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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z30
管理番号 1182590 
審判番号 取消2007-300302 
総通号数 105 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-09-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2007-03-15 
確定日 2008-07-24 
事件の表示 上記当事者間の登録第4360283号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由
1 本件商標
本件登録第4360283号商標(以下「本件商標」という。)は、「醍醐」の文字を横書きしてなり、平成10年11月27日に登録出願、第30類「オリゴ糖・アミノ酸・デオキシリボ核酸・ミネラル・ビタミン・酸化還元酵素よりなる粉末状の加工食品」を指定商品として、同12年2月10日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張
請求人は、「本件の登録は、商標法第50条第1項の規定により、これを取り消す。」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び同第2号証を提出した。
本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、本件指定商品について使用された事実が存しないものであるから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきである。

3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第20号証を提出した。
通常使用権者である株式会社ディー・シー・エスは、本件審判の予告登録前3年以内において、「オリゴ糖・アミノ酸・核酸・ミネラル・ビタミンよりなる粉末状の加工食品」について本件登録商標を使用していたものである。よって、本件商標登録は同法第50条第1項の規定に基づいて取り消される理由はない。
(1)通常使用権者による使用
通常使用権者である株式会社ディ・シー・エスは、本登録商標を付したスティック状の小袋の中に自ら製造した粉末状の加工食品を封入した状態のものを株式会社エヌ・エス・インターナショナルに売り渡す契約を締結し、箱詰め作業をした株式会社九州コーケン経由で株式会社エヌ・エス・インターナショナルの子会社である株式会社ファイブに分割納品したものである。よって、通常使用権者である株式会社ディ・シー・エスの行為は商標法第2条第3項第2号に規定する「商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡する行為」に該当するものである。
(2)予告登録前3年以内の使用
株式会社ディ・シー・エスの指示に基づき、平成17年6月8日付で箱詰め作業をした株式会社九州コーケンは、株式会社ディ・シー・エスの名義で販売会社である株式会社ファイブに対して、スティック状の小袋に封入された状態の粉末状の加工食品30包入りの包装箱100個を納品したものである。よって、少なくとも通常使用権者である株式会社ディ・シー・エスは、取消審判請求の登録(予告登録日:平成19年4月3日)前3年以内である平成17年6月当時、我が国において本件登録商標を粉末状の加工食品について使用していた(乙第6号証)。
(3)指定商品についての使用
パンフレットによれば、本件登録商標は、「アミノ酸・核酸・ミネラル・ビタミンを含む乳酸菌生産物質及びオリゴ糖よりなる粉末状の加工食品」、つまり「オリゴ糖・アミノ酸・核酸・ミネラル・ビタミンよりなる粉末状の加工食品」に使用されていたものである(乙第10号証)。
(4)商標の同一性
乙第4号証、乙第5号証、乙第6号証及び第7号証には商標「醍醐」が記載されているが、この「醍醐」は本件登録商標と同一性のある商標である。また、乙第10号証(パンフレット)に掲載されている写真の包装箱は勿論のこと、スティック状の小袋に記載されている斜めに構成された「醍醐」は本件登録商標と同一性のある商標であることは明らかである。

4 当審の判断
(1)被請求人の提出に係る乙各号証によれば、以下の事実を認めることができる。
(ア)乙第2号証は、平成15年9月1日付け「商標権通常使用許諾契約書」(写し)であるところ、被請求人が株式会社ディ・シー・エスに対し、被請求人の所有する本件商標について通常使用権を設定することを許諾した事実が認められる。
(イ)乙第3号証は、平成15年9月5日付け「売買取引契約書」(写し)であるところ、株式会社ディ・シー・エスは、同社の製造にかかる「乳酸菌生産物質」を株式会社エヌ・エス・インターナショナルに販売し、さらに株式会社ファイブによって第三者に再販売することが出来る旨の記載がある。
(ウ)乙第4号証は、平成15年9月8日付け発注書(写し)であるところ、株式会社エヌ・エス・インターナショナルが株式会社ディ・シー・エスに商品「乳酸菌生産物質『醍醐』」を発注したことが確認できる。
(エ)乙第5号証は、平成17年6月3日付けのFAX送信表(写し)であるところ、販売会社である株式会社ファイブが株式会社ディ・シー・エス宛てに、商品「醍醐」について、30包入り100個の送付を依頼したことが確認できる。
(オ)乙第6号証は、平成17年6月8日付け納品書(控)(写し)であるところ、品名欄に「醍醐(30本詰)」、数量欄に「100」との記載があり、株式会社ディ・シー・エスが株式会社ファイブに商品「醍醐(30本詰)」を納品したことが確認できる。
(カ)乙第10号証は、「乳酸菌生産物質」(以下、「使用商品」という。)のパンフレットと認められるところ、商品(写真)の外箱及びスティック状の小袋には、筆字風の書体で斜め上下に「醍醐」の文字が表示されている。また、使用商品の特徴として「『乳酸菌生産物質』には、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、核酸のほか、短鎖脂肪酸がバランス良く含まれています。」及び主要成分として、「乳酸菌生産物質、サイクロデキストリン、キシロオリゴ糖、アミノ酸、核酸、ミネラル、ビタミン群」の記載があること、並びに使用商品がスティック状の小袋に封入されていること等から、使用商品は、本件審判の請求に係る指定商品の範疇に属する商品であると認められる。さらに、下欄に「お求めは」として「株式会社ファイブ」の名称の記載がある。
(キ)乙第11号証は、平成15年11月19日付けの株式会社トラベルヴォイス新聞社発行の株式会社エヌ・エス・インターナショナル宛ての請求書(写し)であるところ、品名の4段目に「ファイブ、A4、片面チラシ」、数量「500-」、金額「98000-」と記載されており、該「片面チラシ」は、乙第10号証のパンフレットと推認し得るものである。
(2)上記各事実によれば、被請求人は、株式会社ディ・シー・エスと本件商標の商標権通常使用許諾契約(乙第2号証)を交わし、さらに、株式会社ディ・シー・エスは、株式会社エヌ・エス・インターナショナルと売買取引契約(乙第3号証)を交わし、株式会社エヌ・エス・インターナショナルは、株式会社ディー・シー・エスの製造にかかる使用商品を株式会社ファイブにより第三者に再販売することが認められる。そして、通常使用権者と認められる株式会社ディ・シー・エスは、使用商品を平成17年6月8日に販売会社である株式会社ファイブに譲渡したことが認められる。該使用商品の外箱、スティック状の小袋に表示された「醍醐」の文字は、本件商標と社会通念上同一と認められる。また、使用商品は、前述のとおり、本件審判の請求に係る指定商品の範疇に属する商品と認められる。
(3)以上によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者がその請求に係る指定商品に含まれる使用商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したものと認め得るところである。
また、請求人は、上記3の答弁に対し、何ら弁駁するところがない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論の通り審決する。
審理終結日 2008-05-28 
結審通知日 2008-05-30 
審決日 2008-06-12 
出願番号 商願平10-102139 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (Z30)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小松 里美米重 洋和 
特許庁審判長 伊藤 三男
特許庁審判官 酒井 福造
佐藤 松江
登録日 2000-02-10 
登録番号 商標登録第4360283号(T4360283) 
商標の称呼 ダイゴ 
代理人 角田 芳末 
代理人 伊藤 仁恭 

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