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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y43
審判 全部申立て  登録を維持 Y43
管理番号 1186209 
異議申立番号 異議2006-90164 
総通号数 107 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2008-11-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2006-04-19 
確定日 2008-10-06 
異議申立件数
事件の表示 登録第4924793号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについてされた、平成19年9月27日付け決定に対し、知的財産高等裁判所において決定取消の判決(平成19年(行ケ)第10383号、平成20年5月29日判決言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり決定する。 
結論 登録第4924793号商標の商標登録を維持する。
理由 理 由
第1 本件商標
本件登録第4924793号商標(以下「本件商標」という。)は、「ルネッサンスホテル創世」の文字を横書きしてなり、平成16年9月29日に登録出願された商願2004-89017に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同17年4月18日に登録出願、第43類「宿泊施設の提供」を指定役務として、同18年1月27日に設定登録されたものである。

第2 登録異議申立ての理由(要旨)
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきである旨主張し、その理由を要旨以下のとおり述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第9号証(枝番を含む)を提出している。
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)引用商標
申立人が引用する登録第3244113号商標は、「RENAISSANCE」の欧文字を横書きしてなり、平成4年9月30日に登録出願、第42類「宿泊施設の提供」ほか第42類に属する役務を指定役務として、同9年1月31日に、特例商標として設定登録され、同19年2月16日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。
同じく登録第4536730号商標は、「ルネッサンス」の片仮名文字を横書きしてなり、平成12年4月28日に登録出願、第42類「宿泊施設の提供」を指定役務として、同14年1月18日に設定登録されたものである(以下、これらの商標をまとめて「引用商標」という。)。
(2)商標審査基準によれば、商標法第4条第1項第11号の商標の類否に関し、「指定役務について、需要者の間に広く認識された他人の登録商標と他の文字を結合した商標は、その外観構成がまとまりよく一体に表されているものを含め、原則として、その他人の登録商標と類似するものとする。」と記載されている。
本件商標を構成する「ルネッサンス」は、宿泊施設であるホテルの名称(商標)として極めて著名である。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 商標法第4条第1項第15号について
申立人が経営するホテル「RENAISSANCE/HOTEL&RESORT」、「RENAISSANCE」及び「ルネッサンス」の名称は、わが国でも著名な存在として知られているといわざるを得ない。
また、「ルネッサンスホテル」の名称でインターネットのウエブサイト検索を行うと、多数のサイトが出るが、その殆どは申立人の経営に係るものであり、「ルネッサンスホテルの知名度・評判データ」というウエブサイトのプリントを提出する(甲第9号証)。
「ルネッサンスホテル創世」以外は、全て申立人の経営に係るものであり、「ルネッサンスホテル」という名称は、申立人の経営に係るホテルとして著名になっているものであることが理解できるものと思料する。
したがって、本件商標が、その指定役務である「宿泊施設の提供」に使用されると出所の混同を生ずるおそれがあり、よって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。

第3 商標権者の意見
商標権者は、結論同旨の決定を求め、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第30号証(枝番を含む)を提出している。

第4 当審の判断
1 本件審判事件の経緯
(1)前審決に対する判決の要旨
本件につき、知的財産高等裁判所が、平成20年5月29日に言い渡した判決(平成19年(行ケ)第10383号、以下「本件判決」という。)で認定された事実及び判断の要旨は以下2及び3のとおりである。
なお、以下の甲各号証は、商標権者が提出している証拠である。
2 引用商標及びその周知著名性の認定について
(1)申立人等の使用に係る標章
ア 申立人について
(ア)申立人は、米国ホテルチェーン大手のマリオット・インターナショナルの子会社であり、平成14年(2002年)6月時点で、世界において124軒の「ルネッサンス・ホテル・アンド(&)リゾート」の経営にかかわっている(甲第2号証の1)。また、申立人は、平成18年(2006年)1月時点で我が国を含む31か国、うち米国では27州において(甲第2号証の5)、同年7月時点で世界32か国で137軒の「Renaissance Hotels & Resorts」チェーンを経営又はフランチャイズ展開している。
