード」を意味するものであることを理解する場合があるとしても、それ以外の一般の登山関連の商品の需要者にとってはそのような意味を理解するということはできないし、ましてや、本願指定商品には、登山とは関係のない商品が多数含まれていることからすれば、本願指定商品に係る取引者、需要者が、本願商標に接した場合に、「最も難易度の高い人工登攀に適した衣料品やバッグ」、「登攀が困難な岩壁のイメージあるいはそのような岩壁登攀に挑戦するクライマー」といった特定の観念を想起させるということはできない。
そして、本願指定商品の分野において、欧文字と数字を組み合わせた標章(欧文字1文字と数字1文字からなる標章を含む。)が、商品の規格、型式又は品番等を表示するための記号・符号として採択・使用されていることは前記のとおりである。
そうとすれば、取引者、需要者は、本願商標よりは、単に、商品の規格、型式又は品番等を表示するための記号・符号の一類型を表示したものと理解するにとどまるというべきであるから、請求人(出願人)の上記主張は、採用することができない。
また、請求人(出願人)は、甲第3号証を提出し、「本願商標は中国、EU、香港、スイス、台湾などの各国において既に商標登録されている、これは本願商標に一定の識別力が認められたからであり、日本国においてのみ異なった解釈をする理由はない。」旨主張する。
しかしながら、仮に本願商標が他国において商標登録されている例があるとしても、そもそも本願商標が識別力を有するか否かは、我が国の商標法、我が国の取引の実情の下で、我が国の需要者の視点に立って判断されるべきものであって、他国における登録例をもって判断されるべきものではないから、上記請求人(出願人)の主張は、採用することができない。
さらに、請求人(出願人)は、「仮に、本願商標自体が商標法第3条第1項第5号に該当する可能性があったとしても、本願商標は、出願人及び日本におけるライセンシーの使用によって、出願人の『A5』ブランドの商品を表示するものとして広く知られるに至り、自他商品識別力を獲得している。」とし、「出願人は、クライミング用語で『人工登攀の最も難易度の高いグレード』を意味する『A5』をそのクライミングギアブランドとして採用し、出願人の『A5』ブランドのクライミング用品は需要者に絶大の支持を受けてきた歴史がある。そのクライミング用品としての信頼性とスポーツマインドをDNAとして受け継いだのが出願人の『A5』シリーズのカジュアル商品群であり、北海道から九州まで全国に展開するThe North Face Shop(直営店)をはじめとする出願人(ライセンシー)の店舗で販売されている。また、本願商標をその名称に冠した『A5 North Face Cup』は、日本最大のボルダリング(フリークライミング)の大会として、子供から初心者、エキスパートまでを対象に毎年開催されており、2006年2月に行われた大会は9回を数えている。本願商標は、出願人の『A5』ブランドのクライミング用品、また『A5』シリーズのアパレルやバッグなどを表示する商標として、その出願時及び現時点で十分に自他商品識別機能(識別力)を有するに至っている」旨主張する。
しかしながら、提出された証拠(甲第4号証ないし甲第7号証)によっては、クライミング用品についての本願商標の使用開始時期、使用期間、生産の数量、営業の規模(売上高等)、広告宣伝の方法、回数(カタログの作成部数や頒布方法など)等が明らかでないことに加え、本願指定商品中には、クライミング用品以外にも多数の商品が含まれているところ、クライミング用品以外の商品についての本願商標の使用による識別力の獲得については、そもそも何ら主張立証がなされていないのであるから、請求人(出願人)の上記主張は採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第5号に該当し、かつ、同法第3条第2項に該当しないとの原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2008-05-14 
結審通知日 2008-05-23 
審決日 2008-06-03 
出願番号 商願2004-58196(T2004-58196) 
審決分類 T 1 8・ 15- Z (Y18)
T 1 8・ 17- Z (Y18)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小畑 恵一泉田 智宏 
特許庁審判長 伊藤 三男
特許庁審判官 森山 啓
内山 進
商標の称呼 エイゴ 
代理人 阿部 佳基 
代理人 渡辺 広己 

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