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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 登録しない X29 審判 査定不服 観念類似 登録しない X29 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X29 |
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管理番号 | 1186188 |
審判番号 | 不服2008-10909 |
総通号数 | 107 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2008-11-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2008-04-30 |
確定日 | 2008-10-08 |
事件の表示 | 商願2007-125653拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第29類「肉製品,加工水産物」を指定商品とし、平成19年4月4日に登録出願された商願2007-32705に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、平成19年12月20日に登録出願されたものである。 第2 引用商標 原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第3316493号商標は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成7年3月31日に登録出願、第29類「加工水産物(「かつお節,寒天,削り節,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり」を除く。)」を指定商品として平成9年5月30日に設定登録、その後、同19年4月3日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである(以下「引用商標」という。)。 第3 当審の判断 1 本願商標と引用商標との類否について 本願商標は、別掲1のとおり、「かごうまっ」の平仮名文字を毛筆調の書体で大きく横書きしてなるものと、その右側に当該文字と同じ高さ程度になる縦書きの「探検隊」の漢字と、並びに、「まっ」と「探検隊」の両構成文字部分の下部に極めて小さく「KAGOUMA TANKENTAI」の欧文字を横書きしたものとからなるところ、該構成中「かごうまっ」の文字部分は、全体として顕著に表してなるものであるのに対して、該構成中「探検隊」の漢字部分は右端に小さく縦書きされており、さらに「KAGOUMA TANKENTAI」の欧文字はより小さな文字で横書きされているものである。そして、これらの文字は、文字の大きさの違いにより、視覚上、分離して把握、認識されるばかりでなく、「かごうまっ」の文字部分と「探検隊」の文字部分とを常に一体不可分のものとして把握しなければならない特段の事情も見いだし得ないものである。 そうすると、簡易迅速を旨とする取引の実際にあっては、取引者、需要者は、殊更顕著に表してなる「かごうまっ」の文字部分に着目して、該文字から生ずる「カゴウマッ」の称呼をもって取引に資する場合も少なくないというのが相当である。 また、本願商標の構成中「かごうまっ」の文字部分は、特定の語義を有するものとは認められず、構成全体をもって一種の造語と認識されるものである。 他方、引用商標は、別掲2のとおり、「かごうま」の平仮名文字を縦書きしたものと、その下部に黒地の円形内に白抜き文字(ただし、その一画は赤色)で「旨」の文字を書したものからなるところ、「かごうま」とその下部の部分とは外観上分離して認識されるから、縦書き平仮名文字の「かごうま」の構成文字部分に相応して「カゴウマ」の称呼が生じるものである(引用商標より「カゴウマ」の称呼が生じることについて、請求人も認めるところである。)。 さらに、引用商標の構成中「かごうま」の文字部分は、特定の語義を有するものとは認められず、引用商標の構成全体をもって一種の造語と認識されるものである。 そこで、本願商標より生ずる「カゴウマッ」の称呼と、引用商標より生ずる「カゴウマ」の称呼を比較するに、両称呼は、語頭部から続く「カゴウマ」の4音を共通にし、語尾部において促音「ッ」の有無の音の差異を有するに過ぎないものである。 しかして、該差異音の促音「ッ」は、それ自体が独立した1音として明確に発音され、かつ、聴取されるものではなく、前音「マ」に吸収され、それ自体必ずしも明確には聴取し難く、該促音の有無が、称呼全体に及ぼす影響は決して大きいものとはいえず、両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合には、全体としての語調、語感が近似し、互いに聴き誤るおそれがあるものと判断するのが相当である。 そうすると、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調語感が近似し、彼此相紛らわしいものといわなければならない。 次に、本願商標と引用商標の外観上の差異についてみると、本願商標中の「かごうまっ」と引用商標中の「かごうま」の各文字部分は、語尾部に「っ」を有するか否かの微差であり、「かごうま」の部分で共通しており、本願商標と引用商標とは、この点において外観上近似しているものである。 さらには、取引の実情について検討するに、本願商標と引用商標とが、指定商品全般について商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれは生じないという特別な取引の実情が存するという理由及び証拠は見出せない。 以上の認定を総合すると、本願商標と引用商標とは、観念については比較することができないものであり、外観において近似し、称呼において相紛らわしく、当該指定商品について商品の出所の混同を生ずるおそれはないと考えさせる特別の事情も存在しないから、これらを同一又は類似の商品に使用したときは、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれのある類似の商標といわざるを得ない。 したがって、本願商標は、引用商標に類似する商標であり、かつ、両商標の指定商品も同一又は類似の商品であるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。 2 請求人の主張について 請求人は、「引用商標と本願商標とは一部の称呼が類似しているという考え方を仮に採用した場合でも、両商標は、外観などが著しく相違し、その結果、需要者・取引者に与える印象が大きく異なり、需要者・取引者が両商標を混同することなく明確に区別できるときは、一部の称呼が共通していても両商標は全体として類似する関係にはない、という従来より確立された判例の立場からは、引用商標と本願商標とは全体として類似する関係にはない」旨主張しているが、本件については、上記のように外観、称呼、観念を総合的に考察し、かつ、取引の実情を考慮して認定、判断したものであるから、この請求人の主張は採用することができない。 さらに、請求人は、過去の審決例及び判決例を挙げて本願商標も登録されるべきであると主張しているが、商標登録出願に係る商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かは、過去の審決例及び判決例の判断に拘束されることなく、個々の事案に即して当該出願に係る商標と特定の他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断されるべきものであり、また、いずれも本願商標とは商標の構成及び指定商品等を異にする事案であって、必ずしも本件に適切なものとはいえない。したがって、請求人のこの主張も採用することができない。 3 まとめ 以上のとおり、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1(本願商標) 別掲2(引用商標) (色彩についての詳細は原本を参照されたい。) |
審理終結日 | 2008-07-31 |
結審通知日 | 2008-08-08 |
審決日 | 2008-08-19 |
出願番号 | 商願2007-125653(T2007-125653) |
審決分類 |
T
1
8・
261-
Z
(X29)
T 1 8・ 263- Z (X29) T 1 8・ 262- Z (X29) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 大橋 信彦 |
特許庁審判長 |
林 二郎 |
特許庁審判官 |
小畑 恵一 杉本 克治 |
商標の称呼 | カゴウマッタンケンタイ、カゴウマッ、タンケンタイ、カゴウマ |
代理人 | 鯨田 雅信 |