申立人は、我が国において、昭和62年10月から東京都中央区で「ルネッサンス東京ホテル・銀座東武」(客室数197)の、平成3年9月から札幌市で「ルネッサンス サッポロ ホテル」(客室数323)の、同5年7月から沖縄県国頭郡恩納村で「ルネッサンス リゾート オキナワ」(客室数392)の、同6年1月から徳島県鳴門市で「ルネッサンス リゾート ナルト」(客室数208)の、同7年7月から岐阜市で「ルネッサンス岐阜ホテル」の経営にかかわってきたが(甲第2号証の2、甲第3号証の2)、「ルネッサンス岐阜ホテル」は、同18年1月から「岐阜都ホテル」と名称を変更し(甲第4号証の1及び2)、「ルネッサンス東京ホテル・銀座東武」は、同19年4月から「コートヤード・マリオット東京銀座」と名称を変更し(甲第29号証)、現在、我が国において、申立人が経営にかかわっているホテルは、「ルネッサンス サッポロ ホテル」、「ルネッサンス リゾート オキナワ」及び「ルネッサンス リゾート ナルト」の3軒である。
申立人は、日本国内において、これら5軒のホテルの経営につき、片仮名表記の「ルネッサンス」も使用し、又は使用していた(甲第2号証の2、甲第3号証の2及び甲第4号証の1)。
(イ)申立人が権利者である「RENAISSANCE」の欧文字からなる申立人商標1(登録番号:第3244113号。甲第1号証の1)は、平成4年9月30日に指定役務を「宿泊施設の提供」等として登録出願され、同9年1月31日に設定登録され、また、申立人が権利者である「ルネッサンス」の片仮名文字を横書きしてなる申立人商標2(登録番号:第4536730号。甲第1号証の2)は、同12年4月28日に指定役務を「宿泊施設の提供」として登録出願され、同14年1月18日に設定登録された。
(ウ)申立人が経営にかかわるホテルにつき、日本語表示を含むマリオットグループのウェブサイト、パンフレット、広告において、別掲に示すとおり、Rの文字をデザイン化した図形の下に「RENAISSANCE」の欧文字を大きく、かつ、ゴシック体風の太字をもって表示し、その下に「HOTELS & RESORTS」の欧文字を小さく表示した標章(以下「申立人商標」という。)が使用されている(甲第2号証の2ないし5、甲第6号証の1及び2並びに甲第8号証の2)。
また、申立人商標の「HOTELS & RESORTS」の文字部分が、「ルネッサンス東京ホテル・銀座東武」では「TOKYO HOTEL GINZA TOBU」に(甲第3号証の2)、「ルネッサンス サッポロ ホテル」では「SAPPORO HOTEL」に(甲第11号証)、「ルネッサンス リゾート ナルト」では「NARUTO RESORT」に(甲第7号証の1)、「ルネッサンス リゾート オキナワ」では「OKINAWA RESORT」に(甲第7号証の2)、それぞれ変更した標章も使用され、又は使用された。
さらに、申立人は、経営に関与する海外のホテルにおいても、申立人商標の「HOTELS & RESORTS」の文字部分を、当該ホテル名に変更した標章を使用している(甲第12号証の1ないし3)。
イ ところで、「簡易、迅速をたっとぶ取引の実際においては、各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているものと認められない商標は、常に必ずしもその構成部分全体の名称によって称呼、観念されず、しばしば、その一部だけによって簡略に称呼、観念され、一個の商標から二個以上の称呼、観念の生ずることがあるのは、経験則の教えるところである」(前掲最高裁昭和38年12月5日第一小法廷判決)とされる。
これを本件についてみるに、上記ア(ウ)のとおり、申立人商標は、Rの文字をデザイン化した図形を上段に配し、「RENAISSANCE」の欧文字を中段に配し、「HOTELS & RESORTS」(ホテルにより、「SAPPORO HOTEL」、「NARUTO RESORT」、「OKINAWA RESORT」等の場合もある。)の欧文字を下段に配した三段構成の結合からなるものであるところ、(a)1段目の図形部分と2段目及び3段目の文字部分とは視覚的にも分離して見て取られ、また、図形部分から特定の観念も生じ得ないものであること、(b)同文字部分のうち2段目の「RENAISSANCE」の文字は、大きく、かつ、ゴシック体風の太字をもって表示されており、また、フランス語で「再生」を意味するとともに、14世紀から16世紀にイタリアを中心に西欧で興った古典古代の文化を復興しようとする歴史的・文化的諸運動を指す明確な意味を持つ語であること(甲第13号証及び甲第14号証の1ないし3)、(c)3段目の「HOTELS & RESORTS」(ホテルにより、「SAPPORO HOTEL」、「NARUTO RESORT」、「OKINAWA RESORT」等の場合もある。)の文字は、「RENAISSANCE」の文字の下段に、同文字よりも小さく表示され、その上段の「RENAISSANCE」の語を、「ホテルとリゾート」又は「ホテルの所在地」等の意味合いで形容する語と見て取れることからすると、申立人商標3のうち「RENAISSANCE」の部分と他の部分とは、それらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているものではないから、申立人商標から、「RENAISSANCE」の外観、称呼、観念等が生じていると認めることができる。
(2)申立人等の使用商標の周知著名性等の有無
ア 海外の状況
