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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 1030608162126
管理番号 1182575 
審判番号 取消2007-300807 
総通号数 105 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-09-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2007-06-22 
確定日 2008-07-22 
事件の表示 上記当事者間の登録第1825206号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第1825206号商標(以下「本件商標」という。)は、「セオリー」の文字を横書きしてなり、昭和58年1月25日に登録出願、第13類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和60年12月25日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、平成17年10月19日に、指定商品を第3類「研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布」、第6類「かな床,はちの巣,金属製金具」、第8類「手動利器(「刀剣」を除く。),刀剣,手動工具(「すみつぼ類・皮砥・鋼砥・砥石」を除く。),すみつぼ類,皮砥,鋼砥,砥石」、第11類「水道蛇口用座金,水道蛇口用ワッシャー」、第14類「キーホルダー」、第16類「装飾塗工用ブラシ」、第17類「ゴム製又はバルカンファイバー製の座金及びワッシャー,蹄鉄(金属製のものを除く。)」、第18類「かばん金具,がま口口金」、第20類「カーテン金具,金属代用のプラスチック製締め金具,くぎ・くさび・ナット・ねじくぎ・びょう・ボルト・リベット及びキャスター(金属製のものを除く。),座金及びワッシャー(金属製・ゴム製又はバルカンファイバー製のものを除く。),錠(電気式又は金属製のものを除く。)」、第21類「魚ぐし,おけ用ブラシ,金ブラシ,管用ブラシ,工業用はけ,船舶ブラシ」及び第26類「針類,被服用はとめ」とする指定商品の書換の登録がされて、その商標権は、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張の要点
請求人は、「本件商標の登録は、その指定商品中『第3類 研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布』、『第6類 かな床,はちの巣,金属製金具』、『第8類 手動利器(「刀剣」を除く。),刀剣,手動工具(「すみつぼ類・皮砥・鋼砥・砥石」を除く。),すみつぼ類,皮砥,鋼砥,砥石』、『第16類 装飾塗工用ブラシ』、『第21類 魚ぐし,おけ用ブラシ,金ブラシ,管用ブラシ,工業用はけ,船舶ブラシ』、『第26類 針類』について取り消す。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁の理由を次のとおり述べた。
1 請求の理由
本件商標は、前記商品について、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、継続して3年以上日本国内で使用された事実がない。
したがって、本件商標は、前記商品の登録について、商標法第50条第1項により取り消されるべきである。
2 答弁に対する弁駁
(1)カーテンレイルについて
商標法第50条に基づく審判における「使用の事実」とは、「請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについて」登録商標の使用をしていることをいう。したがって、本件商標は、「審判請求に係る指定商品」に使用されていなければならず、登録商標に類似する商標の使用をしても本項の適用を免れることができない(特許庁編・新工業所有権逐条解説[第16版]1044頁)。
したがって、審判請求に係る指定商品ではない「カーテンレイル」についての使用の主張は失当である。
(2)金属製金具について
被請求人は、金属製金具「単品」について、本件商標が使用されていると主張し、その証拠として、乙第1号証の209頁、乙第2号証の98頁を示す。
しかしながら、乙第1号証の209頁、乙第2号証の98頁において、本件商標が使用されているのは、右上の「セオリー/セオリーフレックス」のすぐ下に「一般カーテンレイル」との記載があることから明らかなように、カーテンレイルである。そして、被請求人の指摘する「Sワンタッチブラケット」から「中間吊金具」までの金属製金具と、完成品であるカーテンレイルとは、それぞれ単独で取引の対象となる別異の商品である。したがって、カーテンレイルについての本件商標の使用が金属製金具についての使用とならないことは当然である。
