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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 Y09 審判 一部申立て 登録を維持 Y09 審判 一部申立て 登録を維持 Y09 審判 一部申立て 登録を維持 Y09 |
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管理番号 | 1181288 |
異議申立番号 | 異議2007-900400 |
総通号数 | 104 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2008-08-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2007-08-17 |
確定日 | 2008-07-09 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5048162号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5048162号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5048162号商標(以下「本件商標」という。)は、「mobazilla」の欧文字と「モバジラ」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、平成18年8月18日に登録出願、第9類及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同19年4月16日に登録査定、同年5月18日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立ての理由(要点) (1)「mozilla」標章の周知・著名性について 登録異議申立人モジラ・ファウンデーション(以下「申立人」という。)は、1994年に全世界で始めて普及したウェブブラウザであるNetscape Navigatorの開発者らを擁するAmerica online Inc.のNetscape部門の支援を受けて、米国において2003年7月に設立された非営利団体であり、「mozilla.org」の名称のもと、ウェブブラウザ等をフリーソフトウェアとして無償で提供するプロジェクトを引継いでいる。 申立人がmozilla製品として提供するウェブブラウザ「FireFox」は、2004年の公開時から着実にシェアを伸ばし、本件商標出願時である2006年8月の全世界的なシェアは、11.84パーセント、日本においても第2位のシェアを占めている。そして、申立人は、2004年8月に、Mozilla Japanを設立し、日本語のホームページ等を通じて、mozilla製品の日本における普及を図っている。 申立人及びmozilla製品である「FireFox」についての記事は、2004年8月以降、オンライン・メディアにおいては、ほぼ毎日掲載されており、日本経済新聞、日経パソコン等々の新聞、雑誌においても多数の記事が掲載されている。 以上から、「mozilla」は、申立人の名称の略称として著名であり、また、ウェブブラウザ「FireFox」やメールソフト「Thunderbird」といった申立人の提供する商品を表示する商標としても需要者の間に広く認識されていたものである(甲第5号証ないし甲第47号証、甲第50号証ないし甲第53号証)。 そして、本件商標については、商標権者の代表者の記者会見によれば、携帯電話の英語表現である「mobile(モバイル)」と申立人の名称である「mozilla」を組み合わせてもじったものであり、「モバイル環境でPC用のウェブページを表示するもの」であるとの意が込められていると紹介されている(甲第48号証及び同第49号証)。 (2)商標法第4条第1項第8号について 以上のとおり、本件商標は、他人の著名な略称を含む商標であるから、商標法第4条第1項第8号に該当するものである。 (3)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について 上記のとおり、申立人の使用に係る商標「mozilla」(以下「申立人使用商標」という。)は、申立人の提供する商品を表示する商標として広く認識されていたものである。そして、本件商標は、申立人使用商標の「mo」と「zi」との間に「ba」を入れたにすぎないものであるから、両商標は、外観及び称呼において彼此相紛らわしい類似の商標であり、同一又は類似の商品について使用されるものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当するものである。 (4)商標法第4条第1項第19号について 本件商標の採択の経緯からみれば、本件商標は、不正の目的をもって使用をするものといわざるを得ないから、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものである。 (5)以上のとおり、本件商標は、その指定商品・指定役務中の第9類「電子計算機用プログラム,電子通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」について、商標法第4条第1項第8号、同第10号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものであるから取り消されるべきである。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第10号について 本件商標は、前記のとおりの構成からなるものであるから、その構成文字に相応して「モバジラ」の称呼を生ずるものと認められる。 他方、申立人使用商標は、上記したとおり、「mozilla」の文字からなるものであるから、該欧文字に相応して「モジラ」の称呼を生ずるものと認められる。 そこで、この両称呼を比較するに、両称呼の差異は、中間における「バ」の音の有無の差異のみではあるが、「バ」の音は、それ自体、重々しく響く破裂音であって、響きの強い音として明瞭に聴取され得るものであるから、この音の有無の差異が両称呼に与える影響は決して小さいものとはいえず、全体としても4音対3音という短い音構成であることとも相俟って、これらをそれぞれ一連に称呼するも、その語調・語感を異にし、互いに聞き誤るおそれはないものといわなければならない。 また、本件商標と申立人使用商標とは、全体の外観において顕著な差異を有するばかりでなく、両商標の欧文字部分のみを比較してみても、中間部分とはいえ、「ba」の文字の有無の差異を有するものであるから、通常の注意力をもってすれば、両者の外観を見誤ることはないものというべきである。 更に、両商標は、いずれも造語と認められるものであるから、観念については、比較すべくもない。 してみれば、本件商標と申立人使用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標というべきものであるから、その余の要件について検討するまでもなく、本件商標が商標法第4条第1項第10号に該当するものとする申立人の主張は採用できない。 (2)商標法第4条第1項第8号について 本件商標は、その構成を分解してみれば、「mo」と「zilla」の綴り字を有するとはいえるが、本件商標に接する取引者・需要者は、一連一体に構成されたその構成から、「ba」の文字を除外して、上記文字部分のみを分離して把握することはないものとみるのが相当である。 してみれば、本件商標と申立人使用商標とは、別異の商標(標章)と理解・認識されるものであるから、本件商標は、他人の名称の略称を含む商標ということはできない。 (4)商標法第4条第1項第15号及び同第19号について 申立人の提出に係る甲各号証によれば、申立人使用商標は、我が国においても、ウェブブラウザやメールソフト等のアプリケーションソフトウェアの商品分野において一定程度知られているものであることを認めることができる。 しかしながら、上記したとおり、本件商標と申立人使用商標とは、判然と区別し得る別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして申立人使用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。 更に、本件商標と申立人使用商標との関係は、上記のとおりに解されるものであるから、本件商標は、不正の目的をもって使用をするものということもできない。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第8号、同第10号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2008-06-20 |
出願番号 | 商願2006-77208(T2006-77208) |
審決分類 |
T
1
652・
222-
Y
(Y09)
T 1 652・ 271- Y (Y09) T 1 652・ 25- Y (Y09) T 1 652・ 23- Y (Y09) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 大島 護 |
特許庁審判長 |
伊藤 三男 |
特許庁審判官 |
岩崎 良子 小松 里美 |
登録日 | 2007-05-18 |
登録番号 | 商標登録第5048162号(T5048162) |
権利者 | アクセルマーク株式会社 |
商標の称呼 | モバジラ |
代理人 | 鶴 由貴 |
代理人 | 東澤 紀子 |