(ア)「世界の一流ホテルに誰よりも安く泊まれる、超すべて 2001最新版」(平成12年12月15日株式会社メディアファクトリー発行)において、(a)「世界を代表する19のホテルチェーン」の項の「割引レートはホテルごとに発表するマリオット・インターナショナル」の見出しのもと、「表3 マリオットの目的と予算で細分化された主要ブランド」中の「ルネッサンス・ホテル&リゾート」の欄に「米国内を中心に世界22カ国の、都市中心部や空港近くに立地。リゾートを含め全99軒」と、「ホテルチェーンネットワーク早分かり表【ヨーロッパ・中近東】」中の「ルネッサンス(マリオット)」の欄に、各エリアに立地するホテル軒数として、「ほかドイツ 8」「ウィーン 2」「ほかオーストリア 1」「チューリヒ 1」「オランダ 1」「ロシア 1」「ほか中・東欧 2」「イスラエル 3」「エジプト 1」「ドバイ 1」との紹介記事、(b)「マリオット・インタ-ナショナル」については、「本社:米国ワシントンDC。創業:ホテル事業1957年。ホテル軒数:世界59カ国2000軒以上(2000年10月現在)。主要ブランド:マリオット、ルネッサンス、リッツ・カールトン、ラマダ、フェアフィールドなど14ブランド・・」と記載され、「97年3月に『ルネッサンス』を買収し、・・名実とともに世界最大級のホテルチェーンとなった。」との紹介記事が掲載されている。
(イ)「るるぶ ワールドガイド アメリカ西海岸」(平成17年11月1日JTBパブリッシング発行)には、「ロサンゼルス」「泊まる」の項中に、「Renaissance Hollywood/ルネッサンス・ハリウッド」が、「交通:ハリウッド/ハイランド駅から徒歩約3分、客室637室、ハリウッドサインを望む ハリウッド&ハイランド内に立つ4つ星ホテル。ポップで大胆なミッドセンチュリーと、モダンなデザインが生み出す空間はおしゃれだ。客室はすべてデラックスタイプとなっており、地元アーティストのアート作品が飾られている。エンターテイメント業界の人もよく利用する。」と、また、「サンフランシスコ」「泊まる」の欄中に、「ルネッサンス・スタンフォード・コート/Renaissance Stanford Court」が、「ノブ・ヒル 館内には壁画やステンドグラスなどが多数飾られ、アンティークなインテリアが魅力」との紹介記事が掲載されている。
(ウ)「るるぶ ワールドガイド ニューヨーク」(平成17年5月1日JTBパブリッシング発行)には、「最高級&高級ホテル」の項中に、「Renaissance New York Hotel/ルネッサンス」が、「客室305室 ホテル入口の大時計が特徴 7番街ブロードウェイの交差点、ちょうど2本の道路にはさまれるようにして立つホテル。内部はアール・デコ調の凝ったインテリアだ。ミュージカルを見るなら最高の立地。客室は高級感あふれる木の家具を中心にしたクラシカルな内装。」との紹介記事が掲載されている。
(エ)「地球の歩き方リゾート309 ホノルル&オアフ島〔第8版〕」(平成18年4月21日株式会社ダイヤモンド・ビッグ社発行)には、「ホテル案内 高級ホテル」の項中に、「Renaissance Ilikai Waikiki Hotel」について、「港の景色が気持ちいいリニューアルホテル」「ルネッサンス・イリカイ・ワイキキ・ホテル」「1964年創業、ワイキキの老舗ホテルのひとつ。・・建物は16階建てヨットハーバー・タワーと26階建てのイリカイ・タワーから成り、イリカイ・タワーの客室は55.8平方メートルと広めで、大きく取った開放的な窓が部屋全体を明るい雰囲気にしている。3ないし22階まではホテルでは珍しいフルキッチンを装備。23ないし25階はデラックスオーシャンビューと2タイプのスイートがある。・・・」との紹介記事が掲載されている。
(オ)「地球の歩き方 海外出張シリーズ ビジネス・トラベルガイド アメリカ」(平成9年12月26日株式会社ダイヤモンド・ビッグ社発行)には、「WASHINGTON D.C.ホテル」の項中に、「ルネッサンス・メイフラワー・ホテル/Renaissance Mayflower Hotel」について、「'25年に創業のD.C.のランドマーク的ホテル。歴代大統領の就任祝賀会場となる伝統的なホテルで、客室はエレガントなクラシック調。トレンディなコネチカット通りに面している。」と、また、「ルネッサンス・ワシントン・ホテル/Renaissance Washington D.C. Hotel」について、「ワシントン・コンベンション・センターの前にあるモダンなコンベンション・ホテル。」と、さらに、「KEY WORD HOW TO STAY」の項の「ホテル予約センター」中に、「ルネッサンス ホテルズ インターナショナル」について、「アメリカをはじめ世界各地に点在するルネッサンスホテルやラマダホテルなどの予約を取扱う。」との紹介記事が掲載されている。
(カ)住友信託銀行の産業調査レポートNo.13「好調を維持する外資系ホテルチェーンの動向」(2001.3.4 住友信託銀行調査部)と称するホテルチェーンの動向調査の「2.世界のホテル再編の動き」の項において、「欧米では90年代後半に大手ホテルオペレーターによるM&Aが繰返され、マリオット、スターウッド、ヒルトンなどが大きく客室数を伸ばした(表2)。・・」の記事とともに、表2の「世界のホテルチェーンランキング(99年)」中で、マリオット・インターナショナル(Marriott International) (米)が、客室数(355、900)世界第3位として挙げられており、その主なホテルブランドの一つとして「Renaissance」が掲載されている。
(キ)平成20年2月14日時点の海外ホテル・旅行情報「WAKETRAVEL」と称するウェブサイトにおいて、海外ホテルの検索・掲載の「エリア別 おすすめ海外ホテル PICUP!」で、「RENAISSANCE ルネッサンス」の「バンクーバー(カナダ・プレイス)」が「コーラルハーバーに面している高級ホテル。客室は落ち着いた内装やインテリアでまとめられており、快適な滞在を期待できるでしょう。・・」と「プラハ(マサリク駅)」が「共和国広場や地下鉄ナミエスティ・レプブリキ…駅からもすぐの位置にある、旧市街では珍しい現代的な外観の建物。少し広めの客室は淡い色調でまとめられており、ゆったりと滞在する事ができます。」と紹介されている。