逆に、これら金属製金具の品名は、「Sワンタッチブラケット」等の金具の種類そのものである(乙第1号証の208頁、209頁、乙第2号証の98頁)。同頁の表に「セオリー」と記載されているのは、これらが完成品である「カーテンレイル」である「セオリー」用の部品であることを示しているにすぎない。したがって、このような本件商標のカタログへの記載は、あくまで説明的使用というべきであって、金属製金具の出所表示としての使用ではない。
以上のとおり、被請求人の提出する証拠によっても、金属製金具単品に本件商標が使用された事実は認められない。
(3)手動利器(カッター)について
被請求人は、カッター「単品」について、本件商標が使用されていると主張し、その証拠として、乙第1号証の209頁、乙第2号証の99頁を示す。
しかし、上記(2)と同じく、同頁において、「セオリーメジャー用カッター」の記載があるのは、その下の「(セオリー専用)」の記載からも明らかなように、カッターが完成品であるカーテンレイルの「セオリー」専用に使用されることを示すものにすぎない。したがって、同じくこのような本件商標のカタログへの記載は、説明的使用にすぎず、カーテンレイルと別異の商品であるカッターの出所表示機能を果たすものではない。
したがって、カッターに本件商標が使用された事実は認められない。
(4)針類(ピン)について
被請求人は、乙第1号証の209頁、乙第2号証の98頁に「ピン」が記載されていることをもって、本件商標が指定商品である「ピン」に使用されていると主張する。
しかし、同頁を見れば明らかなとおり、「ピン」はそもそも被請求人の商品ですらなく、商品「ジョイント」の一部品にすぎない。もちろん、上記(2)及び(3)のとおり、本件商標は完成品であるカーテンレイルにのみ使用され、ジョイントについて使用されているものでもない。
したがって、ピンについて本件商標が使用された事実は認められない。
(5)むすび
以上のとおり、乙第1号証及び乙第2号証によっても、本件審判の請求の登録前3年以内に請求に係る指定商品について本件商標が使用された事実はない。

第3 被請求人の答弁の要点
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のとおり述べ、証拠方法として、乙第1号証及び乙第2号証を提出した。
1 本件商標の使用事実
商標権者は、本件審判の請求の登録日前3年以内に我が国において、請求に係る指定商品中、「第6類 金属製金具,カーテンレイル」(第20類の商品であるが、金属製金具と同一の類似群コード「13C01」である。)、「第8類 手動利器(カッター)」、「第26類 針類(ピン)」について、本件商標を使用している。
(1)商標の使用者
乙第1号証及び乙第2号証は、商標権者である「株式会社ヨコタ」が発行するカタログであるところ、当該カタログには、「株式会社ヨコタ」又はその略称である「ヨコタ」の名称が、表紙、背表紙及び背表紙裏側(最終頁の前の頁)に記載されている。
(2)使用に係る商品及び使用に係る商標
(ア)金属製金具について
乙第1号証の209頁に、「Sワンタッチブラケット」から「中間吊金具」まで、金属製金具が記載されている。そして、209頁右上に商標「セオリー」の文字が記載されている。また、これらは、208頁真中上の「セオリー」単品の記載より、金属製金具単品についての商標「セオリー」の使用であることが示される。
乙第2号証の98頁の「Sワンタッチブラケット」から同99頁の「中間吊金具」まで、金属製金具が記載されている。そして、99頁右下に商標「セオリー」の文字が記載されている。また、これらは、98頁左上の「セオリー」単品の記載より、金属製金具単品についての商標「セオリー」の使用であることが示される。
(イ)カーテンレイルについて
乙第1号証の204頁に、「カーテンレイル」の文字及び写真が示されている。そして、204頁左上に、商標「セオリー」が記載されている。
乙第2号証の92頁に、「カーテン用レイル」の文字及び写真が示されている。そして、92頁左上に、商標「セオリー」が記載されている。
乙第1号証及び乙第2号証には、この他にも、「カーテンレイル」に商標「セオリー」を使用した記載が多数ある。
(ウ)カッターについて
乙第1号証の209頁に、「メジャー付カッター」の文字及び形態図が記載されている(矢印部分)。そして、商標「セオリー」が記載されている。また、これらは、208頁真中上の「セオリー」単品の記載より、「メジャー付カッター」単品についての商標「セオリー」の使用であることが示される。
