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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y35
審判 全部申立て  登録を維持 Y35
審判 全部申立て  登録を維持 Y35
管理番号 1186235 
異議申立番号 異議2008-900001 
総通号数 107 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2008-11-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-01-04 
確定日 2008-10-06 
異議申立件数
事件の表示 登録第5080663号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5080663号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5080663号商標(以下「本件商標」という。)は、「Fuu Tube」の文字を横書きしてなり、平成19年1月25日に登録出願、第35類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同年9月28日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第4999382号商標(以下「引用商標1」という。)は、「YouTube」の文字を標準文字としてなり、同じく登録第4999383号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲に示す構成からなり、いずれも、平成18年7月28日に登録出願、第38類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同年10月27日に設定登録されたものである(なお、両者を併せて「引用商標」ということがある。)。
(2)理由の要点
本件商標は、下記アないしエにより、その登録を取り消されるべきものである。
ア 商標法第4条第1項第11号該当について
本件商標は、引用商標1及び2と称呼及び観念において類似する商標であり、かつ、その指定役務と同一又は類似する役務に使用されるものである。 イ 商標法第4条第1項第15号該当について
引用商標1及び2は、申立人の関連会社の商標として広く一般に知られているから、これと類似する本件商標がその指定役務に使用された場合、役務の出所について混同を生ずるおそれがある。
ウ 商標法第4条第1項第19号該当について
本件商標は、著名商標にフリーライドするものであり、著名商標の出所表示機能を希釈化させるおそれがある。また、著名商標に化体した信用を害するおそれがある。よって、不正の目的をもって使用するものである。
エ 商標法第4条第1項第7号該当について
本件商標は、世界的に著名な商標と相紛らわしい商標であり、これを登録することは国際信義に反し、公序良俗に反するものである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当について
本件商標は、「Fuu Tube」の文字からなるものであるから、その構成文字に相応して「フーチューブ」の称呼が生じるものである。そして、その構成中「Tube」の文字部分が殊更に強く印象されるとみる理由はなく、また、当該文字部分に着目して観念が生ずるとすべき格別の理由もない。
してみれば、本件商標は、その構成文字から「フーチューブ」の称呼を生ずるものであり、また、特定の観念を生じさせることのない一連の造語として看取されるというのが相当である。
他方、引用商標1は、「YouTube」の文字からなるものであるから、その構成文字に相応して「ユーチューブ」の称呼が生じるものである。また、引用商標2は、別掲に示すとおり、黒い太字の「YOU」の右側に、四隅に丸みをもたせた赤色の横長四辺形内に「Tube」を白抜きに表したものであるから、「YOU」と「Tube」とは、表示態様が異なるが、殊更、「YOU」や「Tube」のそれぞれの部分を捉えて称呼・観念されるというよりも、一連のものとして把握されるとみるのが相当であるから、これよりは「ユーチューブ」の称呼が生じるものである。
しかして、本件商標の称呼「フーチューブ」と引用商標の称呼「ユーチューブ」とを対比すると、第2音以降の「チュ」「ー」「ブ」の各音及び第1音に長音を伴う点を共通にするが、第1音において「フ」と「ユ」の差異を有するものである。そして、当該差異音は称呼を識別するうえで最も重要な要素を占める語頭に位置するものであるうえ、ともに長音を伴うことで強く発音・聴取されるから、かかる差異が称呼全体に与える影響は決して小さいとはいえず、これらをそれぞれ一連に称呼した場合、互いに取り違え、聞き違いされることなく、十分に区別し得るものである。
また、本件商標は、前記のとおり、特定の観念を生じない造語と認められるから、観念において、引用商標とは比較することができない。
さらに、本件商標と引用商標とは、外観構成において明らかに相違するものであるから、両商標は外観上で相紛れるおそれはないというべきである。 したがって、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標に類似する商標と判断することはできないから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当について
申立人提出の証拠によれば、引用商標は申立人の関連会社が提供する役務を表す商標として使用され、本件商標の出願時には既に、その需要者間に広く知られるに至っていたものと認められる。
しかしながら、前記(1)のとおり、本件商標は引用商標に類似する商標とは認めらないこと、前記証拠に徴しても、引用商標がその構成中の「Tube」をもって広く認識されるに至っているものと認める証左はないことから、本件商標と引用商標とを更に関連づけてみなければならない格別の理由はないといわざるを得ない。
してみると、本件商標の登録時及び出願時において、本件商標をその指定役務に使用しても、需要者が引用商標を想起し連想して当該役務を申立人の関連会社あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係ある者の業務に係る役務であるかの如く誤信するとは言い難く、役務の出所について混同するおそれがあったと判断することはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第19号該当について
前記(1)のとおり、本件商標は引用商標に類似する商標とは認められないものであるから、本条項に係る他の要件について認定判断を示すまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものではない。
(4)商標法第4条第1項第7号該当について
本件商標は、その構成において、きょう激、卑わい、差別的又は他人に不快な印象を与える標章からなるものでないことは明らかであり、構成上公序良俗を害するおそれがあるとはいえない。そして、本件商標と引用商標とは、前記のとおり、類似する商標と認められないものであり、申立人提出の全証拠を総合しても、引用商標との関係において、本件商標の出願の経緯等に著しく社会的妥当性を欠くものがあったとは認められず、また、これを登録することが直ちに国際信義に反するということもできない。
したがって、本件商標は、公序良俗を害するおそれがある商標とは認められないから、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
(5)結語
以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第7号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、その登録は維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
引用商標2

異議決定日 2008-09-18 
出願番号 商願2007-5248(T2007-5248) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (Y35)
T 1 651・ 22- Y (Y35)
T 1 651・ 26- Y (Y35)
最終処分 維持  
前審関与審査官 滝口 裕子堀内 真一 
特許庁審判長 中村 謙三
特許庁審判官 石田 清
前山 るり子
登録日 2007-09-28 
登録番号 商標登録第5080663号(T5080663) 
権利者 SIC4有限会社
商標の称呼 フーチューブ、フー、エフユウユウ、チューブ 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 田中 克郎 
代理人 矢島 正和 

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