(ク)平成20年2月14日時点の「感動大陸」と称するウェブサイトにおいて、上海のホテルの予約-1つ星から5つ星まで多数の上海のホテルの紹介として、「ルネッサンス 上海浦東/RENAISSANCE SHANGHAI PUDONG HOTEL(上海淳大萬麗酒店)」が5つ星のホテルとして、「ルネッサンス上海浦東は浦東地区に2003年オープンしたデラックスなホテルです。ロビーは吹き抜けになった明るい雰囲気で、中国の伝統と上海の近代的なデザイ・・・」と紹介されている。
(ケ)平成20年2月15日時点の「海外ホテル予約サイト」と称するウェブサイトの「世界のホテルチェーン」において、「R」の項に「RENAISSANCE HOTELS & RESORTS」が、「MARRIOTT INTERNATIONALブランドの1つ。クオリティ・クラスの世界的ホテルブランドで、豪華なホテルライフを期待する旅馴れた方々に選ばれています。」と紹介されている。
(コ)1993年(平成5年)1月4日付けの「RENAISSANCE HOTELS・RESORTS」と称する旅行代理店向けパンフレットにおいて、日本を含む世界各地53か所の「RENAISSANCE HOTEL & RESORTS」が紹介されている。
(サ)平成19年12月11日付け「日経産業新聞」1頁において、「米欧企業/成長フロンティア」の見出しのもと、「米マリオット」が取り上げられており、その記事の中で、「十七あるマリオットの傘下ブランドの中で『ルネッサンス』は高級ホテルの位置付け・・・」と、また、主なブランドとして、「ルネッサンス」が記載されている。
(シ)平成20年2月14日の時点の「ホテルチェーン・ブランド一覧」と称する日本語のウェブサイトにおいて、「ルネッサンス」がマリオット・インターナショナルのホテルのブランドとして紹介されている。そして、ルネッサンスのホテルの所在地として、アジア〔インドネシア(バリ)、フィリピン(マニラ)、ベトナム(ホーチミン)、マレーシア(クアラルンプール)、韓国(ソウル)、中国(香港、上海、蘇州、武漢、北京)〕、ハワイ(マウイ島)、ヨーロッパ〔オーストリア(ウィーン)、オランダ(アムステルダム)、スイス(チューリッヒ)、チェコ(プラハ)、ドイツ(ミュンヘン)、フランス(パリ)、ベルギー(ブリュッセル)〕、北米〔アメリカ(オーランド、サンフランシスコ、シアトル、シカゴ、ニューオリンズ、ニューヨーク、フェニックス、ラスベガス、ロサンゼルス、ワシントン)、カナダ(トロント、バンクーバー)〕がロケーションごとに独自のスタイルを打ち出し、それぞれの土地の文化を感じられる雰囲気を作り出しているホテルとして紹介されている。
(ス)平成20年2月21日時点のマリオット・インターナショナルのウェブサイト(日本版)において、マリオットのブランドの一つとして、「ルネッサンス・ホテル&リゾート」について「ユニークというのは素敵なことです。ことユニークという点に関しては、どこを探してもルネッサンス・ホテル&リゾートに並ぶホテルは見つからないでしょう。世界の主要都市やリゾート地に位置し、それぞれのホテルの土地柄を反映した風情とサービスによって、お客様に一生忘れられないひと時をお届けします。」との記載があり、我が国の3軒のホテル(札幌、沖縄、鳴門)を始め、韓国、タイ、中国、フィリピン、ベトナム、マレーシア等の各国に存する同ホテルが紹介されている。
イ 日本の(一般的)状況
(ア)平成19年1月14日付け「FujiSankei Business i」3頁において、「【ランキング・ランド】日本のホテルの宿泊客満足度」の見出しの下、「ルネッサンス」が、1泊3万5000円以上で対象となった16のホテルグループ・チェーンの中の一つに選ばれ、調査の結果「インターコンチネンタルホテル」及び「ヒルトン」に次いで第14位と、最下位の「ホテルニューオータニ」よりも上にランクされている旨の記載がある。
(イ)平成17年6月25日付け「日経プラスワン」1頁において、「リゾートホテルのエステ&スパ/心も磨く至福の空間(何でもランキング)」の見出しのもと、ルネッサンスリゾートオキナワが6位に、ルネッサンスリゾートナルトが8位に入っている旨の記載がある。
ウ 「ルネッサンス サッポロホテル」について
(ア)「日経トレンディ MARCH 2002」(平成14年3月、日経ホーム出版社発行)には、「トップホテルを5年ぶり大調査 日本のホテルランキング111」の見出しのもとに、「札幌・名古屋・福岡 22ホテル 宿泊チェック結果一覧」の項中に、「サッポロルネッサンスホテル 総合得点 69」とあり、総合得点が札幌で第1位との紹介記事が掲載されている。
(イ)結婚等情報誌「ゼクシィ北海道版」(株式会社リクルート発行)の「平成17年10月号、同年11月号、同年12月号、平成18年1月号、同年3月号、同年5月号」には、「ブライダルフェアページ」に、「ルネッサンス サッポロホテル」が紹介されている。
(ウ)宿泊等情報誌「じゃらん北海道版」(株式会社リクルート発行)の平成17年9月号には、「洗練された空間とサービス。上質で優雅なひとときをお得なプランで確かめよう」との見出しの下、「ルネッサンス サッポロホテル」が紹介されている。
(エ)フリーペーパー「シティライフ」(株式会社道新サービスセンター発行)の平成17年7月22日号には、「ヘルシー食材を使った本格中華『美麗華特選美肌コース』」の見出しの下、「ルネッサンス サッポロホテル」が紹介されている。
(オ)情報誌「ontona」(株式会社道新サービスセンター)の平成17年9月14日号には、「中国料理ダイニング『美麗華』誕生1周年 中国古典楽器の生演奏を聴きながらフカヒレざんまいのコースに舌鼓」の見出しのもと、「ルネッサンス サッポロホテル」が紹介されている。
