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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Y33 審判 全部申立て 登録を維持 Y33 審判 全部申立て 登録を維持 Y33 審判 全部申立て 登録を維持 Y33 |
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管理番号 | 1186217 |
異議申立番号 | 異議2007-900578 |
総通号数 | 107 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2008-11-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2007-12-25 |
確定日 | 2008-09-10 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5078628号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5078628号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5078628号商標(以下「本件商標」という。)は、「FAUST」の欧文字を標準文字で表してなり、平成18年7月21日に登録出願、第33類「果実酒」を指定商品として、同19年8月20日に登録査定、同年9月21日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立人の引用する商標 登録異議申立人ボデガス フオスチノ マルチネ ソシエダツド アノニマ(以下「申立人」という。)は、下記の2件の商標を引用している(以下、これらの商標をまとめて「引用各商標」という。)。 (a)登録第1666802号商標は、「FAUSTINO I」の文字を横書きしてなり、昭和56年6月10日に登録出願、第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同59年3月22日に設定登録されたものであり、指定商品については、その後、平成17年3月30日に指定商品の書換登録により、第32類及び第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品となっている。 (b)登録第2138477号商標は、別掲のとおりの構成からなり、昭和61年1月16日に登録出願、第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成元年5月30日に設定登録されたものである。 3 登録異議の申立ての理由(要点) (1)商標法第4条第1項第11号について 引用各商標の欧文字部分「FAUSTINO I」は、「FAUSTINO」と「I」との間にスペースが配されていることから、その前半部分のみが分離して認識されるものであり、しかも、「INO」の文字部分は、スペイン語やイタリア語において愛称を表す接尾辞として多用されるものであって、識別力のない部分である。 そうとすれば、引用各商標の要部は、「FAUST」であり、これより「ファウスト」の称呼が生ずるから、本件商標と引用各商標とは、「ファウスト」の称呼を共通にする類似の商標である。 また、「FAUST」は、ルネサンス期の人物である「ファウスト」を表したものであるから、両商標は、「ファウスト」の観念においても類似の商標である。 したがって、本件商標と引用各商標とは、称呼及び観念において類似の商標であり、その指定商品も互いに抵触するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。 (2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について 「FAUSTINO GROUP」は、150年以上にわたるスペインのリオハを代表する著名なワインメーカーであり、世界79カ国で販売されており、世界各国で多数の名誉ある賞を受賞し、世界中の需要者・取引者の間で非常に高い知名度を取得している(甲第6号証ないし甲第12号証)。 日本国内においては、本坊酒造株式会社が「FAUSTINO GROUP」のワインを輸入・紹介・宣伝・販売しているほか、酒販売店、インターネット通販等で頻繁に紹介・販売されている(甲第13号証ないし甲第15号証)。 以上のとおり、「FAUSTINO」ブランドは、ワイン市場において、本件商標の出願日のはるか以前から、周知・著名な商標として、当業者・需要者に認識されていたものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものであり、また、本件商標がその指定商品に使用されれば、その商品の需要者は、申立人の業務に係る商品と出所について混同するおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号にも違反して登録されたものである。 よって、本件商標の登録は、取り消されるべきである。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、前記したとおりの構成からなるものであるから、該構成文字に相応して、「ファウスト」の称呼を生じ、ルネサンス期の人物である「ファウスト」を想起させるものということができる。 一方、引用各商標は、前記及び別掲に示したとおりの構成からなるところ、その構成中の欧文字部分は、「FAUSTINO(Faustino)」と「I」とに分離して認識され得るとしても、「FAUSTINO(Faustino)」の文字部分は、外観上まとまりよく一体的に表現されており、これより生ずるものと認められる「ファウスティーノ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。そして、たとえ、構成中の「INO(ino)」の語がスペイン語やイタリア語において愛称を表す接尾辞であるとしても、我が国におけるワインの取引者・需要者が一般的にスペイン語やイタリア語に通じているというような格別の事情があるものとは認められず、該語の意味を直ちに理解し得るものとはいえないから、むしろ、その構成全体をもって一連一体の造語として認識し把握されるとみるのが自然であり、他に、構成中の「FAUST(Faust)」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見出せない。 そうとすれば、引用各商標における「FAUSTINO(Faustino)」の文字部分は、その構成文字全体に相応して「ファウスティーノ」なる一連の称呼のみを生ずるものといわなければならない。 してみれば、引用各商標から「FAUST(Faust)」の文字部分も独立して認識されることを前提に、本件商標と引用各商標とが「ファウスト」の称呼及びルネサンス期の人物である「ファウスト」の観念において類似するものとする申立人の主張は採用できない。 その他、本件商標と引用各商標とを類似するものとすべき特段の理由は、見出せない。 したがって、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。 (2)商標法第4条第1項第10号について 申立人の提出に係る甲各号証によれば、申立人がワインの商標として使用しているのは、「FAUSTINO」あるいは「Faustino」の表記からなる商標であり、日本語では「ファウスティーノ」と表示されているものであって、これが「FAUST(Faust)」と表示されていたり、「ファウスト」と略称して用いられている事実は見当らない。 そうとすれば、申立人の使用に係るワインの商標は、あくまでも「FAUSTINO(Faustino)」であり、「ファウスティーノ」の称呼において使用されているものであるから、前記したところと同様の理由から、本件商標と申立人の使用に係る商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 してみれば、その余の要件について検討するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものとはいえない。 (3)商標法第4条第1項第15号について 上記したとおり、本件商標と引用各商標及び申立人の使用に係る商標とは、判然と区別し得る別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用各商標及び申立人の使用に係る商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。 (4)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 |
異議決定日 | 2008-08-22 |
出願番号 | 商願2006-68426(T2006-68426) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(Y33)
T 1 651・ 263- Y (Y33) T 1 651・ 25- Y (Y33) T 1 651・ 262- Y (Y33) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 平松 和雄 |
特許庁審判長 |
林 二郎 |
特許庁審判官 |
杉山 和江 小畑 恵一 |
登録日 | 2007-09-21 |
登録番号 | 商標登録第5078628号(T5078628) |
権利者 | フネウス ヴィントナーズ エルエルシー |
商標の称呼 | ファウスト |
代理人 | 森下 夏樹 |
代理人 | 安村 高明 |
代理人 | 山本 秀策 |
代理人 | 伊東 忠彦 |