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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 109
管理番号 1184374 
審判番号 取消2007-300835 
総通号数 106 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-10-31 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2007-07-05 
確定日 2008-08-11 
事件の表示 上記当事者間の登録第0912148号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第912148号商標(以下「本件商標」という。)は、「VCT」の欧文字を書してなり、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和44年4月12日に登録出願、同46年7月29日に設定登録されたものである。その後、商標権の存続期間の更新登録か3回なされ、さらにその後、平成14年9月11日に指定商品を、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電池」とする指定商品の書換登録がなされているものである。

2 請求人の主張
請求人は、「本件商標の指定商品中『第9類 電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品』についてその登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、甲第1号を提出した。
(1)理由
本件商標は、その指定商品中「第9類 電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実がないから、その登録は上記指定商品について商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
乙第1号証を検討した結果、下記理由により、本件商標の使用は、第9類「電気通信機械器具」に該当する商品についての使用とは認められない。
ア 本件商標の使用は「三脚」についての使用である。
本件商標は、第9類「写真機械器具」に該当する「三脚」について使用しているものであり、第9類「電気通信機械器具」に該当する「ビデオカメラレコーダー用のリモコン」についての使用とは認められない。
具体的な根拠は、以下のとおりである。
(a)乙第1号証により示された「総合カタログ」は「デジタルビデオカメラレコーダー等」のカタログであり、その中の付属品として「三脚」の区画が存在し、本件商標は当該「三脚」の区画内で使用されている。
当該「三脚」の区画は、同紙に記載の「記録メディア」が「三脚」と同様の方法で区画されていることから、「三脚」の販売目的のために設けられたことは明らかである。
このことから、当該「三脚」の区画の中で使用されている以上、本件商標は「三脚」の販売を目的として使用されていると考えられる。
(b)また、前記「三脚」の区画に記載された「商品のイメージ」は、「ビデオカメラレコーダー」でも「リモコン」でもなく、明らかに「三脚」であり、これを見た一般需要者は、明らかに「三脚」を販売しているものと認識すると考えられる。
このことからも、本件商標は「三脚」の販売を目的として使用されていると考える。
(c)また、前記「三脚」の区画に記載された「リモコン」関連の記述は、「リモコン機能」、「リモコンハンドル付」、「リモコン三脚」であり、「リモコン」が「三脚」の付属的機能であることを明らかに示している。
このことから、「リモコン」はあくまで「三脚」の付属的機能であって「商品」とは認められないので、本件商標は「ビデオカメラレコーダー用のリモコン」について使用されているとは認められないと考える。
イ 「VCT」は商標ではなく「型番の表示」である。
本件商標は、一種の「型番の表示」として使用されており、商標として使用されているとは認められない。
具体的な根拠としては、同紙に記載の「記録メディア」の区画に「DPR55DL」等の「型番」が表示されておりますが、「VCT」も、「VCT-PG10RM」、「VCT-1170RM」というように、「三脚」の区画において「『記録メディア』の『型番』と同様の表示方法」にて使用されていることが挙げられる。一般需要者は、当該表示方法に接した場合、「VCT」を「型番」と認識し、「商品に付された標章」とは認識しないと考える。
このことから、本件商標は「商標」として使用されているのではなく、「型番の表示」として使用されていると考えられる。
(3)したがって、本件商標は、その指定商品「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」について、継続して過去3年以上日本国において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないので、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証を提出した。
理由
本件商標は、審判請求人が取り消しを請求している指定商品中、第9類「電気通信機械器具」に該当する「ビデオカメラレコーダー用のリモコン三脚」について使用している(乙第1号証)。
したがって、本件商標は被請求人により日本国内において、過去3年以内に使用されたことが確認されているものであるから、本件審判請求は棄却されるべきものと思料する。

4 当審の判断
(1)被請求人提出の乙第1号証によれば、以下の事実が認められる。
乙第1号証は、ソニー株式会社(被請求人)発行の2007年(平成19年)3月の「総合カタログ」であるところ、その1頁上部右側に「ハンディカム 総合カタログ」、その下に「デジタルHDビデオカメラレコーダ/デジタルビデオカメラレコーダ/…」及び中央部に赤ちゃんの笑顔と「ビデオカメラ」の写真が表示されている。
また、その2頁上段左に「“ハンディカム”アクセサリー」、その下に「三脚」の記載とその実物部分拡大写真が表示され、その右側とその下部に「リモコン三脚」の記載とともに、「VCT-PG10RM」、「VCT-1170RM」、「VCT-870RM」、「VCT-D680RM」、「VCT-D580RM」と、各希望小売価格が記載されている三脚の写真が表示されていること。また、2頁中段部左側に「長時間撮影や望遠撮影をしっかりサポート」の記載、その下に「リモコン機能:ハンドルにリモコン機能を装備。“ハンディカム”の電源ON/OFF、録画スタート/ストップ、レンズのズーム(可変速または2段階可変速)が操作できます。“ハンディカム”の『フォト機能』にも対応。」、「クイックシュー:専用プレートをあらかじめ“ハンディカム”に装着しておけば、三脚の雲台にすばやく脱着できます。」、「水準器:水準器三脚なら、“ハンディカム”の水平をとりたいとき、簡単に確認できます。」という説明記述の記載が認められる。
(2)ところで、「商品区分解説」(昭和55年3月31日改訂版発行参照)の第11類の「電気機械器具 電気通信機械器具 電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く。) 電気機械器具」の【趣 旨】には、「…第8類から第10類までと、第12類?すなわち機械器具の類?には部品および附属品の表示があるのに、この類だけそれがないのは、電気機械器具等この類に属する機械器具の部品および附属品は、やはり電気機械器具ということができるので、表示する必要がなかったためである。」とあり、さらに、《9.電気通信機械器具の部品および附属品》の項が設けられている。
(3)以上を総合すると、上記「リモコン三脚」は、「デジタルビデオカメラ(“ハンディカム”)」用の三脚であって、そのハンドルに(“ハンディカム”専用の)リモコン機能を装備していることがその特徴といえ、現物の写真とその機能装備の特徴からすると、本件商標の指定商品中「第9類 電気通信機械器具」の範疇に属する「デジタルビデオカメラ」専用の附属品というのが相当である。
また、請求人は、「VCT」は商標ではなく「型番の表示」であり、「商標」として使用されているのではない旨主張している。
しかしながら、請求人は、本件商標「VCT」が、一般需要者に「型番」と認識され、「商品に付された標章」とは認識しないとする根拠に、他の表示例を挙げるのみであるから、これらの表示例をもって、直ちに本件商標「VCT」が「型番」を表示するものとして、取引者、需要者に認識されているとはいい難いものである。
よって、この点に関する請求人の主張は採用できない。
(4)以上のとおりであるから、被請求人は、商標権者(被請求人)が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標を請求に係る指定商品中の「電気通信機械器具」について使用していたことを証明したものと認めざるを得ない。
したがって、本件商標は、その指定商品中の「電気通信機械器具」についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2008-03-05 
結審通知日 2008-03-07 
審決日 2008-04-01 
出願番号 商願昭44-29584 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (109)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 小林 和男
特許庁審判官 小川 きみえ
石田 清
登録日 1971-07-29 
登録番号 商標登録第912148号(T912148) 
商標の称呼 ブイシイテイ 
代理人 中川 裕幸 

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