(カ)平成20年2月20日時点の近畿日本ツーリストの「knt!」と称するウェブサイトにおいて、「ルネッサンス サッポロホテル」が、「豊平川の河畔に位置し、静かな環境のなか、ハイグレードなサービスと快適な空間をご提供します。和食、洋食・中華の各レストランはいずれも本物指向のこだわりを持ち、お客様をおもてなしいたします。・・」と紹介されている。
エ 「ルネッサンス リゾートナルト」について
「婦人公論」(中央公論新社発行)の平成16年6月22日号(No.1155)には、「『阿波の國』で 初夏の光と風に誘われて”南欧”リゾート」の見出しの下、「ルネッサンスリゾートナルト」が、「『阿波の國』の極上リゾートで美食三昧 さて、そのような地中海や南欧を思わせる『阿波の國』リゾートの拠点にしたいのが、ルネッサンスリゾートナルト。」との紹介記事が掲載されている。
オ 「ルネッサンス リゾートオキナワ」について
(ア)情報誌「るるぶ 沖縄 2006」(JTBパブリッシング発行)には、「巻頭特集 南国バカンス」の項中に、「ルネッサンス リゾート オキナワ」が紹介されている。
(イ)雑誌「家庭画報 平成18年7月号」(株式会社世界文化社発行)の別冊付録「ホテル100膳 最新版」には、「全国選りすぐり リゾートで優雅な休日」の見出しのもと、「ルネッサンス リゾート オキナワ」が紹介されている。
(ウ)雑誌「GLAMOROUS 2006 July」(株式会社講談社発行)には、「RENAISSANCE RESORT OKINAWA/ルネッサンス リゾート オキナワ」が紹介されており、「那覇空港から車で約50分、沖縄を代表するリゾートホテルのひとつ、客室全室がバルコニー付きで、ムーンビーチに臨んでいる絶好のロケーションでも知られる。」との記載がある。
(エ)雑誌「Oggi JULY 2006」(株式会社小学館発行)には、「ottimo(オッティモ)」の項中に、「ルネッサンス リゾート オキナワ」が「リムジンでお迎えから始まるルネッサンス リゾート オキナワ」と紹介されている。
(オ)フリーペーパー「hb(HEALTHY & BEAUTY)」(株式会社マンダラハウス発行。なお、「h」の文字は反転している。)「SUMMER 2006 Vol.01」には、「巻頭特集 どちらがお好き 沖縄vs富良野対決」の見出しの下、「ルネッサンスリゾートオキナワ」が紹介されており、2枚目右下に、Rの文字をデザイン化した図形の下に「RENAISSANCE」の文字を表し、その下に「OKINAWA RESORTS」の文字が表されている。
(カ)平成16年6月3日付け「琉球新報」朝刊9頁において、「ルネッサンスが優秀ホテルに/JTB旅連が選定/サービス、設備など総合的に評価」の見出しのもと、「・・・ルネッサンスリゾートオキナワはこのほど、JTB協定旅館ホテル連盟の二〇〇三年度サービス優秀旅館ホテルに選ばれた。宿泊客アンケートで従業員のサービスや設備、食事、料金などを総合的に評価。JTB沖縄では『ソフト、ハード両面で、良い評価が得られた結果だ』と説明している。・・サービス優秀旅館ホテルの選定は、JTBがはがきで実施する宿泊客アンケートに基づき実施。同旅連加盟の四千四百五十四施設から、大、中、小規模客室の部門別で選考する。客室八十室以上の大規模客室部門は一千百十九施設が対象となり、ルネッサンスリゾートを含む全国三十一施設が選ばれた。」と記載されている。
(キ)平成19年6月12日付け「琉球新報」朝刊9頁において、「06年度サービス優秀旅館受賞/ルネッサンスリゾート」の見出しのもと、「ルネッサンスリゾートオキナワ(恩納村)がJTB協定旅館ホテル連盟(JTB旅ホ連)の二〇〇六年度サービス優秀旅館ホテル(大規模部門)に選ばれた。同ホテルの同受賞は五回目。・・・サービス優秀旅館ホテルの選定は、JTBが実施する宿泊客へのアンケートに基づき、毎年行われている。旅ホ連加盟の全国四千二百四十七施設から、客室数に基づき大規模、中規模、小規模の部門別で選考する。ルネッサンスリゾートは大規模部門で選ばれた。」と記載されている。
(ク)平成20年2月25日時点の毎日就職ナビ2008とのウェブサイトにおいて、ルネッサンス リゾート オキナワ((株)H.P.D.コーポレーション)の会社概要として、「私たちが運営しているホテルの一つ、ルネッサンス リゾート オキナワの“RENAISSANCE”はマリオット・インターナショナルという世界的なホテルチェーンのブランド“ルネッサンスホテル・アンド・リゾート”であり、高級ホテルブランドカテゴリーに属しています。」と記載されている。
カ マリオットグループが経営するホテルの日本人の会員数、利用者数等
マリオットグループが経営するホテル(申立人経営の「ルネッサンスホテル」を含む。)の日本人メンバーシップ会員数は、平成15年(2003年)が約19万人、平成16年(2004年)が約22万人、平成17年(2005年)が約26万人であり、また、申立人が直接又は間接的に経営に関与する世界中の「ルネッサンスホテル」に宿泊した人数と売上高は、平成15年(2003年)が約825万人で約10億USドル、平成16年(2004年)が約859万人で約12億USドル、平成17年(2005年)が約995万人で約14億USドルであり、また、そのうち日本人の数とその売上高は、平成15年(2003年)が約5万4000人で約630万USドル、平成16年(2004年)が約7万8000人で約1090万USドル、平成17年(2005年)が約8万3000人で約1220万USドルであった。
キ 小括