乙第2号証の99頁に、「メジャー付カッター」の文字及び形態図が記載されている(矢印部分)。そして、商標「セオリー」が記載されている。また、これらは、98頁左上の「セオリー」単品の記載より、「メジャー付カッター」単品についての商標「セオリー」の使用であることが示される。
(エ)ピンについて
乙第1号証の209頁に、「ピン」の文字及び形態図が記載されている(矢印部分)。そして、208頁真中上の「セオリー」単品の記載より、「ピン」単品についての商標「セオリー」の使用であることが示される。
乙第2号証の98頁に、「ピン」の文字及び形態図が記載されている(矢印部分)。そして、98頁左の「セオリー」単品の記載より、「ピン」単品についての商標「セオリー」の使用であることが示される。
(3)使用時期
乙第1号証の表紙に記載された「2003-2004」及び背表紙裏側(最終頁の前の頁)の「2003年9月発行」の記載、並びに、乙第2号証の表紙に記載された「05-06」及び背表紙裏側(最終頁の前の頁)の「2005年10月発行」の記載より、本件審判の請求の登録前3年以内に使用していることが示される。
2 むすび
以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者自ら上記の指定商品について使用していることが明らかである。

第4 当審の判断
1 本件請求に係る指定商品は、「第3類 研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布」、「第6類 かな床,はちの巣,金属製金具」、「第8類 手動利器(「刀剣」を除く。),刀剣,手動工具(「すみつぼ類・皮砥・鋼砥・砥石」を除く。),すみつぼ類,皮砥,鋼砥,砥石」、「第16類 装飾塗工用ブラシ」、「第21類 魚ぐし,おけ用ブラシ,金ブラシ,管用ブラシ,工業用はけ,船舶ブラシ」、「第26類 針類」であるところ、商標権者(被請求人)が、請求に係る指定商品の範疇に属する商品について、本件審判の請求の登録(平成19年7月10日)前3年以内に日本国内において、本件商標を使用していたか否かについて検討する。
(1)乙第1号証及び乙第2号証について
乙第1号証及び乙第2号証は、いずれも被請求人の取扱いに係る商品を掲載したカタログである。乙第1号証は、「ヨコタ カーテンレイル 2003▽2004 CURTAIN RAIL」との表題のあり、2003年9月に発行されたものである。また、乙第2号証は、「FUNCTIONAL CURTAIN RAIL[05-06]」との表題のあり、2005年10月に発行されたものである。
したがって、乙第1号証及び乙第2号証は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人によって、使用され、頒布されていたものと推認することができる(この点については、当事者間に争いがない。)。
(2)使用に係る商品及び使用に係る商標について
そこで、被請求人が手動利器の範疇に属すると主張する「カッター」についてみるに、乙第1号証(209頁)及び乙第2号証(99頁)に、「セオリーメジャー付カッター(セオリー専用)」なる商品(以下「本件カッター」という。)が掲載されていることが認められ、この商品表示からすると、乙第1号証及び乙第2号証に掲載された「セオリー」商標を使用した「カーテンレイル」(以下「セオリーカーテンレイル」という。)を取り付ける際に、取り付ける場所の寸法に合わせて、「セオリーカーテンレイル」を本件カッターで裁断するものであり、「(セオリー専用)」の文字から、「セオリーカーテンレイル」のみに使用されるものであって、その図から手動式のものと解される。また、該商品の1台の価格は、乙第1号証において「18,000円」、乙第2号証において「19,800円」である。
ところで、本件商標の指定商品中の第20類「カーテン金具」の範疇に属する商品は、「商品及び役務区分解説」(1996年(平成8年)12月25日改訂第3版発行)の第20類「4 カーテン金具・・・錠(電気式又は金属製のものを除く。)」の項目によれば、「ここには、それ自体単独で使用されるのではなく、何かに取り付ける性質の非金属製品で、他の類に属するもの以外のものが含まれる。ただし、『カーテン金具』については、金属製のものであってもここに属する。」との記載が認められ、カーテンを取り付ける際に必要不可欠な「カーテンレイル」、「ブラケット」、「ランナー」、「カーテンフック」、「(レールの)エンドカバー」等の金属製又は非金属製の商品であると解される。
