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審決分類 審判 査定不服 商4条1項11号一般他人の登録商標 登録しない Y16
管理番号 1182585 
審判番号 不服2007-32822 
総通号数 105 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-09-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-12-05 
確定日 2008-07-22 
事件の表示 商願2006-111744拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第16類「印刷物」を指定商品として、平成18年12月4日に登録出願され、その後、指定商品について、同19年6月8日付け手続補正書により、第16類「雑誌」に補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、次の(1)及び(2)のとおりである。
(1)登録第4688885号商標(以下「引用商標1」という。)は、「DUE」の文字を標準文字で表してなり、平成14年8月20日に登録出願、第16類「文房具類,しおり,印刷物,チケット」及び第35類「広告,販売促進のためのクーポン券・割引券の発行」を指定商品及び指定役務として、同15年7月4日に設定登録されたものである。

(2)登録第4688886号商標(以下「引用商標2」という。)は、「DUE(デュエ)」の文字を書してなり、平成14年8月20日に登録出願、第16類「文房具類,しおり,印刷物,チケット」及び第35類「広告,販売促進のためのクーポン券・割引券の発行」を指定商品及び指定役務として、同15年7月4日に設定登録されたものである。
以下、引用商標1及び引用商標2をまとめていうときは、単に「引用商標」という。

3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標の類否について
本願商標は、別掲のとおり、黒地の長方形内に白抜きにて「DUE!」と表してなるものであるところ、構成中の「DUE」の文字は、「当然受けるけるべきもの、当然の権利」等の意味を有する平易な英語(新コンサイス英和辞典 第7刷、研究社 新英和大辞典34刷)として知られているものであるし、また、感嘆符「!」が語尾部に付加されていたとしても、該感嘆符「!」を特定の音で発音、称呼しなければならない格別の理由も見当たらないから、文字部分「DUE」の英語の発音方法に倣い、これよりは「デュー」の称呼及び「当然受けるべきもの、当然の権利」等の観念を生ずるものというのが相当である。
他方、引用商標は、上記2のとおり、引用商標1が「DUE」の欧文字、引用商標2が「DUE(デュエ)」の欧文字と片仮名文字よりなるものであり、引用商標1「DUE」よりは、本願商標の場合と同様に「デュー」の称呼及び「当然受けるべきもの、当然の権利」等の観念を生ずるものというのが相当である。また、引用商標2も、構成中の「DUE」の文字部分が本願商標の場合と同様に平易な英語として知られているものであるから、「DUE」の文字部分より「デュー」の称呼、「デュエ」の文字部分に相応して「デュエ」の称呼、若しくは「DUE(デュエ)」全体より「デューデュエ」の称呼が生じ、「当然受けるべきもの、当然の権利」等の観念をも生ずるというのが相当である。
してみると、本願商標と引用商標とは、その外観において、やや相違するとしても、両者共「デュー」の称呼、及び「当然受けるべきもの、当然の権利」等の観念を同じくする類似する商標である。
次に、指定商品についてみるに、本願商標の指定商品「雑誌」は、引用商標の指定商品中、第16類「印刷物」に包含されるものであって、取引者、需要者の範囲を共通にする場合が少なくなく、販売場所、用途も同じくする場合の多い商品といえる。
したがって、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品中、第16類「印刷物」とは、同一または類似の商品というべきである。

(2)請求人の主張について
(ア)請求人は、「引用商標1は、イタリア語で『TWO=2つ』を意味することから、『デュエ』である。これは、引用商標1の商標権者が引用商標1を使用している『しおり』(甲第2号証の1)、商標権者のホームページの内容(甲第3号証)から明らかであり、また引用商標1の観念は、イタリア語で『TWO=2つ』を意味する。」旨主張する。
甲第2号証の1は、3枚の「しおり」が左右に並んでいるところ、左側の「しおり」の下の部分には、長方形輪郭に囲まれた「DU」の文字、正方形に囲まれた「E」の文字及び「(デュエ)」の文字及び記号を「DUE(デュエ)」と一列に並べた文字及び記号が書されている。また、真ん中及び右側の「しおり」の下の部分には、黒塗り長方形輪郭に囲まれた白抜きの「DU」の文字、黒塗り正方形に囲まれた白抜き「E」の文字及び「(デュエ)」の文字及び記号を「DUE(デュエ)」と一列に並べた文字及び記号が書されている。
しかしながら、その構成中の「DUE」の文字部分は、平易な英語として知られているものであるから、たとえ、「(デュエ)」の文字及び記号が付されているとしても、「DUE」の文字部分より「デュー」の称呼を生ずるというのが相当である。
また、甲第3号証は、引用商標の商標権者のホームページの写しと認められるところ、「DUE?アートな”しおり”のチケットメディア?」の項に、「DUEはイタリア語で『Two=2つ』の意味」の表示がある。
しかしながら、我が国においてはイタリア語が一般に馴染まれていないという事情をも考慮すれば、当該証拠のみによっては、取引者、需要者が、引用商標をイタリア語で「TWO=2つ」を意味するものとのみ認識、理解しているとは認められないものである
ゆえに、この点についての請求人の主張は認められない。

(イ)請求人は、「『印刷物』は『雑誌』を製本するための、いわば材料のようなものであるから、引用商標の指定商品中の『印刷物』と補正後の本願商標の指定商品『雑誌』とは類似しない。」旨も主張している。
しかしながら、引用商標の指定商品中の「印刷物」は、文字どおり印刷(「印刷版を作り、この版面にインクをつけ、これを紙・フィルム・布その他に転写して多数の複製を作ること。」広辞苑 第5版)された物であり、当然に本願商標の補正後の指定商品「雑誌」も、「印刷物」に包含される商品(「商品及び役務の区分」に基づく類似商品・役務審査基準〔国際分類第8版対応〕参照)というべきである。
加えて、請求人は単に上記のごとく主張するのみで何らの証拠も提出していない。
ゆえに、この点についての請求人の主張は認められない。

(3)むすび
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、これを取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 本願商標



審理終結日 2008-05-26 
結審通知日 2008-05-27 
審決日 2008-06-10 
出願番号 商願2006-111744(T2006-111744) 
審決分類 T 1 8・ 26- Z (Y16)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 今田 三男原田 信彦 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 小川 きみえ
佐藤 達夫
商標の称呼 デュー、デイユウイイ 
代理人 円城寺 貞夫 
代理人 富崎 元成 

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