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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項11号一般他人の登録商標 取り消して登録 X30 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X30 |
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管理番号 | 1184563 |
審判番号 | 不服2008-12591 |
総通号数 | 106 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2008-10-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2008-05-16 |
確定日 | 2008-10-01 |
事件の表示 | 商願2007- 88186拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年8月10日に登録出願されたものである。そして、願書記載の指定商品については、原審において、同20年3月4日付け提出の手続補正書により、第30類「大福」と補正されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4540796号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成8年12月25日に登録出願、第30類「和菓子」を指定商品として、同14年2月1日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 本願商標は、別掲1のとおり、中央に「落花生姫大福(「落」及び「姫」の文字は、他の文字に比べてやや大きく表されている。)」の文字及びその左側に、該文字に比べてやや小さく「波奈」の文字を、いずれも毛筆書き風に縦書きに表してなり、そして、「波奈」の文字の下には、落款と思しき朱色の四角形を配してなると共に、前記各文字を円形状に囲むように、「波奈」の文字の左側に、茶色を基調とした落花生を擬人化したと思しき図形を配し、その右上方に、交差する二本の青い線を描き、それらの線の右下方に、緑色を基調とした落花生と思しき六枚の葉を有する植物の図形を配した構成よりなるものである。 そして、本願商標は、図形部分と文字部分とを常に一体不可分のものとして認識しなければならない特段の事情を見出し得ないものであるから、該図形部分と該文字部分とは、それぞれが独立して自他商品の識別標識としての機能を有するものである。 しかして、「落花生姫大福」及び「波奈」の各文字部分は、いずれも毛筆書き風であるとしても、その大きさに顕著な差異を有するものであって、これよりは、視覚上分離して看取されるとみるのが自然であることから、これに接する取引者、需要者が、前記各文字部分を捉えて取引に当たる場合も決して少なくないというのが相当である。 そうとすると、「落花生姫大福」及び「波奈」の構成文字全体に相応して、「ラッカセイヒメダイフクハナ」の一連の称呼のほかに、「ラッカセイヒメダイフク」及び「ハナ」の称呼をも生ずるものである。 一方、引用商標は、別掲2のとおり、「華」の漢字を毛筆で肉太に書して、その右側にその読みを特定したものと認められる「はな」の平仮名文字を付した構成からなるところ、その構成文字に相応して「ハナ」の称呼を生じ、かつ、「はなやかなこと」の観念を生じるものである。 そうとすれば、両商標は、「ハナ」の称呼を共通にするものである。 ところで、最高裁昭和39年(行ツ)第110号判決によれば、「商標の類否は、対比される両商標が同一または類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによつて決すべきであり、それには、そのような商品に使用された商標がその外観、観念、称呼等によつて取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべく、しかもその商品の取引の実情を明らかにしうるかぎり、その具体的な取引状況に基づいて判断するのを相当とする。」旨判示されている。 そこで、これを本件についてみるに、本願商標と引用商標の外観は、それぞれ前記のとおりの構成よりなるものであるから、外観において、明らかな差異を有するものである。 次に、観念についてみるに、本願商標中「落花生姫大福」及び「波奈」の各字部分は、共に、特定の意味合いを有しない造語であるのに対して、引用商標は、前記のとおり「はなやかなこと」の観念を生じるものであるから、観念においては、比較すべくもないというべきである。 してみれば、本願商標と引用商標は、たとえ、「ハナ」の称呼を共通にするとしても、観念において比較することができないものであり、また、外観においては明らかな差異を有していることから、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すると、両商標を同一又は類似の商品に使用した場合においても、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれはないというべきであるから、本願商標と引用商標は、非類似の商標とみるのが相当である。 したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当ではなく、取消しを免れない。 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別 掲 1 本願商標 2 引用商標 |
審決日 | 2008-09-19 |
出願番号 | 商願2007-88186(T2007-88186) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
WY
(X30)
T 1 8・ 26- WY (X30) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 梶原 良子、津金 純子 |
特許庁審判長 |
鈴木 修 |
特許庁審判官 |
小畑 恵一 岩崎 安子 |
商標の称呼 | ラッカセーヒメダイフク、ヒメダイフク、ヒメ、ハナ |
代理人 | 高橋 詔男 |
代理人 | 高柴 忠夫 |
代理人 | 渡邊 隆 |
代理人 | 志賀 正武 |