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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 Y0117
管理番号 1181304 
異議申立番号 異議2007-900483 
総通号数 104 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2008-08-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2007-10-12 
確定日 2008-07-07 
異議申立件数
事件の表示 登録第5062903号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5062903号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5062903号商標(以下「本件商標」という。)は、「PHOTOIMAGER TER-20」の文字を標準文字で表してなり、平成18年12月11日に登録出願、第1類、第2類及び第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同19年6月25日に登録査定、同年7月13日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立人の引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、下記の2件の商標を引用している(以下、これらの商標をまとめて「引用各商標」という。)。
(a)登録第2383569号商標は、「フォトイマージュ」の片仮名文字と「PHOTOIMAJU」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成元年2月18日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同4年2月28日に設定登録されたものであり、指定商品については、その後、平成14年2月13日に指定商品の書換登録により、第1類、第3類、第5類及び第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品となっている。
(b)登録第2397781号商標は、「フォトイマージュ」の片仮名文字と「PHOTOIMAJU」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成元年2月18日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同4年4月30日に設定登録されたものであり、指定商品については、その後、平成14年5月15日に指定商品の書換登録により、第9類及び第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品となっている。

3 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)本件商標の要部と認められる「PHOTOIMAGER」から生ずる「フォトイマージャー」の称呼と引用各商標から生ずる「フォトイマージュ」の称呼とは、印象が薄い語尾部分における「ャ」と「ュ」の相違及び語尾長音の有無の相違に過ぎないから、称呼全体に与える影響は少なく、全体の語調・語感が極めて似たものとなり、両商標は、相紛らわしい類似の商標である。また、本件商標が「フォトイメージャー」と称呼されるとしても、引用各商標との差異音「メ」と「マ」は、いずれも鼻子音(m)を共通にし、母音の(e)と(a)も近似音であるから、相紛れやすい類似した音といえるものである。
また、本件商標の要部と認められる「PHOTOIMAGER」と引用各商標の欧文字部分については、前半の欧文字「PHOTOIMA」を共通とし、残りの「GER」に対して「JU」の相違に過ぎないため、外観上も類似する。更に、両商標は造語であるが、両者に共通する「PHOTO/フォト」の部分からは「光、写真」の観念が生じ、相違する部分においても「映像」を連想させるものであるから、観念上も類似しているといわざるを得ない。そして、両者の指定商品も同一又は類似のものである。
(2)引用各商標は、本件商標の出願前より、「化学品、電気絶縁材料」に使用されており、本件商標の出願時には既に、レジスト及び電気絶縁材料を取り扱う業者間において広く知られていたものであるから、本件商標がその指定商品について使用された場合には、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれが極めて強いものである。
(3)したがって、本件商標は、その指定商品中の第1類「ソルダーレジスト,エッチングレジスト,プリント配線板用レジストインキ,その他の化学品」及び第17類「電気絶縁材料」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから取り消されるべきである。

4 当審の判断
本件商標は、前記1のとおりの構成よりなるところ、「PHOTOIMAGER」と「TER-20」の文字の間に一文字余りの間隔があり、かつ、後半部の「TER-20」の文字がハイフンを伴い連結していることから、
「PHOTOIMAGER」と「TER-20」のそれぞれの文字が視覚上分離されて看取されるものである。また、文字全体を称呼するときは冗長に亘るものであり、かつ、文字全体を称呼、観念しなければならない格別の事情を見いだし得ない。そうすると、本件商標に接する取引者、需要者は、前半部の「PHOTOIMAGER」の文字部分に着目し、これより生ずる称呼をもって取引に当たる場合も少なくないとみるのが相当である。
そして、「PHOTOIMAGER」の文字部分は、「写真」等の意味を表す英語の「PHOTO」と、「画像、心象」等の意味を表す英語の「IMAGE」の名詞形である「IMAGER」とを一連に表したものと容易に理解し得るものであるから、全体として、「フォトイメージャー」の称呼を生ずるものとみるのが相当である。
他方、引用各商標は、前記したとおりの構成からなるところ、片仮名文字部分は、欧文字部分の読みを特定したものと無理なく理解されるものであるから、該片仮名文字に相応して「フォトイマージュ」の称呼を生ずるものと認められる。
そこで、この両称呼を比較するに、両者は、前半部分の「フォト」の音を共通にするとしても、後半部分において、「イメージャー」と「イマージュ」という音構成における明らかな差異を有するものであるから、これらをそれぞれ一連に称呼するも、その語調・語感を異にし、互いに聞き誤るおそれはないものというべきである。
また、本件商標と引用各商標とは、全体の外観において明らかな差異を有するばかりでなく、本件商標における「PHOTOIMAGER」と引用商標における欧文字部分の外観を比較してみても、両者は、後半部分とはいえ、明らかに字形の異なる「GER」と「JU」の差異を有するものであるから、通常の注意力をもってすれば、その外観を見誤ることはないものというべきである。
更に、本件商標と引用各商標とは、いずれも特定の意味合いを有するものとは認められないから、観念においては比較すべくもない。
したがって、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2008-06-19 
出願番号 商願2006-114607(T2006-114607) 
審決分類 T 1 652・ 262- Y (Y0117)
最終処分 維持  
前審関与審査官 齋藤 貴博 
特許庁審判長 伊藤 三男
特許庁審判官 岩崎 良子
藤平 良二
登録日 2007-07-13 
登録番号 商標登録第5062903号(T5062903) 
権利者 太陽インキ製造株式会社
商標の称呼 フォトイメージャーテイイイアアルニジュー、フォトイメージャーテイイイアアルニゼロ、フォトイメージャーテイイイアアル、フォトイメージャー、イメージャー、テイイイアアル 
代理人 櫻木 信義 

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