以上の事実及び前記(1)アの事実によれば、(a)本件商標の原出願日である平成16年9月29日及び登録査定日である同17年12月26日の各時点ころにおいて、申立人は、米国内を中心に、世界約30か国において約130軒のホテルを経営しており、また、申立人が直接又は間接的に経営に関与する世界中の「ルネッサンスホテル」に宿泊した人数と売上高は、同16年(2004年)が約859万人で約12億USドル、同17年(2005年)が約995万人で約14億USドルであり、また、そのうち日本人の数とその売上高は、同16年(2004年)が約7万8000人で約1090万USドル、同17年(2005年)が約8万3000人で約1220万USドル等であって、同16年及び同17年における世界全体の「ルネッサンスホテル」チェーンの宿泊客中の日本人の割合は1%弱であったこと、(b)平成16年及び同17年時点において、申立人が営業にかかわる国内の「ルネッサンス」の名称を付したホテルは、その名称を付けた営業が、それぞれ、昭和62年10月からの東京都中央区所在の「ルネッサンス東京ホテル・銀座東武」(登録出願時である平成16年9月までで約17年間)、同3年9月からの札幌市所在の「ルネッサンス サッポロ ホテル」(同約13年間)、同5年7月からの沖縄県国頭郡恩納村所在の「ルネッサンス リゾート オキナワ」(同約11年間)、同6年1月からの徳島県鳴門市所在の「ルネッサンス リゾート ナルト」(同約11年間)及び同7年7月からの岐阜市所在の「ルネッサンス岐阜ホテル」(同約9年間)の5軒であったこと(なお、「ルネッサンス岐阜ホテル」は同18年1月から、「ルネッサンス東京ホテル・銀座東武」は同19年4月から、「ルネッサンス」の名を外し、これ以降、国内の申立人にかかわる「ルネッサンスホテル」は3軒となっている。)、(c)平成16年及び同17年の時点までの海外への旅行情報誌において、特に主として米国におけるホテルの紹介中に、申立人が直接又は間接に経営にかかわる「ルネッサンスホテル」が紹介されていたこと、(d)平成17年に、いずれも北海道版の結婚等情報誌や宿泊等情報誌において、「ルネッサンス サッポロホテル」が紹介されていたこと、(e)平成16年、17年に、雑誌等において、「ルネッサンス リゾート ナルト」や「ルネッサンス リゾート オキナワ」がリゾート用ホテルとして紹介されていたこと、(f)平成16年に、沖縄県の地元新聞において、「ルネッサンス リゾート オキナワ」がJTB協定旅館ホテル連盟の2003年度サービス優秀旅館ホテルに選ばれた旨の報道がされたこと、(g)平成17年に、北海道の地元新聞社関連の出版物において、「ルネッサンス サッポロホテル」内のレストランの紹介記事が掲載されたことが認められる。
これによれば、平成16年及び同17年時点において、(a)申立人に係るホテルの「RENAISSANCE」又は「ルネッサンス」の標章は、海外旅行用の出版物を通じるなどして、我が国の海外旅行者においては、海外、殊に米国を中心として所在するホテルチェーンの名称として一定の知名度を有し、「宿泊施設の提供」において相当程度認識されていたと判断されるが、他方、(b)国内に所在する申立人が経営にかかわる「ルネッサンスホテル」については、その所在地が札幌市、東京都、岐阜市、徳島県鳴門市及び沖縄県国頭郡恩納村という全国に散在する5軒のみであったこと、我が国における「ルネッサンスホテル」の紹介も、海外旅行者向けの出版物等が中心であって、国内所在の「ルネッサンスホテル」に係る全国規模の出版物やウェブページでの紹介等もそれほど一般的で多いものであったとは認め難いこと、国内における申立人関与による「ルネッサンスホテル」の「RENAISSANCE」又は「ルネッサンス」という名を付しての営業期間が平成16年時点までで約17年から約9年というもので長い歴史を有するというほどのものではなかったことなどに照らすと、そもそも、国内に散在した上記5軒のホテルにつき、同一グループに関連するものであるとして広く理解されていたとは考えにくく、国内旅行者等において、「RENAISSANCE」又は「ルネッサンス」の標章が相当程度認識され、周知著名性を有していたと認めることはできない。
3 出所混同の判断について
(1)本件商標等
ア 前記第1の表示のとおり、本件商標は、明朝体様の同一書体の文字で構成され、その各文字は、縦線又は横線の端部の一部をややはねて、同一大きさ、同一間隔で横一列に、片仮名と漢字をもって「ルネッサンスホテル創世」と表記するものである(甲第10号証の1及び2)。
ところで、「簡易、迅速をたっとぶ取引の実際においては、各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているものと認められない商標は、常に必ずしもその構成部分全体の名称によって称呼、観念されず、しばしば、その一部だけによって簡略に称呼、観念され、一個の商標から二個以上の称呼、観念の生ずることがあるのは、経験則の教えるところである」(前掲最高裁昭和38年12月5日第一小法廷判決参照)。
これを本件につきみるに、本件商標は、「ルネッサンス」、「ホテル」、「創世」の三つの語の結合からなるものであるが、(a)「ルネッサンス」の文字は、フランス語のRenaissanceの直訳としては「再生」を意味するとともに、14世紀から16世紀にイタリアを中心に西欧で興った古典古代の文化を復興しようとする歴史的・文化的諸運動を指す意味を持つ語であること(甲第13号証及び甲第14号証の1ないし3)、(b)「ホテル」の文字は、「旅館。特に、西洋風の宿泊施設。」の意味を有する語であること(広辞苑第5版)、(c)「創世」の文字は、「はじめて世界をつくること。世界のできたはじめ。」の意味を有する語であること(広辞苑第5版)からすると、本件商標は、これらのいずれも一般に知られた三つの語を結合したものであると容易に理解することができるものであること、「ホテル」の語は役務を表す普通名詞で識別力がないといえることからすると、本件商標から、それぞれ、「ルネッサンス」及び「創世」との称呼、観念が生じていると解することができる。
