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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X30
審判 全部申立て  登録を維持 X30
管理番号 1182807 
異議申立番号 異議2007-900557 
総通号数 105 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2008-09-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2007-12-06 
確定日 2008-08-06 
異議申立件数
事件の表示 登録第5079027号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5079027号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5079027号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成からなり、平成19年1月23日に登録出願され、第30類「茶,コーヒー及びココア,氷,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」を指定商品として同19年9月21日に商標権の設定登録がされたものである。

2 登録異議申立の理由(要点)
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、次の(1)ないし(3)に示す登録商標(以下、まとめて「引用各商標」という。)を引用し、本件商標よりは「マジ」の称呼に加え、「マジー」の称呼が生じ、これと引用各商標から生じる称呼「マギー」とを対比すると、両称呼は音数や語調・語感を共通にするのみでなく、称呼上最も重要とされる語頭音をも共通にし、その差異はともに濁音であって、「i」を母音とする中間音「ジ」と「ギ」の差異のみであるから、称呼上極めて相紛らわしい音であり、加えてかかる差異音が称呼上聴別し難いとされる中間に位置することとも相侯って、両称呼は彼此相紛らわしいものとなる。したがって、本件商標と引用各商標は称呼上類似の商標であり、かつ指定商品においても同一又は類似するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する旨述べている。
また、申立人は、引用各商標は申立人の販売する調味料・ブイヨンの商標として取引者・需要者に認識されており、少なくとも本願商標の出願時点においては、取引者及び需要者間で周知・著名となっていたものであるところ、同人が各種調味料・食品を製造・販売している事業実態及びその需要者の共通性等、その商品の提供者や取引者・需要者層の個別・具体的な関連性や共通性の実情等を総合的に考察すれば、本件商標がその指定商品に使用された場合には、それがあたかも著名ブランドである「MAGGI」及び「マギー」に係る申立人の提供する商品であるかの如く誤認され、そうでなくとも、何らかの密接な営業上の関連性を想起させ、あたかも申立人のグループ会社かあるいは許諾を受けた者に係る商品であるかの如く誤認させ、商品又は営業上の出所混同を生じるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する旨述べている。
《引用各商標》
(1) 別掲(2)のとおりの構成よりなり、大正15年3月3日に登録出願、第41類「ソース」を指定商品として、昭和2年2月24日に設定登録された登録第188983号商標、当該商標権は6回にわたり存続期間更新登録がされて現に有効に存続しており、また、指定商品については、平成19年8月8日に第30類「ウースターソース,グレービーソース,ケチャップソース,ホワイトソース,マヨネーズソース」とする書換登録がされている。
(2) 別掲(3)のとおりの構成よりなり、昭和40年11月30日に登録出願、第31類「調味料、香辛料、食用油脂、乳製品」を指定商品として、同53年2月24日に設定登録された登録第1324485号商標、当該商標権は3回にわたり存続期間更新登録がされて現に有効に存続しており、また、指定商品については、平成20年3月12日に第29類「食用油脂,乳製品」及び第30類「調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」とする書換登録がされている。
(3) 別掲(3)のとおりの構成よりなり、昭和40年11月30日に登録出願、第32類「食肉、卵、食用水産物、野菜、果実、加工食料品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として、同54年5月31日に設定登録された登録第1378327号商標、当該商標権は2回にわたり存続期間更新登録がされて現に有効に存続している。

3 当審の判断
(1) 本件商標と引用各商標との類否について
本件商標は、別掲(1)のとおり、地紙形状輪郭内の上部に沿うように「MAJI」の欧文字8個を羅列してなるものであって、装飾的ないしは当該文字を強調するが如くに理解できるところ、単に当該文字1個を捉えて取引指標と認識される場合も少なくないといえる。
そして、該「MAJI」の文字は、特定の意味合いを想起し得ない造語よりなるものと認められるところ、このような欧文字からなる商標については、我が国において一般に親しまれているローマ字風又は英語風の読みにしたがって称呼されるものであり、該「MAJI」から始まる、又は「JI」で終わる英単語は見当たらないので、本件商標「MAJI」は、ローマ字風の読みにしたがい「マジ」の称呼を生じるものと認められる。
この点を申立人は、本件商標よりは「マジ」の称呼に加え、「マジー」の称呼が生じることができる旨を南太平洋上の国名を挙げて主張するが、それ自体は固有名詞であり、その他の英単語にその用例を見出すことができないものであって、敢えて我が国の取引者・需要者がその唯一の用例に倣って本件商標の構成文字中の語尾「JI」の綴り部分を「ジー」と読むとするのは困難であるから、その申立人の主張は採用することはできない。
他方、引用各商標は、その構成前記のとおり、「MAGGI」又は「マギー」の文字よりなるものであるから、その構成文字に相応して「マギー」の称呼を生ずるものである。
そこで、本件商標より生じる称呼「マジ」と引用各商標から生じる称呼「マギー」とを比較するに、両者は第2音以降において「ジ」と「ギー」の音の差異を有するところ、「ジ」の音は有声摩擦音、「ギ」の音は有声破裂音として響きが明瞭であってそれ自体明確に聴取されるものといえる。
そうすると、前記差異音が2音と3音という短い音構成からなる両称呼の全体の語感に及ぼす影響は大きいものであるから、両称呼をそれぞれ一連に称呼しても、彼此聞き誤るおそれはないものというべきである。
次に、両商標の観念については、本件商標は、前記のとおり、造語よりなるものであるから、引用商標との観念については比較することはできないものである。さらに、外観については、それぞれ上記したとおりであって、判然と区別し得るものである。
してみれば、本件商標は、引用各商標とその外観、称呼及び観念のいずれの点よりしても紛れるおそれのない非類似のものというべきである。
(2)出所混同のおそれについて
申立人より提出された証拠によると、本件商標の登録出願時、申立人引用各商標が、同人の業務に係る商品「調味料・ブイヨン」等を表示する商標として取引者・需要者の間に広く認識されているものと推認し得る。
しかしながら、本件商標は、上述のとおり、引用各商標とは類似しない別異のものであるから、引用各商標の周知著名性及び商品の関連性等を考慮し総合的に判断しても、商標権者が本件商標をその指定商品に使用した場合にあっても、これより直ちに申立人の使用商標を想起させることはなく、その商品が申立人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生じるおそれがあるものと認めることはできない。
(3)まとめ
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(1)本件商標


(2)登録第188983号商標


(3)登録第1324485号商標及び登録第1378327号商標



異議決定日 2008-07-18 
出願番号 商願2007-4593(T2007-4593) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (X30)
T 1 651・ 271- Y (X30)
最終処分 維持  
前審関与審査官 石塚 文子岩崎 安子 
特許庁審判長 伊藤 三男
特許庁審判官 岩崎 良子
酒井 福造
登録日 2007-09-21 
登録番号 商標登録第5079027号(T5079027) 
権利者 東洋水産株式会社
商標の称呼 マジ 
代理人 長谷川 芳樹 
代理人 黒川 朋也 
代理人 齋藤 宗也 

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