一方、同「商品及び役務区分解説」の第8類の「【注釈】」の項目によれば、「この類には、主として、各職業において工具として使用する手動式の器具を含む。」との記載が認められ、「商品・サービス国際分類表〔第8版〕」の「商品類別アルファベット順一覧表」の第8類によれば、たとえば、「Butchers’ animals(Skinning appliances and instruments for?)」(家畜の皮剥ぎ用手動利器)、「Fruit pickers[hand tools]」(採果用手動利器)、「Glaziers’ diamonds[parts of hand tools]」(ダイアモンドガラス切り(手動工具))、「Hoop cutters[hand tools]」(たが用カッター(手持ち工具に当たるものに限る。))、「Paring irons[hand tools]」(削蹄刀)など様々な職業において工具として使用する手動式の器具が列挙されているところである。
そして、本件カッターは、上記のとおり、「セオリーカーテンレイル」を裁断する手動式の工具であって、それ自体単独使用される性質のものであり、また、その用途、形状、価格等からみて、主として内装工事等を職業とする者が使用するものとみるのが相当である。
そうすると、本件カッターは、手動利器の範疇に属する商品と認めることができる。
また、「セオリーメジャー付カッター(セオリー専用)」の文字中の冒頭の「セオリー」の文字部分は、本件カッターの出所を表示する標識として機能しているものというべきである。
(3)以上(1)及び(2)によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件請求に係る指定商品中の「手動利器(「刀剣」を除く。)」の範疇に属する本件カッターについて、本件商標と同一の構成よりなる「セオリー」の文字よりなる商標を使用していたものと認めることができる。
2 請求人の主張について
請求人は、本件カッターに関し、該商品は、完成品であるカーテンレイルの「セオリー」専用に使用されることを示すものにすぎないから、このような本件商標のカタログへの記載は、説明的使用にすぎず、カーテンレイルと別異の商品であるカッターの出所表示機能を果たすものではない旨主張する。
しかし、乙第1号証及び乙第2号証が、主として「セオリーカーテンレイル」(「セオリー」商標を使用した「カーテンレイル」)等カーテン金具を掲載しているものであり、また、本件カッターが「セオリーカーテンレイル」専用に用いられる商品であるとしても、前記1認定のとおり、本件カッターは、商標法上、カーテン金具の範疇に属する商品ではなく、手動利器の範疇に属する商品とみるのが相当であり、また、その1台あたりの価格からみても、独立した商品として取引に資されるものとみるべきである。さらに、「セオリーメジャー付カッター(セオリー専用)」中の「セオリー」は、本件カッターの自他商品の識別機能を十分果たし得るものというべきである。
したがって、上記請求人の主張は採用することができない。
3 むすび
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が本件商標を請求に係る指定商品中に含まれる「カッター(手動利器)」について使用していたことを証明したというべきである。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中の「第3類 研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布」、「第6類 かな床,はちの巣,金属製金具」、「第8類 手動利器(「刀剣」を除く。),刀剣,手動工具(「すみつぼ類・皮砥・鋼砥・砥石」を除く。),すみつぼ類,皮砥,鋼砥,砥石」、「第16類 装飾塗工用ブラシ」、「第21類 魚ぐし,おけ用ブラシ,金ブラシ,管用ブラシ,工業用はけ,船舶ブラシ」、「第26類 針類」について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものではない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2008-02-19 
結審通知日 2008-02-22 
審決日 2008-03-10 
出願番号 商願昭58-4909 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (1030608162126)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 中村 謙三
特許庁審判官 小畑 恵一
津金 純子
登録日 1985-12-25 
登録番号 商標登録第1825206号(T1825206) 
商標の称呼 セオリー 
代理人 高松 薫 
代理人 小田 治親 
代理人 泉 潤子 

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