イ 証拠(甲第5号証、甲第18号証、甲第19号証の1及び2、甲第21号証並びに甲第22号証)及び弁論の全趣旨によれば、(a)原告は、昭和53年ころ、結婚式場を備え披露宴会場ともなる総合儀式場を設立し、結婚が新郎新婦にとっては2人で新たな人生を切り開くといった門出であるとともに、代表取締役社長がクリスチャンであったことから、その総合儀式上を「創世」と命名したこと、(b)その後、原告は、結婚式やその後の披露宴出席者の便宜のためのホテルを併設することとし、利用客に対する温かみのあるもてなしを考え、「人間復興あるいは人間性の復興」を感じてもらうサービスを提供したいという理念を持ち、ホテルの名称に「ルネッサンス」を入れることとし、原告が従前から使用してきた「創世」の商標と役務を表す語である「ホテル」を結合させ、本件商標としたものであることが認められ、また、原告経営ホテルの宿泊客の大半が国内旅行者であることが推認される。
(2)「RENAISSANCE」又は「ルネッサンス」標章の独創性等
ア 上記のとおり、「RENAISSANCE」及び「ルネッサンス」の文字は、我が国においては、フランス語のRenaissanceの直訳として「再生」を意味するとともに、14世紀から16世紀にイタリアを中心に西欧で興った古典古代の文化を復興しようとする歴史的・文化的諸運動を指す意味を持つ一般的な既成語である(甲第13号証、甲第14号証の1ないし3)。
イ そして、我が国においては、「ルネッサンス」は極めて一般的な「復興」、「再生」を指す語として、民間、官公庁関係において、「コスメティック ルネッサンス」(株式会社ノエビアのテレビコマーシャルヒット曲のCDアルバム。甲第15号証の1)、「ルネッサンス-再生への挑戦」(カルロス・ゴーンの著作。甲第15号証の2)、「道路ルネッサンス研究会」(国土交通省設置の研究会。甲第15号証の5)、「ルネッサンスプロジェクト国際シンポジウム」(経済産業省主催のシンポジウム。甲第15号証の6)等、単独又は他の語と組み合わされて多数使用されている(甲第15号証の1ないし15)。
また、我が国においては、法人名としても、Renaissanceの呼称である「ルネッサンス」又は「ルネサンス」が使用されており、「財団法人シニア ルネサンス財団」(甲第16号証の1)、「株式会社ルネサンス」(飲食業。甲第16号証の2)、「株式会社ルネッサンス」(旅行業。甲第16号証の3)、「株式会社ルネサンス」(スポーツクラブ。甲第16号証の4の1及び2)、「ルネッサンス株式会社」(不動産管理業。甲第16号証の5)が存在し、殊にスポーツクラブの「株式会社ルネサンス」については、「RENAISSANCE」の標章を使用し、平成20年1月時点で全国に「ルネサンス」の名称を付した88店舗の展開をしている(甲第16号証の4の1及び2)。
ウ 特許庁の公開データによれば、平成18年12月時点において、称呼として「ルネッサンス」、「ルネサンス」、「ルネサン」又は「ルネッサン」を含む商標登録出願(失効データを含む。)は、517件にのぼる(甲第17号証の1及び2)。
そして、指定役務に「宿泊施設の提供」を含む登録商標として、「薩摩ルネッサンス」(登録番号:第4878946号。出願日:平成17年1月25日。登録日:同年7月8日。指定役務:第43類「宿泊施設の提供」ほか。甲第30号証の1)、「岡山ルネサンス OKAYAMA RENAISSANCE」(登録番号:第4919665号。出願日:平成17年5月24日。登録日:平成18年1月6日。指定役務:第43類「宿泊施設の提供」ほか。甲第30号証の2)、「京都ルネサンス KYOTO RENAISSANCE」(登録番号:第4919666号。出願日:平成17年5月24日。登録日:平成18年1月6日。指定役務:第43類「宿泊施設の提供」ほか。甲第30号証の3)がある。
エ 平成18年12月時点においてではあるが、山形県米沢市には「HOTEL RESTAURANT ルネッサンス」との名称の宿泊等施設(甲第23号証の1)が、福島県東白川郡棚倉町には「ルネサンス棚倉」との名称の宿泊等施設(甲第23号証の2)が存在する。
(3)ところで、「商標法4条1項15号にいう『他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標』には、当該商標をその指定商品又は指定役務(以下『指定商品等』という。)に使用したときに、当該商品等が他人の商品又は役務(以下『商品等』という。)に係るものであると誤信されるおそれがある商標のみならず、当該商品等が右他人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品等であると誤信されるおそれ(以下『広義の混同を生ずるおそれ』という。)がある商標を含むものと解するのが相当である。」「そして、『混同を生ずるおそれ』の有無は、当該商標と他人の表示との類似性の程度、他人の表示の周知著名性及び独創性の程度や、当該商標の指定商品等と他人の業務に係る商品等との間の性質、用途又は目的における関連性の程度並びに商品等の取引者及び需要者の共通性その他取引の実情などに照らし、当該商標の指定商品等の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として、総合的に判断されるべきである。」(前記最高裁平成12年7月11日第三小法廷判決)。
