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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない X45
管理番号 1182736 
審判番号 不服2008-3472 
総通号数 105 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-09-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-02-14 
確定日 2008-08-07 
事件の表示 商願2007- 12485拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「あいち国際特許事務所」の文字を標準文字で表してなり、第42類「工業所有権に関する手続の代理又は鑑定その他の事務,訴訟事件その他に関する法律事務,登記又は供託に関する手続の代理」を指定役務として、平成19年2月15日に登録出願、その後、商品及び役務の区分については、原審における同年11月1日付け手続補正書により、第45類に補正されたものである。

2 原査定の拒絶理由の要点
原査定は「本願商標は、『中部地方、太平洋側西部の県』である『あいち』(愛知)の文字と、『国際特許事務所』の文字とを一連に『あいち国際特許事務所』と標準文字で表してなるものであり、これをその指定役務に使用しても、『あいち(愛知)の国際特許事務所』程度の意味合いを看取させるにとどまり、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができず、自他役務識別標識としての機能を果たし得ないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり「あいち国際特許事務所」の文字を表してなるところ、構成中の「あいち」の文字は平仮名文字で表わされているのに対し、「国際特許事務所」の文字は、漢字で表わされていることから、「あいち」及び「国際特許事務所」の各文字は、視覚上分離して認識されるものであるというのが相当である。
そして、その構成中の「あいち」の文字は、「中部地方、太平洋側西部の県。」(広辞苑第五版)を意味する「愛知」を平仮名で表したものと容易に認められる。
また、その構成中の「国際特許事務所」の文字は、下記のインターネット情報(1)ないし(4)等からも明らかなように、該文字を使用する者が、「工業所有権に関する手続の代理又は鑑定その他の事務」等の業務を普通一般に行っている事実が認められることから、「国際特許事務所」の文字は、本願指定役務との関係において、取引者・需要者等に「工業所有権に関する手続の代理又は鑑定その他の事務等の役務を提供する場所」であることを容易に認識させるものである。

(1)リード国際特許事務所のホームページにおける「リード国際特許事務所のご案内」の項目中の「主な業務内容」として「国内外の特許、実用新案、意匠、商標の出願、審判等の代理、先行技術調査、鑑定、訴訟の他、著作権等その他の知的財産に関する相談」の記載がある。
(http://www.kitamura-pat.com/office.html)
(2)RYUKA国際特許事務所のホームページにおける「サービス」の項目中の「業務内容」として「出願業務:特許出願、商標出願、意匠出願、法律業務:特許調査、米国鑑定、国内鑑定、契約書サポート」の記載がある。
(http://www.ryuka.com/services/index.shtml?page3&cate1)
(3)はるか国際特許事務所のホームページにおける「業務案内」の項目に「国内及び外国での特許・実用新案・意匠・商標に関する出願、審判、調査はもちろん、知的財産関係訴訟等の係争処理、契約、発明等知的財産の発掘、知的財産権戦略の立案」の記載がある。
(http://www.harukapat.jp/practice/index.html)
(4)わかば国際特許事務所のホームページにおける「業務内容」の項目に「特許・実用新案・意匠及び商標の産業財産権にかかる出願から登録、権利の維持までの諸業務を処理するとともに、調査・鑑定、契約の締結の代理・媒介及び訴訟の補佐などの関連業務を行っています。」の記載がある。
(http://www.wakabapat.jp/02_services/index.html)

そうとすると、「あいち」及び「国際特許事務所」の文字を一連に結合した「あいち国際特許事務所」の文字からなる本願商標は、その構成全体から「愛知にある工業所有権に関する手続の代理又は鑑定その他の事務等の役務を提供する場所」の意味合いを容易に認識させるものというのが相当である。
してみれば、本願商標をその指定役務について使用するときは、これに接する取引者、需要者をして、「愛知県にある工業所有権に関する手続の代理又は鑑定その他の事務等の役務を提供する場所」すなわち、役務の提供場所あるいは役務を提供する者の所在を表したものと理解、認識するにとどまり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものであるから、これをもって、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものといわざるを得ない。
したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
請求人は、「本願商標を構成する『あいち』と『国際特許事務所』とは、それぞれを分離して観察すれば、自他役務の識別標識として機能し得ないものと認められるとしても、これらを一連に結合してなる本願商標からは、特許関連業務を行う固有の事務所名称と看取されるのが自然であり、自他役務識別標識機能が生じ得る。」旨主張しているが、本願商標「あいち国際特許事務所」が「あいち」及び「国際特許事務所」の文字を分離して観察される場合があることは、前述の認定のとおりであるから、請求人のこの点に関する主張は採用できない。
また、請求人は、過去の登録例を挙げて本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、該登録例は、商標の構成において本願とは事案を異にするものであり、それらの登録例をもって、本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切とはいえないことから、請求人のこの主張も採用できない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2008-05-21 
結審通知日 2008-05-27 
審決日 2008-06-23 
出願番号 商願2007-12485(T2007-12485) 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (X45)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 滝口 裕子堀内 真一 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 小川 きみえ
豊田 純一
商標の称呼 アイチコクサイトッキョジムショ 
代理人 特許業務法人あいち国際特許事務所 

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