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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y30
管理番号 1186224 
異議申立番号 異議2007-900589 
総通号数 107 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2008-11-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2007-12-27 
確定日 2008-09-22 
異議申立件数
事件の表示 登録第5079951号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5079951号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5079951号商標(以下「本件商標」という。)は、「黒鉄屋黒兵衛」の文字を横書きしてなり、平成18年4月28日に登録出願され、第30類「穀物の加工品,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」を指定商品として平成19年9月28日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4344987号商標(以下「引用商標1」という。)は、「黒兵衛」の文字を標準文字により表してなり、平成10年7月3日に登録出願、第30類「菓子及びパン」を指定商品として平成11年12月17日に設定登録されたものである。
同じく登録第4927780号商標(以下「引用商標2」という。)は、「黒兵衛ジャポン」の文字を標準文字により表してなり、平成17年6月14日に登録出願、第30類「菓子及びパン」を指定商品として平成18年2月10日に設定登録されたものである。
同じく登録第4181455号商標(以下「引用商標3」という。)は、「くろべえ」の文字を横書きしてなり、平成8年10月4日に登録出願、第30類「穀物の加工品」を指定商品として平成10年8月28日に設定登録され、その後、平成20年7月8日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
同じく登録第4965553号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成17年11月21日に登録出願、第30類「菓子及びパン」を指定商品として平成18年6月30日に設定登録されたものである。
同じく登録第4985814号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成17年10月19日に登録出願、第30類「菓子及びパン」を指定商品として平成18年9月8日に設定登録されたものである。
以下、これらを総称するときは、単に「引用商標」という。

3 登録異議申立ての理由の要点
本件商標は、屋号をさす「黒鉄屋」の前半部分と人物の名前をさす「黒兵衛」の後半部分とに分離して把握され、それぞれの部分のみによっても類否判断がされるから、後半部分の「黒兵衛」と引用商標とは称呼、観念又は外観が共通する。したがって、本件商標と引用商標とは類似する商標であり、また、両商標の指定商品も抵触するから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 当審の判断
(ア)本件商標は、上記1のとおりの構成からなるところ、構成各文字は同書、同大、等間隔で表されており、外観上、何れの文字にも軽重の差はなく、一連一体に看取されるものといえる。そして、全体から生ずると認められる「クロガネヤクロベエ」の称呼も、極めて冗長という程のものではなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。また、申立人が主張するように、「黒鉄屋」の文字が伊勢屋、成田屋、紀伊国屋、加賀屋、越後屋、松坂屋等の屋号を想起させる場合があることは強ち否定し得ないが、一方で紀伊国屋文左衛門、大黒屋光太夫、伊勢屋四郎左右衛門、俵屋宗達等の歴史上の人物名に見られるように、名字の一つとして認識される場合も少なくないから、これに続く「黒兵衛」の文字は個人の名を表したものの如くに認識され、本件商標は、全体として人名ないしは一つの固有名称を表したものと認識し把握されるとみるのが自然である。
そうすると、本件商標は、全体構成をもって不可分一体のものとして認識し把握され、「クロガネヤクロベエ」の一連の称呼のみを生ずるものというべきである。
(イ)他方、引用商標は、それぞれの構成に照らし、いずれも「クロベエ」の称呼を生ずるほか、引用商標2及び5は「クロベエジャポン」の称呼をも生じ、また、引用商標4は「トウキョウバナナノクロベエ」又は「トウキョウバナナ」の称呼をも生ずるものといえる。
(ウ)しかして、本件商標から生ずる「クロガネヤクロベエ」の称呼と引用商標から生ずる上記各称呼とは、構成音数が異なるばかりでなく、「クロガネヤ」、「ジャポン」又は「トウキョウバナナ」の音の有無など顕著な差異を有するものであり、明らかに区別できるものである。そして、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものであり、また、本件商標は、親しまれた既成の観念を想起し得ないものであるから、観念上引用商標と比較すべくもない。
(エ)してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(オ)申立人は、引用商標、特に引用商標4及び5は申立人の業務に係る商品「菓子」を表示する商標として消費者の間に広く親しまれていることから、本件商標が指定商品「菓子及びパン」に使用された場合には、商品の出所について誤認混同するおそれが高く、その観点からも本件商標と引用商標とは類似するものである旨主張し証拠を提出している。
確かに、申立人の提出に係る証拠によれば、引用商標4及び5は取引者、需要者間に相当程度広く認識されているものと認められるものの、上記のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の商標であって、別異のものというべきであり、本件商標が指定商品「菓子及びパン」について使用されたとしても、これに接する取引者、需要者が引用商標4及び5を連想、想起するようなことはなく、申立人の業務に係る商品と誤認混同するおそれはないというべきであるから、やはり、本件商標と引用商標とは類似するものとはいえない。
(カ)なお、申立人は、本件商標が実際の取引において「黒兵衛」の文字部分のみを強調し又は分離して使用されていることなどを縷々主張しているが、それは不正使用に基づく商標登録の取消審判など別途争う余地があるとしても、もとより、登録商標の範囲は願書に記載した商標に基づいて定められるものであり、商標法第4条第1項第11号に該当するか否かに関して商標の類否を判断する際には、願書に記載した商標を対象とすべきであるから、申立人の主張は、本件の埒外というほかない。
(キ)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。

別掲 別掲
(1)引用商標4


(2)引用商標5


異議決定日 2008-09-02 
出願番号 商願2006-39832(T2006-39832) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (Y30)
最終処分 維持  
前審関与審査官 吉田 静子 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 鈴木 修
酒井 福造
登録日 2007-09-28 
登録番号 商標登録第5079951号(T5079951) 
権利者 星野物産株式会社
商標の称呼 クロガネヤクロベエ、クロテツヤクロベエ、クロガネヤクロベー、クロテツヤクロベー、クロガネヤ、クロテツヤ、クロガネ、クロテツ、クロベエ、クロベー 
代理人 日比谷 征彦 
代理人 林 信之 
代理人 安彦 元 

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