これを本件についてみるに、上記(1)、(2)の事実等及び前記2の認定判断によれば、(a)本件商標から生ずる「ルネッサンス」との称呼、観念は、申立人商標「RENAISSANCE」又は「ルネッサンス」及び申立人商標3から生ずる「RENAISSANCE」と称呼、観念が同一であること、(b)本件商標の指定役務は「宿泊施設の提供」であるのに対し、申立人商標の指定役務は「宿泊施設の提供」等であり、また、申立人はホテル業者であって、その取引者、需要者に共通性があることが認められるが、他方、(c)我が国において、「RENAISSANCE」及び「ルネッサンス」の語は極めて一般的な語であり、類似の「ルネサンス」等も含め、法人名その他の固有名詞等において、単独又は他の語と組み合わせて多数使用されており、その自他識別機能、出所表示機能は弱いといわざるを得ないこと、(d)本件商標の登録出願時である平成16年及び登録査定時である平成17年時点において、申立人が経営にかかわる「ルネッサンスホテル」は全国に散在する5軒しかなく、我が国における「ルネッサンスホテル」の紹介も、海外旅行者向けの出版物等が中心であって、国内所在の「ルネッサンスホテル」に係る全国規模の出版物やウェブページでの紹介等もそれほど一般的で多いものであったとはいえず、国内所在の申立人関与による「ルネッサンスホテル」の「RENAISSANCE」又は「ルネッサンス」との名を付しての営業期間が平成16年時点までで約17年から約9年というもので長い歴史を有するというほどのものではなかったことなどに照らすと、そもそも、国内に散在した上記5軒のホテルにつき、同一グループに関連するものであるとして広く理解されていたとは考えにくく、国内旅行者等において、申立人が経営にかかわるホテルについての「RENAISSANCE」又は「ルネッサンス」の標章が相当程度認識されていたとまではいえない状況にあったものであること、以上の事情等が認められる。
そうすると、本件商標の登録出願時である平成16年9月29日及びその登録査定時である同17年12月26日時点において、本件商標を「宿泊施設の提供」に使用することにより、その取引者、需要者である国内旅行者等において、原告の「宿泊施設の提供」という役務が、申立人の「宿泊施設の提供」等という役務と緊密な営業上の関係又は同一の表示による事業を営むグループに属する営業主の業務に係る役務であると誤信されるおそれ(広義の混同を生ずるおそれ)があったものということはできない。
(4)もっとも、「RENAISSANCE」、「ルネッサンス」の文字が「再生」の意味を有する既成語であり、十分に自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものであることに加え、当該文字がホテル業界においては、マリオットグループの業務に係る世界的な系列ホテル(RENAISSANCE HOTELS & RESORTS)を指称するものとして著名であったとしても、前記2(2)の認定判断のとおり、平成16年及び同17年時点において、申立人に係るホテルの「RENAISSANCE」又は「ルネッサンス」の標章は、海外旅行用の出版物等を通じるなどして、我が国の海外旅行者においては、海外、殊に米国を中心として所在するホテルチェーンの名称として一定の知名度を有し、「宿泊施設の提供」において相当程度認識されていたと判断されるが、他方、本件商標に係る指定役務の取引者、需要者である国内旅行者等において、「RENAISSANCE」又は「ルネッサンス」の標章が相当程度認識され、周知著名性を有していたとは認められないものである。
4 以上の認定判断によれば、以下のことが認められる。
(1)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、前記1のとおり、「ルネッサンスホテル創世」の文字よりなるところ、前記3の認定のとおり、該文字は「ルネッサンス」、「ホテル」及び「創世」の三つの語の結合からなるものであるが、いずれも同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔で、外観上もまとまりよく一体的に表してなるものであるから、これら全体の構成文字から生ずると認められる「ルネッサンスホテルソウセイ」の称呼もやや冗長であるとしても、無理なく一連に称呼し得るものである。
しかして、前記3の認定のとおり、その構成中の「ルネッサンス」の文字は、自他役務の識別標識としての機能が弱いものであるから、外観上もまとまりよく一体的に表された本願商標においては、殊更、構成中の「ルネッサンス」の文字部分のみをもって取引に当たるとはいい難く、むしろ、構成文字全体より生ずる称呼をもって、取引に資される場合も決して少なくないものというのが相当である。
そうとすると、本件商標と「ルネッサンス」の称呼及び「再生」の観念が生ずる引用商標とは、称呼、観念及び外観のいずれの点からみても、相紛れるおそれのない非類似の商標といわざるを得ないから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
本件商標をその指定役務に使用した場合、取引者、需要者がこれより直ちに申立人ホテルの名称あるいは商標を連想・想起するものとはいえないから、本件商標は、申立人又は申立人と関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、役務の出所について混同を生じさせるおそれはないといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
5 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
申立人商標




異議決定日 2008-09-18 
出願番号 商願2005-34613(T2005-34613) 
審決分類 T 1 651・ 26- Y (Y43)
T 1 651・ 271- Y (Y43)
最終処分 維持 
前審関与審査官 小田 明豊泉 弘貴大島 康浩 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 末武 久佳
木村 一弘
登録日 2006-01-27 
登録番号 商標登録第4924793号(T4924793) 
権利者 株式会社ルネッサンスホテル創世
商標の称呼 ルネッサンスホテルソーセー、ソーセー、ルネッサンスホテル、ルネッサンス 
代理人 梶原 克彦 
代理人 柳生 征男 
代理人 足立 泉 
代理人 青木 博通 
代理人 中田 和博 
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